そうして、足早に馬を駆けさせて集合場所にやって来た俺たち。
「遅くなり申し訳ありません、ガウェイン卿っ!」
見えてきた人影に、ベディヴィエールが馬上から慌てた様に呼び声を掛けた。
中天に至った日の光の下に、立派な軍馬二頭と人影二つ。どうやら彼らは随分前からその場に居たようで、人影の方は石椅子に座って俺たちを待ち構えていた。…………って、二つ?
馬から降りながら疑問を浮かべる俺を余所に、こっちに気づいて立ち上がった白騎士が口を開いた。
「いえ、全くもって問題ありません、ベディヴィエール。貴方達の方が大変だったのでしょう。私達は会議の前に既に準備を済ませておきましたので」
告げられる騎士の言葉。それがさっきの会議と聞いた時と同じで朗々とした響きだったから、俺は立ち止まってその人をよくよく観察してしまう。
少し癖づいた淡い金髪と、涼やかに形取られた碧色の瞳。ベディヴィエールと同じ白紺の外套の下に覆う白銀の鎧は丹念に磨き上げられ、頭上から差す陽光をきらやかに反射して外へと輝かせている。姿勢は淀みなく真直ぐに伸び、清廉潔白そうな騎士の気性をよく表していた。
そして、何よりも俺の目を惹きつけたのは、騎士の剣帯に差された蒼銀の一振り。
……それはひどく異質な剣だ。刃先だけを覆った特別な鞘に収められた隙間に見える、その何物よりも研磨されているだろうその剣身は、しかしその表面に陽光を反射するではない。あろう事か、その剣は外の気配に当てられれば当てられるほど、太陽の光を内部に溜めていくかの様に一層輝きの密度を増していっているのだ──。
────その人物を眺めた俺は思う。まるで、お伽話に出てくる理想の騎士の様な男だな、なんて事を。
「ガウェイン様、俺から挨拶をしてもよろしいですか?」
「ええ、いいでしょう。しかと行いなさい」
「はーい」
そんな事をつらつら考えていた俺の横で、先ほど疑問に抱いたもう一つの人影が口を開いた。
俺はついと視線を移し、その姿を視界に入れる。
「オークニー出身、名をガンと言います。今はガウェイン様の従者として学び、騎士を目指しているところです。ベディヴィエール卿、今回の遠征に同行させていただきます事、光栄に思います」
今ベディヴィエールに話し掛けているそいつは、俺より少し大きいくらいの身長に、これまた俺より少しだけ赤みが強い頭髪を携えている。おそらく歳も同年代かそれぐらいだろう。遅れてきた変声期の途中のような、なんとも中途半端な声の高さ。
なんだか見てると微妙な気分になっちまうそいつは、好奇心の強そうなくりくりとした目をこちらに向けて、俺に何か話しかけて来ていていて──。
「あ、えっと、どうし──」
「────なぁ、歳いくつ?」
気づいて応え返そうとした俺を無理矢理遮って、そいつは短い疑問を投げかけてきた。ぶっきら棒なそれに手鼻を挫かれた俺は、憮然として顔を少し歪めてしまう。
……いけない。元はと言えば俺が気づかなかったのが悪いんだ。気を取り直して相手の質問を咀嚼し、素直に答えを返すことにする。
「ええと、十七だけど」
「ふぅん、じゃあ一個俺の方が上だな。で、名前は?」
「む……士郎」
「シロウ? 変わった名前だな……ま、いいか。よし、シロウ、 俺の名前はガンだからな。わかったか?」
「…………わかった」
「ああ、俺の方が年上だからって別に気を遣う必要ないからな。気軽にガンって呼んでくれ。まぁ、どうしてもシロウが俺の事をガン様だとかガン卿だとか呼びたいのなら、俺としてはそっちでも全然構わな──」
「────わかった、わかったよ。ガン、こっちこそよろしく頼む」
次々と繰り出される言葉を今度はこっちから遮ってやると、そいつは、むぅ、と眉根を顰めて口ごもった。釈然としないが返答には文句がない、と言った所だろうか。……俺は、そいつがまるで子供の様に陽気に話すもんだから、なんだかどっかの誰かを思い出して怒りよりも呆れがきちまっていたのだ。
そうして自然と苦笑を浮かべた俺に、横で様子を見ていた白騎士が話しかけてくる。
「まったく……申し訳ありません。彼はどうやら修練が足りていないようです。この埋め合わせは、後ほど」
「あ、いや、そんな。全く気にしてないんで」
「……なんと寛大な心遣い、感謝します」
俺のしどろもどろな反応にも、その人物は毅然とした姿勢を崩さない。
俺はその様子に少々の緊張感を覚え、改めてこの騎士に向き合う事を決める。
「ええっと、そういえば俺の名前は──」
「────ご心配なくミスター・エミヤ。既に王より伺っておりますので」
「…………そうですか。それで、あなたは……」
答えは判り切っていたけれど、俺はあえて目の前の廉直な騎士の名乗りを待った。
「ええ、我が名はガウェイン。肥沃な地オークニーの王ロトの元に生まれた、円卓の騎士の一角を担う者です。以後、お見知りおきを」
白騎士は高らかに宣言し、自身の右手を力強く伸ばしてくる。
……円卓の騎士、ガウェイン。その名は円卓の騎士の中でも上位に食い込むほど有名だ。
俺はごくりと喉で唾を飲み込み、白騎士の潔白さに負けないよう背筋を伸ばして握手を返した。そしてそれを受け、彼は一つ頷いて口を開く。
「────ええ、思った通りの人物の様だ。よろしければ、私も貴方をシロウと、そうお呼びしても?」
「えっ、あ、ああ、勿論ですっ」
なんだかその言葉は俺の心構えが伝わったみたいな気がして嬉しくて。不意に掛けられたその申し立てに、俺は二つ返事で答えてしまっていた。
その俺の様子に、白騎士は更に頷きを深くして言葉を続けた。
「ええ、シロウ。是非私の事もガウェインと呼んで頂ければ。加え、より気安く話しかけてくれて良いかと」
「いや、そんなっ!」
俺なんかがこの人にタメ口で話すなんて、気が引けてしまってできない。
だって、この人は本当にイメージ通りのガウェイン卿だ。今までのやり取りを通して確信した。伝説において音に聞こえる『黄金の舌のガウェイン』と言えば、円卓の騎士の中でも随一の礼節を備える騎士だったという。それは目の前の人物にまさしくピッタリな称号だろうと、そう思うのだ。
……なんだか、本当に伝承通りのその存在を見て、柄にもなく興奮してしまっている俺だった。
「さて、皆さん。時間も押しています。出立致しましょうか」
そんな時、全員の顔合わせを終えたと見たベディヴィエールが、そう告げて馬に跨り直し先に歩み出す。
その言葉に俺たち三人も各々の馬に騎乗し、横一列になって彼の背に続いた。村に入り、その先の西側の出口へと向かう。
「……ガウェインさんのその白馬、すごく立派な馬ですね」
ふと言いながら、右隣に歩んでいる騎士の跨るそいつを見た。
体高はベディヴィエールの愛馬ブリガンディアよりもなお高く、全身の毛並みはどこまでも淡い神聖な白さ。その身体に巻き付かれた馬具の金色が絶妙に映え、また特徴的な赤い耳先もアクセントとして非常に決まっていた。まるで神話に出てくるように玲瓏たる姿をした白馬だ。
「賛辞の言葉、感謝します。彼の名はグリンガレット。我が長年の愛馬にして、幾度もの戦場を共に駆け抜けた戦友です」
「へぇ……」
白騎士が労わる様に白馬の背をさする。その光景に、俺は騎士の言葉を心の内で反芻した。
確かに『戦友』という言葉がしっくりくる一頭と一人だ。見事な白馬はそれ単体でも立派だったが、目の前の理想の騎士と合わせて一層壮観な姿を現実の物にしていた。
「────ガウェイン卿。お喋りも結構ですが、そろそろ”彼ら”にも応えてあげてくださいね」
そんな時、不意に、前を歩いていたベディヴィエールが俺と話す白騎士に言った。
「……?」
「ええ、ベディヴィエール」
彼の言葉にてんで見当がつかない俺だったが、一方白騎士は鷹揚としてそれに応え、そして白銀の籠手に包まれた自身の手を高々と挙げて。
────瞬間、莫大な声が上がった。
「────うわっ」
辺りを満たすのは声援。そしてそれを声の限り張り上げる村人達の姿。ざっと見で百人は優に越すそれは一体いつの間に現れたんだって言いたくなるくらいの人の数で、その声援を聞きつけた村人たちが、更にこぞって俺たちを一目見ようと集ってきている。
振り返ってそんな光景を見た俺は、もう圧倒されて声を洩らす事しかできなかった。
そんな呆然と馬上に佇む俺に、白騎士が笑みを浮かべて言う。
「騎士の務めとは何も国の為に戦う事だけではありません。臣民達にとって、我ら騎士は栄華と誇りの象徴。私達がこうして己が存在を示す事で、彼らも同時に自らの存在を誇る事ができるのです」
その言葉と共に彼らへと手を振る白騎士。
ベディヴィエールは自分の馬に追い縋る子供達に笑みを浮かべている。
従騎士であるガンだって、誇らし気に腰の剣を掲げ人々を盛りたてていた。
「さぁ、シロウ。貴方も彼らに向けて手を振り返してあげるといい」
白騎士が俺の方を振り返り言う。
「……え、いや、俺は、そんな……」
「何を言っているのです。見習いとはいえ貴方は既に騎士を志す者。であるなら、騎士として自身の身に係る義務を果たすべきだ」
その白騎士に返す言葉はない。そもそも俺はこの時代の人間ではなく、ましてや騎士を目指す見習いでなんかないのだ。
……それでも、その騎士の強い促しに流されるように小さく手を挙げると────途端、それに応えるように歓待の声が上げられる。
「──── 」
その反応にもはや言葉もない俺に、いつの間にか隣に来たベディヴィエールが声を潜めて言った。
「それでいいのですよ、シロウ殿。貴方は本来騎士でないと言え、そんな事は彼らに関係ありません」
「え?」
「ガウェイン卿の言う通り、貴方がこうして応える事によって彼らはより明日への気力を得る事ができる。
我々がこうしている事で、民たちは日々を強く生きていく事ができるのです」
「……」
騎士の言葉に、俺はその光景をもう一度視界に入れた。
毅然として歩む騎士達。それを必死に走り縋る少年少女。そんな子供達に穏やかな笑みを零す大人達。
……この場にいる誰しもが、華々しい今日と云う日を精一杯その身で謳歌している。
しばらくその光景を見晴るかしていた俺は、ああ、と、言葉にならない声を洩らした。
騎士の仕事っていうのは自分の栄誉の為に戦ったり、意中の貴婦人の為に戦うものだって思っていた。もちろん、『悪しきを挫き弱者を援ける』という精神を持っていたのは知っていたが、こんな風に人々を助けているとは思わなかったんだ。
そんな風にっていうのは、直接困っている人の危機を救うだけじゃなく、その存在自体がより多くの人々の希望となって彼らを助けているのだということ。
それに気づいた俺は、確かに、自分に一つ大事な視点が欠けていた事を自覚したのだ。
俺の目標は『正義の味方』という、人々を助ける存在になること。
それに一体どうやって成れるのかはまだ分かっていない。けれど人々を助ける手段を知っていく事は、その路を目指す上で絶対役立つ筈なんだ。
だから今回の気づきだって、俺にとってすごい重要な事だ。
目の前の騎士達は、自分の目の前の人間だけじゃなくそれよりも多くの人々を救っている。それはつまり、この世の中にはもっと俺の知らない『より多くの人を助ける方法』がある事を意味する。
だから、俺は思う。
今まで俺は視野が狭かった。そして今もきっと狭いままなんだ。
この世にはもっともっと多くの人々を助ける方法があって、今日の様にそれをどんどん知って視野を広げていけば、それなら一体、どれだけ多くの人々を自分が助けられるようになるのだろうか。
そんな事を、つらつらと考えて俺は──
────不意に、くらり、と、変な眩暈がした。
「────な、んだ…………?」
突然のそれは、まったく見当が付かなくて困惑する。
知らず、ひどく動悸がしていた。
何かが軋んでいる。
何かがざわめいている。
胸のうちで、形のない何かが金切り声を上げている。
それが何かは分からないまま、
俺は強く拳を握り締める。
立てた爪が皮膚に食い込む。
周りの歓声が耳につく。
嫌な汗が湧き、体を冷たく浸していく中、
決して目を反らせない泥ついたナニカが、肚の裡に溜まっているような気がした。
「…………」
それが何なのかは判然としない。
それはとても些細な物。
肌身に刺さった小さな棘のように
一つだけ掛け違えたボタンのように
まるで大したことないのだと思えるのに、
けれど心の何処かに引っかかって
どこまでも気になってしまう物。
「…………なんだってんだ」
首を捻ってみても、見当がつかなかった。
別に今日は体調も悪くなかったし、この時代に来てそろそろ慣れてきた人の目だって、そんなに気にしてはいなかった筈だ。
……まぁ、眩暈って言っても一瞬だったんだ。
きっと、初めて馬に乗った事で必要以上に気を遣ってしまっていたんだと、そう考えるのが妥当なのだろう。
俺は、自分が何をそんなに気にしているのか分からないまま、
目の前に広がる、何物にも代えられない素晴らしい筈の光景を眺めていた。
◇
「なーに、ほうけてるんだ、よっ!!!」
「うわッっ!!?」
突然背中に衝撃を感じて馬上で前につんのめる。なんとか手綱を頼りに踏ん切りがついたものの驚いた馬が嘶きを上げた。
こんな時にマーリンの魔術が掛かっている事を再確認しつつ、俺はその衝撃の原因をキッと睨みつける。
「つぅ──……、何するんだよっ、ガン!」
「なにってお前、ガウェイン様やベディヴィエール様がビシッとしてるのに、どうして俺と同じ見習いのお前がボケっとしてるんだよ?」
「うっ」
それは全くもって正しい言い分で、言葉に詰まった。
そんな俺をジト目で見ていたそいつは、しかし不意に、はたと気づいた様に口端を吊り上げた。
「なんだ、シロウ? もう村の女の子に手を出したのか?」
「……はぁ? 何言ってるんだよ?」
ガンの意味不明な言動に首を捻りながらも、俺はその言葉にふと思い至る事があった。
とある茶髪の女の子の姿が脳裏に浮かぶ。それはもちろん、この村に居る俺の唯一の知り合い──美味しいパンを作ってくれた少女、リサのことだった。
気になった俺はなんとなしに馬上から視線を走らせ、集まった群衆の中で彼女の姿を探す。
……けれど、暫く念入りに探してもその姿は見当たらなかった。まぁ、多いとは言えまさか村の全員が出てきている訳ではないだろう。仕方がない事だからそれは別にいい。
「……ははーん、その反応は怪しいなぁ。やっぱり女の子か。意外に手が早い感じなんだな、シロウは」
それよりも問題は、隣でしみじみと言う見習い騎士のコトだ。
はっとして視線を戻すがもう遅い。
そいつはなんとも楽しげに、ニヤニヤと笑ってこっちを見ていた。
「……違うからな? ただ俺は、ちょっと知り合いを探してただけだぞ」
「あははは、照れるなよ〜。その知り合いが女の子なんだろ? 俺、そういうコトはすぐに分かるんだよ」
得意げに笑う見習い騎士。一人で勝手に暴走して納得する様は、本当に何処かの誰かを思い出させる。
「……だから、違うって言ってるだろ。変な邪推はやめろよな」
「またまた〜……で、実際の所どんな子なんだ? 正直、可愛い子だったら俺はお前を許さない」
「……何度言ったらわかるんだ、別にそういうのじゃない」
「だーかーらー、それはもういいって〜」
正直言って、そろそろくどいと声を荒げそうになっていた俺だったのだが……。
「────やめなさい、ガン」
しかしここで、俺を挟んでガンの反対側に居る白騎士が口を挟んだ。
その指摘にそいつはびくりと肩を震わせ、おそるおそる自らの従う騎士を伺う。
「ガウェイン、様……?」
「貴方はどうやら、何故私に従者として付き従わせられているのかまだ分かっていないようだ」
「うっ」
見習い騎士は怯んだ声を上げる。
白騎士はそれを無視して言葉を繋いだ。
「女子達の背中を追うのはいいでしょう。しかし、貴方の言動は粗雑に過ぎる。騎士にとって他者への懇切な礼儀は必須の事柄です。その様なままでは、到底騎士としての誉れを冠する事などできぬと知りなさい」
「…………はい、承知しました」
白騎士の言葉にガンは完璧に意気消沈してしまっている。
その様子を見てると少し気の毒な気もしてしまうが、自業自得の事だ。素直に反省するといいだろう。
しかし、なるほど。
確かにガウェインさんはお調子者なガンにとってうってつけの模範となる存在だろう。なんてったって礼節の騎士として有名なあのサー・ガウェインなのだ。これ以上適切な人材なんて他にいない。
……うん、あの陽気が過ぎるガンは理想の騎士にきっちりかっちり絞られるべきだろう。
そんな事を考えた俺は、より一段と高まった尊敬の心持ちで件の白騎士を見ようとして──
「────それに、シロウには既に心に決めた方がいるのですから」
その理想の騎士から、全く理解の出来ない言葉を聞いた気がした。
……。
……。
……。
「……は?」
気のせいだろうか……本当に、ヨクワカラナイ言葉を聞いた気がした。
そうして呆然とする俺に、白騎士はハッと気づいて振り返る。
「いえ、失礼。無粋な事を言いました。実は、既に話を聞き及んでるのです。
貴方が此度の任務に就く事を決めたのも、すべては────そう、一人の少女のため。
ええ、騎士というものが自身の貴婦人のためその身を焦がすのもこれ常識」
「え、ちょっとそれは──」
「────わかっています、我が同志よ 」
「────は?」
なにが?
「貴方は遠方よりやってきたというが、実に趣味が良い。聞いたところによれば、その意中の御方はまだ十の歳も経ない少女だというではないですか。
ええ、やはり恋い焦がれるならば年下の女性に限ります。もちろん、肉体的な意味で」
「…………またラグネル様が嘆かれますよ、ガウェイン卿」
「…………」
ベディヴィエールが溜息をついて言葉を挟むが、俺はもう思考を停止させて呆然とするしかない。
しかし一方、白騎士は周りの声など全く聞こえないとばかりに、さらに熱烈として言葉を続ける。
「ああ、なんと心躍る試練だろうか。王に申し出た甲斐もあるというものです。
────この太陽の騎士、ガウェイン。僭越ながら我が身を燃やし、二人の愛の種火とならせて頂きます」
「…………まーたガウェイン様の病気が始まったな、こりゃ」
「…………」
先程まで怒られていたガンも呆れた声を上げているが、俺はもう、なんとも言う事が出来なかった。
だけどたった今、一つだけ心に決めた事がある。
────二度と、コイツに敬語なんて使ってやらない。
残念ながら、本作でもガウェインさんはカッコイイだけではないのです。。後の創作とFate時空の影響をもろに受けているのです。。
(*感想で言及頂いたことですので、ここに書いておきます。ガウェインさんは別に幼女好きという意味ではありません。年下の、どちらかというと豊満な女性が好きだとCCCで言っておられました。私はここは年下趣味だという所に反応させたので、違和感ある人がいたら申し訳ありません。士郎から見て年下、という意味で書きました)
ただ、仲間の試練に『さぁ、共に行こう』と軽く言ってのけるガウェイン卿が私は大好きです。
ガラティーンの鞘に関しては、剣自体デザインが近未来的なので少し変わった風に。伝承によればアロンダイトと同じで『刃毀れせず』で通っているので、そんなおっとろしい刃は覆ってしまえと刃先だけを隠すような形です。
馬に関しては『ガウェイン卿はなんとなく白馬が似合うなぁ』という発想により、愛馬で有名なグリンガレットさんもそうしました。ウェールズ語の”guin-calet"(白くて頑丈な)から来ているとも言いますし。。(ちなみに、フランスの『L'Âtre périlleux』やクーパーさんのアーサー王物語ではグリンガレットは死んでいますが、本作では生きているとします)
時代が古い物語ではロット王はオークニーを治めていませんでしたが、本作では治めている事に。
ちなみに従者君はスコットランド出身だから赤毛という安易な発想です笑