図書館から出てきた狂也と魔理沙は異変の主犯の元へ行く為に一人は走り、一人は飛んでいた。動き始めて30分がもうすでに経っている。このまま主犯の元へと辿り付けないのではないか。そう思い始めた時、大きめの部屋へなと出た。
「なぁ狂也。ここで少し休まないか?お前ももう疲れているだろう?私も飛び続けるのは辛いのぜ」
魔理沙は狂也にそう言うと、狂也は「そうですね。」と答え、壁に体を預ける。魔理沙も箒から降り、地面に着地した。
「なぁ狂也、この異変の主犯はどんな奴なんだろうな。」
「それは誇り高き吸血鬼。レミリア・スカーレット様でごさいます。」
「おう!そうか!・・・ってあれ?お前だれだよ!」
魔理沙が狂也にした質問に答えたのはメイド服をきた少女。頭にはカチューシャの様な物を付けている。この見た目でここで働くメイドなのだと狂也は判断した。
「私の名前は十六夜 咲夜。お嬢様の命により貴方達をお嬢様の元へお連れする為にやってまいりました。それと、貴方達の名前を聞いてもよろしいでしょうか。」
メイド服姿の少女ーーー咲夜は自分が此処にきた理由を話した後、狂也達に名前を聞く。これに対し魔理沙は「私の名前は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだ。」と答え、狂也は「深月狂也と言います。よろしくお願いします。」と答えた。
「では、貴方達をお嬢様の元へと連れて行きます。よろしいですか?」
「ハイ。構いません。」
「大丈夫だ。問題ないぜ!」
「かしこまりました。お嬢様の元へと行ったら、くれぐれも無礼のないようにお願い致します。」
咲夜はそう言うと指をパチンと鳴らす。すると彼女以外の狂也や魔理沙を含む全ての物から色が消え去る。この時点で動くことが出来るのは彼女だけである。これが、彼女の持つ能力ーーー時を操る程度の能力である。彼女は動かなくなった狂也達を持ち上げ、レミリアの元へと運んで行った。
咲夜が狂也達を運び終えると再び指をパチンと鳴らす。すると狂也達を含めた全ての物に色が戻る。魔理沙は突然自分のいた場所が変わっていることに驚いている。しかし何故か狂也は何かを考えている様で、場所が変わっていることに対して特に驚いてはいなかった。
「この扉の先にお嬢様がいます。恐らく今は博麗の巫女と弾幕ごっこをしているので、くれぐれもご注意を。」
そう言って咲夜が扉を開けると、魔理沙は勢い良くその扉の奥へと消えて行った。続いて狂也と咲夜も中に入って行く。その最中で、狂也は一つの気になっていたことを咲夜に聞くことにした。
「咲夜さんは先程、此処まで魔理沙や自分を移動させる時、時間を止めたりとかしていましたか?」
狂也の質問を聞いた咲夜は目を見開き、「な・・・・」と少し声を漏らしていた。
「自分がこう思った理由は簡単で、咲夜さんが移動させた時、動くことはできなかったんですけど、目は見えたんです。そして指を鳴らすと魔理沙は瞬間移動をしたことに驚いていました。これなら、時を止めたしかない。そう思ったんですけど、当たってます?」
狂也の推理を最後まで驚いた様子で聞いていた咲夜だが、狂也の話が終わると微笑み、狂也にむかいこう言った。
「そうね。正解よ。でも、私が時を止めた時は、私だけの世界になるはずなのに・・・。もしかしたら、貴方にも何かしらの能力があるのかもしれないわね。」
狂也は軽く「そうかもしれませんね。」と答え、自分の意識をすぐ奥で起きている爆音に向け、そのまま爆音がする方へと咲夜と共に進んで行った。
「あぁもう鬱陶しいわね!くらいなさい!封魔陣!」
狂也達が辿り着いた場所では、魔理沙とパチュリーの時とは比べものにならない程激しい弾幕戦が繰り広げられていた。戦っているのは先程スペルを発動した霊夢と、小さめの体にその体に対して大きめの翼を持つ少女。彼女こそが咲夜が言っていたお嬢様。レミリア・スカーレットだ。
「くっ!危ないわね・・・今度はこっちの番よ!スピア・ザ・グングニル!」
レミリアがそう叫ぶと彼女の手元に紅く大きい槍が生成される。そしてレミリアはその槍を幾つかの弾と共に投げ込む。その小さい体からは想像出来ないスピードで投げ込まれた槍だが、これを霊夢はある程度余裕を持って躱し、スペルを発動する。
「これで終わりよ!スペル!夢想封印!」
霊夢がそう叫ぶとレミリアの周りに結界が張られる。槍を投げた後だった為体制が崩れ、対応が遅れたレミリアだが、異変の主犯だけのことはあり、出来る限り早くこの結界に対応することができた。しかし、それでは遅すぎた。レミリアの周りでは結界から弾幕が放出されて行った。最初の内は弾を避けれていたレミリアだが、一発の弾に被弾してしまった。これを境にレミリアに大量の弾が当たり、レミリアは落下した。
「お嬢様ぁ!」
咲夜は叫びながら落下して行くレミリアの元へと走っていった。この時狂也は時を止めればいいのではないか。と思ったが、今の咲夜にそんな余裕は無かった。
「お嬢様!大丈夫でしたか!?」
「有難う咲夜。私なら大丈夫よ。でも、負けてしまったわね。この幻想郷が私達の物になると思ったのに・・・」
「さぁ!あんた達はさっさとこの霧を消して!」
霊夢がそう言うとレミリアは「わかってるわよ。」と言い呪文を唱える。これで霧が晴れたのだろう。レミリアが呪文を唱え終わると同時に、狂也の後ろで床が吹き飛ぶ様な音がした。
「フラン!」
レミリアのこの言葉を最後に、狂也は意識を失った。
最後の方ですけど、魔理沙はしっかりといます。弾幕ごっこの途中で弾が当たって気絶してるとか、脳内でどうにかしてください。