奇物:両面宿儺の指   作:二等辺大三角形

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短めです。



不朽の大木

 

広場に発生していた魔陰の身をあらかた元の兵士へと戻し、反転術式による治療を試みていた悠仁。

彼は四百年による研鑽を経て、他者への反転術式の精度も向上しており、大幅な呪力を消費しなくともある程度の怪我であれば治癒が可能になっていた。

 

「ぬしの治療のおかげで想像以上に多くの患者を助けることができた。礼を言うぞ」

 

全員の治療を終えた悠仁の元に先ほど瓢箪を抱えて魔陰の身に単身で突っ込んで行った幼女——白露がやってきた。

彼女は羅浮における持明族と呼ばれる長命種の少女で丹鼎司と呼ばれる仙舟において医術を専門とする組織に所属している医者とのこと。

他の者たちの怪我などを治癒していた様子を見るに医者であることは本当らしい。

とはいえ……

 

「子供が一人であんなモンスター相手に突っ込むなよ」

「なんじゃ、ぬしまでわしを子供扱いするのか!お主のような小童が人を見た目で判断するでない!」

「でも危なかったじゃん」

「それは……ぐぬぬ」

 

持明族と呼ばれている龍の種族は基本的な生物が持つ繁殖という機能を持ち合わせていない。彼らは死が近づくと『脱鱗』と呼ばれる死に戻り——転生をする。肉体が蘇ると同時に記憶を失いながら、彼らはその血を絶やすことなく生きながらえ続けていた。

 

その内にはなかなか肉体の成長が遅い者もいるらしく、子供の見た目であっても想像以上に年老いている者も少なくはないのだとか。

白露もまた、そのうちの一人であった。

 

そもそも小童などと言われているが悠仁はかれこれ数百年も生きており、呪物になっていた頃の期間を含めれば、この世界で最も長生きしていると過言でもなかった。が、わざわざ説明する必要もないし、余計なことを言ったらまた拗ねちゃいそうなので彼は黙っておくことにする。

 

「怪我は治したけど、俺医療に関しちゃあんまり明るくないからさ。アイツらのこと診てやってくれ」

「当然じゃ、医者が患者を待たせるわけにはいかんからのう。もしぬしらが何か怪我をした時はわしのところへ来るといい。薬代ぐらいならまけてやる。それじゃあのーーー!」

「あ、無料(タダ)じゃないのね?」

 

怪我しても反転術式で治せるから行く必要はあまりないかもー、などと言う前に彼女は向こうにいる患者の方へ向かってしまった。

子供は風の子。転ばないかだけがただただ心配である。

 

悠仁は穹に身体を譲り渡し、仲間の元へと向かった。

 

「ん?メールだ」

 

ポケットの中のスマホが鳴り、見知らぬ者からメールが届いていたことを知る。

 

『あなたたちが太卜様が言ってた天外の人?ごめーん、今急用で手が離せなくて、写真を送るからこの場所に来てもらえる?』

 

どうやら符玄は彼らのために案内人を用意してくれていたらしい。

だが手が離せない仕事でもあるのか、こちらから赴いた方がよさそうだ。符玄も業務が忙しいと言っていたようだし、仙舟の人々は案外仕事熱心な人が多いようで。

 

そして写真が写っている場所を探しに彼らは長楽天の辺りを探し回り、ようやく、その場所を発見することができた一同。

 

「ちょっと、あれ見て!」

 

そこで星穹列車が見たものとは————

 

「うわーっ、この牌がトラブルなんだよね!うーん……どうしよっかなぁ」

 

明らかに使者がいるとは思えない、牌荘があった。

牌荘とういうのは……牌をしている暇人の方々が集まって勝手にできたコミュニティのような溜まり場である。仕事をサボりに来る人もいるとかいないとか。

一同が困惑する中、牌をしている少女がこちらを見て笑顔を向ける。

 

「どうも!品位溢れるお三方、あなたたちが例の客人だね。私は青雀。太卜司の……ポン!卜者で……あ、チー!あなたたちの案内人を任されてるんだー……おっ、カン!」

 

牌を打つのか自己紹介をするのかどちらかにしてほしい。

何故近くにいたのにこんな場所で待ち合わせすることにしたのかと問えば、広場の騒がしさが嫌だったとか。

おそらく、サボっているがバレたくなかっただけだろう。

 

後でに上司(符玄)にチクろうかな。

 

「ちょっと待っててねー……よしっ、上がり!それじゃあ行こっか」

 

何をもって符玄は彼女が案内人に適していると判断したのか不明だ。

厳しそうな彼女のことだから青雀のサボりを許しているわけでもないだろうに……。

 

彼女の案内で列車組は太卜司へと赴くための港を訪れ、その道中で彼らは宇宙へと伸びていく巨大な木を目にすることとなった。

木の幹を何本にも束ねたような大木。その幹や枝には葉がついておらず、なんらかのエネルギーが放出されているのが見える。

 

「あれは『建木』と呼ばれる古樹です。かつて羅浮が誇る至宝でした」

「古の時代、仙舟が天外を翔ける時に残した遺産って言われててね。記録によれば全盛期の大きさはまさに天に至り、星を懸けるほどだったんだってさ」

「ええ、そんなに大きかったの?もしかして、宇宙ステーションだけじゃなくって仙舟より大きかったりして……」

「ただの比喩だって!結局、ただの伝説だし、私も通勤の時に毎日見るからもう飽きちゃった」

 

そんな雑談を交えつつ、彼らは太卜司へと向かった。

星槎に乗り込み、ようやく目的地へと辿り着く。そこで彼らを待ち受けていたのは——

 

「あら、少し遅かったわね。観光は楽しかった?」

「カフカ……!」

 

符玄と、通信越しに姿を現している景元。

そして、メイクを落とし、拘束された状態で兵士に連れてこられたカフカの姿がそこにはあった。

化粧をしていないからか、その顔立ちはいつもより幼さが際立っていて、いつもの妖美な雰囲気はあまりなかった

 

符玄に尋問の方法を尋ねてみたところ、この太卜司の中央に位置している窮観の陣という高度な演算、予測装置を使って彼女の思考を読み解くとか。本来なら太卜司の者であろうとも、使用は困難であるが符玄が肉体に埋め込んだ第三の法眼による力でそれを可能にしている。

 

「言うことを聞くだけって聞いてたのにこんな大袈裟な儀式がいるなんて思ってもなかったわ」

「『言霊』で人心を惑わす魔女の言うことを聞けとでも?太卜司にはおまえから真実を掘り起こす方法がある、言葉よりもはるかに強力な方法がね」

「そう……なら太卜様には私の運命をしっかりと見届けてもらわないとね」

 

中央に置かれた装置——『窮観の陣』に彼女の身体は置かれた。

符玄がその力を持ってカフカの周囲に方陣を浮かび上がらせる。

幾重にも重ねられた紫色の陣。

天球のようにいくつもの星座が広がり、装置は回転を続ける。

 

符玄は方眼の力をもって、カフカの思考を読み解く。だがその顔はあまり芳しくはない。

対して己の思考の内側をのぞかれているのにも関わらずカフカの顔は涼しいままだ。それどころか、彼女の思惑が伝わっていくにつれ二人の表情は対極のように変化していく。

 

「…………っ!?」

「うふふ」

 

符玄の陣がそして解かれた。

何かを見た符玄の瞳が驚愕に染まる。

その顔には汗が垂れ落ち、信じられないモノを見るかのような眼差しだ。

 

「おまえっ……まさか、そんなことのために…………!?」

「どう?私の真相は気に入った?」

「ありえない……でも、窮観の陣に間違いはない」

 

どのような真相を知ったのか、彼女の声は動揺で震えていた。

そしてその鋭い視線はこちらへと向く。

 

「カフカは星核と無関係……まさか、おまえたちが……いや、馬鹿馬鹿しいわね」

「一体何が?」

「詳しいことはあの女から聞きなさい。この件を将軍に報告しなければ」

 

彼女はそう言い残し去って行ってしまった。

残された一同は困惑を隠しきれない。しかし、そこでぼーっと突っ立っているわけにもいかないため、穹はカフカのすぐそばにまで近づいて彼女と話すことを決心した。

 

「ハーイ。……何も変わっていないのね。ごめんなさい。こんな情けない姿を見せてしまって」

「……情けなくないよ」

「そう?それならよかったわ。何か私に聞きたいことがあるんでしょ?」

「結局……何が目的でこんなことをしたんだ?」

「エリオは君が三つの質問をする、と予言した。でも、それらに本質的な違いはないとも。だから君が三つの質問のうちの一つを口にしたら、今回の目的の一部始終を教えてあげる」

 

エリオとは星核ハンターのリーダーであり、未来を見通す力を持つ。

わかっている情報はそれだけ。種族も容姿も性別も出身地もそもそも存在しているのかどうかさえ不明の謎の多い人物だ。

彼は未来を見通す力を持って、「脚本」という可視化されたものを星核ハンターに渡す。彼らはそれに従い、暗躍を繰り返してきたのだ。

 

符玄が視た三つの事実について彼女は教えてくれた。

 

一つ目は星核ハンターが仙舟の敵ではないこと。

これは穹、そして星穹列車のみんなも知っていることだ。無論、そう簡単に信じることはしなかったが。

二つ目は仙舟へと星核を持ち込んだ人物が他にいること。羅浮内部に潜む裏切り者が外部の敵と手を組んで仙舟を滅ぼそうとしていること。だから符玄は急いで将軍のところへ報告しに行ったのだろう。

しかしその犯人についてはわかっていないそうだ。カフカによれば予言による事故を防ぐためにエリオは肝心なことを彼女に教えなかったらしい。

そして三つ目は——

 

「——君たちのためよ」

「…………」

「不条理よね。太卜が信じないのも無理はない。……星核ハンターがここに現れ、刃がここに捕らわれ、私がここに連れてこられたのもすべて——君たちを、星穹列車を仙舟へ誘導するためのものよ」

 

彼女が言うには、星穹列車にいずれ訪れる未来のために、仙舟との同盟が必要不可欠になるそうだ。ここで星核の災いを解決して、仙舟に貸しを作ればいずれ力になってくれる、と。

悪名高い星核ハンターが星穹列車を仙舟の英雄にするためだけの脚本(シナリオ)だ。そのためだけに彼らはここまでのことをしでかした。

 

「何のためにそんなことを?」

「言ったでしょう、エリオは肝心なことを教えてくれなかったの。未来は可能性に満ち溢れてる。物事を知るタイミングを間違えれば、今までの努力が水の泡になってしまうわ。……でも、一つだけ教えてあげる。最高と最悪の未来で君たちは壊滅のナヌークと対峙することになる」

 

あれはどのような存在であろうと到達できない領域の存在。

星神というだけでも強大で人間には抗えないのに、よりにもよってこの宇宙にとって最も最凶最悪とも呼べる権化。

まさに物語における舞台装置(バッドエンド)のようなものだ。

 

しかし、「脚本」に従えばそれは変わる。

 

「知ってる?たとえ星の神であっても、殺すことはできるのよ」

 

彼女はそう言って、とある昔話をし始めた。

それは死に絶えることになった数々の星神のことである。

 

「不朽」の龍

「純美」のイドリラ

「秩序」のエナ

「繁殖」のタイタルズ

そして——「開拓」のアキヴィリ

 

どれもがかつて星の海を揺らした名前。しかし、それらは全て死に絶え、主亡き運命だけが残っている。

 

人々に知られている星神を殺す方法はいくつかあった。

 

一つは概念の似通った運命同士の衝突。

狭量の「秩序」のエナはより広大な「調和」のシペに呑み込まれ同化した。

 

もう一つは星神同士の戦い。

「繁殖」のタイタルズは星神たちの協力によって殲滅された。

「貪慾」のウロボロスはタイタルズとの戦いで姿を消し、滅んではいないものの「巡狩」の嵐は「豊穣」を狩り続けている。

 

そして「壊滅」のナヌークは万物全てを灰燼に帰そうとしていた。

 

「アキヴィリは……?」

「さあ、あの星神は謎が多すぎる。君の問いに答えられるのは知恵の神(ヌース)だけかもね。あの機械頭は何でも知ってるから。ああ、でも一つだけ知らないことがあったのかしら。そうでしょ?————両面宿儺さん」

 

その問いかけに今まで黙っていた悠仁は嫌そうな声音でようやく口を開いた。

 

「……俺の本名を知っててわざとやってるだろ」

「あら、嫌だったかしら」

「いい気分ではないな」

 

穹は一度、星核ハンターである銀狼とホログラム越しであるが出会ったことがある。

おそらく、その時に宇宙ステーションの監視カメラの記録などから悠仁のことを知ったのだろう。

ヌースの知識の中に呪力が含まれていないことを知っているということはヘルタとの会話も盗み見されていたのかもしれない。

 

「悠仁の指を俺に呑ませるのも脚本に書かれていたのか?」

「いいえ。エリオは彼について何も言わなかった。知らなかったのか、あえて教えてくれなかったのかはわからないけれど、君が彼の指を呑んだことは完全に想定外だったわ。」

 

穹自身、命懸けの状況での咄嗟の判断なのでどうしてあの指を呑んだのかは説明することができなかった。

とはいえ、そのおかげで今こうして旅を続けられているのだからそこまで気にすることではないのかもしれない。

 

「でも、こうして会ってみて一つわかったことがある」

「……?」

「君のその力——呪力はいつかきっと君の旅路を助けてくれる力となるわ。彼とは仲良くね」

 

それは少なくとも、多くの星々を混迷に落としてきた極悪人である星核ハンターの顔ではなかった。

どちらかと言えば……

 

「カフカ、お前は穹の……」

「待って。そろそろ時間だわ」

 

何かの気配を察知したカフカが悠仁の言葉を遮り、仙舟のとある方向をじっと見始めた。

その視線の先は————彼らが先ほど眺めていた、あの建木があった。

 

「ふふ、始まったわね!」

 

彼女の言葉と同時に、地面が激しく揺れ動いた。

峰の下にある雲は溢れ出し、風が荒れ狂い始めようとする。

その木は黄金の花を燃える炎のように咲かし、あちこちで悲鳴が上がる。

 

穹の背後でカフカが拘束具を破り捨てた。

 

「待てっ!」

 

逃すわけにはいかないと急いで彼は彼女を追いかけようとする。

 

上空から一人の男が割って入ってきた。

死体のような白い肌。生気の籠らない暗い瞳。間違いなく星核ハンターの刃だ。

カフカと同様に雲騎軍の拘束を破ってここまで来たのだろう。

 

彼は今にも崩れ落ちそうな漆黒の剣を穹へと構える。

 

「行くわよ、刃ちゃん。残りの二箇所に向かわなきゃ」

 

そう言い残し、カフカ、そして刃は空へと落ちていってしまった。

追うにしても彼らの姿はすでに雲の中へと消えてしまい、そこには影も形もなかった。

穹は急いで窮観の陣から出て仲間たちと合流する。

 

「建木に力が注ぎ込まれてる……」

「この異様なエネルギーは……星核だ」

「ってことは……星核の力で建木が生命力を得たってこと?」

「ああ、この異常現象の元凶は雲騎軍が探している星核だろう」

 

ふと、隣に立っている停雲の様子がおかしいことに気づく。

小刻みに、わずかにながら震えている。

建木の突然の異変に怯えているのだろうか。

 

それとも————

 

「停雲?」

「っ————し、失礼いたしました!まさか建木があのような異形の姿になるなど、私も初めてでして……」

「そりゃあ誰だって驚くよ!」

「皆、景元将軍と符玄さんのところへ急いで戻ろう」

 

一同はヴェルトの提案に賛同し、慌てて彼らのいる太卜司の中枢部分へと向かうことになった。

 

「座ったまま待つと言うのですか!?万が一があったら、どう責任を取るつもりで!?」

 

そこにいた符玄は何やら景元に対して不満があるのか、随分と声を荒げていた。

だが、景元は相変わらず、穏やかな笑みを浮かべている。

 

「落ち着きたまえ、符玄殿。私の奇兵をお忘れかな?——星核ハンターがわざわざ星穹列車と仙舟を結びつけたのなら日照りに雨だ。その好意に存分に甘えようじゃないか」

 

こちらの来訪に、一人は驚愕の意を示し、もう一人は余裕綽々の笑みを浮かべている。

前者である符玄はいよいよ頭を抑えてしまった。

 

「私が間違っていたわ……将軍に余計な期待を持つなんて。いい加減にしてください!どれだけこの奇兵をこき使えば気が済むんですか?まさか他に頼れる者はいな……なんですか、その目は。お忘れなきように言っておきますが、建木の在処は秘中之秘、仙舟の民以外に接触させるのは——」

「規則に反する、か?ははっ、ならば私からも忠告だ。規則は仙舟があってこそ成り立つもの。危機が迫ったとき、有用であれば使い、無用であれば捨てざるをえない。だから、私はとある規則を破ろうと思う。……まあ、「とある」と言うには数が多すぎるかもしれないがね」

 

景元はそう言って、懐から一つの兵符を取り出す。どうやら雲騎軍の指揮を彼女に一任させるつもりのようだ。

符玄は最初は戸惑っていたものの、自らが将軍の代打として活躍できることを嬉しく思ったのか、彼の指示に素直に従うことにした。

 

「列車の諸君、今更で申し訳ないが、君たちに星核封じの策に加わってもらいたい」

「報酬は出るんだよね?」

「アンタ、今それ言うの……?」

「勿論だとも。このような場で駆け引きなんぞ始めたら私どころか、仙舟までも恥をかくことになる。仙舟の劇変を耐え、離れず手を差し伸べてくれたことに心から感謝する。すべてが収まった後、その話をするとしようじゃないか」

 

聞くところによれば、建木はもともと「豊穣」の星神、薬師が残したものであった。羅浮の民の祖先たちは建木の実を食べたことにより長命種へと生まれ変わり、長い時を生きれるようになったのだ。だが、それだけで話が終わるはずもなく、羅浮の人々は人口の急激な図かと資源の欠乏に苛まれることとなる。

そして、人々は「魔陰の身」へと堕ちるようになった。それと同時に、薬師の恩恵を浴びた豊穣の民たちが侵略を始めたらしい。何度も何度大地を血に染め上げながら……滅亡の時はいつ訪れてもおかしくはなかった。

 

巡狩の庇護を受けていなければ、今頃仙舟同盟は壊滅していたかもしれない、と彼は言う。「巡狩」の嵐は薬師を強く敵視していた。だからこそ、帝弓の司命として其は人々に力を貸してくれている。

 

建木が再び蘇ることは、羅浮の人々にとって厄災の前兆を示している。景元によれば今回の騒動はその豊穣の民である薬王秘伝という組織の可能性が高いと言う。

 

雲騎軍を符玄が手配している間に、こちらは工造司の道を通ってから符玄と再合流する手筈となった。

どうやらそこでも建木による問題が発生しているらしく、列車にその解決を任せたいとのこと。

 

彼らは工造司へと停雲の案内で赴いた。

転々とさまざまな場所を移動しているが、どこから見てもあの天へと続く建木はその姿を悠々と表しているのが見える。

その中央に座している工造司の至宝、造花洪炉は星核の影響によって成長した建木の根に囚われてしまっていたのだ。

 

 

 

 

不朽の木の中で眠っていた獣が今にも目覚めようとしていた。




仙舟は難しい漢字が多すぎる……
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