月の処女 [旧題:Plazma大作戦]   作:そらまめ

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PHASE-01 プロローグ

 19世紀の終わりから急速な進歩を遂げた科学技術の発展により、宇宙進出とスペースコロニーの開発が成功し、人類が地球を離れ宇宙で暮らすようになった時代……

 地球上の国々は人類史上初の統合政府である『地球連邦』を設立し、統一歴『宇宙世紀(Universal Century)』を施行、急速な人口爆発と深刻な環境破壊の解決を目的に人類の宇宙移民を推し進めるようになった。

 

 しかし、強引かつ半強制的な宇宙移民計画は過酷を極めた。

 宇宙移民者『スペースノイド』が地球連邦と地球居住者『アースノイド』に対して恨みを持つに十分なほどに屍の山を築くようになった頃、一部のスペースノイドの間には地球連邦から独立したスペースコロニー国家の建設が望まれるようになっていった。

 

 U.C.0050年代、月の裏側のラグランジュポイントに造られたコロニー群『サイド3』が『ジオン共和国』の建国を宣言したことは地球連邦の圧政に苦しめられてきた人々の希望となるはずだった。

 

 しかし、ジオン共和国の存在はスペースノイドとアースノイドの新たな対立の図式を作り出すことになってしまう。

 

 U.C.0068年、ジオン共和国初代首相『ジオン・ズム・ダイクン』の暗殺と、新たに首相となった『デギン・ソド・ザビ』の台頭により、ジオン共和国は新たな局面を迎えることとなる。

 U.C.0069年、ジオン共和国は『ジオン公国』と名を変え、これまでは均整が保たれていた地球連邦との関係が悪化し、次第に対立へと向かっていく。

 アースノイドとスペースノイド、二極化された両者の関係を背景にジオン公国の存在を認めない地球連邦政府の対立はやがて最悪の形で開花することになってしまう。

 U.C.0079年、地球連邦とジオン公国の対立は泥沼化し、両者はついに最後の外交手段に踏み切った。

 

すなわち、開戦である。

 

 ジオン公国の宣戦布告と同時に行われた各サイドのコロニー群の破壊、そして地球へのコロニー落としにより、戦争は地球圏全土を巻き込むことになってしまう。

 ジオン軍は人型の新兵器『モビルスーツ(MS)』の投入と、広域に電波障害を引き起こす『ミノフスキー粒子』を用いた戦術を駆使し、圧倒的物量を誇る地球連邦軍を各地で圧倒していく。

 

 後手に回った地球連邦軍はジオン軍のモビルスーツ『MS-06 ザク』の打倒を目指し、モビルスーツ開発計画『V作戦』を発動、起死回生を図った。

 だが、V作戦の存在を掴んだジオン軍はエースパイロットである『シャア・アズナブル』少佐と彼の率いる部隊に対してV作戦の活動拠点であるコロニーに潜入し、地球連邦軍製のモビルスーツ奪取作戦を命じる。

 多少の困難こそあれ、シャアと部下たちの活躍によってV作戦の成果物である地球連邦軍のモビルスーツ『RX-78-02 ガンダム』と地球連邦軍初のモビルスーツ運用母艦『ペガサス級強襲揚陸艦 ペガサス』を奪取することに成功する。

 

 一方でV作戦が頓挫した地球連邦軍は残存しているモビルスーツのデータから作り出した『RX-79 軽キャノン』を投入し、巻き返しを図ろうと各地で反攻を開始する。

 ガンダムを手に入れたとはいえ、元々国力の差があったジオン軍は次第に追いやられていき、戦争開始から11か月を迎えた12月には宇宙の重要拠点である『ソロモン』要塞が陥落する結果を招いてしまう。

 

 反攻を続ける地球連邦軍に対し、ジオン軍はガンダムの持つ優れたポテンシャルに注目、ガンダムをベースに『gMs-01 ゲルググ』をザクに変わるモビルスーツとして採用する。

 同時にガンダムもシャアの専用機、通称『赤いガンダム』として彼の識別色である赤色に塗りなおし、『ソドン』へと名を変えたかつてのペガサスと共に実戦に投入されることになった。

 一進一退の攻防が続く中、シャアは新世代の遠隔兵器システム『サイコミュ』開発の主要人物である『フラナガン所長』の仲介により、『木星船団』の船長を務めていた男、『シャリア・ブル』と引き合わされる。

 

 フラナガンは優れたモビルスーツ操縦技量と特別な才能を求められるサイコミュを扱える2人を宇宙に適応した新人類『ニュータイプ』であると確信していた。

 ニュータイプである彼らのポテンシャルを最大限に発揮させるべくフラナガンはジオン軍上層部を説得し、『α型サイコミュ』と遠隔ビーム砲台『ビット』を赤いガンダムに搭載、シャリアの搭乗機としてモビルアーマー(MA)『MAN-03 キケロガ』が渡るように手配する。

 

 フラナガンの読み通り、シャアの駆るα型サイコミュを搭載した赤いガンダムはシャリアのキケロガと共に多大な戦果を挙げていき、2人1組で戦う『M.A.V』戦術を編み出すようになるなど厭戦気分が蔓延する宇宙で強い影響力を持つようになっていった。

 

 彼らの奮闘もあってか、ジオン軍優勢のまま休戦が噂されるようになった12月の終わり頃、ジオン軍は地球連邦軍が宇宙に持つ最後の宇宙要塞『ルナツー』を攻略するために多くの戦力を投入する中、地球連邦軍はジオン軍の主要拠点、月面都市『グラナダ』に対して占拠したソロモンを落とそうと画策する。

 ソロモンの落下を阻止するためにグラナダで後方待機していたシャアたちは少ない戦力でソロモン内部へ突入、内部から爆破することでグラナダへの落下軌道を変えよう試みる。

 

 だが、作戦中に赤いガンダムに搭載されたα型サイコミュが突如として暴走、シャア諸共ソロモンの大質量を消滅させる超常現象、のちに『ゼクノヴァ』と科学者から呼ばれる現象を引き起こしてしまう。

 ゼクノヴァによりグラナダへのソロモン落下は阻止されることになり、これを契機に戦争の流れは大きく変わることになった。

 U.C.0080年1月3日、地球連邦とジオン公国の間で休戦協定が結ばれることになった。

 人類の半数以上が死に追い込まれた大戦争は結果的にジオン公国の勝利、すなわちスペースノイドの独立という形で終結を迎えた。

 

 だが、戦争の禍根は終戦とともに無くなるはずもなく、新たな火種として地球圏のあらゆる場所で燻り続ける。

 各サイドは一年戦争時にジオン軍によってコロニーを破壊し尽くされ、多くの難民が生まれた。

 その結果、難民たちは開戦時に中立宣言を行ったことで被害が局限された『サイド6』へと集まり始め、サイド6に所属するコロニーの治安が急速に悪化の一途を辿っていった。

 

 当初は穏健な対応に努めていたサイド6政府だったが、勝者となったジオン公国に対する危機感と、歯止めの効かない難民の流入を鑑み、湾岸警備隊を再編した『軍警察』を組織して対応に当たらせるが、大きな成果は得られずにいた。

 銃後の世界との対応に追われるサイド6政府であったが、ジオン公国でも不安の種が生まれていた。

 ジオン公国の政治のトップに位置するザビ家の長男『ギレン・ザビ』と長女の『キシリア・ザビ』の不和が次第に表面化していたのだ。

 

 この二人の対立によって生まれた派閥争いにより、ジオン公国の内政はいつ爆発するかも分からない時限爆弾を抱えるに至ってしまう。

 戦争が生み落とした禍根を誰かが整理する間もなく、時代は移り変わっていく。

 一年戦争終結から5年の月日が流れたU.C.0085年のある日、サイド6でも平穏を保つ『イズマ・コロニー』で世界を根底から覆そうとする戦いが水面下で始まろうとしていた……

月の処女、おっぱい/Plazma大作戦について

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