原初龍神創世神話   作:天龍寺

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原初龍神創世神話の天龍武神が管理する
現世をコピーした写世での出来事を昔話調に書いたオリジナル神話物です
原初龍神創世神話同様学生時代に双子の片割れと中二病全開で考えてた物を自分解釈で纏め直した物なので辻褄が合ってるかは謎です
ですが思い出としてここに残そうと思います




失史龍神伝説

この宇宙が、まだ生まれて間もない頃。

 

三柱の龍神が、その若き宇宙を訪れたという。

 

一柱は、白と黒に彩られた長き胴と大いなる翼を持ち、万物を慈しむような優しい瞳を宿した巨大なる龍。

 

一柱は、白と紅を基調とした鎧のような強靭な身体に、逞しき腕と大いなる翼を備え、猛き炎を思わせる勇ましき瞳を持つ巨大なる龍。

 

そして一柱は、白と蒼に輝く流れるような鱗と長き髭、悠然とした身体を持ち、その眼差しには深き叡智が宿る巨大なる龍であった。

 

三柱は、生まれたばかりの宇宙を静かに巡っていった。

 

生まれゆく巨星と銀河を眺め、

 

互いを呑み込み合う星々を見守り、

 

光さえ届かぬ深き闇穴を越え、

 

数多の恒星と惑星を訪れながら、その若き宇宙の成長を見届けていたという。

 

ある時。

 

三柱は、何の変哲もない一つの銀河の辺境に辿り着いた。

 

そこには他の恒星と何ら変わらぬ一つの星が静かに輝いていた。

 

しかし、その恒星は何故か三柱の心を惹きつけた。

 

理由は誰にも分からない。

 

ただ三柱は、その星の周囲を巡る幾つもの惑星の中でも、恒星より三番目を巡る青き星から目を離すことが出来なかったという。

 

その星には豊かな水があり、

 

数多の鉱石が眠り、

 

若き大地は絶えず姿を変え続けていた。

 

三柱はその星を離れず、静かに見守ることにした。

 

時に空より新たな鉱石を宿した隕石が降り注ぎ、

 

時に大地は裂け、

 

時に海は熱を帯び、

 

時に風は世界の姿を変えてゆく。

 

三柱は何一つ手を加えることなく、その星の歩みを見届け続けた。

 

やがて永き時が流れた。

 

ある日、その青き海の片隅に、小さな命が芽吹いた。

 

あまりにも小さく、

 

あまりにも儚い命であった。

 

されど三柱は、その小さき命の誕生を心より喜んだという。

 

新たな世界に、新たな命が生まれた。

 

その喜びは、どの星を巡った時よりも大きかった。

 

三柱は変わらず、その命を見守り続けた。

 

命は海を満たし、

 

やがて姿を変え、

 

数え切れぬほどの生き物へと枝分かれしていった。

 

幾度も大地は揺れ、

 

幾度も天より巨岩が降り、

 

多くの命は滅びた。

 

それでも命は絶えることなく、新たな姿となって再び歩み始めた。

 

三柱は、その度に驚き、その度に喜んだ。

 

この星の命は、滅びを恐れず、何度でも未来へ歩もうとしていたからである。

 

さらに幾星霜もの時が流れた。

 

荒々しかった星は、いつしか青き海と深き緑の森に包まれた、美しき惑星へと姿を変えていた。

 

三柱は、その景色を静かに見つめた。

 

そして互いに頷き合ったという。

 

この星と共に歩もう、と。

 

されど、その巨大なる身は、この小さき星にはあまりにも大きすぎた。

 

三柱が共に留まれば、星そのものを傷付けてしまう。

 

そこで白と黒の龍は静かに微笑み、二柱へと告げた。

 

「私は、この星を巡る月へ身を置こう。

 

離れていても、この星を見守ることは出来る。

 

月より眺めるこの星も、また美しかろう。」

 

二柱は深く頭を垂れ、その言葉を受け入れた。

 

そして広き海を境に、西は白と紅の龍が。

 

東は白と蒼の龍が見守ることとなった。

 

その狭間には、後に人々の文明が大きく栄える広大な中央の大陸が横たわっていたという。

 

二柱はそれぞれ、その地に暮らす生き物の姿へと身を変え、この星が産んだ人々と数多くのことを授けながら、共に歩み始めたという。

 

火を扱う術を。

 

道具を生み出す知恵を。

 

言葉を紡ぐ喜びを。

 

時には争いを鎮める道を。

 

時には自然と共に生きる術を。

 

人々は三柱より授かった知恵を、世代を越えて受け継いでいった。

 

やがて集落は村となり、

 

村は町となり、

 

町は国となり、

 

人々は幾つもの文明を築き上げた。

 

その姿を見た三柱は、自らのことのように喜び合ったという。

 

しかし――

 

その平穏は、永く続くことはなかった。

 

遥かなる時空の彼方より、一柱の邪悪なる龍がこの宇宙へ姿を現したのである。

 

その龍は、命ある星々を餌とし、

 

命芽吹く世界を見つけては喰らい、

 

文明の産声さえ許すことなく滅ぼし続ける、災厄そのものであった。

 

数え切れぬほどの星々が喰われ、

 

幾多の命が生まれることなく消えていったという。

 

三柱は、その邪龍がこの青き星へ辿り着く日も遠くないことを悟った。

 

この星を見守ると決めた以上、逃れるという選択はなかった。

 

三柱は、この星を守るため立ち向かうことを決意した。

 

しかし邪龍もまた、一柱ではなかった。

 

その咆哮は時空を越え、

 

その叫びに応じるように、無数の眷属が現れたという。

 

その姿は様々であり、

 

龍に似たもの、

 

獣に似たもの、

 

人に似たもの。

 

あらゆる姿を持ちながら、ただ命あるものを滅ぼすためだけに生まれた化け物達であった。

 

三柱は、それらを迎え撃った。

 

その戦いは、あまりにも永く。

 

あまりにも激しく。

 

空は裂け、

 

海は沸き、

 

大地は幾度となく砕け散ったという。

 

人々もまた、その戦いをただ見ていたわけではなかった。

 

己らを導き、守り続けてくれた三柱のため。

 

そして未来を生きる子らのため。

 

世界中の人々は力を合わせた。

 

邪龍を穿つ巨砲を築き、

 

星の海を翔ける巨船を造り、

 

邪龍と渡り合う鋼の巨人を生み出した。

 

人と龍。

 

その垣根を越え、世界は一つとなって戦ったという。

 

されど、その戦いの全てを知る者は、今は誰一人として存在しない。

 

余りにも多くの命が失われ、

 

余りにも多くの文明が滅び、

 

その戦いの記録もまた、長き時の流れの中へ消えてしまったからである。

 

今に残るのは、

 

三柱と人々が共に邪龍へ立ち向かったこと。

 

そして、勝利を掴んだという事実だけである。

 

その代償は、あまりにも大きかった。

 

邪龍は滅びた。

 

しかし三柱もまた、深き傷を負った。

 

中でも最初の龍は、邪龍と相討ちとなり、生と死の狭間を彷徨うほどの傷を受けたという。

 

白と黒の龍は、静かに二柱へ語った。

 

「我が身は、もはや月へ帰ることは叶わぬ。

 

ならば、この星の中心にて奴の中核を封じ、その番人となろう。

 

我が命が尽きぬ限り、邪龍は再び蘇ることはない。」

 

二柱は、その言葉を止めることが出来なかった。

 

最初の龍は地球の深奥へと降り、

 

誰一人辿り着けぬ場所で、邪龍の中核をその身に抱き、永き眠りへ就いたという。

 

残された二柱もまた、深手を負っていた。

 

されど最後の力を振り絞り、

 

最初の龍が眠る地を幾重にも封じ、

 

さらに、万が一に備え、邪龍の魂だけをその肉体より引き離した。

 

魂は二つに裂かれ、

 

西と東。

 

遥か離れた二つの大地へ、それぞれ封印されたという。

 

全てを終えた二柱もまた、その力を使い果たした。

 

封印の守護を、人々へ託し。

 

再び邪龍が蘇る日が訪れぬよう願いながら。

 

それぞれの地にて、己の存在を神器に移し替え、静かな眠りへ就いたという。

 

そして人々は、三柱との約束を胸に刻み、その封印と文明を、代々守り続けたのである。

 

それから、どれほどの時が流れたのか。

 

かつて三柱と共に邪龍へ立ち向かった者達は皆、この世を去り。

 

その子らも、孫らも、やがて土へ還っていった。

 

されど、人々は約束だけは忘れなかった。

 

封印を守ること。

 

三柱が再び目覚めるその日まで、この世界を繋ぎ続けること。

 

その想いは、長き時を越えて受け継がれていった。

 

やがて封印の地には幾つもの王国が築かれ、

 

人々は豊かな文明を築き上げた。

 

しかし、永き平和は、人の心から過去を遠ざけていった。

 

邪龍との戦いは伝説となり。

 

三柱の姿は神話となり。

 

真実を知る者は、いつしかごく限られた者以外、誰もいなくなっていた。

 

そして、運命の日は訪れる。

 

法を犯し、西の大陸に追放され、二つの大陸の狭間に広がる中央大陸へ流れ着いた者達。

 

その中に、邪龍の残滓へ魅入られた者が現れた。

 

彼らは禁じられた封印へ足を踏み入れ、

 

決して開いてはならぬ封を破ってしまう。

 

その瞬間。

 

封印されていた邪龍の魂はその怨念と共に解き放たれた。

 

闇は天を覆い、

 

大地は悲鳴を上げ、

 

影より数多の魔物が生まれ落ちた。

 

山は崩れ、

 

海は荒れ狂い、

 

世界そのものが滅びへ歩み始めたという。

 

西の王は、東の皇へ救援を求める使者を送り、自らは守護神殿にて祈りを捧げた。

 

すると、大地は静かに割れた。

 

その裂け目より現れたのは、一隻の巨大なる方舟。

 

あまりにも神々しく、

 

あまりにも巨大で、

 

西の民すべてを乗せられるほどの船であったという。

 

王は民を乗せ、

 

王子を乗せ、

 

忠臣達を乗せた。

 

そして自らは僅かな兵と共に神殿へ残り、最後の封印の儀へと赴いた。

 

その日、西の大陸は光と共に海へ沈み、その姿を永遠に消したという。

 

方舟に残された民は涙を流しながらも、西王の遺志を継ぎ、東の大陸を目指した。

 

しかし、その東でもまた、同じ悲劇が始まっていた。

 

東の封印もまた破られ、

 

邪龍のもう半身が解き放たれていたのである。

 

東の皇もまた必死に抗った。

 

西より訪れた方舟の民も力を貸した。

 

されど、その力をもってしても邪龍の災厄を止めることは出来なかった。

 

やがて東にも巨大なる方舟が現れ、

 

民を乗せ、

 

東王朝もまた、大陸と運命を共にした。

 

西と東。

 

二つに裂かれていた邪龍の魂は、再び一つとなった。

 

その姿はかつてほどの力を持たぬ魂だけの存在でありながら、

 

なお世界を覆い尽くすほどの禍々しき力を宿していたという。

 

しかし、方舟には希望もまた遺されていた。

 

遥か昔。

 

三柱と人々が共に戦った時代より伝わる鋼の巨人達。

 

そして、それらを操る術。

 

西の王子。

 

東の皇太子。

 

二人は祖先より受け継がれた使命を胸に、世界を救うため立ち上がった。

 

東西の民もまた一つとなり。

 

人々は再び、龍と共に歩んだ時代のように心を重ねた。

 

激しき戦いが始まった。

 

鋼の巨人は幾度となく倒れ。

 

数多の勇士が命を落とした。

 

それでも誰一人、歩みを止める者はいなかったという。

 

長き戦いの末。

 

ついに二人は邪龍を追い詰めた。

 

邪龍は静かに笑い、こう語ったという。

 

「我らは喰らう者。

 

世界を渡り、

 

時を越え、

 

命ある星々を喰らい続ける存在。

 

今は敗れよう。

 

されど我が肉体ある限り、魂は再び戻る。

 

その日を楽しみに待つがよい。」

 

そう言い残し、邪龍の魂は光の中へ消えていった。

 

世界には再び青空が戻ったという。

 

しかし、その代償は決して小さくなかった。

 

二隻の方舟は戦いによって深く傷付き、

 

もはや空を飛び続けることは叶わなかった。

 

西の王子と東の皇太子は決断した。

 

すべての民を新たな大地へ降ろし、

 

方舟を眠らせることを。

 

人々が降り立った後。

 

二隻の方舟は静かに海へ沈み、

 

その姿を永遠に隠したという。

 

人々は各地へ散った。

 

ある者は深き森へ。

 

ある者は広き砂漠へ。

 

ある者は高き山々へ。

 

ある者は豊かな河のほとりへ。

 

そして、それぞれが新たな国を築いていった。

 

西の王子は東の皇女を娶り、西の大陸を望む地へ国を築いた。

 

東の皇太子は西の王女を娶り、東の海を望む島へ新たな王国を築いた。

 

こうして世界は再び歩み始めたのである。

 

さらに幾千年もの時が流れた。

 

人々は繁栄し、

 

文明は栄え、

 

そして再び、多くの歴史を積み重ねていった。

 

されど。

 

あの日の戦いを知る者は、もはや誰一人として存在しなかった。

 

語り継がれた伝承は幾度となく姿を変え。

 

真実は風化し。

 

断片だけが世界各地へ散っていった。

 

ある地では『ノアの方舟』となり。

 

ある地では『パンドラの箱』となり。

 

ある地では『アトランティス』となり。

 

ある地では『ムー』となり。

 

ある地では『造化三神』となり。

 

ある地では『龍』や『ドラゴン』となり。

 

ある地では『世界の終わり』として語り継がれた。

 

互いに繋がることのない神話。

 

決して交わることのない伝説。

 

人々は、それらを皆、別々の物語であると信じて疑わなかった。

 

しかし、その断片は確かに語っていた。

 

遥かなる昔。

 

世界には三柱の龍が在ったことを。

 

そして、人々は一度だけ。

 

龍と共に世界を守るため戦ったことを。

 

その真実を知る者は、今はもう誰もいない。

 

失われた歴史は、ただ神話となって世界に残り続けるのみである。

 

されど。

 

世界から災厄が消えたわけではない。

 

闇は今なお、人知れぬ場所で静かに息を潜めている。

 

そしてまた。

 

当てられし者達は動き出す。

 

失われし肉体を求めて。

 

止まっていた機械仕掛けの歯車が静かに動き出す。

 




読んでくださる方がいれば
ありがとうございました


文才は無いので読みにくかったかもしれませんがご容赦ください……


8/6/30
読みやすいように加筆修正しました。

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