lamb nun   作:酔いどれ執筆者

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前回の掲示板回、好評でよかったです。

第2回も通常と並行して少しずつ書いてますので。
その際はよろしくお願いします。


こう、ポーン!と飛ぶみたいな。

「ラムさん、お見舞いに来ました。体調はどうですか?」

 

「ラム、また無茶をしたんだって?ホントに心配したんだから!」

 

ハナコさんとコハルさんが病室に入ってきます。

あれ?アズサさんの姿がありませんわ。

 

「今、アズサちゃんがひとりで戦っています。

ずっと、ひとりで…。居場所が違うんだ、って

それで私、どうしたらいいかわからなくなって。」

 

ヒフミさんの表情は暗い…。

やはり、あの時のカンは正しかった…

ですが、聖書の力が足りなかった?いえ、恐らく…。

おそらく、焼べる罪が足りなかった…と推察するのが妥当でしょう。

 

「こんな大変なことになって私に出来る事は…。

どうすれば、アズサちゃんを…。」

 

「それでも、ほっておけないじゃない!知ってるの私。

置いていかれる事とかひとりでいることがすごく悲しいって。」

 

「あい。そういうのは、寂しいですからね。」

 

コハルさんの意見にハナコさんも同意しています。

そうですね、アズサさんは私たちのと…友達ですもの。

 

「“ここまでずっとヒフミが引っ張って来てくれたんだよ。

みんなの努力はもちろんだけど、ヒフミがここまで頑張ってくれたから”」

 

たしかに、ヒフミさんは最初から今までリーダでした。

それは、間違いようのない事実。

 

「私は頑張った。でもその陰で、ヒフミがいろんな事を部長としてやってくれてた

そのおかげで頑張れたんだもの」

 

「そうですよ。ヒフミちゃんが頑張ってくれていたから私は

今ここにいるんですから。」

 

「ヒフミさん。貴女のおかげで私は補習授業部の仲間という

最も得難い、最高の友人を持つことが出来たんです。」

 

「コハルちゃん、ハナコちゃん。ラムちゃん!!」

 

「ラムって私たちの事そう思ってくれてたんだ。」

 

「まぁ♡」

 

いけません!すごく恥ずかしい事を言った気が…。

でも、これは本心ですし。恥ずかしいですが

まぁ、いいですわ…。

 

「“大丈夫。どうしても分からなくなったら私がいるから。”」

 

「はい、私。諦めません!アズサちゃんを助けに行きます!」

 

「私も、一緒に行くから!」

 

「みんなで、行きましょう。さっきのラムさんの言葉を

アズサちゃんにも聞かせてあげないとですし♡」

 

「アズサちゃんにあって今度こそ言いたいことを言います。」

 

私は、絶対安静でしょうね。

 

「ラムちゃんは、私がおんぶして行きますね!」

 

「ヒフミさん!?それは流石に無茶ですわ!!

私をおぶって走ったりしたら、ヒフミさんが疲れてしまいます!」

 

ヒフミさんから出た驚愕の言葉に急いで反論します。

ただでさえ全身、黒こげ危機一髪ですのに…。

ちょっと面白いですわね。

 

「ラムさん、またくだらない事考えてませんか?」

 

「え!?そんな、黒こげ危機一髪など…。」

 

「ラム、その…。あんまりおもしろくないし

ヘンテコな事考える癖、やめた方がいいよ。」

 

ハナコさんとコハルさんから憐みの目が

うぅ、ちょっとしたユーモアのつもりでしたのに…。

 

「ラムちゃんならそういうと思って。

これを用意しました!」

 

少し目を離したすきに居なくなっていたヒフミさんが

勢いよく病室へ入ってきました。

救護騎士団の方に怒られますわよー。

 

「え?なんですのそれ…。」

 

私の病室にヒフミさんが引いてきたのは

驚愕のカスタマイズが施されたリアカー?

 

「はい、これならラムちゃんを運べますね。

名付けてペロロ様リアカー!」

 

名前、そのまんまじゃないですか…。

それに乗せられてしまうのですか?私?

 

「そうと決まれば、善は急げです!!」

 

「私、まだ乗るだなんて。

あ、ハナコさんやめ。あーれー。」

 

こうしては私はペロロ様さんリアカーで運ばれて行きます。

安静にしなければいけないのに…。

 

「ふふっ…。ほんと、みなさん全力なんですね。」

 

少し苦笑しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

救護騎士団本部 廊下

 

 

空崎ヒナは急いでいた。

 

「アコ、それとみんなは無事かしら?」

 

私は通信で風紀委員の安否を確認する。

 

「委員長!、はいっ!全員無事です。」

 

安否を確認して私は安堵した。

そして、先程された先生のお願いを

アコに風紀委員全員に通達するように指示をした。

 

「みんな。準備して先生の指示まで待機。」

 

私は、風紀委員の待機先へと急ぐ。

その途中で聞こえてしまった。聞いてしまったのだ。

あの子の、私たちの恩人がどんな扱いを受けているのかを。

 

「あの穢れた血が本部に搬送されたけど黒焦げだったそうね。」

 

「角があるって噂のシスターなんて捨て置けばいいのに

救護騎士団もあんな患者でも直すのでしょう?可哀そうに。」

 

聞こえてくる言葉はなに?それって人の言葉なの?

明らかにあの子、ラムを罵るような言葉の数々。

もしかしなくてもわかる。理解できてしまう。

ラムがトリニティの生徒からどんな扱いを受けてきたのか。

 

「そん、な…。どうして?ラムは普通のシスターじゃない

ただ、角が生えてるって噂だけで…。どうしてそこまで…。」

 

急ぐ足が止まりそうになる。

彼女が受けたであろう陰口の数々を想像するだけで

胸が締め付けられるように痛む。

足は止めない、彼女が文字通り身を挺して守ってくれた

その恩に報いなければ。

 

「全部終わったら、またラムと話しましょう。

聞かなきゃいけない事がたくさんあるもの。」

 

そう呟いて、風紀委員待機場所へ急ぐ。

ふと、目に映ったガラスに私の表情を見た。

きっと今の表情をあのマコトが見たら泡を吹いて倒れるだろう。

それほどまでに怒気を孕んだ顔をしていた。





ペロロ様リアカー(非売品)

けが人をドナドナしていきます。
本編ではどうやって合流してたっけ?と読み返しつつ
けが人運ぶのリアカーでもまぁ良いかで出しました。
そして生まれたのが
トンチキカスタムリアカーペロロ様号

後半はもう少しヒナをシナらせようとしましたが
こーれは怒ってますね~

では、次回~
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