どうしてこんな事を?以前も話したと思うが
キヴォトスの終焉へ立ち向かう為…だよ…。
彼女のが何かのキーになっているようだ。
だが、これは。すまない。私を許さなくていい
本来なら読むべきでは無い記憶なのだから。
ヒフミさんと先生たちを見送ったあと
数人のトリニティの生徒が病室へと入ってきました。
「いたわ!穢れた血め!トリニティに厄災をもたらした
裏切者の内通者に裁きを与えないと」
「え?なんの事ですの…?」
そういって、困惑するラムを気絶させ十字架に磔にし
運んで行った。途中、救護騎士団が気づかないほどの
けが人が運ばれてきたことによって
この蛮行が気づかれることは無かった。
「うっ…うぅぅ…。」
私は…あれ?今、磔になってません?
え?なにこれ?なにが起きて…?
「我々、ティーパーティは
ここにアリウスの内通者、小柳ラムを捕えた!」
え?裏切者?それは一体!?
「この穢れた血は!ミカ様、ナギサ様を催眠術で騙し!
シスターフッドの中枢を欺き!アリウスの生徒達を手引きした!」
催眠術!?そんな事してないです!否定しないと!
「ーーッ!ちぃ…ガヘッ!」
声が…でない!?
マズイ…このままでは…
「沈黙は肯定だ!石を投げうて!裏切者に制裁を!!」
痛いっ!イタイ!いたい…。
やはり、私の罪は重かった、受け入れましょう。
これは私への罰…。
「……ぐぅっ!?うべっ…!」
しまった、気絶してしまいましたね。
先程まで磔になっていたのに何故、地面に?
ま、まさか……そんなはずは…。動かそうとした
腕の感覚が無いというか四肢の感覚が無い…?
目を向けたくは無いのですが、覚悟を決めて目線を
「あ…あぁぁ。」
当然です。火傷で炭化していた四肢に必要に石を撃たれれば
四肢など簡単に砕け散ってしまいますね。
「裏切りものにふさわしい罰を下してあげます。
見なさい!貴女にこのトリニティでの居場所が無いという証明を」
頭を無理やり上げられて見せられたのはタブレットの映像?
いえ、そんな…その場所は…。私の…。
『穢れた血には罰を!この服も何もかも燃やしてやる!』
『裏切者に居場所など不要!焼き尽くせ!!』
『あははっ!これでトリニティの汚れが無くなる!』
映像の声と共に私の使っていた小屋、私物
全てに火が…
「あ、あぁぁぁっ!」
信じたくない!嘘だと言ってほしい!どうして!
なんで!なんで!私が何を!?やはり、私は…。
「泣き出したと思ったら、また気絶したわね。
気持ち悪い。四肢も無くなって運ぶ分には楽ね。
重罪人を地下に幽閉しましょう。」
救護騎士団本部
「そんな!ラムちゃんが居なくなったってどういう事ですか!!」
救護騎士団の生徒につかみかかるヒフミ
「私たちも気が付いた時には既に…
急患が立て続けに来まして。人員も不足していて」
「だからって!ラムちゃんが一人で出歩ける状況じゃ!!」
「“ヒフミ、落ち着いて。今、カメラの映像は確認してもらってるから”」
ヒフミを何とか宥めて映像を解析した結果を待つ。
「先生…お待たせしました…。」
トボトボとセリナがこちらにやってきました。
「“セリナ、映像は…。どうだったの?”」
「そ、それが…。映像には何も映ってなくて…。
まるでその時だけ映らないように操作されてるみたいに…。」
「“そんな!一体なんでこんな事に…。”」
「ラム…ちゃん…。」
膝から崩れ落ちて項垂れるヒフミ
合流した補習授業部の面々も悲しみに沈んでしまう
「“きっと、まだこの学園に居るはず!
絶対にあきらめない!必ず探し出す!!”」
私は、強く決意した。
どうか、無事でいて欲しい。
地下牢
「うっぐっ!!」
右頬を殴られた衝撃で意識を取り戻します。
歯を食いしばることが出来ないように口を
開けた状態で固定されているため
歯が数本へし折れたり衝撃で抜けていきます。
「とても素敵な動画があるの。穢れた血の貴女にも
見せてあげるわ。ほらしっかり見なさい!!」
もう何も見たくないのに、動画?
これは…ヒフミ…さん…?
「聞いたかしら?彼女の物語にはおまえは不要みたいね。
先生とあらたなエデン条約機構?を宣言して…。
おまえの存在は無かったことになっているわね…。」
わたしは…見捨て…いえ、そんな事は無いはず!
きっとなにか理由があるに違いありませんわ!
「目をそらすな!よく見ろ!お前を見捨てて
他の友人たちと勝利や作戦成功の喜びを分かち合う姿を!
わかったでしょう?お前は生まれるべきでは無かった!
存在する必要のない命だったんだよっ!!」
左頬を殴られました…。
この子たちは…
主よお赦しください。彼女たちは自分が何をしているのかわからないのです。
「おまえは不要だ!存在する価値など無い!!」
永遠と繰り返される私への否定…。
私は…わたくしは…わ…た…
その後、ラムが見つかったと言う連絡はなく。
補習授業部のみんなと必死に捜索をするも見つからず。
ラムの捜索は前進せず難航していた。
そんな中、突如巻き起こった。
シスターフッドによるクーデターにより行われた
パテル分派の一斉粛清。拷問まがいの事をしていると、
ナギサから連絡を受けた。
「“サクラコ!ヒナタ!マリー!粛清ってなんで!?”」
私は大急ぎで大聖堂へと向かいシスターフッドの三人に尋ねる。
途中、護衛もかねて補習授業部のみんなもついてきた。
「すみませんが先生。邪魔をしないで頂きたい。
これは、シスターラムの為に必要な事なのです。」
サクラコから出たのは、ずっと行方の分からなかったラムの名前
もしかして見つかったのか!?
「“もしかして、ラムが見つかったの!?”」
「いえ、残念ならがそれは。でも、彼女を害する分派によるものだと
判断できる材料が余りにも多い、何らかの情報が有ると睨んでいます。
それに、許せないのです。この映像をご覧になればわかります。」
そういって、サクラコから渡された端末に流れた映像を確認する。
補習授業部のみんなも見ていたが…。これは、酷すぎる…。
ラムの私物が笑いながら焼かれている。
しかもこの小屋って…まさか…。
「こ、これ…ラムちゃんが…使ってるって言ってた…。」
「な、なんで!?なんでこんな事して笑えるのよっ!」
「ひ、酷すぎる。ラムが一体何をしたって言うんだ。」
「………っ!!!」
青い顔をして崩れ落ちるヒフミ。
顔を真っ赤にして憤りを露わにするコハル。
あまりの仕打ちに言葉を失うアズサ。
拳を握りしめ、唇をかみしめて耐えるハナコ。
「先生、サクラコ様もヒナタさんもそして私も。
彼女たちを許せないのです、ダメな事だとはわかってますが!
それでもっ!」
マリーがこちらに声をかけてきた。
「“わかってる。みんなラムの為なのはわかってる。
それでも、その姿をラムが望むかな?きっと悲しむと思うよ。”」
「そ、それは…。」
なんとかして、これ以上ラムが悲しむことをさせたくはない
止めなくてはとマリーを諭す。
「今、なんて言いました!!!」
大聖堂にヒナタの怒号が響く。
一体、何が?
「先生!それに、補習授業部のみんなさんも!
一緒に来てください!!!」
ヒナタに腕を引かれてすごいスピードで
トリニティ本校へと向かう。一体、何が?
本校付近・地下施設
「こんな所があったなんて。」
ハナコでも知らない場所だったのか
危険が無いように慎重に進む。
「“ヒナタ、こんな所に一体なにが?”」
急に連れてこられた私は
ヒナタに真意を聞く。
「拷問で得た情報では彼女はこの先です。」
そういってヒナタは重たい扉を勢いよく開ける。
そこに広がった光景に絶句した。
「これって、地下牢!?」
コハルが少し震えながら言葉を発する。
扉の先は牢屋がいくつも並んでおり
鉄格子ではなく重たい鉄の扉で塞がっており
使われている様子が確認できないようになっている。
「いまから、片っ端から開けます。離れててください。」
そういってヒナタは重たい牢の扉を片っ端から
開け始めた。まさか、こんな所に彼女が?
うすうす感じていた直感が確信に変わろうとしていた。
「あっ、あぁぁぁぁぁっ!」
ヒナタの絶叫が聞こえ声の聞こえる牢へと入る
「そん…な…。うっ…うぅぅ。」
「どうして?なんでラムだけがこんな…。」
「わた、私が。どう…償えば…。」
「私は無力でした。こんな…。」
全員が見た光景。それは四肢を失い
首に鎖を巻きつけられたラムの姿、その目はもはや
光を写す事ないほど真っ黒になっている。
ヘイローに罅が入り始めているがかろうじて意識はありそうだ。
「ごめん…なさい…。ごめんなさいラムちゃん!
私が許可を出したから。先生の護衛を頼んだから…。」
ヒナタの涙交じりの絶叫と共に自分を責めている。
「………ぁの。」
「“ラム、すぐに救護騎士団へ行こう。
それと、遅くなって本当にごめん。
生きててくれてありがとう”」
己の無力を嘆きたい。何が教師だ
大事な生徒がこんな姿になってしまったのに
だが、それでも命だけは残っててくれた。
「ラムちゃん、ごめんなさい!
本当に、ごめんなさい…。」
ヒフミの悲痛な謝罪が響く
この場にいる全員が悲しみに暮れ
自分が間に合わなかった事を謝るばかりだが
ラム本人の反応が異様なまでに嚙み合わない。
それどころかラムの話し方も何かおかしい…。
なんなんだこの気持ちの悪さは…?
「あの、ぇっと…。」
そうして、おずおずと開かれたラムの口から
私たちに放たれた言葉は少し聞き取りずらい物ではあったが
「ラム?とは誰の事です?」
この場にいる全員を
地獄の底に叩き落とすには十分だった。
彼女は…ラムはもう、全て砕けてしまったのだと
無力な私たちに突きつけるの様に…。
「それに、あなたがたはどなたですか?」
地下牢に響き渡る
絶叫、謝罪、号泣
己の無力を罰するために牢の壁を殴る音
どうしようもない無力感に苛まれながら
私は彼女を抱きしめた。
END 砕け散った器
あとがき
はい、BADEND2つ目です。
ラムの小屋が焼かれるのは最初、出すか出さないか迷ってましたが
BADENDのIFだしだしちゃおー!って感じでブチ込みました。
この分岐があったのであの時にラムをリアカーに乗せる必要があったんですね~
四肢と歯を数本を失い、小屋も失ったラムは自我を崩壊させて
記憶すらなくなっちゃいましたね♡
ある意味、幸せかも。
投稿ペースのアンケートありがとうございました。
遅くとも週一、早くて3日に1回を予定しますね!
引き続きお付き合いお願いします。
では〜