【全話挿絵】TS女神転生~合体事故?でジョブは死霊でした。憑依スキルを使った女性たちの様子が変なんです。   作:よっちゃ

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ノクターンでR18版を掲載しています。
かなりエッチな内容になっていますので、ぜひお読みください。
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『TS女神転生』や作者名『よっちゃR18』でご検索ください。
R18版をむしろ本編としてやっていきたいと考えています。


第8話 くっ殺せ、神よ悪魔に裁きを

 第8話

 

 攫われた人数が思ったよりも多かったこともあり、助け出した人々を連れ、俺たちは一旦冒険者ギルドへ向かった。

 捕えた盗賊ども、そして攫われていた人々からの事情聴取が進むにつれ、場の空気はどんどん重くなっていく。

 

「見目の良い女は……領主の館へ送られました」

「それ以外は……奴隷商です」

 

 今回は“出荷前”だったから助かった。

 つまり一歩遅ければ──そういう話だ。

 

 ギルドマスターは深く息を吐いた。

 

「……侯爵のやつめ。まさか、ここまでとはな」

 

 証言は揃ったが相手は領主。

 しかも上位貴族である侯爵家だ。

 この国において、貴族や領主の権限は絶対に近い。

 

 正直、ギルドとして正攻法では動きづらいらしい。

 

 しかし、俺としてはそんな事情は知ったことではない。今すぐにでも乗り込みたいが館の警備は厳重。

 噂では魔王軍の関係者すら出入りしているという。

 盗賊どもなど、所詮は末端にすぎない。

 

「……真っ黒だな。まっくろクソ助だ」

 

 そう呟いたこの時の俺はまだ知らなかった。

 すでにもう一人── 命を賭して、その“まっくろクソ助”を討たんと動いている者がいることを。

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 城壁の影を縫うように、一人の女騎士が館へと忍び込んでいた。

 名をエリーゼ・フォン・ルーベルト。

 かつて伯爵家の令嬢として花よ蝶よと育てられたが、何よりも彼女は剣を好んだ。

 

 しかしその伯爵家は── 侯爵によって濡れ衣を着せられ、一夜にして没落した。

 

「……必ず証拠を持ち帰り、家を復興させる」

 

 剣は冴え、外回りの警備兵を次々と沈めていく。

 

 そして──ついに領主の館へと潜入した。

 地下には多くの人々や獣人が囚われているという噂がある。

 だが彼女は単身。

 悪事を暴くには領主本人を押さえるしかない。

 

 

 女騎士は扉を蹴破り、領主の間へと転がり込んだ。

 

「何者だ!?」

 

 お気に入りの獣人の女を甚振(いたぶ)っていたこの街の領主──侯爵が手を止める。

 

「これはこれは…… 今は亡きルーベルト家のご令嬢、エリーゼ嬢ではございませんか」

 

「その女性を解放しろ、侯爵! 大人しくすれば、危害は加えない!」

 

 領主は、歪んだ笑みを浮かべた。

 

「ああ、エリーゼ嬢…… その美しいお顔。ずっと、お前を私のモノにしたかった」

 

 次の瞬間── 肉が膨れ、骨が(きし)み、“人だったもの”は二本の角を持つ異形へと変貌する。

 

「な……っ!」

 

 一気に形勢は逆転した。

 

 騎士として十分な実力を持つはずのエリーゼが、まるで歯が立たない。

 剣は弾かれ、壁に叩きつけられる。

 

「どこかへ逃げたと聞き、探していたが…… まさか、そちらから来てくださるとはな。私は運がいい」

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 鎖に繋がれ、自由を奪われた女騎士。

 

「……目が覚めたか」

 

 湿った笑い声が地下牢にこびりつく。

 

「その顔だ、エリーゼ・フォン・ルーベルト。没落しても……その目だけは、まだ死んでいないようだな」

 

「……黙れ。悪魔に魂を売った化け物め」

 

「化け物? この私が、か?」

 

 角の化け物は、愉快そうに笑った。

 

「ならば聞かせてやろう。

 お前の父が、どれほど愚かだったかをな」

 

 エリーゼの肩が、ぴくりと震える。

 

「お前の父、ルーベルト伯爵は── この私が、人身売買……特に獣人の取引をしているのではないかと疑った」

 

「だから、殺したのだ」

 

 ゆっくりと歩み寄り、耳元で囁く。

 

「──奴隷売買の証拠」

「──横領の帳簿」

「──魔族との密約文書」

 

「……っ!」

 

「有能な男だった。実際、全部“本物”だった。

 だがな……王に届く前に、伯爵家そのものを犯罪者にしてやった」

 

「獣人を対等に扱う領主? それは王都では“反乱の芽”だ」

「獣人を使った反乱計画。 奴隷売買の黒幕は──伯爵家」

「噂を流し、王を唆し、伯爵家を潰した。 すべて、私の手でな」

「伯爵は……毒殺した。 苦しみながら……それでも最後まで、お前の名を呼んでいたそうだ」

 

 

「……ちち、うえ……」

 

「どうだ、エリーゼ。生き延びたくはないか?」

「お前を私の愛玩にしてやろう。一生私の側でその美しい顔を歪ませ(さえず)るのだ」

 

「…………」

 

「お前はどんな歪んだ顔を見せてくれるだろうなあ?」

「ああ、そう言えば、お前が集めた“証拠”とやらも、無意味だ。王は動かん。もはや王都は我らの思うがまま」

 

「……じゃあ……私は……」

 

「エリーゼよ、美しい娘よ。お前は無駄な努力を重ねた。これからは、私の愛玩として生きて行くのだ」

 

「くっ……神が、神が必ず……貴様らを裁くだろう」

 

「うわははははははは」

 

「神? 神など、とうの昔に死んでおるわ!

 この世界は邪神様のモノ。

 魔王ですら、我ら邪の者の操り人形にすぎん」

 

 沈黙。

 

「さあ、まずは貴様の純潔を奪い、たっぷりと可愛がってやろう。奴隷としてな」

 

 

 そして──

 

「……くっ……」

 

 エリーゼは震える声で叫ぶ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「くっ……殺せ……!」

 

 

 涙が一筋、床に落ちた。

 

 化け物が容赦なくエリーゼの衣服を引き裂く。

 

 

「ころせええ!」

 

 

 叫ぶエリーゼ。

 

 この薄暗い地下牢で、いるはずのない神に助けを求める。

 

 

「神よ、どうか、ああ、神よ! この悪魔に裁きを!」

 

 

「ははははは!! おい、聞いているか神よ!?

 

 この哀れな娘を、助けてやったらどうだ!?」

 

 

 

 

 

「……はーい、聞いてますよ」

 

「じゃあ死んでね、神聖魔法アブソリュートゼロ!」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 




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