【全話挿絵】TS女神転生~合体事故?でジョブは死霊でした。憑依スキルを使った女性たちの様子が変なんです。   作:よっちゃ

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ノクターンでR18版を掲載しています。
かなりエッチな内容になっていますので、ぜひお読みください。
ノクターンノベルズで
『TS女神転生』や作者名『よっちゃR18』でご検索ください。
R18版をむしろ本編としてやっていきたいと考えています。


第12話 神聖魔法リザレクション

 第12話

 

 結局ミーナとニキに捕まった俺は、魔人が召喚された魔法陣を叩き潰した後、秘密の地下牢を後にした。

 

「……終わった、のか」

 

 エリーゼの喉から掠れた声が漏れる。だが安堵する暇はなかった。

 

「TS女神さま、地下に囚われていた人々なんですが、こっちに……」

 

 ミーナの声が沈んでいる。駆け寄ると、そこには助け出された捕虜たちが横たわっていた。

 

 傷だらけで衰弱しきった人々。その中に──小柄な獣人の少女がいた。獣の耳は垂れ下がり尻尾は動かない。

 

「……間に合わなかった……」

 

 ニキが首を振る。

 

「私たちが助け出した時には、もう……」

 

 

 やはり犠牲者がいたか。それはもちろんわかっていた事だ。しかしこの事実がやけに胸に突き刺さる。

 何か、TS女神である俺にしか…… 出来ない事があるような気がする。

 

 TSを(つかさど)る女神としてこの少女を清め、そして安らかに送ってやることか、

 

 それとも…… 俺は、はっと思い出した。

 

(そうだ……)

 

 霊体のまま放った神聖魔法。

 そしてエリーゼに憑依して使った時の、それ。

 

( 今までは常に、ミーナかニキに憑依していたので気が付かなかったが、威力が全然違ったぞ )

 

 俺は今は霊体だ。

 もし誰かに憑依している方が、魔法の効果も高いのなら。

 

 この世界に来て、俺に体を差し出してくれた三人をじっと見つめる。

 

「……ミーナ。ニキ。エリーゼ」

 

 三人が同時にこちらを見る。

 

「……三人で、ちょっと抱き合ってくれるか?」

 

「は?」

「え?」

「……はい?」

 

 三人の反応がきれいに揃った。

 

「理由はあとだ。いいから、三人で……こう、体を近づけて、くっ付いてみてくれ。なるべくきつく」

 

「ええええ! こんな時に何言ってるんですかTS女神さま!?」

「一体何をするつもりなの?」

「TS女神様なら何か考えがあっての事だろう」

 

 説明している時間も、色々と試してみる時間もない。ただ、できるような気がする。

 

 この直感にかける。

 獣人の少女の魂がまだここにあるうちに。今ならまだ間に合う。

 

「……早くしろ、おれを、信じてくれ」

 

 短く、それだけ言った。

 

 沈黙が流れ、

 

 やがて──エリーゼが一歩前に出た。

 

「……分かりました」

 

 彼女は剣を床に置きミーナとニキを引き寄せる。戸惑いながらも、三人は自然と── 互いの体温を感じる距離で抱き合う形になった。

 

 その瞬間。

 

 ──これだ! できる!

 理由は分からない。だが、前世の眼鏡が狂喜し、何かできる確信があった。

 俺は意識を広げる。

 三つの体に、魂に同時に触れるように。

 

「……っ!」

 

 三人が息を呑む。

 

 次の瞬間── 力が溢れた。

 今までとは比べ物にならない。

 

 三人と同時に憑依する。

 

 三位一体じゃなくて……

 

 “女神”としての感覚が完全に戻ってくる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……四位一体合体だ!」

 

 俺は静かに魔法名を告げた。

 

「──神聖魔法リザレクション

 

 光が屋敷中を満たす。

 柔らかく、温かく、それでいて圧倒的な光。

 

 その光が獣人の少女の身体を包み込む。裂けた皮膚が塞がり、失われた命が──引き戻される。

 

 少女の胸が大きく上下した。

 

「……あ……」

 

 閉じていた瞳がゆっくりと開く。

 

「……あれ、わたし。ここは……?」

 

 死者蘇生、まさに神にしか扱えぬ究極の奇跡。

 

 光が収まると同時に俺は憑依を解く。

 三人はその場にへたり込み、肩で息をする。

 

「……とんでもない力だった……」

 

 エリーゼが呆然と呟いた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「うおおおおおおおおおお」

「TS女神様!」

「どこまでも付いて行きますぜ!」

「ティーエス! ティーエス! DVD!」

「ヒャッハー」

「もっと尻を叩いてください!」

 

 そして上がるバカ共の大歓声。おい、DVDってなんだ?

 

 冒険者、囚われていた人たち、そして屋敷の警備兵共までもが尻を振り乱して叫ぶ。

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 その時── 遥か遠く世界の各地で。

 

 誰の手にも触れられていないはずの古い神殿の鐘が、ひとりでに鳴り響いた。

 封じられていた聖遺物は再び光を宿し、忘れ去られた予言書の文字が、まるで意思を持つかのように勝手に書き換わっていく。

 

 

 ──水の都ベネザエラ。

 

 白亜の大聖堂で、聖女は胸に手を当て静かに息を呑んだ。

 

「……今、確かに感じました」

「とてつもなく大きな……神聖力。女神さまのお力を」

 

 

 

 ──魔王城。

 

 水晶球を覗き込んでいた一人の魔族が、ゆっくりと口元を歪める。

 

「……まさか」

 

 その背後で、小さな魔王が不思議そうに首を傾げた。

 

「今、とても大きい力を感じたぞ?」

 

 魔族は答えず、ただ低く笑った。

 

「……いや、神は死んだはずだ」

 

 

 こうして── 世界は、再び動き始める。

 

 

 

 

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