Sword Art・Online 《Strange Dramas》 【完結】 作:与祢矢 慧
遅れまして申し訳ありませんm(__)m
バラバラの日に書いたので、グダグダになってるかも……
晨月さん、お気に入り登録ありがとうございます!
今回はキリトさん視点です
口調が心配……
黒い雲が空を覆い、雨を大量に降らしている。
びしょ濡れになっても風邪をひくわけではないが、なんとなく今はこの雨を眺めていたい気分だ。
まるで、今の俺に心情を表しているようで……。
俺、キリトはつい先程まで迷宮区に潜っていたんだが、どうにも気乗りがせず出てきたところだ。
このもやもやとしたモノの原因は、少し前の会議だ。
岩陰に一人佇んでいるだけなので、実は少し暇だ。
雨の具合を様子見しつつ、俺は会議のことを思い出す…………。
「諸君も知っているアルゴ君から、とある情報を入手した。今後の方針に関わる可能性がある。会議を開きたいため集合してもらいたい」
《
もちろん、少数だがオレのようなソロプレイヤーにも声がかかっている。
それに、貰ったメールに不明な部分が多いことで不満を覚えたのはここにいるメンバーの大半らしい。
なんで分かるかって?
該当者が一人しかいない関西弁で喚いてるの頭トゲトゲがいて、それに賛同してる奴が多いからだよ。
「よっ、キリト。お前も来てたのか」
「まあな、エギル。あんなイミフな連絡だったらむしろ知りたくなるんだよ」
「ハハッ、違いない。なんだろうな、『とある情報』ってのは……」
「気になるよな。提供者はアルゴだから信憑性は高い。……それよりも、なぁエギル」
「あぁ、わかるぜキリト。……それよりも、なぁ」
「「キバオウうるさい」」
なんやとォッ! と聞こえたが無視だ。
ただでさえビーターを名乗っているのに、アイツが来るだけで悪目立ちしてしまう。
まぁ、周囲で同じように思っていたのか数人が頷いてたのを見れたし、いいか。
「オッス! キリの字、エギル。元気にやってっか!」
「よっ、クライン。そこそこってとこだな」
いま来た所のクラインと拳を突き合わせ軽く当て合う。
変わらない野武士ヅラに快活な性格、《風林火山》のリーダーは今日も好調なようだ。
「そういやぁよう、キリト。たぶんなんだがこの会議、結構ヤバイ内容だぜ」
「……なんでわかるんだ?」
「さっきここまで案内してもらった時にKobの団員が喋ってたのがチョロっと聞こえちまったのよ」
「で、何が聞こえたんだ?」
「レッド、とかPKとかだな。……ラフコフのメンバーに強力なのが出てきたのかもしれねぇ」
「オイオイ、まじかよ? こちとら商売が忙しくなってきたってのに……」
「エギルの商売云々はともかく、そうだとしたらマズイな。攻略組を減らされると士気にも関わる」
「だよな〜。《軍》の奴らが引っ込んじまったせいで戦力調整が大変だったてのに……」
見るまでもなくがっくりと肩を落とし、辟易としているクラインに多少なりとも同情する。
《軍》はかなり強大なギルドだ。
そのため、人数に関しては影響力が大きい。
人数に関してだけ、はな。
「うん? どうした、エギル。誰か探してるのか?」
「む、……まぁ、そうなんだがなぁ」
「どんなやつだ? ギルドのやつか?」
「いやソロ、っていうかタッグだな。ギルドには入ってない。特徴は青の……」
「待たせて申し訳ない。連絡を受けた者以外は揃ったようなので、会議を始めたいと思う。適当に座ってくれたまえ」
この場に集った多くの猛者に臆すること無く堂々と言い放ったのは、ヒースクリフ。
その身に纏うオーラに当てられたのか、一瞬で静かになる。
「……全員、座ったな。会議を始めるにあたって、まずは謝罪をしよう」
スッと立ち上がり、深くもなく浅くもなく頭を下げる。
「今回の連絡の情報不足、それに伴う不信感はこちらに非があった」
そうやそうや、とまたキバオウが喚く。
いちいちうるさいやつだな。
「しかし、今回の議題にあたっては必要なことであったと思っている。情報の明記によっての漏洩を未然に防ぐためだったのだ」
また静かになる。
「じゃあ、なんや? この会議に古参のトップと精鋭ばっかなんは、そういうことなんか?」
「そうだ。断言は出来ないが、ラフコフのスパイがいるという可能性も考慮した」
スパイ。
人数が多くなればギルドの管理もずさんになることを自覚してるのか、キバオウは黙り込んだ。
「勿論、ここにスパイがいないとも限らないが、諸君に注意してもらいたのは無闇矢鱈に疑うことだ。そうなってしまっては、攻略どころではなくなってしまう」
そうだな、と同意していると前列で手が挙がる。
「ヒースクリフ。スパイの件については解った。だが、スパイが今回の議題と関係があるのか?」
「無きにしも非ずといったところだ、リンド。……そうだな、まずは要点から話そう。今回、目撃情報のあるラフコフのメンバーとは新たに
戦慄が走る。
並の相手ではない。
ヒースクリフ、緊急会議、アルゴ等これらが揃っている時点で理解できる。
「………………強さ、は? ここのメンバーだと誰と同じくらいだ?」
恐る恐るとクラインが聞く。
誰もが思っていることだ。
「ふむ。…………実際には見たわけではないが、聞いた話では…………アスナ君と同等と見ていいかもしれない」
「なッッ!!」
誰が口にしたかは判らない。
誰が口にしてもおかしくない。
アスナをチラッと見てみると、悔しげな表情だった。
でも…………
「ヒ、ヒースクリフ。それが事実だとしても、対策が無いわけではないだろ?」
「うむ。確かに実力がアスナ君ほどあったとしても、それを上回る実力者または複数人で対処はできる」
そこだ。
攻略組で《閃光》と呼ばれるアスナであっても、それ以上の実力者はいないわけでもない。
「だが、それはあくまでも今までの事態にのみ対応できるだ」
「……前例が無いっていうのか?」
「そうなるな。……ここからが本題だ。この事件はボス攻略よりも厄介だと思ってくれたまえ」
オイオイ、まじかよ。
ボス攻略より厄介な事件でPKって……。
「今回情報が入ったのは…………PKK、つまりプレイヤー・キル・キラーだ」
プレイヤー・キル・キラー……?
「ヒースクリフ、PKとPKKはどう違うんだ?」
リンドが周りの反応を見たのか、質問する。
イマイチ違いが分かっていないのか、首を傾げているのが大半だ。
かくいうオレもその一人なんだが。
「まず、根本的な違いは殺す対象だ。PKは一般プレイヤーを、PKKはPKを対象にする」
「それは分かんねん。聞いとう限りやったらその辺のレッドとそない変わらへん。わいが知りたいんは、あんさんがそこまで警戒してはる
珍しく静かにしていたキバオウが珍しくまともな質問をした。
その異様さに周囲のメンバーは呆けている。
「…………では、諸君に質問だ。プレイヤーのカーソルは如何にしてオレンジとなる?」
……馬鹿にしてるのか?
そんなもの、プレイガイドを読めばすぐに分かる。
「馬鹿にせんといてや! プレイヤーに攻撃したらや」
手違いでもなってしまうのが、少し不便なんだよな。
「詳しく言うと、グリーンのプレイヤーに、だがな」
……ん?
聞き覚えがない声だ。
「キリト、さっき俺が探していた奴だ」
「……あれが。名前は……なんだ?」
「プレイヤーネーム、ロキ。結構やる奴だぜ」
エギルがそう言うほどの実力者、か。
……にしてもロキ、か。
どこかの神様の名前だよな。
昔、RPGで見た記憶がある。
「……では」
っと、気が散っていた。
集中集中。
「もう一つ。…………グリーンがオレンジを攻撃した際、そのカーソルは?」
「ああん? そんなん、決まっとるやないかい。カーソルはグリーンのまま……や……、ちょい待てや、……グリーンの……まま?」
「そう、グリーンの状態だ。 つまり、PKKはシステム上一般プレイヤーと見分けがつかない」
タラリ、と冷や汗が垂れる……ような感触。
つまり、つまりだ。
可能性としては……
「……隣のやつが実は殺人者でした、ってのがある。……そういうことだろ、ヒースクリフ」
「オイ、キリトッ! 言っていいことと悪いこと「いや、構わない。落ち着きたまえクライン君」…………うぐ」
流石にオブラート抜きはまずかったか。
でも、結論に変わりはないし、撤回するつもりもない。
事実を曲げて安心を得ようなんて考えは邪魔だ。
ましてや相手はまがりなりにも人殺しだ。
妥協なんて隙を作るだけで意味が無い。
「諸君、静粛に。先程の意見は的を得たものだったが、注意したように無闇矢鱈に疑ってはならない。組織だけでなく人の関係まで瓦解させてはならない」
「しかし! こんな話聞かされておとなしくしてろってのか?!」
「だからこその選定したメンバーだ。信頼出来ない者はいないだろう、リンド」
グッ、と詰まった表情をする。
確かにここにいるメンバーは信頼できる者達だ。
俺はあまり知らないが、ロキに関してはエギルのお墨付きなので問題ない。
「……では対策を考えたいところだが、生憎と時間がもうない。日程が決まり次第、次会を開こうと思う」
解散の一言で皆がゾロゾロと部屋を出て行くのを俺はボー、と観ていた。
現実味を感じない、といえば嘘でも本当でもある。
殺人者がいるのは事実で、殺人者を殺しているのも事実。
対処方法か……、どうするんだろうな。
「……ト、……リト、」
て、あれ?
キバオウが言った、ヒースクリフの警戒する理由を言ってない?
確かに殺人プレイヤーが紛れているのは怖いけど、圏内ならまず殺される心配は無い。
それにターゲットがPKなら俺達に被害は無いはずだ。
ヒースクリフは一体何を警戒している?
「……キリト!」
「ウオッ! なんだ、エギルか。驚かすなよ」
「驚かすもなにも、お前さっきから話しかけてんのに反応がなかったぞ」
「え、マジか?」
「マジだ」
ヤレヤレと溜息をつくエギルに苦笑交じりにゴメン、と謝る。
「で、どうしたんだ? 確かに内容が内容だがそこまで思いつめることもないだろ」
「そうだけど、ちょっとな。……ヒースクリフはキバオウの質問に答えていなかっただろ? そこがちょっと気になってな」
「………………言われてみればそうだな。まぁ、考えあってのことだろうよ。俺らがどうこう言っても仕方が無いぜ」
「そうだな。……じゃ、またテキトーにアイテムでも売りに行くよ」
「おう、ご来店お待ちしております。ってな」
こうして会議自体はとくにもめることもなく終わった。
でも、俺はどこかに引っかかりを感じてスッキリしていない。
『問題点』。
単純に人殺しがダメなのか、ターゲットが変わるのを恐れているのか、それとももっと別な何かか……。
「考え過ぎ、なのか……?」
街に戻ったらアルゴから情報でも買うか。
ここで迷っていてもどうしようもない。
「……それにしても、雨止まないな」
一向に収まる気配を見せない天気。
むしろ徐々に強まってきている気がする。
「今のうちに帰るか。転移結晶は勿体無いから、走りだな」
俺は疾走を始めることにした。
なるべくMobにタゲを取られないように、注意深く走る。
雨足に衰えは見えないが増してもいないのでペースは変わらない。
時たま剣の音が聞こえるのはレベリングだろう。
…………なんだ?
経験からの勘、みたいなものか。
『何か』を確かに感じた。
殺気、恐怖、絶望……
「……ァ…………ァ……」
聞こえた!
確かに誰かの声が聞こえた。
ーーー助けに行かないと。
半ば反射的に体の向きを変える。
ーーー生きてろよ!
殺気が間違いじゃないなら、レッドプレイヤーが居てもおかしくない。
全力疾走しながら抜剣して、いつでもソードスキルを放てるように構える。
そして、俺の眼に飛び込んできたのは…………
カーソルの赤いプレイヤーがポリゴンとなって砕け散るシーン。
凶悪な大剣を持った仮面のプレイヤー。
衝撃的すぎるPKKとの遭遇だった。
どうでしたか?
これまで戦闘シーンが無いという、SAOとしてそれはどうなのか?
と、若干困惑しています
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