【全話挿絵】TS女神転生~合体事故?でジョブは死霊でした。憑依スキルを使った女性たちの様子が変なんです。 作:よっちゃ
かなりエッチな内容になっていますので、ぜひお読みください。
ノクターンノベルズで
『TS女神転生』や作者名『よっちゃR18』でご検索ください。
R18版をむしろ本編としてやっていきたいと考えています。
第10話
魔法陣から現れた、紫色の魔人に向けてゴキブリ領主が叫ぶ。
「さあ魔人よ、私を喰らえ。ひとつとなり共に女神を滅ぼそうぞ」
二匹の化け物がふたつに重なり、互いを喰い合うように同化していく。
「くそっ! 神聖魔法アブソリュートゼロ!」
合体完了まで待ってやる必要はねえ! 俺は神聖魔法を容赦なくぶっ放す。
光の柱が合体中の化け物を包み込む。
「やったか!?」
「ふふふ、おいたが過ぎますよ、可愛らしい女神様」
「なに!? 効いてない……いや、あれ? それちょっと効いてるよね? おまえの体の一部が無くなってるもん」
合体中の二匹の体が、一部削られていた。
「え? ちょっと待て。なっ!? くっ、早く同化を!」
「合体を待ってやるほど、お人好しじゃねえぞ!」
「汚物は消毒浄化よ!」
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しかしあと一歩というところで合体が完了してしまう。どうにも神聖魔法の
現れたのは醜悪な姿の汚らわしい巨大なナメクジの怪物。ウネウネと触手のようなモノが動いている。
クソっ! 一旦仕切り直しだ。
まずはこの女騎士のスペックを確認する。
◆◆◆◆◆◆
エリーゼ・フォン・ルーベルト
種族:人( 17 )
ジョブ:姫騎士 ( 没落貴族 )
スキル:不屈
致命傷を受けても即死しない
没落貴族令嬢。
17歳。経験なし。
彼氏、婚約者は無し。
伯爵家の令嬢でありながら剣を執った女騎士。 人々は尊敬と憧れを込め彼女を“姫騎士”と呼んだ。
領主に捕まり陵辱されそうになっても、くっ殺せと、最後まで誇りを失わなかった不屈の闘志を持つ。
男社会での経験が長く、そのせいで可愛らしい女性に興味……
少々特殊な性癖を持っており……
◆◆◆◆◆◆
おっとこれ以上はいい。
ふむ、基本的なスペックは悪くない。
さて、どう戦うか。
巨大なナメクジの魔人がぬらりと身体をうねらせる。触手が床を這い壁を舐め、空気そのものが腐っていくようだった。
あんなおぞましくて穢らわしい生き物。触れただけで犯されそうだ。
「ふふ……喰ってやるぞ……」
このおぞましい化け物には顔がふたつ付いていた。
ひとつは元領主の汚顔。
そしてもうひとつは……
「この我を、中途半端に呼びだすとは」
「き、緊急事態だ、あの女に女神が降臨している」
魔人はゆっくりとこちらに“顔”らしきものを向けた。この世の全ての醜悪さを極めたような醜顔だった。
「ほう……なるほど。これはこれは……」
ぬらついた視線が、エリーゼ──いや、エリーゼに憑依している“俺”を射抜く。
「女神の力を感じる。だが、弱い。
まだ完全な女神ではないな……」
「ふん、魔人とか言ったな、そんな顔で生きてて恥ずかしくないのか? 生まれてしまってごめんなさいTS女神さま、と言ってみろ」
「アハハハ。余裕だな可愛らしい女神よ。なあに、すぐにズタボロに穢し命乞いをさせてやる。
お前に勝ち目などないのだから」
「よく言われるから言われ慣れてるんだけど、それでも可愛いって言ってくれてありがとうございます。
だけどそれとは別に、醜悪世界大会があったらおまえがぶっちぎりで優勝だからね? それくらい気持ち悪いよ?」
俺はすかさず浄化魔法を食らわせる。
しかし先程といい、効果が薄い!?
魔人は
「なぜ神聖魔法が効かぬのか、わからぬ顔をしているな。ふふふ」
こういうバカは、怯えた顔をすれば気持ちよく話し出すタイプだ。
俺は「くっなぜだ」と動揺する振りをする。
少し目に涙でも溜めてやろう。
「フフフ、そんな顔をするな。いいだろう……教えてやろう」
ほら始まったじゃん。
「この世界の神は──女の神であった」
「女神は慈悲深く、清らかで誰からも愛された。しかしそれに嫉妬した、醜い別の女神がいたのだ。醜い女神の嫉妬心から生まれた存在。そうだ、この世の醜悪さから──我ら魔人は生まれた」
話が長くなりそうだな。イライラしてきたぞ。
「すみません、ちょっと話が長くなりそうだし、三行でまとめてもらえませんか?」
俺は丁寧にお願いする。
「魔人よ、こんなふざけたやつはもう食ってしまおう。しかしあの女神が憑依している女は惜しい。何とか女神の霊体だけを引き剥がせないか」
「そう急かすな」
顔のふたつある汚ナメクジが、好き勝手に話してくれやがる。
俺なりに今までの情報で推測してやろう。
「とにかくあれだろ? 女神の神聖魔法が効きにくいのは、
お前らはその醜悪な女神から生まれた存在。
だから女神に対して何か絶対優位を持つ。
それで、この星の女神様はやられちゃったと。
と、こんな感じじゃねーの? 知らんけど」
「ほお、その通りだ。
女の神に対して我ら魔人は絶対優位を持つ、まさに女神殺し」
魔人が触手を振るう。
床に刻まれた古い魔法陣が、妖しく光った。
「神聖魔法、祈り、浄化── それらはすべて、女の神性に依存している」
「つまりだ……」
魔人は愉快そうに告げた。
「女の攻撃は、我には通じぬ」
「……っ!」
嫌な予感がしたその瞬間だった。魔人の触手が弾丸のように放たれる。
「くっ──!」
咄嗟に神聖魔法で結界を張る。
──ズンッ!! 凄まじい衝撃。
エリーゼの身体が吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
その際、俺もエリーゼの体から弾き出されてしまう。
「が……っ!」
視界が揺れる。
死霊体に攻撃された?
「……女神さま、ここは……私が抑えます。女神さまは……どうかお逃げを!」
エリーゼがフラフラと立ち上がり、俺を守るように前へ出る。
「女神さま……お早く」
「バカ言うな!」
「これは……私の戦いです!」
その声は震えていた。
だが、目は死んでいない。
「私は……エリーゼ、エリーゼ・フォン・ルーベルト!」
魔人が鼻で笑う。
「愚かな女だ。
まずは貴様から殺してやろう」
触手が再び放たれる。
「斬る!!」
エリーゼが残った力を振り絞り、剣を振り下ろす。
──ドンッ!! 鈍い音。
触手がエリーゼの脇腹を抉る。
「ぐ……ぁ……!」
血が床に散った。
「エリーゼ!!」
「……め、めがみさま……はやく……」
立っているのが不思議なくらいだった。
スキル《不屈》が命を繋いでいる。
「なぜだ……なぜ、おれを庇う……」
息を切らしながら、エリーゼは言う。
「貴女様は……この世界の、希望。この絶望の大地を照らす、女神さまなのです……!」
「魔人よ、その娘を殺すな! 私のお気に入りだぞ!」
「黙れ侯爵よ、ならば喰ってしまえばいい」
「それではダメだ! 私に代われ、私が穢すのだ」
二匹の化け物が醜く言い争いを始める。
さっきの一撃でまだ頭がクラクラする。クソっ何か方法はないか! ミーナやニキと憑依しても同じだ。
女の神である女神の攻撃をほぼ無効化できるなんて…… でも、さっきは多少は効いていた、なぜだ?
俺は、なんだ?
前世はTS好きで。
眼鏡で。
そして日本人。
──―の男だった!!
そうだ俺は男だ!
男の俺が……女の神になってるんじゃないか!
男だけど女神! そんな矛盾した存在が俺なんだ!
俺の中で、何かが弾けた気がした。
「ウヒヒ、エリーゼよ。さあ……取り込んでやろう。怖がることはない。 私と……ひとつになるのだ」
「貴様に取り込まれるくらいなら、死んだ方がマシだ!」
「ウヒヒヒ、愛いのう、愛いのう」
「おいナメクジ。おれのエリーゼに臭え顔を近づけるな」
「神聖魔法アブソリュートゼロ!」
「ぎゃああああああああああ」
穢らわしく、汚らしいナメクジの化け物が吹き飛び体が四散する。
「な、な、なぜだああああ」
飛び散ったナメクジの肉片が、ビチビチウネウネと蠢いている。
ふう、こんな醜悪なバケモン、とてもミーナやニキには見せられねえぞ? ここに二人がいなくて本当に良かったわ。
「おれも上半身しかないせいか、すっかり忘れていた事がある」
「それは、おれが……俺だってことだな」
「女の神である貴様の攻撃など効かぬはず!」「ひいいい、何とかしろ魔人よ、消えるう、侯爵である私が消えるうう」
俺は肉片共にもう一発浄化魔法をぶち込むと、上空へ舞い上がり超上から目線で言ってやる。
「どうしてか聞きたい?」
「うーん、どうしよっかなー。別に教えてあげてもいいんだけど、いくらくれる?」
ケラケラと笑いながらからかってやる。
「くっ」
エリーゼが片膝を付く。
おっと、馬鹿共と遊んでいる場合じゃない。エリーゼを回復しなきゃ。
「すまんエリーゼ、今回復してやる。神聖魔法、聖回復!」
かなり強力でモリモリな回復魔法をエリーゼにかけてやる。
ん? 何か力が抜けてくる気がするぞ。
「女神様! お身体が……かなり薄くなっています! 早く、私の中にお入りください!」
やばい! 俺は慌ててエリーゼに憑依する。
ふう、確かにまた力がみなぎってくる気がするな。霊体のまま力を使いすぎると、まずいことになるのかもしれん。
「やっぱりエリーゼの中は最高だな、すごくあったかいぞ。なあ領主さんよ? おれたちは二人の美少女が合体。お前たちは二匹の化け物が合体。化け物同士、居心地はどうだ?」
「おい、汚物合体した魔人と領主。他に何か話す事はないか? 浄化する前に聞いてやるよ」
「お、おのれ女神よ、ふふふ、しかし魔人は私一人ではない、貴様の行く先には第二、第三の……」
「ごめん、やっぱもういいや。さよなら浄化」
「ぎゃあああああああ」
俺は魔人だった方の肉片に、トドメの浄化をかける。
「残るはお前だなゴキナメ領主」
俺は体の主導権をエリーゼに渡してやる。
( エリーゼ、お前の好きにしろ。今のお前にも浄化魔法が使えるように手を貸そう )
「ひいいい」
エリーゼが領主だったナメクジの肉片に一本近付いた。