第一話
もうすぐ年があけようとしている日・・つまり12月31日の昼頃、一人、テニスラケットとボールを持ち、壁相手にラリーをしている人物がいた。
彼の名前は深月狂也(ふかづき きょうや)。硬式テニスの全国大会で今のところ2連覇、来年も優勝すれば3連覇となるテニスの実力者であった。
「さて、これで終わりにしましょうか。」
彼はそう呟き、壁打ちを辞め、自転車に跨る。そしてそのまま家えと向かって行った。
彼の家はアパートで、一人ぐらしである。といっても、高校に通うために下宿しているだけであって、家族はしっかりといる。
彼は家に着くとラケットを下ろし、夜食の準備をするためにキッチンへと向かった。
「はて、これは何でしょうか。」
彼は机の上にある手紙のようなものに気がついた。
「えっと……貴方を幻想の世界へと案内します。明日の午後6時に家にいて下さい。拒否権はありません。」
これを読んだ狂也は当然この手紙の意味を理解することができなかった。けれども誰かのイタズラだろうと、気にせずそれをゴミ箱へと捨てた。
次の日の6時頃
狂也は昨日と同じく夜食の準備をしていた。
「貴方が深月狂也ね?迎えにまいりましたわ。」
突然聞こえた声に狂也は反射的にそちらを向く。そこには紫色のドレスを着て、白色の傘を持った女性がいた。
「えっと……貴方は誰ですか?そして、何故ここにいるのですか?」
「あら・・・私としたことが・・・申し遅れましたわ。私は八雲紫、貴方を幻想郷に案内するために来ましたの。手紙にも書いてあったでしょう?」
「えぇ。確かに手紙は届いていました。しかし、どこから入って来たのですか?」
「それは……これね。」
そう言って女性・・・八雲紫は狂也の目の前に隙間の様なものを出した。
「私はスキマ妖怪。このスキマでいろんな境界が弄れますのよ。………さて、本題に入ろうと思うのだけど・・・幻想郷に来てくれるわよね?まぁ、拒否権はないけれど」
「拒否権は無いんですよね?そうですか……なら、このラケットとボールを一緒に持って行かせて下さい。親友から貰った物なんです。」
「そう……まぁ、それぐらい構わないわ。でも、案外すんなり許可出してくれたわね?」
「仕方ないものは仕方ないと自分で考えていますし、お願いされたことを無下にはできないので」
「感謝するわ・・・。出発は明日。しっかりと休んでおくのよ。場所はここで時間は午後6時。それでは、ご機嫌よう。」
そう言って紫は去って行った。胡散臭いひとだな・・・狂也はそう思い、夜食を済ませ、風呂に入り、眠りについた。
次の日、狂也は約束通りキッチンにいた。
時計を確認し、6時になるであろう頃、隙間が開き、中から昨日と同じ様に紫が出てきた。そして、
「貴方には幻想郷にきてもらいますわ。狂也。これからよろしくね。」
と言った。狂也は幻想郷に行く準備はできていたので、
「えぇ。よろしくお願いします。」
そう言って紫が作ったスキマに入って行った。その背中を見て紫は呟いた。
「彼は本当にあんなにも恐ろしい力をもっているの・・?でも、最悪の場合の事も考えておくべきね。」
そして、紫もスキマへ入っ行った。
「これはすごいですね・・・・。」
スキマから出てきた狂也の目に入ってきたのは豊かな自然だった。
狂也がその豊かな自然に見惚れていると紫は
「すごいでしょ?貴方の住んでいたところではあり得ないことよ。とりあえず、博麗神社へ行きましょう。そこにいる巫女とはなしをするの。」
と言い、整備されているのかわからない道を歩いて行った。狂也は紫の言葉に頷き、紫の後をついて行った。
「狂也、貴方はラケットを持ってきていたわね?そんな物、何に使うのかしら?」
「このラケットですか?それは、前にも言っ様に、親友から貰った物なんです。テニスの練習も日課になっているので、続けたいですし。それに、もしかしたら他に役に立つ事があるかもしらないですしね。」
「そう・・・まぁ、大事にすることね。・・・・貴方は、此処で生活していけそうかしら?」
「まだ生活が始まってもいないので、なんとも言えないのですが、いいところだと思います。それに、こういった所は好きですし。」
「それなら大丈夫そうね。ついたわ。此処が博麗神社よ。」
紫はそう言って鳥居をくぐり、中へ入って行った。狂也も決意を固め、鳥居をくぐって行った。
1話目だし短めに。関係ないですがorasで軽業キモリくれる人いませんか?いたら交換お願いします。