第十話
紅霧異変から数日、この日狂也が目を覚ました原因は、狂也が寝ている部屋から聞こえてくる物音であった。
「この音は霊夢さんでしょうか・・・・今日は特に用事は無い筈ですけど・・・・。」
何時もより早い霊夢の起床に驚きつつも、狂也はその音がした方へと向かって行った。
狂也が襖を開くと、そこには予想通り霊夢がいた。霊夢は部屋にある物を幾つか別の部屋に運んでいる様で、部屋はだいぶ綺麗になっていた。
「あら狂也、起きたのね。おはよう。」
「おはようございます。突然なんですけど、今日って何かありましたか?」
霊夢の作業を中断させてしまうことを申し訳なく思いながらも、狂也は気になっていたことを聞いた。
「あぁ、そういえば狂也には言って無かったわね。今日、ここで異変解決祝い兼、レミリア達の歓迎会の意味を込めた宴会をすることになったの。会場はここで。」
「そうだったんですか。何か手伝える事があれば手伝いますけど何かありますか?」
「そうね・・・・。なら、この紙に書いてある物を買ってきて貰えるかしら。」
霊夢はそう言うと一枚の紙を取り出し、狂也に渡した。その紙には宴会で出す料理に使うであろう食材や、お酒などが書いてあった。
「分かりました。準備が終わり次第買ってこようと思います。」
霊夢は「そう。じゃあお願いね。」と言うと自分の作業に戻った。狂也は着替えや朝食を済ませると、神社を出た。
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人里に着いた狂也は、目的の店に向かった。目的の店に行く途中にも色々な店が有り、最近人里に来ていなかったこともあってか、見る物がすべて狂也の目には新しく見えた。
人里に着いて歩き始めて少し、狂也は目的の店、酒屋に着いた。そこで酒を必要な数だけ買い、次の店へ、地理が頭に完全に入っていない為、少し時間がかかってしまったが目的の物は全て買う事ができた。他にすべき事も見当たらなかった為、狂也は博麗神社に帰る事にした。
狂也が人里に買い出しに出かけている中、霊夢は宴会で使う会場の準備を進めていた。
一旦全ての物を部屋から出し、必要な物を邪魔にならない位置におく。この作業も狂也が帰ってくるまでには十分間に合う予定で、霊夢の中では狂也が帰ってきてからの宴会までの流れもしっかりと脳内再生できていた。
このまま順調に行けばお茶を飲む時間ぐらいは空くだろう。そう思い、あと少しとなった作業を進める。しかし、何事にもイレギュラーは有る。今回の場合、霊夢にミスが有ったとするならば、そうーーーーーー
「霊夢!!宴会の準備は終わったか?この私が来てやったぜ!!」
ーーーーーーそれは、魔理沙が神社に来る事を想定していなかった事だろう。霊夢の経験上、魔理沙はこういった場面に訪れて、何かしらの事件が起こしていく。そんな事はもううんざりだった。だからこそ、
「宴会の準備はまだ終わってないし、お酒もないわ。魔理沙の家も魔理沙を待ってるだろうし、帰ったらどう?」
と言って魔理沙を帰そうとするのだが、基本的に魔理沙は帰らない。何もせず静かにしているのならまだ良いのだろうが、魔理沙は必ず事件を起こす。
「そうだ!私も宴会の準備を手伝ってやろうか?二人なら速く終わるだろ。」
「手伝ってくれなくてもいいわよ。帰らないならそこで静かにしていなさい。」
魔理沙は「わかったぜ。」と言うと縁側へと行った。今回こそは、無事に終えたい。霊夢はそう思いながら作業を進めて行った。
人里で買い物を終えた狂也は、博麗神社に戻ってきた。神社に入って直ぐ気がついたのは魔理沙の存在だった。
「あれ?魔理沙さんじゃないですか。まだ宴会の時間には速い筈ですけど。」
「ん?あぁ、狂也か。なに、私も暇だったんでね。ここに来たのよ。でも霊夢の奴がここにいろってな。だからここに居るんだ。」
「なるほど。それで、霊夢さんの方の仕事は終わりましたか?」
「いや、まだだろうな。でももうすぐ終わると思うぜ。」
「そうですか。なら、宴会の為の料理をこっちで作りましょうか。」
狂也は神社の中へ入ろうとした。その時。
「その必要はないわ。」
狂也の後ろから声がした。一度聞いたことがある声。その声の持ち主は吸血鬼。今回の異変を起こした張本人。レミリア・スカーレットだった。
「宴会の料理は咲夜に作らせて、貴方は休みなさい。拒否権はないわよ?こっちは咲夜に作らせる気で来たんだから。」
神社に来たのはレミリアだけでなく、咲夜やパチュリー、小悪魔、フラン。と、紅魔館のメンバー5人で来た様だ。
「ちょっと、私を忘れないで下さいよ!!」
・・・・・失礼。美鈴含めた紅魔館メンバー6人で来た様だ。
「なら、霊夢さんに話しをして来ますね。」
「それも必要ないわ。私が伝えてくるわ。中国!日傘をお願い。」
咲夜はそう言うと神社の中へ入って行った。
「さて、私は少し出かけてくるかな。宴会が始まるまでには戻るから気にするな!」
魔理沙は咲夜とは反対に神社を出て行った。
そして、狂也とレミリア達しか居なくなった所で、レミリアが口を開いた。
「狂也、貴方に私とフランから話したいことが有るのだけど、神社の中使えるかしら?」
狂也は頷くと、レミリア達を中へ案内した。
宴会編はまだ終わらんぞ、もちっとだけつづくんじゃ