lamb nun   作:酔いどれ執筆者

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今回は気を失っているラムの過去回想です!

シスターフッドに入る前~入ってからぐらいです。

よろしくお願いします。


あなたの手に触れたから。

私の世界に色はありませんでした。

 

「このっ!そんな帽子で隠したって無駄なんだよっ!

生まれそこないの穢れた血め!なんで生きてるんだっ!!」

 

降り注ぐ暴力

何度も何度も口に出して言われる

生への否定の言葉と蔑みの言葉。

 

「みなさん!この穢れた血にお食事を恵んであげましょう!

三角コーナーの中身を持ってきて!食べさせてあげるわ!

薄汚いあなたにはコレで十分でしょ!早く飲み込みなさい!!」

 

なんの為に私はこの世界に産まれ落ちたのか

どうして私はこのような仕打ちを受けるのか

 

「貴女がそこに居たのが悪いの!貴女はずっと

私たちのガス抜きに使われるべきなのっ!」

 

答えの無い自問自答と永遠にも思える

暴力と暴言の雨に打たれて、私は砕け散る。

 

「もう…いや…どうして…」

 

食べたく無い。寝たく無い。

生きていたく無い。産まれるべきではなかった。

この命になんの意味があったのだろう…。

 

「…もう、動きたくない…。」

 

その場にうずくまって、私は動くのをやめた。

この体勢なら岩にでもなれるだろうか…。

 

「あの…。大丈夫…ですか?」

 

久しく聞くことの無かった配慮の言葉。

声の主はシスター?私の顔を見るなり

表情を変えた。解っている。彼女も同じ。

 

「……。なに…?」

 

砕け散った心は何も感じない。

殴られても、汚物を口に入れられても

もう、何も…。シスターとはいえ何をしてくるのだろう。

 

「私は、若葉ヒナタって言います。

シスターフッドの2年生です。貴女のお名前を

聞いても?」

 

あぁ、よく出来た幻覚だ。

どうせ名前なんて…。これだけ答えれば良いか…。

 

「…2年生なら知ってるでしょ?

穢れた血…。生きる汚物。

それが私…。わかったら、早く好きにしなよ。」

 

きっとこのシスターも同じ。

暴力か汚物と罵られるか…。

 

「わかりました。では貴女のキチンとした名前を。」

 

「変なシスター。私は小柳ラム。

なに?生贄にでもするの?だったら名前書く必要もあるか。」

 

自分の名前なんて随分と久しぶりに言った気がする。

きっと、供物の名前が必要なんだろう。生贄…。

胸にストンと落ち着くその単語はまるで私の人生そのもの

 

「ラムちゃん。わかりました、ではついてきてください。」

 

このシスターは何を考えているんだ?

初めて聞いた私への呼び方。供物に愛称を付けるのか?

深く帽子を被りなおす、まさか角に気づかれたか?

 

「立てますか?」

 

差し伸べる手に私は触れる事はせず自ら立つ

 

「問題ない、何処に行けば良いの?

リンチなら慣れてるから、きっと楽しくないよ。」

 

本拠地でのリンチだろうな。

シスターだってストレスを吐き出す贄が欲しいんだ。

 

「ッ!大聖堂へ行きますね。」

 

私が逃げると思わないのだろうか。

縄で首にリードでもつければ良いのに。

 

「紐は?なんなら麻袋にでも入れたら?

汚物を連れてるって噂が立っちゃうよ?」

 

「そんな事はしません。それに噂されたとしても

シスターフッドは噂だらけですし。

ラムちゃんは逃げないって、私は信じていますから。」

 

信じてる?私を?ますます理解できない。

汚物を信頼出来るだろうか?あれか?

神様が見てるからとかそーゆうのか。

 

本当に神様がいたら私は産まれてないよ…。

 

「そう…。まぁ、良いけど。」

 

後ろについて歩いて辿り着いたのが大聖堂

ここで生贄にされるのか。それともリンチ?

いや、両方だと思っておけば良い。

もう、期待なんて…希望なんて…。

 

「サクラコ様、彼女をシスターフッドに所属させてあげたいんです!」

 

ヒナタとか言ったっけ

その人がサクラコという人に何か話してる。

 

「はじめまして、私は先日シスターフッドの長になりました

歌住サクラコと申します。あなたがシスターヒナタが連れてきた

所属希望の方でよろしいでしょうか?」

 

「は?」

 

所属なんか希望してないし

そもそも、私がシスター?

だったら別な目的…そうか、所属生へのガス抜き…。

 

「とにかく、主の元にいますので帽子を取ってもらいましょうか。」

 

帽子、私が隠している負の象徴

このサクラコとか言うやつはなんで…

教会だから断罪するために角が露出してた方がいいのか

 

「これで、文句ない?私は穢れてるの

生きてる必要のない生徒だから…

所属させてもここのイメージが悪くなるだけだよ。」

 

「っ!その角は…貴女は本当にトリニティの生徒なのですか?」

 

「何当然の事を聞いているの?

聞いたことない?穢れた血とか歩く粗大ごみとか」

 

私に対しての風評なんて最早慣れたもの

サクラコはたぶん2年生だろうし…

 

「どうせ、慰み者にすんでしょ?早く殴りなよ。

それとも所属生を全員呼んでリンチ?

良いよ。射撃の的でも。なんでも好きに使えば。」

 

慰安と言うか、ストレス発散の道具なら理解できる

それでも、ここは…。コイツらは理解できなかった。

 

「いえ、貴女にはシスターとして所属してもらいます。

言葉遣い、所作、それに関してこれから

私たちが教えますので。それではシスターラム。

まずはお祈りをする事から始めましょう。」

 

サクラコの宣言は変わらなかった。

やはり理解できない。こんな汚物捨て置けば良いのに…。

 

「ラムちゃん!まずは言葉遣いとシスターの礼服を仕立てましょう!

頭の…ソレを隠すためにも特注のベールも作りますね!」

 

妙に張り切っているヒナタに手を引かれて

私は大聖堂の奥の部屋へと連れて行かれた。

 

 

 

 

 

 

 

それからは忙殺の毎日ですわ。

お掃除、聖歌隊の訓練

言葉遣い、所作

少しずつ色付く世界。

 

シスターフッドにいる間は

誰も私を害さない。本当に不思議。

 

「ラムちゃん!言葉遣いもだいぶ良くなりましたね!

これならもう、1人前のシスターです!」

 

「あ、ありがとうございます。ヒナタさん。」

 

産まれて初めて私を褒めてくれたのはヒナタさんだ。

あの頃に比べると私もだいぶ口調は変わりました。

私は貴女に褒められるのが一番嬉しいんです…。

 

「ラムちゃん、すぐには難しいとは思いますが

シスターフッド以外でもお友達を作って欲しいんですが…。」

 

1度だけヒナタさんから言われたそれは

未だに達成してはいない。

見て見ぬふりをされる私に友など…。

 

「え、えぇ…頑張ってみますわね…。」

 

それに私はヒナタさんという太陽を知った

貴女のおかげで私の闇は晴れた。

それで十分すぎる。これ以上が過剰すぎる。

このままで十分だったはずなのに…。

 

「わ、私。阿慈谷ヒフミって言います!

シスターさん!貴女の名前は?」

 

眩しすぎる光が私の前に…。

彼女の表情は最初から眩しかった。

 

「これはどうも、ご丁寧に…。

私、小柳ラムと申します。」

 

「じゃぁ。ラムちゃんですね!

これから移動教室です!一緒に行きましょう。」

 

この方は噂の事を知らないようで

ならば知られないように徹底的に隠しました。

 

「見てください!ラムちゃん!ペロロ博士が表紙の

わくわく漢字ドリルが売ってました!!」

 

よくわからない鳥のマスコット

ペロロ様さんを私に勧めたりしてきますが

 

「ラムちゃん!補習授業部のみんなが待ってます!

早く一緒に行きましょう!!」

 

差し伸べられた手を私は…

 





回想に出てきたヒフミちゃんの手を…。

アンケートも用意しましたので
ご希望を選んでくださいね。

次回が最終回になります。

では!

完結後の希望 (多いものから行きます。)

  • BADEND IF 3種とその感想掲示板
  • エデン条約全体の感想掲示板回
  • ラムのプロフィール、反応掲示板を添えて
  • ラムinあまねく奇跡の始発点
  • ラムinオラトリオ編
  • ほのぼの?らむのいちにち
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