理解して欲しいのはこれが夢中の出来事だという事だ
だから、君が胸を痛める必要は無いんだ…。
状況は見ての通りだ、成り果ててしまったんだ。
二つの場所の罪を吸いつくしそして…。
色とは言い難いナニカが全てを塗りつぶし
かの厄災もそして私たちも手も足も出せないだろう…。
もし、対峙するならば覚悟を決めた方が良いだろう…。
先生…最悪の未来にならないように…。
私が使った大人のカードによって
この場に呼び出されたヒナと覆面水着団
「先生…これは…一体…?」
困惑したヒナが私に話しかける。
「“急な事で混乱させて申し訳ない
でも、急がないとこの場所もそれに…彼女も…。”」
「うへ~、なんだかおっかないのもいるね。
アレを何とかすればいいのかな?」
ホシノは普段と変わらないように見えて
鋭く、状況を把握し理解したようだ。
「先生!あの…ラムちゃんは…?
あれからずっと…行方が…わからなくて…。」
涙目のヒフミに私は残酷な事実を話さなければ…。
ここに呼び出してしまった責任を…。
「“あそこに居る…大きな羊の怪物。
あれがラムなんだ…私の目の前であの姿に…。”」
「え?そん…な。嘘です!そんなはず…。
あ、ああああっ!うっうぅ…。」
困惑するヒフミだが
怪物と化したラムの姿…。
そして見つけてしまったのだ
角の先端に引っかかっているラムが
肌身離さずにもっていたあのキーホルダーを。
「先生…ラムって子は…あのシスターの事よね…。
私…が…。私が弱かったせいで!ごめ…ごめんなさい…。」
ラムの事に気づいたヒナも涙ながらに謝罪を繰り返す。
「“二人とも…。ごめん、それでも
怪物になったラムを止めて欲しいんだ。”」
私は彼女たちにとても辛い仕打ちを頼んでいる
なにが教育者だ!生徒の悲しみすら晴らせず
そのうえ彼女たちの大切な友人に銃口を向けさせるなんて…。
「ぐすっ…。わかりました。きっとラムちゃんも苦しんでるはずです!」
「えぇ、彼女にまだお礼も言えてないもの。全力で彼女を止めるわ。」
ヒナもヒフミも覚悟を決めた顔をしている。
本当に不甲斐なさで泣き出したくなるが
一番つらいのは二人と意識すら取り戻せていないラムだろう。
「すみません皆さん!私の友達を助けるのに力を貸してください!」
「私の恩人でもあるの、お願いできるかしら。」
覆面水着団もとい対策委員会の面々に頭を下げる二人
一方、怪物と化したラムは動かずにずっとヒフミを見つめている。
「ん、ファウストからの指示は断らない。」
「わ、わかったから頭をあげて!」
「大丈夫です、ヒフミさんのお友達必ず助けましょう!」
「ファウストちゃんの命令はぜったいだお♧」
「ほかならぬリーダと風紀委員長ちゃんからのお願いなら
おじさんもちょっと本気出すよ。」
全員の結束が出来た所で私は戦闘の指示を出す。
「“みんなお願い!ラムを止めて欲しい!”」
戦闘になったとたん怪物と化したラムは
全力の抵抗をみせた。
「鄂ェ縺、縺ソ繝?Α縲?ク?▽繝偵ヨ繝??縺ィ縺、!!!」
もはや言葉ではない何かを常に発しており
痛みに苦しむ様子はなく、ひたすらに振り払うのみ
「ラムちゃん!目を覚まして!!私!迎えに来たんですよ!」
ヒフミが必死に呼びかけている、しかし怪物と化したラムは
「譚・縺ェ縺?〒?∫惓縺励>繝槭ヶ繧キ繧、縺セ縺カ縺励>??シ?」
意味も解らない咆哮が響くのみだった。
「“ヒフミ!!”」
ヒフミに向かって伸びるラムの蹄
彼女にケガが無いように急いで支持を出す。
「ヒフミちゃん、出来るだけ私の後ろに居てね。
ちょっとコレは厄介だからね。」
間一髪のところでホシノが防いでくれた
ヒナとホシノ達のおかげで化け物の大部分が削れ
血がドロドロと崩れ出している。
「ごめんなさい…。でもこれ以上苦しくはさせないから!」
涙をこらえながら銃撃を繰り返すヒナ
「先生!今、ナギサ様に連絡をして救護騎士団とシスターフッドを
大急ぎで向かって貰ってます!ラムちゃんをすぐに治せるように」
ホシノ達の後ろへ下がっていたヒフミはトリニティに
なんとか連絡がついたらしくここからはラムをいち早く
助け出すためにもサクラコやミネと合流したいが…。
「これって…どうしてこんな…。」
化け物となったラムの体は血と泥を吐き出し崩れ切った。
広がった血だまりの真ん中にラムが立ち尽くしている。
その目に生気は無く、ヘイローの光も点滅を繰り返している。
「ラムちゃん…?ラムちゃん!!!」
ヒフミが駆け出しラムを抱きしめる。
「ずっと…ずっと探してたんです!心配したんです!!
ラムちゃん!すぐに助けに来れなくてごめんなさい!」
涙を流しラムへと呼びかけるヒフミは
もう離すまいとしているがラムからの返答は無い。
「すみません、先生遅くなりました。」
「先生!ラムは?あの子は無事なのですか!?」
息を切らしたミネとサクラコがこちらへと駆けてきた。
「“うん、見えてる通りなんだけど。少し違和感が…。”」
残りの言葉を口に出そうとした所で
「え?ラムちゃん?なんで…。」
ラムはヒフミを強く突き飛ばした
ヒフミの体はホシノによって受け止められたが
なんでそんな事を…と思慮し始めた瞬間
視界は白く染まった。
「“みんな?無事!?”」
謎の爆発によりあたりに余波の煙が充満していた。
「私たちは大丈夫です、それよりもシスターラムは!?」
そうだ!この爆発と先程の戦闘でのダメージでは
いくらキヴォトスの生徒のラムでもひとたまりもない。
周辺を見渡していると。
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
ヒフミの叫び声。
私たちは大急ぎで声の元へ向かった。
「“ヒフミ!大丈夫!何があったの!?”」
叫び声をあげたヒフミはその場で蹲っていた。
「先…生…。ラムちゃんが…。うわぁぁぁ!!」
ラムの事を口に出したとたんに声をあげて泣き出すヒフミ
震える手でとある場所を指差しておりその先には。
「そん…な…。うそ…これはうそです…。」
「間に合わなかった…。私は…また…。」
崩れ落ちるサクラコと顔をしかめ涙をこらえるミネ。
「私が…弱かったから…。ごめんなさい!ごめん…なさい…。」
ぽろぽろと涙をこぼし蹲り謝罪を続けるヒナ。
「先生…。私たちは彼女と面識はありませんでした。
ですが、ヒフミさんから大切な親友だと伺ってます
それが、どうしてこんな事に…。」
目に涙をいっぱいに溜めたアヤネ。
「“私が指示してしまったから…。みんな…ごめん…。”」
全員が見てしまったのだ。
がれきを背もたれにして下半身が消し飛び
上半身だけになっているラムの姿を。
「ぐすっ…。先生…。謝らないでください。
突き飛ばされた時にラムちゃんは私に『さヨなラ』って
笑顔だったんです…ぐすっ…。あれはたぶん自分で…。」
ヒフミが私に訴える。
そうか…あの子の性格ならこれ以上はもう…
自らの命を捨ててでも止めようとするだろう。
「シスターラム、なぜです…なぜ自爆なんて…。」
自爆…もしあの時に記憶も理性もない状態でも
ヒフミやヒナ達を傷つけてしまった事が
それほどまでに重かったのだろうか…
もはや理由を確認するすべはない…。
「脈拍…無し…。この子はもう…。」
正確にミネが死亡したと確認をして。
私たちはラムの亡骸を丁寧に運びトリニティへ戻るのだった。
次回 epilogue
相変わらずセイアちゃんッぽい文章は難しいですね
それっぽくできてると良いのですが…。
戦闘も難しくて大変大変。
とりあえずはこんな感じで。
次回はちょっとしたエピローグと掲示板を書いて
ラムin始発点になって行くかと思います。
気長にお待ちください。