【全話挿絵】TS女神転生~合体事故?でジョブは死霊でした。憑依スキルを使った女性たちの様子が変なんです。   作:よっちゃ

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ノクターンでR18版を掲載しています。かなりエッチな内容になっていますので、ぜひお読みください。ノクターンノベルズで『TS女神転生』や作者名『よっちゃR18』でご検索
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第2話 テンプレとは女神特有の未来予知

 第2話

 

 村を出てからすでに半日が経っていた。

 俺は──正確にはミーナの体に憑依した状態で、舗装もされていない街道を歩いている。

 

 夕暮れが近づき空が赤く染まり始めたころ、ミーナが小さく息を吐いた。

 

「……TS女神さま。そろそろ、日が沈みます」

 

「ここまでご苦労さま。疲れたよね。ここで野営をしようか」

 

 俺はミーナに取り憑いているだけだから疲労は全くと言ってない。いや、死霊だからか? とにかく、ミーナにあまり無理はさせられない。

 

 疲れない、腹も減らない、眠くもならない。

 俺はミーナから少しだけ距離を取って、宙に浮かぶ。

 

「ミーナ、おれはどう見える?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「はい、TS女神さまはとても美しく、神々しく、可愛らしいお姿です。その、上半身だけで、下半身はありません。あ、あと、む、胸が大きいです!」

 

 ふむ、胸が大きい上半身だけの美少女か。

 

「……そうか、ありがとう。暗くなる前に夕食を済まそう」

 

 ため息が音もなく空気に溶ける。

 ミーナは焚き火を起こし簡単な食事を済ませると、毛布にくるまって横になった。

 

 安心したような寝顔だった。

 

 ……無理もない。

 村は救われ、命も尊厳も失わずに済んだのだから。

 

 だが──俺は違う。

 

 眠れない俺は焚き火の向こうで腕を組み考える。

 俺は何者だった? 思い出そうとしても、(かすみ)がかかったように記憶が抜け落ちている。

 

 名前は思い出せない。

 年齢も、職業も。

 

 ただ、ひとつだけはっきりしている事。

 

「……おれは、眼鏡をかけた日本人だったな」

 

 それは不思議なくらい確信があった。

 言葉の感覚、常に目にあった眼鏡(とも)

 

 そして──

 

「TSが、好きだった」

 

 それもやけに鮮明だ。

 TSという物語ジャンルが好きだった? 

 だが、肝心の「TSが何の略か」は思い出せない。

 

「すなわち、おれという存在は、日本人(ニホンジン)眼鏡(メガネ)TS好き(ティエスズキ)の3つの要素(エレメント)しかなかったのか? しょーもないやつだな」

 

 性別は、多分男だったのだろう。理由はわからないが、私、より、俺、と言う言葉が自然に出るし。

 今は上半身だけなので特にそれ以上思うこともない。何となく、下になにか(とも)()()のが残念な気もするが。

 

 まあいいか。気を取り直して俺は自分のステータスを確認する。

 

 ◆◆◆

 

 種族:TS女神 ( 18 )

 ジョブ:死霊 ( ユニーク )

 スキル:憑依 ( B )

 種族魔法:神聖魔法( 弱体化中 )

 

 概説

三身合体により、TS好きが女神に転生した望み通りのTS女神転生。

 現在、女神としての力は弱体化されている状態。バストはDカップ。

 

 ◆◆◆

 

 ミーナの話によると、この世界にはジョブがあるらしい。

 ミーナはくすぐり師で俺は死霊? ゴーストって事だよな?

 このユニークっていうのは何だ? 個性的、珍しいみたいな意味か? 

 

 女神で死霊だなんて、確かに珍しくはあるんだろうが。何か嫌な予感がする。

 

 三身合体? これは一体何の事だ? 

 よく分からないが、無茶しやがって、という感じはする。

 

 そしてこの、TS女神。

 

 やはりTSとは属性的なものだろうか。愛の女神のような、TSを(つかさど)る女神? なのかもしれない。

 

 それでTS好き? 

 ふむ、よくわからないな。

 

( 18 )というのは年齢の事だろう。

 生前はこんなに若くなかった気がする、が。

 バストは、まあいいだろう。けっこう大きいのか? 

 

 スキル【憑依(ひょうい) 】は現在も使用中だし、言葉通りだ。B はスキルのランクだろうか? 

 しかもこのスキル、憑依相手の事がある程度わかるようだ。

 

 試しにミーナについて深く知ろうとする。

 

 

 ミーナ

 種族:人 ( 16 )

 ジョブ:くすぐり師

 スキル:くすぐり ( E )

 

 辺境の村で生まれ育った。現在16歳。彼氏なし。

経験なし

 希望のないこの世界で、妹に少しでも笑ってもらいたいと願い、よく妹をくすぐっているうちに、ジョブとして顕現。

 

 根は優しく、しかし強い意志を持つ性格。

 バストはB。しかし成長中。

 敏感な体の部位は……

 男性より女性に好意を持ちやすく……

 

 おっと、これ以上はいけない。

 知ろうと思えば、まだまだわかる気がする。

 

 ふむ、では可動範囲はどうだろうか。

 試しにミーナから離れてみる。

 

 ……五メートル。

 ……八メートル。

 ……十二メートル。

 

「……ここらが限界か」

 

 それ以上進もうとすると、見えない壁に阻まれる感覚があった。

 

「つまり、誰かに取り憑いてないとほぼ行動不能ってわけか」

 

 なるほどね。

 TS女神でジョブは死霊。

 

 

 

 

ダメだこりゃ。

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 翌朝。

 

 ミーナが目を覚ました瞬間、俺は声をかけた。

 

「いいかミーナ。今日は気をつけろ」

 

「え?」

 

「こういう旅路ではな……必ず何かが起きる。テンプレがそう告げている」

 

「テンプレ?」

 

「……おれにもよくわからんが、女神の持つ予知能力的な物だろう」

 

 

 歩き始めてしばらくすると、遠くから怒号と悲鳴が聞こえてきた。

 

「ほら来た」

 

「えっ、本当に……?」

 

 街道の先。

 馬車が止められ、十数人の男たちに囲まれている。テンプレ通りの盗賊。

 実に分かりやすい馬鹿共だ。

 

「……TS女神さま?」

 

「よし、また体を借りるぞ!」

 

 俺は即答し、ミーナとの繋がりを深くする。

 

「行くぞ」

 

「はい!」

 

 盗賊たちは、こちらに気づいて嘲笑(あざわら)った。

 

「ヒヒヒ、えらいべっぴんな女じゃねえか? それに、なんだ? 美少女の、ゴースト?」

 

 次の瞬間。

 

「悪即斬──スキル発動。【くすぐり】」

 

 空気が震えた。

 

「ぎゃははははは!!?」

「な、なんだこれ、ひ、ひいっ!」

 

 盗賊たちは一斉に地面に転がり、腹を抱えて笑い転げる。

 

「ひゃはは、や、やめ……! く、くすぐるなぁ!! ああ、そこは、そこはだめええ、

魂はくすぐっちゃらめえ

 

 汚らしい盗賊共が嫌な声を上げ始め、ぐったりと力なく横たわった。

 

「よし、汚物の無力化完了」

 

 俺は満足げに頷き、小汚い盗賊たちに命じた。

 

「全員、その(けが)らわしい汚尻を出しなさい」

 

「「「え?」」」

 

「聞こえなかったか? ズボンを脱いで貴様らの異臭のする小汚い汚尻(おしり)をこちらに突き出せ! と言いましたよ」

 

「い、いや、その……」

 

 逆らえるわけがない。

 男どもは涙目でズボンを下ろした。

 

「……このミーナの綺麗な手で、汚ケツなど触りたくもないからね」

 

 俺は近くに落ちていた()()()()()棒切れを拾う。

 

 

──バシン! 

「ぐああ!?」

 

──バシン! 

「ひいい!!」

 

「大方、生活苦から盗賊に堕ちたのだろう! この薄汚いシリアナ共が! 

 

 腫れ上がる汚尻。

 涙と鼻水。

 TS女神による、見事なまでのわからせだった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

「……も、もう、盗賊はやりましぇん!」

「な、何でもします、いえ、させていただきます」

 

「よし、その言葉、貴様らの魂に刻み込んだぞ。女神的なアレでな!」

 

 俺は満足し、ミーナの村へ行くように告げる。復興と警備の手伝いなど、する事は山ほどある。

 

「「はい! TS女神の(あね)さん!!」」

 

「……誰が姐さんだ!」

 

 だが、盗賊たちはキラキラした目で俺を見ていた。

 

「オイラたち、TS女神教の信者になります!」

 

「ふん、勝手にしろ」

 

 その瞬間──

 体の奥に、ほんのわずかな力の増加を感じた。

 

「……なるほど」

 

 信仰によって能力が上がるのか? 女神らしいシステムだ。

 

 

 ミーナが、興奮した弾む声で言った。

 

「……本当にすごいです、TS女神さま」

 

「そうか?」

 

「はい。とても……暴漢共の、汚らわしいお尻を容赦なく打ち据えるお姿が、そ、その、すごく……素敵でした」

 

 俺は、少しだけ照れ隠しに笑った。

 

「……次は冒険者登録だ、女神スキル【テンプレ】がそう告げている」

 

 

 

 助けた馬車と、元盗賊共をミーナの村に向かわせ、

 

 

 死霊系TS女神と少女ミーナは、次の街を目指す。

 

 

 




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