Sword Art・Online 《Strange Dramas》 【完結】   作:与祢矢 慧

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遅れましてすいません
第八話です
今回は後ろほとんどを深夜に書きました(=メチャクチャ)

GE2RBストーリークリアしました(数日前ですが)
『雀刺し』でストップ食らいまして

通算UA2000超えました!ありがとうございます!
お気に入り登録ありがとうございます!


8th 思惑:心情

 

 

 

 数人が賑やかにしているとある店の一角。そこだけ温度が周りよりかなり低い、そう錯覚させるほどの空気が満ちていた。

 その空気を正面から受けているプレイヤーはどこ吹く風、とばかりにすました顔をしている。

 

 冷たい。

 

 殺気、とでも言うべきか。

 この濃密な気配は近寄ろうとした者たちを震え上がらせた。

 

「…………何のことだ?」

 

 殺気を出している本人ーーーー見た目十五、六歳の少年ーーーーが重々しく口を開いた。彼の眼は『いかに目の前の邪魔を排除するか』と語っている。

 その『邪魔』とされている相手は依然として態度を崩さない。ニヤリと口角を歪め、飄々としている。

 

「ロー君。そんなに警戒心丸出しだト、自分から認めてるようなものだヨ?」

 

 解ってないナ〜、と挑発するように首を横に振り更に笑みを深めた。

 しかし、彼はそれに乗らず冷静を保っている。

 

「それこそ、何のことだ?」

 

 否認の姿勢を変えない彼を見て、アルゴはわざとらしくため息をつく。

 

「はぁ〜。……分からないならもっかい言ってやるヨ」

 

 スッと顔から笑みが消え、表情と雰囲気が真面目そのものへと変わった。いつもと違う凛とした眼は思惑を全て見透かすように彼の眼を見つめている。

 

「ロキ、お前がプレイヤー・キル・キラーだナ?」

「………………」

「……………………」

「……………………」

「……………………」

「………………チッ」

 

 ドサッと大きな音をたてて椅子に勢い良くもたれる。

 右手で顔の上半分を覆う。隠れていない唇は少し開いていて、強く噛みしめる歯が見えた。

 

「いつから……気づいていたの?」

 

 沈黙していたヨシナが探るように尋ねる。彼女もロキと似たような感情と不安が顔に現れていた。今彼女にとって最も恐れているのはロキがPKKであることがばれる

より、その近い未来にあるであろう二人が離ればなれになってしまうことだ。そうなれば彼女の精神は再び崩壊の一途を辿るに違いない。

 

「ヨーちゃん。そんなに警戒しなくてもいいッテ」

 

 ヨシナの心情を敏感に感じ取ったアルゴは手をヒラヒラと振り、取り敢えず攻撃の意志が無いことを見せる。

 それでも当たり前だが警戒を解くつもりはないらしい。

 

「……取り敢えず言っておくケド、このことを言いふらすつもりは無いヨ」

「……フンッ。その言葉を、信じる根拠が、何処にある?」

 

 アルゴの本心としては二人と敵対したくない。というよりロキと敵対したくない。

 だが信用出来ない相手をとことん疑うロキにとって、目の前のアルゴは敵でしかない。

 ヨシナは彼の意思を尊重するだけである。

 

 ここまでの間にロキは《索敵》を発動し、周囲に攻略組プレイヤーなどが居ないことを確認している。

 この時にアルゴの言うことは本当か、と思ったのだが情報伝達手段はいくらでもあるので疑いは消えなかった。

 

「ンー、…………無いネ。それでも二人には、せめてヨーちゃんだけにでも信じて欲しいんだヨ」

「……なんで、私だけ? ロキが貴女を敵と言うなら、私も敵として見るよ」

 

 根拠は無い。それでも信じて欲しい、それも本人ではなく側にいるヨシナに。

 意図が読めない、無茶な要望だ。

 そう思うが…………。

 

「だってネ…………オレっちも同じ(・・)なんだヨ、ヨーちゃん」

「……それって、どういう…………ッ!!」

 

 少し躊躇いがちに話すアルゴの様子に疑いを持ったが、ヨシナはその様子の正体にすぐ気がつき、驚愕した。

 

「アルゴ……冗談、だよね?」

 

 恐れるように尋ねる。

 アルゴの答えは、無言だった。

 さっきまで凛としていた眼は恥ずかしげに伏せられ、時折ロキをチラリと見る。

 

 表情、仕草、会話。

 それらに常に注意を払っていたヨシナは確信した。

 

 アルゴは『同類』であり『敵』だ、と。

 

「おい、どうしたヨシナ?」

 

 いつの間にかヨシナはロキの左腕に抱きついていた。それは無意識下での行動だった。

 気づいても離れようとはしない。

 離したら彼が何処かに行ってしまう。そんな不安に駆られる。

 だからといってアルゴを消すことはできない。彼女は数少ない彼の理解者。

 自ら人殺しになった人間だと知っていても、好意を抱く。

 本質を見ることができる彼女の存在は後々に重要となるかもしれない。

 

 そんな考えがよぎり、ヨシナはアルゴを生かすと決めた。

 

「……ロキ、コイツはあなたの敵じゃない。……けど私の敵」

  

 小さい声だった最期を除くその言葉を聞いて、「……そうか」とだけロキは言い右手でヨシナの髪を撫でる。

 それだけでヨシナの不安は何処かへ消え、幸せが心を満たしていく。

 名残惜しそうに腕から離れた。

 

「というわけデ、解ってくれたかナ」

「……アルゴ。お前の目的は……狙いは、何なんだ?」

 

 理解不能。

 今のアルゴに対するロキの印象がそれだ。

 PKKの正体を知っても公表しない。すれば攻略組の中のアルゴの評価は上がり、功労者として名を挙げる。

 彼女にとってメリットは多いはずなのにしないと言う。

 むしろデメリットが大きい。殺人者の情報を秘匿、さらには協力する。バレた時の非難は並のそれじゃない。

 それでも、アルゴはデメリットを選んだ。

 

「目的ネ……。しいて言うなら『見届ける』こと、カナ」

「見届ける……」

「そう。ロー君……君という存在がどこまでこの『ストーリー』に影響を及ぼしていくのカ。これを見届けることがオレっちの目的だヨ」

  

 他人がこれを聞いても「何のことやら」と思うだろう。

 だが、アルゴには確信があった。

 

 この二人、少なくともロキは『同じ』である、と。

 

「今言えるのはそれダケ。いつか……このSAOがゲームクリアされテ、現実(リアル)で再会した時に全部話すカラ」

「……わかった。お前が、そう言うなら、待ってやろう」

「サンキュ。ヨーちゃんもナ」

「うん……」

 

 二人の返事を聞き、満足したように笑む彼女の顔は今までのようにふざけたものではなかった。

 残っていたジュースを一口で飲み、フードをかぶり直す。

 そしてまた、ニヘラと笑った。

 

「んジャ、そろそろ行くカ」

「ああ。……またな」

 

 言外に「死ぬなよ」とロキは告げる。

 口には出さないがヨシナも似たような表情だ。

 

「にひひ。そんな簡単にゲームオーバーするつもりはないヨ。前にロー君がいっただロ?」

「……人間五十年の半分以下の、人生なんて、つまらない」

「そーゆーコト!」

 

 陽気に振る舞うアルゴを見ても、ロキは神妙な顔つきのままだ。

 そんな彼を見て少し考えこみ、とあることを思いつく。

 席を立ちロキの真横に近づき………………ロキの頭を抱きしめた。

 

「お、おいアルゴ?」

 

 ロキは椅子に座っているがアルゴは小柄なので、抱きしめる位置は必然的に胸の辺りになる。

 慌てるロキを見て口元が緩みそうになるが我慢する。

 ……彼も一応は男なのである。

 

 そして、耳元でしっかりと言葉を掛ける。

 

「……ロキ。苦しかったらいつでもオネーサンを頼りナ。君は独りじゃないんだカラ」

 

 ピタリと動きを止めたロキはぎこちなく頷く。

 その様子に満足したアルゴは一度彼を離し、今度は顔を近づける。

 何をするかいち早く気づいたヨシナは止めようとするが、一瞬遅かった。

 

 ロキの頬に柔らかい感触と共にチュッ、と小さく音がした。

 

「ジャーナ! ロー君、ヨーちゃん!」

 

 バタバタと慌ただしく二人の元から逃げるように出口へと走っていった。因みに金はしっかりと払った。

 颯爽と去っていった彼女を見届けると、ロキはおもむろに頬を触る。

 そこにはまださっきの感触が残っているように感じた。

 不思議な感覚に包まれていると、右腕に再び誰かに抱きつかれた。

 その誰かとは言わずもがな、ヨシナ。……ついでに眼に光がなく、薄く笑っている。

 

「ねぇ、ロキ」

 

 ゾッとするような冷たく甘い声で(ささや)く。

 だが何故かロキは恐怖を感じていない。

 

「ヨシナ?」

「どこに……されたの?」

 

 なんだそんなことか、とばかりに頬を指さす。

 それを見てヨシナは視線を口に向け、妖しく美しい笑みを深める。

 

 

 

 

「……ふふ。じゃあ、私は………………」

 

 

 

 

 

 

   ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 とある宿屋の一室。そこでは一つの人影が壁に頭をぶつけたり、ベッドで転がりまくっていた。

 

「ウゥ、調子に乗ってやっちゃったヨ〜」

 

 思い出すは先刻の自分の行動。

 流れでやってしまったのだが、鮮明に記憶に焼き付いている。

 部屋に入ってから赤面、にやけを繰り返し身悶えている。

 

「いくらボク(・ ・)の気持ちを明かしたって言っても……。流石にアレはないよ!」

 

 

 アルゴは妙な所で『鼠』じゃなかった。

 

 

 

 




うん、もうね、イロイロとおかしい
深夜テンション怖い
無理矢理感が半端ない

いままで恋愛系について興味のKすらない人生でしたので……(これからも)
書けてるか不安です

次辺り『笑う棺桶討伐作戦』の予定
戦闘シーン頑張ろー

あ、SAOロスト・ソングをプレイしている方がいましたらどんな感じか教えてください
今買うか迷ってるんで

感想、アドヴァイス、誤字報告等待っています
批判カモンです
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