百合の間に挟まるなんてイヤだー!!!   作:NTT.T

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なんかたまーに日間ランキングとかみたらこの作品が居たりするので思わず「!?」ってなってる作者です。

最初の内は正直「反応されんくても仕方ないやろなあ……」って感じだったので、ここまで沢山の方が見てくれてとても嬉しいです!

まだまだ至らないところもあると思いますが、応援してくれたら嬉しいです!

それでは、どうぞ!


友達だから出来ること

 

「いやー久しぶりに百合を遂行できて嬉しいわマジで」

 

「何回似たようなセリフを言ったんだ君は?ここ数日だけでも数え切れないくらい聞いているんだが………」

 

アルスハリヤは心底うんざりした顔でそう言った。

 

いやだって仕方がねえだろ、こんなのもう快挙だろ快挙。ここ最近は百合を破壊し尽くしてたし、守れたら嬉しくもなるだろ!?

 

俺が盛大なやられっぷりを見せ、見事百合の礎となった日から数日後、俺は家で百合の余韻に浸っていた。

 

「ふっ、まあ浮き足立って足元を掬われないことを願っておこう」

 

「どの口が言ってるんだお前?」

 

そもそもこの前の海水浴の件は未だに根に持ってるからな!?あれから芦花のこと、どうしよ……コレ………ってなってるんだよこっちは!!なんか次ああいうイベントに遭遇したら今度こそおしまいかも………!?

 

「…………ッ!!いや、待てよ」

 

今の俺の回復した脳で落ち着いて考えてみたんだが、アレってもしかしなくても………親愛の証的なやつなんじゃ無いか?

 

こう、裸の付き合いというか、腹を割って話そうぜ!!的な。ヒイロなら見てもいいってことは、俺のことが友達として信頼できるってことを暗に言ってた…………ッテコト!?

 

 

芦花……!!お前、そこまで俺の事を友達として想っててくれたって事かよ!!正直百合の間に挟まってしまった可能性を危惧していたが、俺の杞憂だったみたいだな。流石に俺のことが恋愛的に好きだなんてそんな事あるわけ無いもんな!

 

「相変わらず表情がコロコロ変わるやつだな君は?苦悶から幸福までなんでも取り扱う感情のバーゲンセールでもやってるのか?」

 

「へっ、残念ながらここからは幸福しか売り物に出さねえよ!!」

 

何故かって?俺がもう失敗しないからだ!!

 

「どうだか。君の事だ、僕が手を下すまでもなく何かをやらかしてくれるという期待しかないが……」

 

甘い……甘いんだよお前は……!!ビ○ードパパのシュークリームくらい甘い……!これからお前は俺の余りの百合パワーにひれ伏すことになる……!!

 

と、そんな事を考えていたところ………

 

ピンポンピンポンピンポン!!!!

 

急に玄関のチャイムが鳴り始めた。

 

「おいおいどうしたよ急に……配達か?」

 

最近確かに脳を回復させるために色々取り寄せてた気はするが……にしてもこんなピンポン押すか?

 

「考え込んでる暇があったら出たらどうだ?その方が君の性に合ってる」

 

「………、それもそうか」

 

そんな事を考えながら、ドアを開けてみると──!?

 

「ヒイロー!!!助けて〜〜!!彩葉が、彩葉が〜〜!!」

 

そう言いながら、泣きそうな顔で俺の事を呼んだのは──かぐやだった。

 

 

 

 

 

「ひっぐ、ひっぐ……うぅ…………」

 

「………どうだ?少し落ち着いたか?」

 

「うん……」

 

取り敢えず家の前で泣かれるのは非常に俺の印象が悪くなる可能性があるので、一度俺の家に入れ、事情を聞いた。………え?家に連れ込む方が印象悪いって?もう今更過ぎるんだよそんなの!!俺だって酒寄の家に連絡してから普通に入ることあるし、そんなこと気にしてたらやってられんわ!!

 

………話を戻そう。

 

「にしても、酒寄が倒れた、か…………、取り敢えず、かぐやは酒寄のそばにいてやってくれ。その方が酒寄もきっと安心できる」

 

それにしても、やっぱり倒れるのか……コレでも頼らせるようにはしてたが、それだけじゃ足りなかったって事か………すまん、酒寄。

 

悔しさが胸の内を渦巻くが、それを顔に出さないように心がける。

 

「………ヒイロは?」

 

「ああ、俺は取り敢えず家にある役立ちそうなものを纏めてからそっちに行く。そっから足りなさそうな物があったら、どっかで買ってくるって感じにしようと考えてる」

 

まあ、こういう事が起きるってのは知ってたから一応揃えておいたんだよな。……もっとも、そんな事起こしたくはなかったからこそ俺なりに色々頑張ってはいたんだが……

 

「うん、分かった!かぐやは彩葉のこと見とくから、ゆっくり準備してていいよ!」

 

「──────」

 

………そうか、ここら辺りからかぐやも人を慮るようになってたな。こうして間近でそれを見ると、込み上げてくる物があるな………

 

「よし、それじゃあ少しの間酒寄の事、頼んだぞ。俺もすぐ行くから」

 

 

 

 

 

そうして、俺は荷物を纏めてから、酒寄の家を訪れた。

 

「お邪魔しまーす………って酒寄、もう起きて大丈夫なのか?」

 

「うん……多少は良くなったし、かぐやが色々やってくれたから」

 

「えっへん!!」

 

かわいい(小並感)……いや、ただ可愛いと思っただけだから、うん。別に恋とかしてないから。

 

と、誰に向けてしているか分からない言い訳を心の中で呟きながら、俺は改めて酒寄に話しかける。

 

「そうか、そりゃ良かった。俺も体調悪い時用に色々備えてたから、良かったらもらってくれ」

 

水とかゼリーとかアクエリとか色々持って来たからな。こんだけあれば大丈夫だろ。それに、かぐやがもう大半のことはやってくれてるみたいだしな。

 

「良いよ……もう散々頼っちゃってるし、これ以上は……」

 

………全く、多少は変わったと思ったが、根本的なとこは簡単には変わらねえか。

 

「酒寄」

 

「…………」

 

「なんでお前は、そんなに一人で頑張ろうとするんだ?」

 

「………!!」

 

ハッ、と驚いた顔を酒寄はした。

 

きっと、同じ様な事をかぐやに聞かれたはずだ。けど、俺なりに確かめてみたかったんだ。たとえ答えが返ってこないのだとしても、それでも確かめたかった。

 

 

 

「何だかんだで、もう2年くらいの付き合いだな。あの頃は余計酷かったが、今は多少マシになってる。けどまぁ、そんな簡単に人は変われねえからな。それでもたまに限界そうな時も見かけた」

 

 

 

あの頃は特に酷かったよな。多分上京してからすぐだっただろうし、慣れてないことも多かったからだと思うが、それでも見てて心配になった。

 

 

 

 

「別にな、頑張る事がダメって訳じゃないんだ。けど、一人でなんでもかんでもやろうとすると、いつかガタが来る。それこそ、今日みたいにな」

 

「…………」

 

 

 

 

「俺には、お前がどんな思いでここまで頑張ってきたのかも、どんな経験をしてきたのかも分からない。俺は酒寄じゃないからな」

 

 

 

 

そう、たとえあの映画を見たとして、それで酒寄のことを知ったのだとしても、それはきっと知ったふうに感じているだけだ。俺はそれを経験してないし、どんな思いで過ごしてきたのかも分からない。

 

 

 

 

「だから、お前のこと分かった様なふりをしてお前を批判したくは無い」

 

 

 

 

それは、俺が人と関わる上で百合の次くらいに大事にしてることだ。何でもかんでも人の一側面だけ見て批判するのは間違ってるって、思うからな。

 

 

 

 

「だから、これだけは頭の片隅に置いててくれ」

 

 

 

 

俺はコイツの友達なんだ。百合の守護者である前に友達なんだよ。だから、たとえ嫌われてでも助けたい。

 

 

 

 

「もしお前がもう辛いってなった時、頼ってくれたら絶っっ対助ける。だから……」

 

 

 

 

だから、何回だって言う。

 

 

 

 

 

 

「頼りたくなったら頼ってくれ、友達だろ?」

 

 

 

 

 

 

いつか、酒寄が頼りすぎだろってくらい誰かのことを頼れる様に。

 

 

 

 

 

「っと、説教くさくなったな。すまん」

 

こんなことを言いにわざわざ来たわけじゃなかったのにな。ついいつもの癖で………

 

「…………ううん、ありがと」

 

「そーそー!かぐやなんか彩葉に色々頼りっぱなしだしさー?もっとかぐやの事見習った方がいいよー?」

 

「………元はと言えば、アンタが私に頼ってばっかりだったからでしょうが〜!!!」

 

「ギャーー!?ごめんなさーい〜!!!?ヒイロ助けて〜!!?」

 

………まあ、呼びかけられてるし、助けるか。酒寄の体調も心配だし。

 

「………おいおい、酒寄は病人だろ?安静にしてろって」

 

「ヒイロ……!!(キラキラキラ)」

 

「…………ふーん?さっき私のこと友達とか言った癖に、いざとなったらそこまで関わってもないかぐやの事庇うんだ?ふーん?」

 

………おっと、やらかしたか俺?いやそんなつもりで言ったんじゃないんだけどなあ………

 

「いやぁ……俺は酒寄に早く安静にして欲しいなあって思っただけで、別にかぐやのことを庇ったわけじゃな………」

 

「ヒイロ………?かぐやの事助けてくれないの……?(うるうる)」

 

………やめてくれ、その上目遣いは俺に効く。というかどうしたらいいんだよこれ………やむを得ん、こうなったら……!!

 

「OKアルスハリヤ!!!この状況どうすればいい!!!?(ヤケクソ)」

 

必殺!!訳の分からん奇行でこの状況を破壊する!!こうすれば全てが有耶無耶になるからなああああ!!!!!

 

「「!!!???」」

 

「ふっ、よくぞ僕のことを頼ってくれたヒーロ君!!何、方法は至ってシンプルだ。2人とも大好きだと言えば全部解決───」

 

「死ねええええええええええ!!!!!!!!!!」

 

俺は魂を込めてアルスハリヤを遥か彼方まで投げ飛ばした。

 

というかてめえふざけてんのかマジで!!?そんなんで解決するわけがねえだろ幼稚園児でも分かるわ!!

 

………ふぅ、これでなんとかなっただろ。問題は………

 

「「……………………………」」

 

これやったら確実にただのヤバいやつって思われるとこだな。うん。いや百合の守護者的には満点なんだが、友達として嫌われるのはかなり効くんだよなぁ………よし。

 

「………………ほんと騒がしくしてすまん。俺は持って来た物置いて帰るから、それじゃ!!!!!!」

 

「あ、逃げた」

 

うるせえこれは戦略的撤退なんだよ!!逃げてなんかねえ!!あとお大事にーーーー!!!!!!

 

そう心の中で呟きながら、俺は全速力で部屋に帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

「…………いつかまた辛くなったらきっと頼るから、その時は助けてね?ヒイロ」

 





よく「自分が書いた登場人物が勝手に動く」って書いてる人がいたので「流石にそうはならんやろ」って読んでる時疑問に思ってたんですけど、よくよく考えたら物凄く勝手に動いてるな!?ってなってます。

謎ですよねこの現象………名前をつけるとしたら何になるんでしょうか?

とまぁ、私事は置いておいて、ここまで見てくださってありがとうございます!!

また次回もお待ちしてくれたら幸いです!

それでは、また次回お会いしましょう!!
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