lamb nun【本編完結】   作:酔いどれ執筆者

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やぁ、先生。

此処は…今更言うまでもないか…。
これから見せるのはとある世界の記憶。

もし、爆薬が多かったら?
もし、彼女が間に合わなかったら?
もし、彼女を待たせていたら?
そんなifの世界の記憶。

それを見せるのも酷なことだが必要なことなんだ。


IF BADEND
ありえたかもしれない未来 1


第二次試験の爆発がとても大きく

ラムちゃんの行方が分からなくなってしまいました。

 

「こっちには居ません!皆さんどうですか!?」

 

無線連絡を取りながらゲヘナ中を探し回りました。

しかし、ラムちゃんが見つかる事はありませんでした。

 

「“ゲヘナの子に引き続き探してもらえるように頼んだから。今日はいったん戻ろう。”」

 

先生からの言葉に後ろ髪を引かれる思いでしたが

そろそろ戻らなければまた、戦闘に巻き込まれてしまい

ラムちゃんの捜索どころでは無くなってしまいます。

 

「ラムちゃん…無事でいてください…。」

 

私は、ラムちゃんの無事を祈りながらトリニティへと戻りました。

本当は私一人でも残って探したかったのですが。

 

 

 

 

「ゴホッゴホッ…。ここは…?」

 

目を開けて周囲を見渡すとここは…廃墟?

先程の爆発に巻き込まれたのは覚えてましたが…。

 

「やっと気がつきましたか、この穢れた血。」

 

「ヘルメット被っておいて正解だったね。ゲヘナ臭いのも感じなかったし。」

 

この方たちは確か…ティーパーティーの方?

 

「あ、あの…。」

 

私は、状況を確認しようと口を開けました。

 

「この、穢れた血!発言を許した覚えはないんだけ…どっ!!」

 

「ぐっ!ゴホッゴホッ」

 

思い切り腹部を殴られました。

激しい痛みの痕から鈍く重い痛みが続きます。

 

「私たちは、穢れた血のお前に役割を作ってあげるんだから

這いつくばって感謝しなさい。」

 

役割…?一体…?

痛みと朦朧とする意識の中、思案していると

返答が遅かったのか。

 

「すぐに返事しなさいよっ!」

 

後頭部をつかまれたかと思った矢先に降りかかる

顔面への強い衝撃と熱い痛み。血の匂い。これ鼻血出てますね。

 

「ほんと、穢れた血は学も無ければ、正しい判断もできないのね。」

 

「うわっ、汚い!あんたの血でこの建物を汚してるじゃない、舐めとりなさいよ。」

 

無理やり顔を地面にこすりつけられました。

ザリザリとしたコンクリートと小石の不快感が襲います。

 

「あんたにはこれに入ってもらうわね。これで穢れた血を見なくて済むし

コレのおかげでエデン条約に対してのストレス発散ができるし、完璧ね。」

 

「きっと、ミカ様も喜んでくれると思うわ。だって本当にゲヘナ臭いもの」

 

取り出されたの人が一人入れるぐらいしかないサイズの布袋

これに私が入る?身体的自由もなく…?流石に…まずい…!

この場から逃げようと駆け出したところ足を鎖でつながれていたようで

盛大に転んでしまいました。

 

「逃げようとするな!!ゲヘナもどきのクズが!!」

 

「ゴホッゴホッ、ゲホッゲホッ!」

 

転び倒れた体に降り注ぐ蹴りと銃弾の雨。

 

「抵抗するな!早く入れ!!」

 

「呼吸用の穴だけは開けておいてあげるよ。優しい私たちに感謝しなさい。」

 

薄れゆく意識の中聞こえたのは痛む私の体を無理やり布袋に詰める声と

布袋の呼吸穴をあける声だけでした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「シスターラムは!彼女はまだ見つからないのですか!!」

 

私は、必死にシスターフッドの皆様に訴えかけます。

彼女たちも捜索や情報収集を全力で行っていますが

その結果は芳しくありません。

 

「ラムちゃん、一体どこに…。私…。うぅっ…。ぐすっ…ひっく…。」

 

「ヒナタさん、私も手伝います!必ず、ラムさんを見つけましょう。」

 

ヒナタは涙ながらに情報を集めています。

そして、マリーはそんな彼女を慰めながら情報と書類の整理

他のシスターフッドの皆様に指示を出しています。

 

「あの…なにかラムちゃんについて情報はありませんか?

私たちもラムちゃんを探しているのですが…。」

 

補習授業部の方々がいらっしゃいました。

震える声で語り掛ける、ヒフミさんは目に見えて憔悴していました。

 

「こちらとしても手掛かりはありません。本当に彼女はどこへ…。」

 

「“私がついていたのに本当にごめん…。自分が不甲斐ないよ…。”」

 

先生も落ち込んでいる様子ですがこれは先生だけの責任ではありません。

 

「ティーパーティからの返答もありません。ホストのナギサは何処に!

あの女を拷問してでも彼女の場所を吐かせないと!!」

 

「“落ち着いて。まずはラムの無事を確認しないと!

それに、ナギサが居場所を知っているとは限らないし。”」

 

目の前が真っ赤に染まった私を先生が必死に止めます。

まずはあの子の無事を確認しないと。

 

「先生、その…。ゲヘナからの情報は…?」

 

私は藁にも縋る思い出で先生に問いかけます。

 

「“向こうからも定期的に連絡は貰ってるけど芳しくないんだ。”」

 

「そう…ですか…。」

 

大聖堂には重苦しい空気が流れ。

皆一様に憔悴と絶望。そして悲しみに暮れていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ?しってる?ゲヘナとの境界線の近くに

トリニティ専用のサンドバックが備え付けの

ストレス発散施設があるって。」

 

「知ってる知ってる!なんでも凄い珍しいんでしょ?たしか

そのサンドバックにヘイローが浮かんでるんだって~!」

 

「どこにあるんだろうね~。見つけたら私もストレス発散に使いたい~!」

 

「しっ!この事はシスターフッドには聞かれないようにって

パテル派の友達から言われてるから…。」

 

生徒たちにまことしやかに流れる噂…。

このことが彼女を探す者たちの耳に入ることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドスッ!

 

「作って良かった!本当に気分爽快になるわね!」

 

薄暗い廃墟の一室、この場だけ防音処理や消臭剤など

廃墟らしくないその場所に吊るされたサンドバックを

思い切り殴りつける一人の生徒。

 

「どいて、今度は私。新しい銃を試したかったんだよね!」

 

殴りつけていた生徒が離れると同時に銃弾を放つ別の生徒。

サンドバックからは小さく。痛みにこらえるような声が聞こえる。

 

「今、変な声聞こえなかった?気持ち悪いったらないわね!」

 

「ミカ様も来れば良かったのに。ゲヘナ臭くないように

火で消毒したのに。なによ。気分じゃないだなんて!!」

 

「そもそも、前からほどほどにとか。トップとして

考えて欲しいよねもうちょっと!!」

 

尚も、殴りつけられるサンドバックは振り子の要領で揺れる。

 

「あー!スッキリした!明日もまた使いましょ!!」

 

「ホントホント、他の子にも教えてあげなきゃ。」

 

談笑しながら帰路へ向かう生徒たちが扉を閉める音。

殴られた反動で振り子のようにギシギシと音を立て揺れていた

サンドバックは撃ち込まれるパンチがなくなったことによりその場に静止した。

 

 

鎖で吊るされ所々、赤黒いシミと黒く焦げたサンドバックの上部には

罅の入り始めたヘイローだけが点滅して浮かぶだけ

 

生徒が居なくなったその場所は静寂に包まれていた。

素人が作った杜撰な形のサンドバックを残して…。

 

 

 

 

 

 

END 物言わぬサンドバック

 

 

 

 

 

 

 

 

 





はい、断トツでBADENDの票が多かったです!

というわけでご希望には沿えましたかね?
実は最初期の段階で結末はこうしようかと思ってました。
でも、ラムには幸福を見つけて欲しいなと思い
本編の終わり方にしました〜

この物語のタイトルも仮作成の時はシスタートリカスサンドバックになる予定でした。
結構悩みましたね、タイトル

掲示板の反応は3つ目が終わってからになります。

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