【全話挿絵】TS女神転生~合体事故?でジョブは死霊でした。憑依スキルを使った女性たちの様子が変なんです。   作:よっちゃ

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ノクターンでR18版を掲載しています。かなりエッチな内容になっていますので、ぜひお読みください。ノクターンノベルズで『TS女神転生』や作者名『よっちゃR18』でご検索
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第3話 静まれ便器にこびりついた汚物共

 第3話

 

 前方に見える巨大な城壁が視界を覆った瞬間、俺は確信した。

 石と鉄で築かれた城塞都市。

 人の流れ、商人の声、衛兵の視線。

 そして──テンプレ的直感。

 

「どうかしましたか、TS女神さま?」

 

 ミーナが小声で聞いてくる。

 

「うん、このまま霊体のおれがふらふら入って行くと、色々と面倒事が起きそうだ」

 

 俺は意識を集中させ存在を極限まで薄めた。

 半透明どころか完全な不可視。

 この状態ではミーナにしか俺は見えないし声も届かない。

 

「お美しいTS女神さまがほとんど見えなくなってしまいました」

 

「ふふふ、会話はできるが静かに話そう。変なやつに思われる」

 

「は、はい」

 

「……じゃあ行こうか」

 

 ミーナはただの村娘として何の問題もなく門をくぐった。

 まずは第一関門クリアーだな。

 

 城門をくぐった瞬間、空気が変わった。

 土と血と汗の匂いが混じっていた辺境の村とは違う。ここには人の熱気と金の匂いがある。

 ……なるほど大きな街だ。石畳の道、左右に並ぶ露店、行き交う人、人、人。

 

 人族だけじゃない。

 猫の耳を揺らす獣人に背の低い小柄な種族。

 

 ミーナは少し緊張した様子できょろきょろと周囲を見ていた。俺はミーナに先っちょだけ憑依したまま、その横を誰にも見えないまま漂う。

 

 ……賑やかだが笑顔の数と同じだけ歪みもある。

 露店の影にボロ布を被った小さな影が蹲っていた。

 

 孤児だろう。

 汚れた顔に痩せた腕、虚ろな目。

 通り過ぎる大人たちは誰一人として視線を向けない。

 

 俺は弱体化しているとはいえ神聖魔法の使い手。

 回復と洗浄を混ぜた、ごく微弱なものを孤児に飛ばしてやる。

 それが孤児の体に触れた瞬間、その小さな身体がびくりと震えた。

 

「……?」

 

 孤児は周囲を見回し、何が起きたのかわからないままそれでも少しだけ背筋を伸ばした。

 俺はそれ以上何もしないし今はできない。

 

 ミーナがじっと俺を見つめていた。

 

 しかし…… 格差が激しいな。

 この規模の街でこの扱い。

 領主がまともならばもう少しマシなはずだ。

 

 ……まあ十中八九、腐ったウジ虫だろうよ。

 それもテンプレだと女神のスキルが告げている気がする。

 

「TS女神さま……」

 

 小声でミーナが呼びかける。

 

「だ、大丈夫でしょうか……私、場違いじゃ……」

 

「問題ない」

 

 俺は即答した。

 

「お前は胸を張って歩け。

 この街の連中より、よほど人間らしい」

 

 ミーナは少しだけ驚いた顔をして、それから小さく笑った。

 

「……はい」

 

 やがて見えてくる冒険者ギルドの建物。

 確信に近い予感。ここで必ず一悶着ある。

 

 俺は力を極限まで抑え完全に不可視となる。

 

「ミーナ。いいか」

 

「は、はい」

 

「何を言われてもまずはぐっと我慢し、無視しろ」

 

「……はい」

 

 ミーナはごくりと唾を飲み頷いた。

 

 そして俺たちは何も知らない顔をして、

 冒険者ギルドの扉を押し開けた。

 

 城塞都市の中心部にある石造りの立派な建物──冒険者ギルド。

 

 中に入った瞬間、酒と汗と鉄の匂い。

 屈強な冒険者たちの視線が一斉にミーナへ向いた。

 

 受付カウンターには整った顔立ちの美人な獣人女性が立っていた。

 

「冒険者登録をお願いします」

 

 ミーナの声は少し緊張していたが、しっかりしている。

 

 その背後から──

 

「おいおい」

 

 モヒカン頭の男が下品な笑みを浮かべて近づいてきた。

 

「ここはお嬢さんが来る場所じゃねえぞ」

 

(辛いかもしれんが、まずは無視しろ)

 

 俺は姿を消したままミーナに告げる。

 

 ミーナは言われた通り何も返さなかった。

 

「田舎娘か? 迷子ならさっさと村に帰りな」

 

 汚らしい笑い声。

 周囲の冒険者もゲラゲラと肩を揺らす。野蛮な奴らだ。

 

「では、こちらに手を」

 

 獣人受付嬢がスキルオーブを差し出す。

 ミーナが手をかざした瞬間── 光が走り表示が浮かび上がった。

 

 ジョブ:くすぐり師

 スキル:くすぐり

 

 一瞬の静寂。

 そして──

 

「ぶっはははは!」

「なんだそりゃ!」

「くすぐりで魔物倒すのかよ!」

 

 ギルド中が下品な爆笑に包まれた。

 

「おやめください!」

 

 美人受付嬢が声を荒げる。

 

「冒険者にはどんなジョブでもなれます!」

 

「そうは言ってもよお」

 

 モヒカンがミーナを見下ろす。

 

「悪いこと言わねえ。田舎に帰れ」

「可愛い顔じゃねえか、それとも、ヒヒヒ、夜の仕事の方を、紹介してやろうか? それとも、俺の女にしてやってもいいぞ?」

 

 

(……よし、殺しちゃお)

 

 

 俺は姿を現しモヒカンとその仲間達を睨みつけてやる。

 

「おいゴミクズ共、その小汚い口で()()()()()()を笑ったな?」

 

 ギルド内が凍りついた。

 

「な、なんだこいつ……ご、ゴーストか!?」

 

 可愛いミーナを笑ったクソ虫共に情けなど無用。

 

「ミーナ、ちょっと奥まで入るぞ! ゆっくり息を吐くんだ」

 

「は、はい! ん、んん、も、もっとおくまで、だ、大丈夫です」

 

 奥まで入ったことにより、より憑依の結びつきが強くなる。

 

「初めての時と比べて、だいぶ慣れてきたようだな。そして問答無用の、スキル──【くすぐり】」

 

 

「だいぶ慣れてきたようだな。そして問答無用の、スキル──【くすぐり】

 

 魂に直接届く感覚。

 

「ぎゃはははは!!」

「な、何もされてねえのに!!」

 

 笑っていた冒険者全員が床に転げ回った。

 

「や、やめ……ひひひっそこは、らめえ!! 魂はくすぐっちゃ、ダメええ! 

 

 俺はぐったりしている汚モヒカンを見下ろす。

 

「愚かなモヒカン頭よ、おれのミーナを笑った罰だ。貴様の汚らしい汚尻(おしり)を、出しなさい」

 

「あ、ああ、え?」

 

「早くしろウスノロが! ズボンを脱いで、貴様のそのモヒカンみてえな小汚ねえ汚ケツをこっちへ向けろ! とわたしは言いましたよ」

 

「ひっ……!?」

 

 俺は魔法使いが落とした適当な杖を拾い、それを容赦なくモヒの汚尻へと振り下ろす。

 

「ぎゃああああ!!」

 

バシン! 

 

「ミーナを笑った罪だ」

 

バシン! 

 

「貴様が泣くまで、叩くのをやめない!」

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

「何事だ!」

 

 2階から威厳ある男が降りてくる。

 

 そして男は見た。

 村娘に見える少女が、冒険者を罵りながら魔法杖で尻を打ち据えている。

 

 止めようと近づこうとして──何か不思議な力で進めなかった。

 

「……近づけん?」

 

「ギルドマスター、助けてください! この女が、突然モヒカンの兄貴をシバキ始めて!」

 

 ギルドマスターと呼ばれた男は、少女の執拗な汚らしいケツへの激しい仕置きを、ただ見ているだけしか出来なかった。

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 モヒカン冒険者が泣きながら少女に謝罪している。少女もそれで気が済んだのか、血の付いた魔法杖を投げ捨て手続きを再開していた。

 

 我に返った冒険者やギルドマスターが、少女にやり過ぎだなんだと非難の言葉を浴びせ始める。

 

「その上半身だけの半透明女は何者だ!? お前はゴーストに憑りつかれているのか?」

 

 その言葉を聞いた瞬間。

 少女──ミーナの表情が憤怒のものに変わる。

 

「 静まれ!  やかましいぞ、この、便器にこびりついた糞より劣る 汚物共め!  」

 

 空気を叩き割るような怒声がギルドを震わせた。 もはやそこにあったのは村娘のものではない

 

便所虫以下の脳ミソしかないお前ら如きが、軽々しく声をお掛けして良いお方じゃないのが、本当にわからないほど馬鹿なのか!? 

 

 こちらにおわすお方を、どなたと心得る!」

 

(T)界より、この肥溜めのような世界を粛清(S)するために降臨された──」

 

「 TS女神さま であらせられる!」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 ピカーとTS女神の体から神威が溢れ出す。

 

 

「モヒカンとその手下共、図が高いぞ!」

 

 ミーナが足元にいたモヒカン冒険者を蹴り飛ばす。

 

 

 冒険者たちは一斉に平伏した。

 

 

「は、ははーっ!! TS女神様」

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 その後、俺たちは冒険者登録の手続きを終え、ついでに数人の冒険者共から金を巻き上げ本日の宿へ。

 

 清潔な部屋で、もちろん沐浴(もくよく)設備付き。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あの……TS女神さま。わたし、そろそろ沐浴(もくよく)をしようかなと」

 

「ああ、体を洗うのか、すまん。憑依したままだと困るよな」

 

 俺は慌ててミーナから距離を取る。

 

「いえ、その……わたしは一緒でも……全然、構わないというか……、むしろ、一緒に洗いっこ、したいなって。さ、さっき、私のこと、 おれのミーナ って……言ったし」

 

 頬を赤く染めてモジモジするミーナ。

 

「小娘が、女同士で何を色気付いていやがる!」

 

 ミーナの尻を引っぱたいた俺の掌は、当然すり抜けた。

 前世の俺の()()()()()が、百合(ゆり)も好物などと訳の分からん事を告げている気がした。

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 ミーナは幸せそうに眠っている。

 俺はと言うと、する事もなくミーナの寝顔をぼんやりと眺めていた。

 

 その時、突然鍵が開く音がした。

 

「へえ、上玉だな」

「余計な事はするなよ。売れば金になる」

 

(……ふう、悪党というものは、ゴキブリみてえにどこにでも湧きやがるな)

 

 若い女と汚いおっさんがそっと部屋に忍び込んで来た。

 

 ふむ、しかしミーナを起こすのは可哀想だ。

 

 異臭のしそうなおっさん盗賊など死んでも御免だが、この若い女盗賊になら取り憑いてやっても良いだろう。

 

 憑依対象を定めニヤリと笑う。

 

 

 

 フフフ、人攫い共よ、お仕置きのお時間ですよ。

 

 




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