【全話挿絵】TS女神転生~合体事故?でジョブは死霊でした。憑依スキルを使った女性たちの様子が変なんです。   作:よっちゃ

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ノクターンでR18版を掲載しています。
かなりエッチな内容になっていますので、ぜひお読みください。
ノクターンノベルズで
『TS女神転生』や作者名『よっちゃR18』でご検索ください。
R18版をむしろ本編としてやっていきたいと考えています。


第9話 こんなやつ、やっちゃってもいいよね?

 第9話

 

 数刻前

 

 俺、ミーナ、ニキ、そして冒険者共の活躍で、領主の館はすでに制圧されつつあった。

 

「南棟、制圧完了しました!」

「西側回廊も異常なし!」

 

 冒険者たちの報告が次々と上がる。

 抵抗する兵はすべて、俺とミーナの必殺くすぐりコンボで無力化する。

 

 ニキが地下牢を発見し、鎖に繋がれた女や獣人たちが救い出されていった。

 流れるように事が進む。

 

 ──だが。

 

「……おかしいな」

 

 俺は時々ミーナの身体を離れ、壁や床をすり抜けながら館内を隅々まで捜索するが、

 

「領主のヤロウがどこにもいない」

 

 捕えた兵のケツをこれでもかとシバき倒し、涙ながらに吐かせても、返ってくる答えは同じだった。

 

「ほんとうに……(しり)……ません……」

「お許しを……領主の居場所は、(しり)ません……」

 

 俺の仕置きに嘘をつけるはずもないし。

 

 つまり──

 

「屋敷のどこかにいるのは確かだが、領主本人しか知らない秘密の場所なのだろう」

 

「どうだニキ、怪しそうな場所はあったか?」

 

「TS女神さま、やっぱり地下が怪しいけど、どこにもそれらしい入口はなかった。多分魔法的に隠蔽してあるんだ」

 

 ニキが歯噛みする。

 

「秘密の場所……特別な地下牢、か。なんでそんなのが必要なんだ? ゴキブリみてえに怪しいやつだな」

 

 館の地下は調べ尽くしたはずだ。

 だが、それでも“空白”があるのか?

 

 焦りが一行に広がり始めた──その時だった。

 

『……神よ……』

 

 かすかな声。

 誰の耳にも届かないほど、弱く、細い祈り。

 

 だが──俺にははっきりと聞こえた。

 

「何か聞こえた! ミーナはどこだ? いや、ニキ、こっちに来い。憑依するぞ!」

 

 俺はニキに憑依すると、すぐさま声の聞こえた場所へ向かう。

 

『悪に……裁きを! ……』

 

 それは女の声。

 祈りのような叫びだった。

 

「……ここか!? 多分ここの真下から聞こえる」

 

 俺はニキとの憑依を解き、死霊体のまま即座に床へと降下する。 石造りの床を抵抗なくすり抜ける。

 

「届くか!?」

 

 死霊体のままだと、十五メートル程しかニキから離れられない。

 

 地下、さらに下。 隠し区画があった。

 魔法の結界と偽装に覆われた怪しげな地下牢。

 

 そこに──―ギリギリ届いた!

 

 そして、鎖に繋がれた一人の女騎士を見つける。 裂かれかけた鎧。そして──目の前には、人の形を捨てた異形、角のある“化け物”。

 

 ゴミ虫め! ミーナの村にいたやつと同類か!

 

「ははは、神よ、この娘を助けてやったらどうだ?」

 

 なんだ? この汚怪人は俺に話しかけているのか?

 

 てめえに言われなくても!

 

「はーい、聞こえてますよ! いきなり神聖魔法アブソリュートゼロ!」

 

 姿を現すなり、全力でぶっ放つ!

 

「ぎゃあああああ」

 

 角を持つ異形が吹き飛び壁に激突した。

 

「ぐはああ、な、なんだ!? ゴースト? こんな所に迷い込むとは──いや、結界があるはずだ」

 

 言葉の途中。

 俺は躊躇なく手を掲げた。 バカめ、結界など女神的な力ですり抜けたわ!

 

「神聖魔法──汚物浄化」

 

 光が弾ける。

 

「ぐあああああっ!?」

 

 化け物の巨体を、今度は床に叩きつけてやる。

 

 あれえ、おかしいな。こんな汚らわしい汚物など最初の一撃で消し炭に出来たはずだ。 やはりミーナやニキに取り憑いていないと、神聖魔法の威力も落ちている気がする。

 

「な……なぜだ……ゴーストと言えど、なぜ領主で貴族である私を攻撃できる!?」

 

「はあ? 当たり前だろ、何言ってんだ? このゴキブリみてえな顔のくせに!」

 

 ついでとばかりに、もういっぱつ浄化魔法をお見舞いしてやる。汚角の化け物は悲鳴をあげて転げ回る。

 

「女、おれを呼んだのはお前か?」

 

 俺は鎖に繋がれた女騎士へ向き直る。

 赤い燃えるような髪。

 鎧は剥ぎ取られそうで、衣服は破れ白い肌からは血が流れていた。

 

「……貴女は……女の子のゴースト?」

 

「名乗るのは後だ」

 

 俺は指先を向け、女神的な魔法で手枷を外す。

 そして傷ついた体に神聖回復魔法をかけてやる。

 

「まずは立て」

 

 女騎士──エリーゼは驚きに目を見開いた。

 

「傷が治っていく。まさか、聖女様なのですか?

 そして……領主でもあり、上位貴族でもある侯爵を一方的に攻撃できるなんて…… 貴女様は高位の貴族なのですか? 平民では貴族に傷を付けることはできないのに……」

 

「ん? いや、違うぞ。

 そういえばこの世界では、下位の者が貴族や土地の支配者には攻撃できないんだっけか?

 おれは女神だから、多分そういう、この世界の縛りは受けないみたいだぞ」

 

 床に崩れ落ちた領主が、呻きながら笑う。

 

「は……はは……女神だと? 貴様のような死霊の女神が、いるはずが、なかろう……私は侯爵……この国の貴族に手を出せば、どうなるか……」

 

「お前のような貴族がいるか! って、化け物が貴族って終わってるなこの国も」

 

 死霊の体でどこまで出来るか、一度試してみるか。

 浄化魔法を放つのではなく、右手に(まと)わせるイメージ。

 手だけを実体化させてみる。

 

 その手で怪人汚角をぶっ叩いてやったら、気持ちよく吹っ飛んでいった。

 

「うう、降伏する。どうか命だけは……法の裁きを受ける……どうか……」

 

 はああ!? お前のような化け物に法もクソもあるか! 悪党のくせに命乞いなんてしやがって。

 TSを司る女神である俺が、この国の王や法になんて縛られてたまるか!

 

 だって、わたくし女神じゃん? 王とかより上だもん。 けっこう神ってわがままなのよ? 

 汚ないし、さっさと浄化しちゃって良いよね?

 前世の眼鏡も、やっちゃっていいって言ってる気がするもん。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 もう考えるのも面倒になってきたな。

 ま、いっか。やっちゃお。

 

 ふと隣の女騎士を見ると、拳が震えていた。

 

「おい女、お前とこいつにどんな因縁があるかは知らないが、酷い目に合わされそうだったんだろ?

 お前がトドメを刺したいって言うのなら、譲ってやろうか?」

 

「こいつが……父を……家を……」

 

 憎しみと、迷いが見える。

 

「どうする? こんな汚物に、情けなんかかけなくていいぞ」

 

 俺は静かに問う。

 

「それとも、おれが、やってやろうか?」

 

 女騎士は答えられなかった。

 

 その“一瞬”。

 

「……ははは、愚か者が!」

 

 汚角の化け物が床を這ってゴキブリのように素早く逃げ出す。

 いや、比喩じゃなく本当にゴキブリみてえな動きで素早い! あの黒いのにそっくりだ!

 

「クソっ待て!」

 

 追いかけようとしたが、見えない壁に阻まれるようにそれ以上先に進めなかった。

 ああ、もうっ! 可動範囲が短すぎるぞ!

 

「おい、女! 何か嫌な気がする。体を貸せ!」

 

「え、え? 体を?」

 

「説明している時間はない! スキル【憑依】」

 

 俺は女の体に憑依すると同時に、ミーナとニキに神聖魔法で念話を飛ばし位置を伝える。

 

「怪人ゴキブリー! 待ちやがれ!」

 

 女騎士に憑依した俺は、急いで化け物の後を追う。

 

 ふむ、この(ボディ)との相性も悪くは無さそうだ。

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 地下奥──

 

 光を帯びた魔法陣が起動していた。

 

「ははははは! 遅かったな! もう間に合わん! ここは元より──」

 

 化け物の狂気の笑み。

 

「──魔を呼ぶ召喚陣だ! 出でよ邪なる魔人よ!」

 

 地が唸る。

 

 俺は歯を食いしばった。

 何か、とてつもなく嫌な予感がする。

 

 魔法陣から不気味な光が溢れ出す。

 

 この感じ。かなり厄介で邪悪なやつが召喚されている。

 

 って、俺のバカ! ミーナとニキもいなければ、愛棒ひのきのぼうも持ってねえじゃねえか!

 

 

 そして魔法陣から、四本の禍々しい角を持つ、紫色の皮膚の魔人が現れた。

 

 

 

 




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