そこへアディスと同じオセロニアワールド出身のワイバーンが飛来し強襲。アディスはアリスとともにワイバーンを撃破し、オセロニアワールドへと送り返すことに成功する。
そして二人は、霊夢へと合流するために、博麗神社へと向かっていった。
アリス「そういえば、あなたの故郷、オセロニアワールドだったかしら?どんな場所なのか、聞いていなかったわね」
アディス「いたって普通ですよ。
アリス「どこが普通......いや、幻想郷もそんなもんか.....」
「....おや?ここは一体?」
深い霧が立ち込める竹林の中で目を覚ましたのは、マリオに似た顔と見た目を持ち、頭の帽子がNと書かれている男、ノリオである。
「おかしいですね。私は確か、取引相手との待ち合わせ場所に向かっている所だったはずですが...まあ、いいでしょう。とりあえず、歩いてみるとしますかねー」
そう言って竹林の中を歩くこと30分、行けども行けども竹ばかり。ノリオは一向に外に出れそうもなかった。
「....この竹林、なにかありますね。このまま歩いて行っても結果は同じでしょう。かと言って、ここにとどまっていても問題解決にはなるとは限りませんし......」
バァンバァンバァン!
すると何処からか、銃声が聞こえた。
「....近いですね。見に行ってみますか」
ノリオが向かうとそこには、キノコ王国の警察と、薄紫色の長い髪に、女子高生の制服、そして何より目立つヨレヨレのうさみみがある女の子が交戦中だった。
「はあ!」
バァン!
「ぐぎゃあ!」
「何だこの兎!全然倒せないぞ!」
「くそっ!もう守る
「とにかくここは退却だ!」
負け惜しみ言いながら、警察達は逃げていった。
「.......」
兎の女性はというと、警察の言葉に傷ついたらしく、その場に棒立ちとなり、下を向いて、右拳を強く握りしめていた。
(....警察の言葉に傷ついているようですが、こちらの都合もありますし、申し訳ありませんが、話しかけてみますか)
この場にとどまっているわけにもいかないノリオは、申し訳なさも感じながら、兎の女性に近づいた。
「Excuse me。少しお話いいでしょうか?」
「え?は、はい」
「私、ノリオと申します。失礼ですが、あなたのお名前は?」
「鈴仙・優曇華院・イナバって言います。みんなからイナバとかウドンゲって呼ばれてます。あの、どうかされましたか?」
「実は、さきほどからここら辺一体をずっとグルグル回っておりまして。ここからでるにはどうすればいいか、知っておりませんか?」
「あー。そりゃそうですよ。ここは迷いの竹林といって、一度入ったらすぐには出られない、特別な竹林なんです」
「なるほど。だから、一向に出れなかったのですね」
「本当は妹紅さんやてゐに会えれば、脱出できるんですが、二人は警察の連中に捕まってしまって....」
すると、何か嫌なことを思い出したのか、イナバは先程のように、顔を下に下げた。
「ふむ。であれば、イナバさん。この竹林の中にあるあなたの主のいた屋敷に、連れてってくれませんか?」
「え?なんでそれを?」
自分がまだ話していない自分の住む屋敷の存在をなぜ知っているのかをイナバは驚いていたので、ノリオは自分が考えた推理を答えた。
「先程の警官達の発言から、あなたが誰かに仕えているということ、そして、この迷いの竹林にいても全く慌てる様子がないことから、この場所を熟知している、何度も来ているということがわかりました。それなら、あなたの主の屋敷がこの竹林の中のどこかにある確率が高いと思ったのです」
「な、なるほど。わかりました。であればこれから、私の主である蓬莱山輝夜様の住まい―永遠亭にお連れします」
*
永遠亭に向かっている間、ノリオは、イナバと話すうちに知った、この幻想郷について、幻想郷に突如として現れた警察のことについてなど、いくつもの情報をイナバから聞いた。
「ふむふむ。なるほど。それで私たちの世界の警察がいたのですね。....ところで、あなたのフルネーム、鈴仙・優曇華院・イナバでしたっけ?なんでそんな長いのです?新手のいじめですか?」
「いえ、この名前は、月にいた頃の名前のレイセン、優曇華院は私の
ノリオが異様に長い名前のことを聞きイナバは答えた。彼女は、自分の名前がその場その場で付けた名前の集合体であることを明かした。ちなみに、漢字での鈴仙は、地上人にカムフラージュする為の当て字である。
「目上の人からもらった名前の集合体、ですか..。あなたはそれでいいのですか?」
「え?」
「これは私個人の考えですが、私は上司のような立場の人が大ッキライです。全員が対等で働きたい。あなたにこの考えを押し付けるわけではありませんが、あなた自身、上の命令に振り回されて嫌と思うことも多かったのではありませんか?」
理不尽ながらも、命令には従わなければならない従者としての立場、ノリオは、そんなイナバに気づかいなのか、心配してみせ、とうのイナバは、自分の今までの苦労を振り返りながら、自分の思いを伝えた。
「...たしかに、師匠の無茶振りが酷くて嫌になるし、てゐのいたずらで体をたまに痛めるし、どれだけ働いてもお金もあまり貰えないし、三食薬なんてこともちょくちょくあるし」
「いやそこまでいったら仕事辞めてください(汗)」
「それでも、私は輝夜様のもとにいて、後悔したことなど一度もありません。私のことを何も言わずに、責めずにいてくれた恩がありますから」
「...失礼なことを聞いてしまいましたね。輝夜という方は、あなたのような人を持って幸せですね」
ノリオは、『責めずにいてくれた恩』という言葉に引っ掛かりながらも、この場では言わないことに決めた。
「そ、そうですかね?」
「ええ。私だったらあなたを充分な地位に任命しますよ」
「ま、またまた〜。そんなことないですって〜///」
そう言いながらも、イナバはまんざらでもなさそうに照れていた。
(少々元気が出たようですし、結果オーライですね)
「あ!着きました。ここが永遠亭です」
永遠亭と呼ばれたその屋敷は、周りの竹藪に見合う美しい日本庭園で、ノリオは一時的に見とれていた。
「ほう....これが永遠亭。中々の美しさですねー」
「そう言ってもらえると、嬉しいです♪」
永遠亭に入ってみると、ノリオはすぐに違和感を感じた。なにせこんなに広い屋敷なのに、主どころか、他に誰一人としていないのだ。そして、ノリオは、一つの結論に至った。
「―警察が他の方々全員を捕まえたのですね」
「!....本当は、私もここにいたんです。でも、師匠が捕まっちゃった途端、怖くなっちゃて、ずっと隠れてたんです。...変わんないなー。昔も今も」
「どういうことです?」
「私、昔は月の戦闘兵だったんです。でも、月での大戦争が起こったときにも、逃げ出しちゃって。...やっぱり私はだめですね。従者のくせして先に逃げるなんて」
月で戦闘兵として暮らしていたある日、地球の人間達が月に攻めてくる事態が発生した。
イナバは戦闘兵の一人として、戦争に参加していた。
しかしいざ人間と相対する間近となった時、イナバは、
もともと臆病であったとはいえ、月の兵士としてあってはならない行為。それ故に、イナバは
その当時のことを思い出し、イナバは目元を下げ落ち込んだ。
(これが先程の、『責めずにいてくれた恩』のことなのですね....)
そんなイナバに、ノリオは声を掛けた。
「私はだめとは思いませんが」
「え?」
「誰しも自分の命はそう簡単に投げ捨てたりしません。ましてや、大きな脅威を前に恐怖を抱かないはずがありません。それにあなたは、逃げたことに悔いて、その分の努力をしてきたのでしょう?現にあなたは先程の警官達を一人で退けました」
「そうですが...」
「あなたは決してだめではありません。自分に自信を持ってください」
ノリオの言葉を聞いたイナバの目に、活力がみなぎっていった。
「...あ、ありがとうございます。なんだか元気出ました」
「いえいえ。レディーを泣かせるのは言語道断ですから」
その時、永遠亭に警察が現れた。
「ほう。貴様も来ていたのか。ノリオ」
「!あなたは、確か...ハリーと言いましたっけ?どうしてここに?」
ノリオが名を呼んだハリーとは、アルカの死亡事件を担当した警察。
しかし現在は、警察四天王の一人として、幻想郷の住人を捕まえ続けていた。
「実は、もう
「助けって、私は」
「キノピオが行ったときに見つからなかったてことは、その時は隠れていたということ。そんな人任せな出来損ないがいて、ここの主様はかわいそうだな〜」
「.....」
(
バァン
心が折れ、また暗い顔をしたイナバを捕まえようと、ハリーが寄ってきたそのとき、突如として銃弾が飛んできた。
「おっと」
「まったく、レディの体に許可なしで触れようだなんて、マナーがなってませんねー」
発泡したノリオは、悠然とした態度を取って、ハリーを睨んでいた。
「ノ、ノリオさん!」
「ハリーさん、言っておきますが、彼女は私に助けを求めたわけではありませんし、出来損ないでもありません。彼女はただ、自身の使命と後悔に立ち向かう、勇気ある方です」
「!」
意識が闇に陥りそうな中、ノリオの言葉が聞こえたイナバは、先程ノリオが掛けてくれた言葉を思い出した。
『あなたは決してだめではありません。自分に自信を持ってください』
(..そうだ。私だってできるんだ!)
再奮起したイナバは、両手で指手砲をつくり、ハリー達へと構えた。
「ノリオさん!あのモブ警察を倒したいので、力を貸してくれませんか?」
「任せてください」
「誰がモブ警察だ!モブから昇格したわ!おい!調査隊の武装警官共!コイツラをぶちのめすぞ!」
「「は、はい!(絶対モブ警察って言われたこと傷付いてんなー)」」
*
バトルスタート!!!
ノリオは早速、ハリーに向けて発砲した。
「はーい、じゃ早速いっきまーす。はい、はい、はーい」
バン、バン、バン
「させるか!」
カキン!
しかし、武装警官の持っていた盾によって防がれてしまった。
「ふん!その程度の攻撃が通るわけ無いだろ!」
「ふむ。あのゼルダ警察が邪魔ですね」
「(ゼ、ゼルダ?)じゃあまず、あの二人から倒しちゃいましょう」
バキュン、バキュン、バキュン
「ふんっ!」
カキン!
そう言うと、両手で指鉄砲をつくると、そこからピストル玉の弾幕を放った。しかしこれも盾で防がれてしまった。
「へっ!そんな攻撃効かねーよ!そらよっ!」
ズバッ!
シュッ
今度は武装警官が、イナバに切りつけてきたが、イナバはなんとか避けて、武装警官から距離を取った。
「だったら!波符「
ピチュチュチュチュチュン
中二臭い名前のスペルカードをイナバが使うと、イナバの放った銃弾が突如として分散し、武装警官の一人に向かっていった。
「え、いやちょ...どぎゃー!」
ボカン!
「イナバさん、流石ですね。では私も」
バゴーン!
ノリオはバズーカを取り出して、もう一人の警官に向かって発射した。
ボカン!
「ノーウ!」
「ちっ!役に立たねーなー。こうなりゃ俺が捕まえてやるぜ」
バンバン!
シュー!
そう言って、ハリーは、二人に向かって射撃やスライディングキックをしてきた。
バンバン!
バキュンバキュン!
「!へっ!」
シュシュッ
ノリオとイナバは発砲して攻撃してみるが、ハリーの動きのほうが早く、全く持って当たらなかった。
「!早い!」
「俺は警察四天王の中でトップクラスのスピードを持っているんだ!そりゃ!」
ドン!
「きゃ!」
「くっ!」
そのままハリーは、ノリオとイナバに突進して、二人にダメージを与えた。
「ははは!この俺を『モブ』だと甘く見たやつは、皆こうなるんだ!」
まだうずくまっているノリオとイナバを見下ろしながら、ハリーは「モブ」の部分を強調し、両手を広げて二人をあざ笑った。
「う....」
「イナバさん、どうにかハリーさんの動きを鈍らせる、もしくは止めることはできませんか?」
「!任せて下さい!月眼「
セキッ、ギラーン!
ババババババババババ
「!?」
そう言って、イナバの赤い眼が光り輝くと、ハリーの両方向から複数の銃弾が迫ってきた。
「へっ!こんなもん!」
ギラーン!
ババババババババババ
「!?またか!?」
ビリリ
ババババババババババ
ハリーは難なくかわしきったと思ったが、イナバの眼がもう一度光ると、また複数の銃弾が現れた。もう一度ハリーは避けようとするが、痺れるような感覚に襲われると、また複数の銃弾が現れた。
「な!?どうなってるんだこれは!?」
これだけの弾幕をかわしきれるわけもなく、ハリーは弾幕に当たってしまった。
「ぐお!」
「ふん!」
バゴーン!
続けて、ノリオもバズーカをハリーに向かって発射し、追い打ちをかける。
「ヒデブッ!」
ドサッ
二連続の大きな衝撃を食らったハリーは、その場でうつ伏せに倒れた。
「グッジョブです。イナバさん」
「ありがとうございます!」
「ま、まだだ!まだ負けてなーい!」
しかし、ハリーはすぐさま起き上がり、ハリーはどこから取り出したのか、火炎放射器を使用した。
「!?まだ気を失っていなかったの!?」
「くらえ!」
ボボボボー!
火炎放射器から発射された炎は、あたりを一気に飲み込もうとしていた。その炎は永遠亭にも襲いかかった。
「ああ!永遠亭が!」
「火事もお構いなしに放火。どちらが悪者か、わかりませんねー」
「ははは!これで俺の勝ちだ!」
ハリーは心の支えの一つである永遠亭を焼失させることができれば、イナバの心をまた折ることができると考えており、勝利を確信して笑っていた。
「....ない」
しかし、ハリーは理解していなかった。永遠亭を燃やすその行為が、
「ん?」
「ゆるさない!」
イナバの怒りを急上昇させてしまったことを。
「輝夜様や師匠とも馴染み深く、私にとっても思い出深い永遠亭を傷つけたこと、その身をもって償わせてやる!散符「
ゼギッ!ギラーン!
すると、イナバの眼が先程よりもおぞましく、そして神々しく輝くと、ハリーの脳に激しい激痛が走った。
バチチチ
「のわー!な、何なんだこの痛みは!?」
ババババババババババババババババババババ
続けて先程の倍はある数多の弾幕が、ハリーに向かっていった。ハリーは先程の激痛によって上手く動けず、もろに食らった。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「ふぎゃーー!」
ババババババババババババババババババババ
さらに、弾幕がもう一度現れ、ハリーに襲いかかろうとした。
「立て続けに同じ技を食らうわけがないだろう!」
ハリーは銃弾幕すべてから逃げ出そうと、持ち前のスピードでよけきろうとした。しかし、弾幕は途中から透け始め、ついには完全に姿を消した。
「!?ど、どこにいった!?」
ハリーが困惑していると、もう一度弾幕が姿を現し、全弾ハリーに命中した。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「ぐはー!どうなってんだ一体!」
そして、イナバは空中へと浮かび上がると、複数の銃弾幕がその周囲を取り囲んだ。彼女は両手で指鉄砲を作り、ハリーへ狙いを定めて、今にも弾丸を放とうとしていた。
ハリーは逃げようとする。しかし、イナバの赤い眼に鋭く睨まれた瞬間、まるで蛇に睨まれた蛙のように体が硬直し、一歩も動くことができなくなった。
「くらえーー!!「
ピカーーン
ドチュ―――ン!
そう言い放つと、イナバの人差し指から、赤い閃光の銃弾が放たれた。
「ぐぎゃー!」
この一撃を受け、ハリーは戦闘不能となった。
「や、やったー!ありがとうございます。ノリオさん!」
「いえいえ、彼を倒せたのはイナバさん、あなたの実力ですよ」
「く、くそー!た、退却だ!退却!」
起き上がったハリーは急いで永遠亭から逃げていった。
「あ!逃げた!」
「すぐに追いかけm...おや?これは何でしょう?先ほど落としていったもののようですが」
見るとどうやら探知機のようで、この竹林の出口を指し示していた。
「なるほど。これで、この迷いの竹林から彼らは抜け出すことができていたようですね」
「...あの、ノリオさん!申し訳ないのですが、私、捕まったみんなを助けたいんです!それに、永遠亭をこんなにした
「....レディ一人を危険な目に合わせるわけにはいけませんしね。わかりました。私もできる限りのお手伝いをさせていただきましょう」
ノリオとイナバはお互いに握手を交わした。
「では、不束者ではありますが、よろしくお願いします。イナバさん」
「よろしくお願いします!ノリオさん」
そうして二人は打倒警察のために、迷いの竹林から出ていった。