はーい!できたてほやほやの友達をぶっ殺すRTAはっじめるよー!緩やかな歩みを止めて呆然と立ち尽くしている『鎧』ことベアトリーチェちゃんに近づく俺ちゃん。さっきまでラップランドの『抑制』はこいつの言霊との干渉勝負で負けてたわけだけど、本体にそれを拒む術は持ち合わせてはいないはず。
よしんば『抑制』を拒む言霊を紡げたとして、その出力はかなりのモンになるぜきっと。その分ラップランドも出力するアーツは多くなるだろうけど、代わりに脆弱になった『鎧』の穴を俺が突いちゃるけんね!
一番の問題は狂ってるベアトリーチェはンな人間が思いつくような合理的な言霊を使うか?ってこと。誰も考えつかないような一手で俺らを壊滅に持っていきかねん怖さはずっと感じてて、ただそれが想像つかないってのがむず痒い。今や骸ルパートと用心棒に充てていた言霊のリソースは『鎧』の手元にあるわけだし?
まー結局のところ、俺らは『抑制』から入って、それが効きゃそのままボコす。効かなかったら気合いで俺がどうにかする。この択しか取れないわけ。ラップランドもそれを理解してるから、さっさと指を鳴らして『抑制』の合図を俺に知らせた。
〖La……Aaa……ゆめ、じゃ、ない…………?ゆめじゃ……ああっ……あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!!!〗
「うげっ……!『抑制』返しってか!?」
禍々しい言霊が具現化して、『鎧』を中心として波状に広がった。近づくにゃぶつかるしかなかったんで、波状に広がる言霊に突っ込んだんだが、即効性のある効果は無かった……と思いきや。『アーツ言語』を展開しようとしたら上手くアーツが練れなくなっちまった。
まだ少し遠いところにいるラップランドには波状は届くことなく霧散していったところを見るに、効果範囲は狭め?とはいえ丸腰で戦わにゃならんとな……キチぃ〜!
しっかし相手も『抑制』が効いてるはず……なんだけど、全部の能力が『抑制』できるわけじゃねぇのか?
きっとベアトリーチェ本人だけの力じゃなく、外的要因の何かが複雑に混ざりあっているから、『抑制』する対象が『鎧』一つじゃダメなんだ。
するってーと、どういった対象選択をすればいいのか、近付いて糸口を見つけ出さないといけない。でも近付けば発狂しているベアトリーチェの言霊で『抑制』紛いのアーツ没収が待ち受けている。はー、クソギミックボスって第二形態もクソギミックなこと多いよな〜。
「でもそれで終わらないのが俺って感じだよなー!」
こちとらラップランドをイジりにイジって常日頃から『抑制』されまくってんのよ!どんな感覚なのかとか、どういう原理で使えなくなるのかとか肌身に染みてるんすわ。裏でせこせこ考えてたのよォ、『抑制』対策の『アーツ言語』を……!って、使えないんじゃん!!!!ひーん……
「……どうしてこっちにノコノコ戻ってきたのかな? ボクのアーツも限度があるってことをお忘れ?」
「マジに怖い顔しないでよ。もっかい突貫するってば!この……『アーツ言語』でバフったらさ」
俺らの使う『アーツ』ってのは必要量のアーツエネルギーと出力したい『アーツ』の組成式みたいなのを演算して現象としてこの世に持ってくるんよ。
で、これは人によって様々。でも元を辿りゃ全部純粋なアーツエネルギーってわけ。じゃ、逆算してアーツエネルギーに戻すことも可能でしょ。
設定するのは『常時発動/自身に干渉する効果をアーツエネルギーに分解させる』かな。ほんで自分に付ける。
これであの言霊の輪の中に入ったとしても先に発動してた俺の『アーツ言語』が分解を始めて中和、エラーが起きて一時停止しても中和したスキに『アーツ言語』がまた分解の予約待ちを開始するって寸法よ。
ちな、逆算ができたからって『鎧』の言霊の再現やラップランドの『抑制』の再現はできないよ!だってこいつらの『アーツ』の組成式を知らねぇもん!がはは!
「うおおおお! 『アーツ』が使える!
使えるぞぉぉぉぉ!!!!」
解ける!この問題も解ける!やってて良かった公〇式!勝ったな、風呂入ってくる。え、それはフラグですって?またまたぁ……
〖Uuu……来るなぁっ!……堕ちろっ、お前も絶望に堕ちろぉぉぉ!!!〗
「あっ……これ不味ッ─────」
俺の『アーツ言語』で中和できるのはストック一個分だ。何度も何度もエグい物量で言霊ぶつけられちゃ『アーツ言語』の回復が間に合わない。ここにきてシンプルなスペックの差で負けちゃった☆
ふつーにやべぇよ。意識が暗転して、平衡感覚が失われていく。深い深い微睡みへと────沈む。
「………………はっ! ここは……?
うおっ、なっつかしいな……あの頃まんまの親父たちと住んでた家だ」
言霊による感応現象がもたらした、夢……ってところか?にしては木の柱を叩きゃ小気味いい音がなるし、家具の質感も触りゃ感じられる。……あの頃より背ぇ伸びたなぁ、俺。
「おいおい! これお袋が見てたオペラじゃねぇか!
……ベアトリーチェのお陰で、暗くてじめじめしたモンだと思ってたオペラも、こうやって楽しめるようになったよ、お袋」
このオペラが流れて、リビングがビビるくらい静かだった場面なんか一つしかねぇ。多分ガキの俺を寝かしつけて親父が俺の部屋から戻ってくる頃だろ。そんで、こんな夜更けに玄関をノックする誰かの訪問にお袋が対応に向かってる最中ってとこか?
「ここらへんは俺が見ることのできなかったシーンだ。……上手く『言霊』が補完してくれてんだろうな。
……そっか。もしかしたらイングリッドはこうやって……俺たちを殺しに来たのかな」
なんてことの無いように、ただ淡々と玄関の扉を開けたお袋の腹に剣を突き刺すイングリッド。何が起きたのか分からないって顔で、それでも中にいる親父と俺に危険を伝えようと必死に腹を抑えてリビングに戻ろうとするお袋。
最悪なことに、親父にはお袋がイングリッドにじわじわと追い詰められている風に映っただろうな。当然、愛する妻を傷つけられちゃキレるのが愛妻家ってもんだ。声は聞こえないが、かなりの怒声でイングリッドに詰め寄っているのが分かる。
「…………ああ、敵うわけねぇよなぁ…………」
怒りによって振り上げた左腕は、呆気なくイングリッドによって切断されちまう。痛みを実感する時間も与えてはくれないまま、喉にとすっ、と一刺しされて親父は膝から崩れ落ちた。簡単に、暗殺者の仕事は終わった。
同じように思ってるのか、血に濡れた刃をその場で一振りして血を払う素振りをするイングリッド。お袋は追撃を加えなくても勝手に失血死すると踏んだんだろう。
「……んで、バカな俺は隠れてりゃいいものを、出てきちまうと」
お袋があん時口パクで何を伝えたいのか、傍観者として見ている今なら分かる。「あなただけでもいきて」って言ってたんだな。……愛ってのは最もタチの悪い呪いだってどこぞで言っていたけど、本当だわ。アンタの願い通り、俺は今ものうのうと生きてるよ、お袋。
親父が「なんで出てきたんだ」って思った気持ちも分かるよ。遣る瀬無いよな。愛する妻も守れんで、失意の中息子さえ目の前で喪いながら死ぬかもしれないなんてさ。せめて……ってお袋と同じ気持ちになるだろうさ。
「…………あー、すげぇセンチな気持ちになってきた。こういう時って、なんでかスカっと泣くことができねぇんだよなー……」
悪いねベアトリーチェ。俺はこの絶望は死ぬほど見飽きてるんだ。こちとら頻繁に見てんだわ、これに近い悪夢をさ。何度も何度も繰り返し。来る日も来る日も毎回。
誰かを恨んでも、誰かを憎んでも、誰かを罵っても……今俺が死に損なっていて、親父とお袋を助けることができなかったって事実は変わらねぇんだ。復讐心が消え去ったとは言わねぇよ?でも、もう疲れたんだよ。
「…………いつまで自己中な夢見てんだ、この
今一度革の鞘からナイフを抜き、それをゆっくりと自分の首に宛てがった。なにすんのかって?夢って強烈な出来事で醒めることがあるよな。自分の首を掻き切って自殺すりゃ強烈が過ぎて目が醒めんだろ。
嘘くせえ赤々しい血飛沫を撒き散らしながら、ぐわんと揺れる視界をどこか他人事のように受け入れて、またもや全てが暗転した。正直、これで間違って現実でも自害してりゃあ……俺としては楽なんだが。
刃物と何か硬ぇものがぶつかって弾かれている音がする。金属と金属の衝突音。耳に響く喧しい音。……どれくらい意識をトばしてた?くそっ、目眩がしてうまく焦点が定まらねぇ……あ゛ーっ!成功したってのにその後が悪ぃなクソが。
「…………ってぇ、クソみてーな夢見て気分も悪いし……」
「あ、目を覚ましたかいお寝坊さん……っ!?早速だけど、さっさと武器を持ってボクの負担を減らしてくれると助かるよ!」
「わぁーってら。……少し待ってくれ、頭がガンガンして痛ぇんだって!」
ああ、この音はラップランドが『鎧』に丸腰で善戦してたから鳴ってたのね。悪いことしたわ、殺りますよ〜つってこの体たらくはね。ここにカチコミに来てからというものの、俺ちゃんってばいいところ見せれてなくね?むしろふにゃふにゃしてるところしか見せてないんですが?
「……ささやかな絶望をありがとさん、ベアトリーチェ」
お前がそんだけ周りを不幸せの渦に呑み込みたいのは、お前が幸せになりたいからだ。他人を蹴落として、自分の地位を上げて安心したいんだよな。「わたしはこれだけ不幸だけど、あなたたちはもっと不幸だ」という比較によって。
とはいえ、向き合う覚悟っていうの?それができたよ。あの頃の俺と、あの頃の惨劇をもう一度直視する機会を与えてくれてありがとな。俺にとっちゃ最後の気がかりを解消させてくれた、優しい絶望だったよ。でももう、いいかな。
「────今からお前の幸せを奪うよ」
残り少ないアーツをまっっじで超使う。ありったけだボケが。物質精製で約20発の弾丸を創り、射出しながら進む。既に撃ち出された弾丸には命令を遂行するだけの残りカスみてぇな『アーツ言語』しか残っていない。『抑制』モドキは既に軌道に乗った物理法則までは抑え込むことができん。
まばらに撃っているわけじゃなく、ある一箇所を狙って執拗に攻めている。正直どこにって決めてたわけじゃない。一番初めに直撃した弾丸に合わせて軌道を『アーツ言語』でズラすなり、無理やりナイフを使って弾いて向きを変えたりしてやっている。死ぬほど泥くせぇ。笑けてくる。
着実に脇腹あたりの実体化した言霊が削れていき、ヒビが割れていっている。回復されちゃあダルいんでね、爆速で接近するぜ俺ちゃんもよぉ……!
ナイフでちくちくぶっ刺して穴を空ける?それとももっかい弾丸創ってヒビを広げる?のんのん、そんなの非効率だろうが。さっきまで泥臭いことしてた俺が言うな?それはそう。
言霊の『鎧』にぴたと手を翳す。やるのは『任意に発動/暴発するアーツを放つ』だ。どこに設定すんのかって?局所的な対象選択で、このヒビの入った……『鎧』の一部分にだよ。
「──ラップランドォ! 指を鳴らせェ!!!!」
「駄目押しってぇ……コトだね!?」
『抑制』によって通常緩やかに出力が落ちるところが、若干の弱体化しか見込めず、少し『鎧』が柔くなったかというくらいに効果が落ち着いている。でもそれでいい。ヒビ割れていて、かつ柔らかくなったここにさっきの『アーツ言語』をぶち込めばァ────!?
〖…………ッ!?……Laaa……邪魔を、するなぁっ!!!!〗
自分に何が起きたのかを理解するのが遅かったなぁ?ベアトリーチェ!てめー狂いすぎて足元お留守なんだよバカがぁ!!!!
込められたアーツが言霊の『鎧』を膨張させ、なんか厳かでかっこいいと思うやつはかっこいいと言うだろうハンサムな姿を、見るに堪えないデブでブッサイクな形へと変貌させていく。
後は内部に溜まりに溜まったアーツを俺の手に握られている起爆装置……『アーツ言語』の発動権限を操作すりゃあ、爆散してお終いよ!爆発オチなんてさいてー!じゃ、発動するか。
「────おじょ、うさ、ま…………!!!!」
爆発するアーツが青白い閃光を発して目を潰す瞬間、相反する二つの言霊によって硬直していたはずの骸エリザが『鎧』の中に入っていたベアトリーチェを抱きしめ庇うようにして爆心地に飛び込んでいくのが見えた。
直接は戦ってないが、俺はエリザが確かに死んでいることを確認している。肩から腹にかけてチェリーニアが与えただろう大口の一太刀。出血も酷かった。あれじゃ助かるわけがない。
「…………死してなお、愛の力で蘇ったか」
最期に、自分の愛するベアトリーチェ……お嬢様を何としても死なせないためにエリザは自分を肉壁にして爆発から守り通そうとしているんだな。なんつーか、そこまで俺も命を賭して守りゃ良かったのかな。ちょっと羨ましいよ。
爆風に巻き込まれる寸前、ベアトリーチェだけはエリザの冷たい肌の感触と、既に自らが死んでいることを悟り穏やかな微笑みを湛えているエリザの顔を知ることができた。
劣化「塵界の音」は未だにベアトリーチェの不安定な精神を蝕んでいるが、死んでいると思っていたエリザとの不本意な再会によって、彼女はある程度の理性を取り戻すこととなる。
〖Eee…………エリザ? ……どうして、ほんとうは……〗
「おじょう、さま。 短いあいだですが、よく聴いてください」
〖…………わかったわ。 エリザ〗
「わたし、は……あなたのおとう、さまを。 あ、愛して……いました。 です、が……当のわたしは、愛されてなどいなかっ、た」
〖…………それは、わたしもね。 お父上は真にわたしを見つめては下さらなかった〗
「こ、の……シラクーザへと。追いやられた、とき……あなたは……『いっしょにしあわせになろう』と、言ってくださ、いました」
〖……くすっ、よく覚えているわね。そう、あの頃はみんなよりもしあわせになってやる!って気持ちで一杯だったの〗
「あのこと、ばで……わたし、はすこしだけ……心がかるくな、ったのです。
あれいらい、わたしはあなたを……むすめの、ように。たいせ、つに……想っていました」
〖…………うん。いつも寝坊するわたしを起こしてくれて……どれだけ迷惑がかかっても、そばに居てくれた〗
恐らくは、ずっと蓋をして言うつもりのなかった本心が死して今更になって溢れていくエリザ。ベアトリーチェは冷たいエリザの手を取って、強く握りしめながら目を潤ませても傾聴する姿勢を崩すことはなかった。
愛されたいと望んでいた少女は、確かに身近にいた家族同然の存在に愛されていたのだ。それは真に望んだ父親ではないけれど、それを超えるほどの真実の愛を与えてくれる存在はしっかりとそこにあったように思えた。
エリザにしても、誰かを愛することができるなんて思いもよらなかった。与えてもらいたいと思っていた自分が、娘のような存在を抱きとめるたび、胸が暖かくなるような気がするなんて。それをやっと認めるのに、自らの命を落とさなければならなかったが。
二人の今生の別れはせめて綺麗なものに……と。テラに神なぞ存在しないが、運命の悪戯か、エリザに一瞬の間だけ血が通い、熱を与えられたようだった。冷たかったエリザの手に温もりが灯り、固くなっていた筋肉が柔らかさを得ていく。次第に、途切れ途切れだった言葉も滑らかになっていった。
「お嬢様──いえ、ベアトリーチェ。貴女の事を愛しているわ。これからも、ずっと。どうか、貴女だけは……幸せになって」
〖……エリザ……ありがとうっ……わたしも……あなたをっ……!〗
様々な思い出がベアトリーチェの中に蘇る。
寝坊しがちなベアトリーチェを起こして髪の毛を梳いてくれたこと。
一緒にお風呂に入って、泡だらけの自分の頭に思わず笑ってしまい、エリザもつられて笑い出してしまったこと。
上手く寝付けなかったときは、優しく背を撫でて眠れるまで一緒にいてくれたこと。
どれもが大切な思い出で、もう取り戻せない暖かい日常。
眩い閃光と爆風によって微笑むエリザが消え去っていくのを、ただ泣いて見ていることしかできないベアトリーチェだったが、今までとは違い目を逸らすことなく彼女の死を受け入れて、その意識を手放した。
クソ長ぇ爆発が終わって、その中心にいたのは角も折れて色々と血だらけになりながら倒れ込んでいるベアトリーチェがいた。残念ながらエリザは跡形もなく消えちまったみたいで、どこを探してもエリザの形見すらなかった。
殺すつもりでやったし、それに後悔も怖気もなかった。なのにまた殺し損ねちまった。俺って殺し屋向いてないかもね、ちょっと存在意義がグラつきそう。
「覚悟を決めたのに、こんな結末で拍子抜けしちゃった?
でもボクはアッシュらしくていいと思うよ?ボロボロになりながら、お人好しらしく身近な人の死には悲しんだり、怒ったりするアッシュらしくてさ」
「……それ褒めてないだろ」
「あ、気付いた?」
今回の一件でちょっとラップランドは距離がいっそう近くなったような気がする。態度はいつもと変わらず貼り付けた笑顔が多い。何が違うかって言ったら……言葉が柔らかい?
今のもなんつーか、「ボクが死んだら悲しんでくれるよね?」みたいないつもの試し行為とは違った意味合いの含みがあったような気がするし。
一部始終を見届けていたイングリッドがベアトリーチェをお姫様抱っこしてこっちに向かってくる。え、トドメを刺せって?……ラップランド、ごめんマジのドン引きじゃんか。そうだよね、不謹慎だよね。だからそんな距離取らんで?泣くよ?
「この娘、今回の件で微量ながら源石に曝露している。今はまだ初期症状……内部での源石結晶の生成のみに留まるだろうけれど、加速度的に感染度は高まるだろう」
近付いてきて早々やばげなことを告げてくるイングリッド。マジか、鉱石病に罹っちまったか……。抑制剤って手配できなくはないんだけど、割高なんだよなぁ……。あとこれを売りつける医者も傲慢ちきだし、闇商人もぼったくってくる。態度が分かりやすいよ、マジで。
「……実はあるツテを持っていてね。あるサルカズの女性が設立した、鉱石病に対しての治療法を探し続けているというある組織が存在するらしい」
「んな夢物語なことあんの……? 嘘くさいんだけど聞く分には」
「……私も実は人づてに聞いた話で、眉唾物だと今でも思っている。けれど、この娘の身寄りはロクでもなさそうだし、一縷の望みにかけるというのもありなんじゃないかな?」
「一応聞くだけ聞いてやる。その組織の名前は?」
「──────バベルと言うそうだ」
うへ、前世の神話からするといやーな名前。バベルの塔……ってこと?当て嵌めるに……「絶対に完成しない理念・理想」ってところか?鉱石病の治療法……もしかすると、感染者の立場の改善とかも指してそう。マジでクソだな。
厄ネタの匂いがプンプンするけど、頼るしかないかもな。俺と一緒で、死に損なった……彼女のためにも。
一応バベルをもう一度読み直しつつファクトチェックしていますが、多分まだ1086年はめちゃくちゃバベルの時代です。なんならバベドクは起きていないはず。なんなら(2回目)アーミヤもまだいないはず。
あ、イングリッドがバベルの事を知っているという展開はオリジナルです。なんなら本編ではロドス名義になってから知ったと思われる描写がありました。ま、ここは一つオリジナル展開ということで許してちょ。大体史実には沿うので。
最後に、ベアトリーチェは多分補助オペで吟遊者でしょう