今回は、失った後の色々を書いてみました。
後半はかなり苦戦してますのでどうぞ
お付き合いのほどお願いします。
ラムちゃんの亡骸をトリニティへ運び終え
私たちは大聖堂へと通されました。
「いやぁぁぁぁぁ!!!!なんで!!なんでぇぇ!!」
隣の部屋からは大きな物音と共に
ヒナタさんの慟哭が漏れ聞こえてきます。
「すみません、皆さん。ですがご理解の程を…
かくいう私も今なお必死に抑え込んでいるのです。」
サクラコさんは目に涙を浮かべ必死に抑え込んでいました
無理もありません、私と彼女はラムちゃんの最後を見ています。
「今回の事は私たちティーパーティの落ち度です。
如何様にも断罪の程。あなた達の好きに…。」
「やめてください!今は…今はそんな事…。」
ナギサ様の贖罪に対して大きな声での否定
セイア様とミカ様も青ざめた表情で震えていました。
「シスターラムは…主の御手の中にだ…抱かれました…。
この後、シスターフッドをあげて葬儀を…ぐすっ…葬儀を行います。」
葬儀…この言葉でラムちゃんがもう戻る事は無いのだと突きつけられる
心のどこかで回復してまた謎のユーモアを考える顔が見れると思っていたのに…。
「“私はラムを守れなかった…教育者失格な私に出来る事は何でもするから”」
先生はボロボロと涙を流しながらサクラコさんに頭を下げています。
「先生にお願いすることは葬儀に参列していただく事です。
あ…あの子は…先生の事も…信頼していましたから…。」
言葉をつかえながらサクラコさんがそういうと
先生は了承の旨と共に泣き崩れ落ちました。
「あの…補習授業部の皆も呼んでいいでしょうか…?」
本当は伝えない選択もできた、でもそれは
あの時に自分にある原罪の事を話してくれた
ラムちゃんの覚悟を踏みにじる事に変わりない
真の意味での仲間なら伝えなくては…
「わ、わかりました…。作法などは後程マリーに…。」
「ありがとうございます。」
了承を頂いた後に補習授業部のグループモモトークにコメントを書きます。
ラムちゃんが亡くなったと…私は部長だから……。
「他に参列の許可を出すのはティーパーティのお三方と
救護騎士団のミネ団長、セリナさんにハナコさん。」
見事に各部署の幹部や主要メンバーだ
正義実現委員会は外されているが…
「正義実現委員会の方には当日の警備をしてもらいます。
死して尚、あの子を貶め辱める者を近づけないように。」
そういったサクラコさんの表情は怒気を孕んでおり
私も彼女と同意見だ、ラムちゃんの高潔さをこれ以上貶めたくない。
「式の日に関してはモモトークにて連絡します。
今日はもうお引き取りください…。私もこの後
シスターフッドの皆さんにあの子事を伝えますので…。」
そういって今日はお開きになった。
私はグループモモトークの返信を行って寮の部屋で
一晩中、泣き続けた。
「なんでぇ…ラムちゃん…。こんな…こんなの
ハッピーエンドじゃない!うぅ…イヤ…やだぁ…。」
あの時の宣言が頭をよぎる。
声高に叫んだあの時もきっとラムちゃんは…
ラムちゃんとお揃いのペロロ様のマスコットキーホルダー
あんな姿でも尚、肌身離さず持っていた…
「やだぁ…ひっく…ぐすっ…ラムちゃん…
あいたいよぉ…かえってきてよ…。」
叶うはずもない願望を口にしてしまう。
向き合いたくない現実、夢なのではないかと思ってしまう。
「朝…もしかして!」
モモトークの履歴には昨日の事が残っており
悪い夢だったという最後の望みも潰えた…
「………ぐすっ」
昨日、枯れるほど涙を流したというのに
突きつけられた現実にまた目の前がかすみ涙がこぼれる。
「ぐすっ…仕度…しなきゃ。」
涙を拭い顔を洗って登校の準備を済ます。
だが、出席する気にもならず私の足は補習授業部の部室へ
「クスクス…あの穢れた血死んだみたいよ…」
「ようやく、トリニティが平和になりますわね…クスクス」
私は生まれて初めて人を殺めてしまいたいと思った。
許せなかった目の前が真っ赤に染まる…でも…。
『私はあの程度の事、気にしていませんわ!』
きっとラムちゃんならそう言って通り過ぎて
その後はろくでもないユーモアを考える顔をするはず。
「でも、私はゆるせないですよ…ラムちゃん…。」
私は足早に補習授業部の部室へと向かった。
「ヒフミッ!」
教室に入って早々にコハルちゃんが私に抱き着きます。
「昨日の事…最初は噓だと思ってた…。
でも、あの後にハスミ先輩から聞いて…。」
「コハルちゃん…。」
補習授業部のみんなの目元は赤く
昨晩は泣きはらしたのがわかる状態。
「コハル…ラムは…その…。
すまない…私たちのせいで…。」
「アズサちゃんのせいでは!
それに、ラムちゃんは自分から…。」
私は事の顛末を改めて伝えました。
ラムちゃんが自ら命を絶つ選択をした事
最後に私に笑いかけてお別れを言っていた事も全部。
「バカよ…ラムは…あんだけ自分を蔑ろにするなって言ったのに…
うわぁぁん!バカ!ばかぁ…。」
号泣するコハルちゃん。
俯き涙をこぼすハナコちゃんとアズサちゃん。
「だが、私はアリウスの生徒だったんだきっと
シスターフッドの面々には許されないだろう…。」
泣き顔のアズサちゃんはカタカタと震えだした。
アズサちゃんが悪いわけじゃないのは解ってる…。
自分が間接的にラムちゃんの死に関係してしまった
罪悪感に苛まれているようだ。
「私も罪深い事を考えてしまって…。
これから大聖堂の告解室に行こうかと…。」
あの時の感情もアズサちゃんに対して一瞬でも抱いた気持ちも
何処かに吐き出したくて仕方がない。
「私も一緒に行く…。たとえ門前払いされても…。」
こうして私たちは大聖堂へと向かい
シスターフッドの生徒の方に告解をしたい旨を説明しました。
「私とコハルちゃんはここで待ってますね。」
ハナコちゃんはそういうと椅子に座ってコハルちゃんの手を握っていました。
「ヒフミ…私…わたしっ…。」
アズサちゃんの罪悪感とシスターフッドへの恐怖で震えています。
「大丈夫…大丈夫です。アズサちゃん…
これから一人ずつあの部屋で罪を打ち明けるそうなので…。」
私は告解室を指差し震えるアズサちゃんの手を握ります。
ラムちゃんが前に教えてくれました。
あの部屋で罪を打ち明けるのだと、片側にはサクラコさんかマリーさん
ヒナタさんのいずれかの方が居ると。
『私は告解室の担当には向きませんので…。』
苦笑いしていた事を思い出した。
その後、落ち着いたアズサちゃんはゆっくりと告解室へと向かいました。
「わたしは…。もうどうしたらいいのかわからないんだ!」
告解室から漏れ聞こえるアズサちゃんの懺悔の声
数分後、アズサちゃんが告解室から出てきました。
「すまない、ヒフミ。迷惑をかけてしまって。
今は少し気持ちの整理もついた、私もハナコたちと待っている。」
そういって、アズサちゃんはハナコちゃん達の元へと向かいました。
あ、コハルちゃんがアズサちゃんを抱きしめてる。
「では、阿慈谷ヒフミさん。こちらにお入りください。」
案内担当のシスターに促されて告解室に入ります。
「よ、よろしく…お願いします…。」
告解室の中は簡素な椅子と小さな小窓のみがあり
私はその椅子に腰をかけました。
「主のいつくしみに信頼して、あなたの罪を告白してください」
小窓から声が聞こえました。マリーさんかな?
罪…そう。私はこれを告白しに来たんです。
「えっと、初めての告解です。
昨日に大切な…ぐすっ…大切な友人を失い
先程、その友人を貶める言葉を言っていた方に
私は初めて人に殺意を抱いてしまいました。
目の前が赤く染まり激情に支配されかけてしまいました。
それに、共に学んでいく仲間にまで良くない感情を抱きました。
自分でもこれが良くない事だとは理解しているんですが…
もう…どうしたらいいのか…わからなくて…。
罪を告白しました。許しをお願いします…。」
最初と最後の言葉はラムちゃんが教えてくれました。
私には縁がないと思うけどって言ってましたけど…。
「確かに聞き届けました。
あなたが抱いてしまったその悪感情それが誤りであると
でも、胸に渦巻く感情を律する事が出来ないのは恐らく
その大切な友人を失って間もない事も関係しています。
誰しもが友人や大切な人を貶められて激情にかられるのは
その方が善に近いからこその事。しかし、貶めている人々は
自分たちの罪を理解できていないのです。
あなたは心の清い方だからこの感情の逃げ場所を見つけられずに居るのです。
だから、涙枯れるまで泣く事よりもあなたの周りの方と
失った友人の思い出話と辛いかとは思いますがちゃんとした別れが必要です。」
小窓から帰って来た返答に私はただ涙を流し頷く事しか出来なかった。
きっと返答しているマリーさんだってとても辛いハズなのに…。
ただ、思い出をみんなで話すのは思いつかなかった。
「それでは、主のゆるしを求め、心から悔い改めの祈りを唱えてください」
小窓から促され、私は両手を組み祈る。
「アーメン」
これも、よくラムちゃんが言っていた言葉…。
「これで、罪は許されました。安心してください。」
「あ、ありがとうございます。」
こうして、私は告解室を後にしました。
はい、トリカスは末端までトリカス
告解の部分はかなり調べたのですが
返答の所はやはりテンプレなどないみたいで
これ、実際の教会とかでもやってるっぽいですが
神父ってすげー。
次回はラムのお葬式!