【全話挿絵】TS女神転生~合体事故?でジョブは死霊でした。憑依スキルを使った女性たちの様子が変なんです。   作:よっちゃ

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ノクターンでR18版の執筆を始めました。
元々少しエッチなエピソードが多いので、R18版の方がよりハーレムメンバーとのやり取り(意味深)を描写できていると思います。特にイラストは気合いが入っています。 ぜひノクターンでR18版もお楽しみください。


第15話 眼鏡 これでいいのだろう さあ寝よう

 第15話

 

 その日は朝から大忙しだった。

 まずは領主の館の浄化。

 地下牢だけでなく屋敷全体に染みついた血と怨嗟を、神聖魔法で浄化、清めて行く。

 

 逃げ隠れしていた孤児たちを集め、まずは腹いっぱい飯を食わせ、シラミと汚れを神聖魔法【パーフェクト・クリーン】でピッカピカにし、病んだ者には回復を施す。

 

 行政庁舎として使う区画を決め、倉庫の棚卸し、財宝の仕分け、税の暫定(ざんてい)ルール作り。

 

 そんな猫の手も借りたいほどの忙しさの中、

 

 ──気づけば、日が落ちていた。

 

「……いやー今日は働いたな」

 

 死霊体のまま宙に浮かび俺は小さく呟く。

 肉体はないが確かに精神的な“疲労感”はあるのだ。

 

「じゃ、今日はここまでだ。夜は一杯飲みに行くか──」

 

「酒場だ!」

 

 ミーナがぱっと顔を上げる。

 ニキはもう期待に満ちた笑み。

 エリーゼは表情を崩さないが、歩幅が少しだけ早い。

 

 こうして俺たちは、ギルド併設の酒場へ向かった。

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 夜のギルドは昼とは別の顔をしていた。

 昼間は復興の拠点だった場所が、

 今は笑い声と酒の匂いに満ちている。

 

「おー! 我らがTS女神様だ!」

「おめえら! TS女神様と美少女お連れ様方に席を開けろ!」

「TS女神様、もう飲んでますぜ!」

 

 長机には豪快に並べられた料理。

 俺の指示で、領主の館から持ち出した上等なワインが惜しげもなく開けられていく。

 

「お前らも頑張ってるからな、じゃんじゃん飲んでいいぞ!」

 

「おおっ! これ高いやつだろ!」

「TS女神様、太っ腹!」

「ヒャッハー! 朝まで飲むぞ!」

 

 冒険者たちの歓声が上がる。

 

 俺自身は霊体だから、食べたり飲んだりっていうのはできない。けど憑依していれば、何となく雰囲気だけは感じる。

 

 俺はまずはミーナに憑依した。この世界の成人は16歳だから、当然ミーナも飲めるわけだ。

 

「えへへ……TS女神さまが、私の中に入ってきたぁ……やっと、ひとつになれましたね」

 

 変な言い方をするんじゃない! まあ、実際その通りなのだが。

 

 ミーナに憑依した状態で酒を飲んでも残念ながら味はわからない。しかし、ミーナが感じる満足感や幸福感みたいなのは感じる事ができる。

 

 そこで俺はミーナ、ニキ、エリーゼと憑依を繰り返し、それぞれの体で俺なりにこの時間を楽しんだ。

 

 

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てぃ、えーつ、めーがみーさまぁ……」

「……わたしのこと、好きですかぁ……?」

 

 ミーナはすでにぐにゃぐにゃだった。酒に弱いんだったな。

 

 さっきからずっと 「好きって言ってください」を三十回くらい繰り返している。

 

「だから、さっきから好きだって言ってるだろ!」

 

「ほんとにぃ? どのくらいですかぁ?」

「どーこーが、すき、なん、ですかあ?」

「わたしの、ぼでぃだけが、すきなんですかあ? からだだけが、もくてきですかあ?」

 

 これ俺一人だけシラフなのは地獄だぞ。こうやってずっと絡まれるのか? 

 

 

「もっと、もっとわたしを、叱ってよぉ!」

「わたしは……てぃえす……めがみさまの……ものなんだから……もっと、すきにして! めちゃくちゃにしてよ!

 

 ニキはずっと変なテンションで絡んでくる。

 猫みたいにじっと俺を見つめながら、人に聞かれたら誤解されそうな事を言っている。そういや獣人と人とのハーフだったな。見た目は完全に人だが。

 

 

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「今日は、いっぱい、おしり、たたいてもらうからね」

「ここで……たたいてほしい。ねえ、わたしのおしりにあるしっぽ、みるでしょ? みせてあげる」

 

 ズボンを脱ごうとするニキ。

 

「わかった、わかったから。後で好きなだけ叩いてやるし、尻尾も見てやるから。いきなりズボンを脱ごうとするな!」

 

「いひひひ、やったー。ねえ……はやく、わたしにも……憑依してよ。おんなを待たせないで!」

 

 変な言い方をするな、誤解されるじゃねえか。

 

 冒険者共がさっきからニヤニヤ見ていやがる。てめえら後でシバキ倒すからな。

 

 

「騎士とは……騎士道とは、しかし私はTS女神さまに……」

「全身を憑依され……ひひひ……あんな……太くて硬い棒まで……無理やりに……こ、この手に持たされ……はあはあ……ぼう……私は棒。TS女神さまの棒を、わたしは持たされている」

 

 

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 エリーゼはテーブルの端で棒を握りしめ、誰に聞かせるでもなく棒が、棒がとブツブツ呟いていた。

 

 それ、ひのきのぼうの事だからね、武器だから。それでスライムとか叩き潰してたから!

 

 

 まったく。あまりこの三人には酒を飲ませない方がいいかもな。

 しかし俺一人だけが飲めなくて冷静だし、女三人は結構うっとおしいのだが、不思議とこんな時間も悪くない気がしている。

 

 人間とは労働の後に、このように一時、バカになる時間も必要なのだ。

 

 あ、俺……今ちょっと女神っぽい事言った?

 

 

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 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 笑いと酒が進み、気づけば冒険者共はもちろん、ミーナ、ニキ、エリーゼの三人も完全に出来上がっていた。

 俺がどのように三人に絡まれていたかは、思い出したくもない。

 

 酒場を出た途端、三人は足元がおぼつかなくなり、自分の足では歩けない──

 俺は仕方なく、四位一体合体で三人に同時憑依を発動する。

 

「はあ、あったかい」「やわらかいの、ムニュッとした」「キャハハ、お酒くさーい」

 

 三人が抱き合うように引っ付いたまま一つの生物のようにフラフラと歩く光景は、周囲の冒険者の語り草になった。

 

 

 常宿となった、この街で一番の宿の部屋に入った瞬間。

 

「……ベッド……」

「……もう、むり……」

「……TSめがみさま、いっしょに……」

 

 どさっ。

 三人まとめて倒れ、そのまま動かなくなる。

 

「……はぁ、こいつら」

 

 俺は神聖魔法を展開した。

 

「神聖魔法【パーフェクト・クリーン】」

 

 酒と汗と埃が淡い光に包まれて完璧に消える。これで今日は沐浴はしなくても良いだろう。ピッカピカの一年生みたいにピカピカよ。

 

 服はどうしようかな、もうこのままでもいいか面倒だし。

 まったく世話のかかるやつらだ……

 

 

「……おかあ……さん……わたし……しあわせだよ」

 

 ミーナの寝言。

 

「…………」

 

 確か、こいつら三人とももう親はいないんだっけな。

 俺は憑依相手の事は……けっこう深いところまでわかってしまう。

 

 ミーナの親はかつてそれなりの冒険者だった。人々を守る戦いの中、魔王軍に殺されたようだ。

 

 ニキの獣人の母親も、ニキをスラムに捨てた後に行方知れず。子を守るためそれしか方法が無かったのだろう。今は……十中八九消されたか。

 

 伯爵だったエリーゼの両親も、あのゴキブリクソ侯爵に嵌められ処刑されたんだったな……

 

「……チッ」

 

 小さく舌打ちしながら、 俺は手に神聖魔法を(まと)わせた。

 

 こいつらは…… まだ成人したばかりの、酒の飲み方も知らんガキだ。

 

 ここは年長者( 18 )でTS女神の俺が、導いてやらねばいかんな。

 

 乱暴にならないように丁寧に優しく服を脱がせる。女として恥をかかせないように気を使いながら下着を変え、寝巻きに着替えさせてやる。

 

 まったく、だらしなくよだれを垂らしながら寝やがって。

 

 ハンカチでよだれを拭いてやり、

 まるで母親のように、

 一人ずつ髪を整え布団をかける。

 

 どうせ俺は死霊体よ、睡眠など必要ない。

 

 良い夢を見られるようにと、神聖魔法を(まと)った手で、交互に三人の頭を、顔を撫でてやる。

 

 こらニキ指を舐めるな。ミーナ! 胸を押し付けてくるんじゃない! こいつら本当は起きてないか?

 

 

「……前世の俺よ。TS好きで日本人の眼鏡、

 これでいいのだろう?」

 

 誰にも聞こえない声で呟き、

 

「さあ寝よう」

 

 そして灯りを落とした。

 

 俺の体に、眠りはいらぬ。

 それならば…… 戦いの

 

 街の見回りに出掛けようとして、一人では移動が出来ない事に気が付いた。

 

 ふうむ、朝まで何しよっかな。

 

 TS女神直轄領【ティーエス】は、 ようやく本当の意味で眠りについた。

 

 

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 伝説のラストシーン

 

 ユリア これで いいのだろう

 さあ 行こう

 おれの 墓標に 名はいらぬ

 死すならば 戦いの 荒野で

 

 

 

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