二人の食卓、二人の空   作:erupon

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こちらはペルソナ4主人公(鳴上悠)と花村陽介が、ペルソナ4の事件が終わった後普通の学生として生活してたのにどうしてペルソナでちゃって公安に隷属することになったんだという話を書く場所です。

スターシステムを採用しているため分かりづらいですが、『ペルソナアフターパラレル』とは別世界線で交差することはありません。
オリジナルしかない世界線ですがよろしくお願いいたします。

なおBLタグがついていますがイチャイチャしません。


10

 食後の片づけが一通り終わったあと、居間の空気はゆるく静まっていた。

 母さんは茶を淹れ直し、父さんはソファーの端で新聞を畳み直している。

 

 陽介は最初に入ってきた時より、だいぶ肩の位置が下がっていた。

 まだ完全に気を抜いているわけではないが、返事の間や手の置き方から、家の中の温度にはもう慣れている。

 

 自分は湯飲みを配り終え、最後に急須の蓋の向きを整えた。

 この家での作業は体に馴染んでいて、考えるより先に手が動く。

 

 その時、玄関のチャイムが鳴った。

 一度だけ、短く。ためらいのない押し方だった。

 

 母さんが顔を上げる。

 父さんは新聞から視線を外し、時計を見るでもなく、ただ「ああ」という程度の小さな息を漏らした。

 

「来たみたいね」

 母さんが言う。

 言い方に驚きはない。予定のうちに入っていたらしいと、その時点で分かった。

 

「出る」

 短く言って廊下へ出る。

 玄関へ向かう途中、陽介も条件反射のように少しだけ身を起こした気配がした。

 

 鍵を開けると、外には叔父である鳴上雅也が立っていた。

 白いシャツの袖を無造作に捲り、片手に紙袋を下げている。立ち姿だけ見れば、休日にふらりと顔を出した気安い親戚にしか見えない。

 

「よう、悠」

 口元だけで笑って言う。

「見ないうちにまたデカくなったか?」

「変わってない」

「そうか? オレの記憶の中では、もうちょい細かったんだけどな」

「記憶が古いだけだろ」

 

 そう返すと、雅也さんは肩をすくめた。

 人当たりはいいし、声も軽い。少し胡散臭いくらいに場慣れした大人の調子で、空気の入り方がうまい。

 

「入るぞ」

「どうぞ」

「どうも、っと」

 

 玄関へ上がった雅也さんは、靴を揃える動作まで妙に手慣れていた。

 この家に来る回数を考えれば当然だが、雑そうに見えて線はきちんと踏む。

 

 廊下を進み、居間へ入る。

 母さんが「いらっしゃい」と言い、父さんもソファーから軽く視線だけ上げた。

 

「兄さんも義姉さんも揃ってるとか、珍しいな」

 雅也さんはそう言って紙袋をダイニングの端へ置く。

「土産。大したもんじゃないけど」

 

「ありがとう」

 母さんが受け取る。

「こちらも久しぶりだから、ちょうど良かったわ」

 

 そこで雅也さんの視線が、居間の中を一度だけ流れた。

 そしてソファーの近くにいる陽介で止まる。

 

「へえ」

 軽い声で言う。

「キミもいるのか」

 

 陽介はすぐ立ち上がった。

 今日の中で、いちばん最初の玄関先に近い速度で姿勢を正し、少しだけ気を入れ直したのが分かる。

 

「花村陽介です」

「鳴上雅也。叔父です」

 雅也さんはにこやかに手を上げる。

「なんだ、ちゃんとした子だなあ」

 

 その言い方だけ聞けば、軽口の延長だった。

 陽介もどう返すべきか一瞬だけ迷って、それでも「どうも」と短く返している。

 

 そこまでは、いつもの雅也さんだった。

 人当たりがよく、距離の詰め方に無理がなく、相手に構えさせすぎない。

 

 ただ、その次の一瞬だけ違った。

 雅也さんの目が、陽介を見たまま、ごく薄く変わる。

 表情が消えたわけではない。

 笑みの形も、姿勢も、声の軽さもそのままなのに、見ている場所だけが別の深さへ入る。

 観察に近かった。

 値踏みと呼ぶには露骨ではないが、相手をただの親戚づきあいの範囲では見ていない時の目だった。

 ほんの一拍で戻る。

 戻ったあとは、また同じ調子で、雅也さんは気安く笑っていた。

 

「悠の周り、真面目そうなやつばっかだな」

「周りってほどじゃない」

「いや、でもそういう感じあるだろ。お前、昔から変なとこでちゃんとしてるし」

 

 軽い調子のまま椅子へ腰を下ろす。

 母さんがもう一つ湯飲みを出そうと立ち上がる前に、自分が先に棚へ手を伸ばした。

 

「出す」

「お願い」

 母さんはそれ以上言わず、急須の方へ回る。

 

 湯飲みを取る手元で、さっきの視線を反芻する。

 見間違いではないと思う。雅也さんのあの目は、親戚相手の軽い興味で出るものではなかった。

 

「何してたんですか、今日」

 陽介が、会話の空白を埋めるように聞く。

 声の高さからして、まだ少しあの人の調子を測っている。

 

「仕事帰り、って言うと堅いな」

 雅也さんは笑う。

「近くまで来たから顔出しただけ。叔父さん、わりとマメなんだよ」

「それを自分で言うのか」

 つい口を挟むと、雅也さんは「言う言う」と適当に返した。

「実際、悠がちゃんとやってるか見に来てやってんだから感謝しろって」

「余計なお世話だ」

「兄さん、見てくださいよ、この冷たさ」

 父さんはそこで新聞を机に置き、淡々と返す。

「昔からだ」

 それだけで場が一つ笑いに寄る。

 空気は軽い。

 雅也さん自身もその軽さに戻っていて、さっきの変化はなかったことみたいに流れていく。

 湯飲みを雅也さんの前へ置くと、「悪いね」と素直に礼を言った。

 そのまま受け取る指先まで、やはり普通の大人にしか見えない。

 

「花村くん、M大だっけ」

 雅也さんが何気ない調子で聞く。

「はい」

「へえ、いいじゃん。東京にもだいぶ慣れた?」

「まあ、去年よりは」

 

 やり取りはそれだけなら自然だった。

 だが、問いの置き方が少しだけ正確すぎる。知りたいことの周囲から、無理なく芯へ寄っていく感じがある。

 

「悠は愛想ないだろ」

「いや、まあ……」

 陽介が返しに迷うと、雅也さんは勝手に笑う。

「だよな。昔からそうなんだよ。悪いやつじゃないんだけど」

「雅也さんに言われたくない」

「ひどいなあ」

 

 また軽口へ戻る。

 戻るからこそ、さっき一瞬だけ差し込んだものが、かえって引っかかる。

 

 母さんが茶を注ぎながら、雅也さんへ向けて言う。

「急に来るなら、もう少し早く連絡をちょうだい」

「いやあ、急な方が面白いかなって」

「面白がることではないわ」

「すみません」

 謝り方まで軽い。

 それでも完全に怒らせない程度で止めるあたり、昔からこの家の空気を知っている人間の動きだった。

 

 陽介も、最初の緊張は少しずつ解けている。

 ただ、雅也さんが話すたびに返事の前へほんの小さな間が挟まるので、調子を掴みきったわけではないらしい。

 

「そういや」

 雅也さんが湯飲みを持ったまま言う。

「悠、お前んとこ、ちゃんと飯とか食ってんの?」

「食ってる」

「ほんとかあ?」

「食ってる」

「即答だな」

「俺もいるんで」

 陽介がそこで入る。

「そのへんは、たぶん大丈夫です」

 

 その返し自体は自然だった。

 だが、雅也さんはそこでまた一度だけ、陽介を見る。

 本当に一瞬だった。

 今度はさっきよりさらに短い。視線が相手の顔をなぞるというより、置かれた言葉の位置を測るように止まって、それで終わる。

 やはり見ている。

 しかも、ただの叔父としての好奇心ではない。

 何を見ているのかまでは分からない。

 ただ、雅也さんの軽さがそのまま本体ではないことを、あらためて思い出させられる。

 

「へえ、頼もしいねえ」

 雅也さんはまた笑った。

「悠、お前、ちゃんと世話されてるじゃん」

「されてない」

「してるだろ、少なくとも飯の話は」

 陽介が半分笑いながら言う。

 そこへ雅也さんが「ほらな」と適当に乗る。

 場はまた軽く流れていく。

 父さんも母さんも、そこへ大きく口を挟まず、それぞれの位置で会話を受けている。

 気にしすぎかとも思う。

 あの人の職業柄、いや、そういう推測まで今ここで進める必要はない。ただ、普段の顔と別のものが混じったことだけは確かだった。

 

 雅也さんは茶を飲み、菓子に手を伸ばし、またどうでもいい話をする。

 近所の道が変わったとか、駅前の店がひとつなくなったとか、その程度の内容に戻っている。

 陽介もそれに合わせて返していた。

 返せてはいるが、完全に気を抜くところまでは行っていない。その感覚は、自分がさっき覚えたものとたぶん少し似ている。

 やがて会話の波が一度落ち着く。

 蝉の声が窓の向こうで少しだけ大きく聞こえ、室内の冷房の音がその下で静かに続いていた。

 

「また来るよ」

 雅也さんが立ち上がりながら言う。

「今度はもうちょい早く連絡して」

 母さんが返すと、雅也さんは「善処します」と適当な顔で笑った。

 

 玄関まで見送る流れの中でも、雅也さんは最後まで軽かった。

 陽介にも「じゃあね、花村くん」と手を上げ、自分には「悠、ちゃんとやれよ」とだけ言う。

「何をだ」

「いろいろ」

 そう言って笑う顔は、さっきまでと同じだった。

 

 扉が閉まり、足音が遠ざかる。

 玄関の中へ静けさが戻ってきても、さっきの二度の視線だけが、妙に輪郭を残していた。

 

 居間へ戻る途中、陽介が小さく息を吐く。

「なんか、すげえ人だったな」

「いつもあんな感じだ」

「いや、そういう問題じゃない感じもしたけど」

 そこまで言って、陽介は続きを飲み込む。

 たぶん自分と同じ種類の違和感を拾っている。だが、それをここで言葉にするほど確かなものではない。

「気のせいかもしれない」

 そう返すと、陽介は「かもな」とだけ言った。

 否定も肯定もせず、そのまま受け流す形にしたのは、その方が今の場には合っていたからだろう。

 

 居間へ戻ると、母さんはもう茶器を片づけ始めていた。

 父さんも新聞を手に取り直し、さっきまでの空気へ自然に戻ろうとしている。

 自分も何も言わず、空いた湯飲みをひとつ持ち上げた。

 手の中の磁器はいつもと同じ重さなのに、さっき叔父に見られた感覚だけが、まだ少し手元に残っていた。

 

◇◇◇

 

 マンションへ戻る頃には、外の熱がすっかり肌へ張りついていた。

 駅からの短い道でも十分暑く、玄関の鍵を回した時には、背中の熱がようやくほどけ始める。

 

 扉を開けると、閉め切っていた部屋の空気が少し重かった。

 先に靴を脱ぎ、荷物を下ろし、冷房の電源を入れるまでの流れは、ほとんど考えるまでもない。

 陽介も後ろから上がってきて、今日は珍しく靴をきちんと揃えた。

 鳴上家を出た時から少し気が抜けていたが、完全に元へ戻るにはまだ数分かかりそうだった。

「暑っ……」

 上着を脱ぎながら、陽介が言う。

 声はようやく普段の高さへ近づいてきたが、伸び方にまだ少しだけ硬さが残る。

「麦茶でいいか」

「助かる」

 返事を聞きながら、冷蔵庫を開ける。

 朝のうちに作っておいた麦茶が半分ほど残っていたので、そのまま二つのグラスへ注いだ。

 片方を食卓へ置き、もう片方を持ったまま洗面所へ向かう。

 手を洗い、顔に一度だけ水を当てると、鳴上家の空気がようやく皮膚の外へ薄まっていく。

 戻ると、陽介はもう椅子へ座っていた。

 グラスの結露を指でなぞりながら、まだ飲む前に一度だけ息を整えている。

 向かいへ座り、こちらもグラスを持つ。

 麦茶はよく冷えていて、喉を通る温度だけで家へ戻ってきたと分かる。

 

 しばらくは何も言わなかった。

 帰宅直後の沈黙としては長くない。ただ、今日はそのまま流れて終わる感じでもなかった。

 

「あのさ」

 先に口を開いたのは陽介だった。

 グラスを置く音が小さく鳴って、そのあとで少しだけ視線がこちらへ寄る。

 

「なに」

「あの叔父さん、何してる人なんだよ」

 

 言い方は軽かった。

 半分笑っているようにも聞こえるが、聞いたあとで逃げるつもりのない声でもあった。

 予想していたので、驚きはしない。

 鳴上家を出る頃から、陽介の中に引っかかりが残っているのは見えていた。

 

「仕事してる人だ」

「それは見りゃ分かる」

 陽介がすぐ返して、ようやく少しだけ笑う。

「そういう意味じゃなくて、なんか普通の人じゃなくないか」

 普通の人、という括り方は雑だが、言いたいことは分かった。

 あの軽さのまま終わらなかったことを、陽介なりに言い換えるとそうなる。

「叔父さんは叔父さんだ」

「そこも分かる」

「聞き方が広い」

「広いから、そっちで拾ってくれよ」

 返しながらも、陽介の手はグラスから離れない。

 からかいに寄せすぎず、本気をむき出しにもせず、その中間で置いてくる聞き方だった。

 

 台所へ立ち、麦茶のポットを冷蔵庫へ戻す。

 ついでに製氷皿の残りを見て、帰省前にもう一度作っておいた方がいいかを頭の片隅で計算する。

 

「警察関係だ」

 振り返らずに言う。

「へえ」

 陽介の返事は、驚いたようでいて、完全には意外でもない響きだった。

「いや、なんか分かるな、それは」

 少し間を置いてから続く。

「なんつーか、笑ってんのに、たまに目だけ別じゃなかった?」

 

 手を止めるほどではないが、冷蔵庫の扉を閉める指先が一拍だけ遅れた。

 見ていたのは自分だけではなかったらしいと思い、そのまま椅子へ戻る。

 

「見てたな」

「やっぱそうだよな」

「たぶん、お前のことも見てた」

「やっぱりかあ……」

 そこで陽介は背もたれへ体を預けた。

 怯えたというより、引っかかっていたものの形が一つ定まって、逆に少しだけ力が抜けたように見える。

「俺、なんかした?」

「してないと思う」

「思うって」

「叔父さんの考えてることまでは分からない」

 言いながら、食卓の端へ置いた鍵を少し寄せる。

 

 明日の外出で持ち出しやすい位置へ置き直すだけの動きだが、今はそういうことをしていた方が言葉を増やさずに済んだ。

 雅也さんについて、表向きのことは言える。

 ただ、あの人の本質まできれいに説明しろと言われると、自分でも少し困る。

 昔からそうだった。

 軽い調子で場へ入って、冗談で流せるところは流しながら、必要な時だけ別の顔を一瞬だけ出す。

 

「警察って言われると納得するけど」

 陽介がグラスを回しながら言う。

「それで全部片づく感じもしないんだよな」

 

「そうだな」

 短く返す。

 それ以上の言葉を足そうとして、やめた。足せるほど整理された理解でもない。

 

 陽介は少しだけこちらを見る。

 その視線には、もう一段聞きたい気配もあったが、無理に押してくる感じではなかった。

 

「悠も、全部知ってるわけじゃねえの」

「全部は知らない」

「そっか」

「ただ、軽いだけの人じゃない」

「それは今日で分かった」

 

 会話はそこで一度切れた。

 冷房の音が少し強まり、外の蝉の声が窓越しにぼやけて聞こえる。

 そのまま終わってもよかったが、少しだけ続きを置く。

 説明ではなく、見た範囲だけをそのまま渡す方がいいと思った。

 

「叔父さん、たまに見る」

「何を」

「人のことを、急に」

 言葉を選んでから続ける。

「話してる相手じゃなくて、その奥を見るみたいに」

 

 陽介はそれを聞いて、すぐには返さなかった。

 冗談で受けるには少し足りず、深刻に飲み込むにはまだ材料が少ない、ちょうどそのあたりの沈黙だった。

 

「……やだな、それ」

 ようやく出た言葉は軽かったが、完全な軽口でもない。

「まあ、でも、嫌な感じってほどでもなかったんだよな。変なんだけど」

 

「分かる」

 そこはすぐ返せた。

 不快感だけなら整理しやすいが、雅也さんのあれはそういう単純さではない。

 

 見られた感覚は残る。

 ただ、それをその場で問い詰めるほど明確な悪意や敵意があるわけでもない。その曖昧さがいちばん扱いにくい。

 

 陽介が麦茶を飲み切り、空いたグラスを机の中央へ寄せる。

 今日は自分から流しへ持っていく前に、一度だけそこで止まった。

 

「ま、親戚づきあいで毎回会うタイプでもないならいいか」

 そう言ってから、少し遅れて付け足す。

「いや、よくはねえけど」

「毎回ではない」

「ならいいや」

 口ではそう言うが、完全に片づいてはいない。

 ただ、今ここで長く引っ張る話でもないと、陽介も分かっているらしかった。

 

 立ち上がって、空いたグラスを二つ流しへ運ぶ。

 蛇口をひねり、軽くすすいで水切り籠へ伏せるだけの作業に、普段より少しだけ意識を置いた。

 

 背後で、陽介が椅子を引く音がする。

 帰省用のメモを広げる気配がしたので、話をそちらへ戻すつもりだろうと思う。

 

「で」

 案の定、陽介が言う。

「帰省の荷物、ほんとに充電器一個で足りる?」

「足りる」

「やっぱそこに戻るのか」

 そう返す声は、もうかなり普段のものに近かった。

 それでも、雅也さんのことは完全に消えていない。軽い会話へ戻した上で、違和感だけがまだ底に残っている。

 

 布巾を取ってグラスの縁の水を拭く。

 帰省前にやることはまだ多い。冷蔵庫の整理、荷物の確認、切符の時間、堂島家と花村家へ顔を出す順番。

 そうした具体の中へ手を戻しながらも、雅也さんの目だけは残っていた。

 軽い笑い方のまま、一瞬だけ別の深さで見ていたことを、たぶんしばらくは忘れないだろうと思う。

 

 食卓へ戻ると、陽介はもうメモの端へ何か書き足していた。

 帰省準備の話へ戻っているのに、さっきまでの違和感が完全に切れてはいない、その半端な感じが今のところはいちばん自然だった。

 

 自分もその隣へ座り、次に買うものを一つ加える。

 生活はそのまま次の段取りへ進んでいく。だが、その流れの底に、説明しきれない引っかかりだけが薄く沈んだまま残っていた。

 




登場人物をここでまとめておく

鳴上悠(T大に入学した大学二年生)
花村陽介(M大に入学した大学二年生)

鳴上友樹(西洋考古学の権威の一人。T大客員教授でもある)
鳴上春奈(文化財修復のスペシャリスト。特に古文書や稀覯本等の紙類文化財の修復では比肩するものなしといわれる)
鳴上雅也(警察関連の人)



次回もよろしくお願いします
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