百合の間に挟まるなんてイヤだー!!!   作:NTT.T

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はい、という訳でヒイロ君の過去編、始まります。

正直ここら辺からまた独自設定、解釈が多いと思うので、ご了承ください。

高評価、お気に入り登録などありがとうございます!

それでは、どうぞ!


少年少女のリスタート!

 

そもそも、何故二条ヒイロがこの『超かぐや姫!』の世界に居たのだろうか?

 

事の始まりは、三条燈色が「クイーン・ウォッチ」で、アルスハリヤを巻き込んで自爆しようとした、その時からである。

 

魔神によって造られた六柱の魔人。その第一柱である魔人アルスハリヤ、その権能は「人間の肉体の構築」だ。

 

それを利用し、アルスハリヤは三条燈色の肉体を再構築、その体内に魔人アルスハリヤを構成している魔術演算子を混ぜる事で、辛うじて意識を保ち、原作で三条燈色と共に歩むこととなった。

 

だが、コレはもしもの話だが──スペア(・・・)の様なものをアルスハリヤが万が一の為に作っていて、そこに自分の魔術演算子を入れればどうなるだろうか。

 

そう、魂を持たない三条燈色の肉体withアルスハリヤの魔術演算子が完成し、仮にもし一回自身が何かしらをミスしたとしても、予備の体に燈色の魂を入れれば、何とか助かるという訳だ。そして、コレをアルスハリヤは爆発が終わった直後に行おうとしていた。

 

だが、その動作はアルスハリヤが消滅するまでの余りにも短い時間の中で行うには複雑過ぎた。消耗しきっていたというのもあるかもしれない。

 

どれが決定的な要因かは分からないが、何かが原因で………スペアの肉体を出力する座標を間違えて(・・・・)しまったのだ。さらに、先程の魔力の一斉励起による爆発。コレによって時空は不安定になり、三条燈色の魂を持たないスペアは文字通り『世界を超えた』のだ。

 

だが、コレだけでは些か理由としては薄いだろう。恐らく最大の理由として挙げられるのは、この世界そのものが『不安定』と言えることだろう。

 

この世界には『ダンジョン』というものがある。ダンジョンとは、その世界各地に発生した、異界へと繋がる特異点。そこからは魔物が出て来るのだが……ここは重要では無い。

 

重要なのは、このダンジョンは『常に揺らいでいて不安定』であり、それ故に『全く予期しない異界(どこか)へと繋がる恐れがある』事である。

 

こんなものが存在している事そのものが、この世界の不安定さを物語っているだろう。

 

こうして、様々な要因が重なり、もう一つの三条燈色の肉体は世界を超え、その合間に偶然、いや奇跡とも言える確率で『彷徨っていた魂が入った』のだ。

 

そして、物語は幕を開けることとなる…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めたら、よく分からない森に居ました。何でこんなことになってるのか小一時間、いや何時間でも誰かに問いたいレベルで困惑してます。

 

「てかなんか声も違うな………それに、何か身長高くね……?」

 

というか、そもそも俺は病室で一人寂しく死んだ筈だし……何か自分で言ってて悲しくなってきたな………それに、結局、誰も最期看取ってくれなかったよな………

 

「はぁ…………」

 

…………あんま考えすぎるのは良く無いよな。ワンチャン自殺くらいまで考え込んじゃうかもしれんし。それに、なんかよく分からんけど身体は全然動くし、ちゃんと喋れる。

 

そして何より………!!

 

「カッケー!!何この武器っぽい奴!?」

 

なんか刀身無いけどそれはそれでなんか使い古された感あって歴史感じるしカッコいいなあ……!!おまけに何か玉?みたいな奴もある!!

 

「………ん?刀身のない刀?それに玉?」

 

なーんかこんな感じの武器見たことある様な………何だ?物凄い既視感を感じるが……分かんねえ……

 

そして、そんな事を考えていると、どこからともなく声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

「………ふぅ、何とか僕の作戦は上手く行った様だな。問題は、ここら一帯にまるで魔術演算子がないことが分かるのと、ここがまずどこか分からないということだ…………まさか、ここは別の世界?」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、少し上を見てみると、ぶつぶつ喋る奴が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

茶色のトレンチコートを羽織り、煙をふかしながら煙草を吸っていた。その煙の奥に光る翠玉色の瞳は文字通り宝石の様に綺麗で…………ん?

 

 

 

 

 

「…………アルス、ハリヤ?」

 

 

 

 

 

 

そう、俺が読んでいたラノベにいたキャラクター「魔人アルスハリヤ」に特徴が酷似し過ぎていた。

 

 

 

 

 

「ん?その声は………どうやら目が覚めた様だね。初めまして同居人。僕の名前はアルスハリヤ、君の名前は?」

 

 

 

 

 

………おいおいマジかよ……!?って事はまさかこの身体って……!!

 

 

 

 

 

そうやって近くを走り回り、湖らしき場所を見つけ、自分の姿を見てみると──

 

 

 

 

 

「な、な………!!」

 

 

 

 

 

嘘だろコレ?夢?冗談?……いや、俺の目に映っている情報はコレが真実(マジ)だと俺の脳に訴えかけて来る。……つ、つまり?俺は──

 

 

 

 

 

「何で、師匠の体に転生してるんだよー!!!!??」

 

 

 

 

 

何の因果か、三条燈色、俺が生きる上で師匠に勝手にさせてもらっていたラノベの主人公に転生?憑依?してしまっていた。

 

 

 

 

 

 

と、そこで少しのため息をついたアルスハリヤ。

 

 

「………驚くのはいいが、僕の自己紹介を無視するのはよろしくないな。それで、君は誰なんだ?三条燈色で無いのは分かっている。肉体を作るまでが僕の権能だからな。魂まではコピーできない」

 

 

 

 

俺の、名前………苗字は何となく名乗りたくないな。心機一転って感じで行きたいからな。なら──

 

 

 

 

「俺の、名前は………非色(ヒイロ)、ただの非色だ」

 

 

 

「………ほう、コレはまた、名前が随分似ているな。いや、だからこそこの肉体に入り込んできたという訳か………」

 

 

 

……確かに、名前というのは呪術的に特別な意味を持っている的な話を本で見たことあるし、それがこうなった原因の一因なのか……?

 

 

 

「というか、何でお前がここに居るんだ?」

 

 

 

「それは僕も知りたいところだが………というか君、魔導媒体器(マジックデバイス)導体(コンソール)を知らない反応をしてはいたが、僕の名前を知っている様なそぶりを見せた………何者だ?」

 

 

 

そんな大層な奴じゃないんだがな…………まあいいか、情報交換でもするとしよう。協力的な姿勢は見せておいて損はない。

 

 

 

 

「………ほら、身体の主導権は渡してやるから、コレで俺の記憶でも見たらいいんじゃないか?説明すんの面倒くさいし」

 

 

 

「………肝が据わってるな。コレを利用して僕が何かをしようとするとは思わないのか?君は僕のことを知っている様な反応をしていた。なら、僕がどういう奴かも理解できている筈だ。何故だ?」

 

 

………そんなもん、さっき言っただろ。

 

 

「言ったろ?面倒くさい(・・・・・)んだよ。コレで俺が死のうがどうしようが最悪どうでも良い。もう生きることに執着はしてない。生きれたらそれで良いが、死ぬならそれでも良い。だって………俺は一度死んだ。なら、そこから少しでも生きれたらもう満足だろ。今から死んだって俺は別に良い」

 

 

 

 

 

「…………コレはまた、別ベクトルでイカれてる奴が来たみたいだな」

 

 

 

 

あっちの僕もさぞかし振り回されることになるだろうが、こっちもこっちで大概だな。と、そんな事をぼやくアルスハリヤ。

 

 

 

 

「良いだろう。この僕が、君の記憶を吟味するとしよう。どれどれ………………?」

 

 

 

 

そして、一度声が止んだと思えば、直後、笑い始めた。

 

 

 

 

「フフッ………ハハハハハハハハハハ!!!!何だコレは!?僕達が居た世界は創作の世界で、僕はその1キャラクターに過ぎないだと!?…実に面白い、まさに僕の『興味』を惹く様な情報じゃないか!!」

 

 

 

 

そう言いながら興奮を抑えきれない様子のアルスハリヤ………うるせえなコイツ………

 

 

 

 

 

「………面白い記憶(もの)も見ることができたし、君自身にも興味が湧いた。なら、君に協力するのも(やぶさ)かではない」

 

 

 

 

 

「………なら、俺の体に今後居座る家賃位の働きはしてくれよ?アルスハリヤ」

 

 

 

 

「ああ、それしきの事、いくらでもやって見せようとも。その代わり、せいぜい僕の『興味』を削がないでくれよ?」

 

 

 

 

 

「はっ、言ってろよ」

 

 

 

 

コイツの本性はもう知ってる。だから信頼はしてないが、コイツの能力、そして愉しみに惹かれるという点は信用している。なら、利用し、利用される関係で行こうぜ?ギブアンドテイクってやつだ。

 

 

 

 

 

そんな事を言いながら、俺たちは森の中を突き進むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳でもうすぐ森を抜けるところなのだが……現在草むらに隠れています。何でかって?そりゃあ───

 

 

 

「なあ……俺の目の前で起きてることって、冗談じゃねえよな?」

 

 

「ああ、(にわ)かには信じ難いが………どうやら、僕の想像を遥かに超えて来るのがこの世界の様だ」

 

 

 

 

 

 

………恐らくだが、俺とコイツとでは驚いているポイントが違う筈だ。アルスハリヤは『コイツが喋る、というか歌えるのマジ?』的なニュアンスなのだろうが……俺は───

 

 

 

 

 

 

「〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪」

 

 

 

 

 

砂浜で歌っているあのウミウシ(・・・・)に死ぬほど見覚えがある。何せ死ぬ前に何回も見てたからな。Netfl○xに感謝しかないわマジで。アレなかったら多分もっと早く死んでたし、ワンチャン自殺してたわ。

 

 

 

 

それはさておき、だ。目の前に見える光景が現実であり、俺の幻でないのだとしたら………ここ、もしかしなくても『超かぐや姫!』の世界って事で、かぐや(ウミウシの姿)が砂浜にいる………って事は、まさか──

 

 

 

 

「おいおい、って事は色々まずいぞ?最悪普通に死ぬ可能性あるなコレ」

 

 

「………何?」

 

 

「多分だが、この時代に栄えている都市国家なんて物は存在しない(・・・・・)。お前も俺の記憶を見たってんなら分かるだろうが、今の時代は恐らく縄文時代。そこら辺だろう」

 

 

 

「………成程、ならまずは食料、それと水が必須という訳か」

 

 

 

「……お前、もしかしなくても何とかできたりする?」

 

 

 

「ふっ、この僕を誰だと思っている?人間をこよなく愛する魔人、アルスハリヤだぞ?この程度の知識、蓄えてあるさ」

 

 

 

「アルスハリヤ先生……!!」

 

 

 

俺、コイツのこと初めて尊敬に値する存在だと思えたわ。

 

 

 

「ところで………あのウミウシはどうする?僕としては何故ウミウシが喋れているのか、疑問と興味が湧いて来るから是非とも尋ねたいところなんだが」

 

 

 

……コイツが興味を持ってくれるってんなら話は早い。それを利用させてもらうだけだ。

 

 

 

「ああ、話は後でするが、あの子を俺は知ってるからな。見捨てるなんて事はしねえよ」

 

 

 

「………ほう、それも後で詳しく聞かせてもらおうじゃないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「〜〜〜〜〜♪………はぁ……」

 

 

 

 

何回も歌を歌うのは良いけど、聴いてくれる人もいないし………寂しいし、彩葉とかヤチヨもいないし………会えないのかなあ……もう。

 

 

 

 

かぐやがあの時隕石にぶつかってなかったら、こんな事にはなってないのに………ドジったなあ、ほんと。

 

 

 

 

そんな風に思い詰めていた時だった。

 

 

 

 

「…………そこの君、良かったら話でもしないか?」

 

「え?」

 

 

 

 

 

いきなり過ぎて反応がまともに出来なかったけど、日本語喋ってたよね!?………って事は第一村人発見ってことじゃん!!

 

 

 

 

 

喜びの余り勢いよく振り返ってみると、少しボロボロな学生服を着た金髪のチャラそうな奴がそこにいた。………けど、わざわざこの状態のかぐやに話しかけに来てくれた訳だし、ちゃんと話は聞こう!

 

 

 

 

 

「………本当に幻でも何でもなかったな………あーいや、話の切り口悪いな………俺の名前はヒイロ。君の名前は?」

 

 

 

 

 

………今の感じからするに、なんとなくだけど、悪い奴じゃ無さそうだよな〜。よし!ならかぐやも自己紹介するか!!

 

 

 

 

 

「かぐやだよ!!よろしくね!!」

 

 

 

 

斯くして、一度死んでしまった少年と、タイムスリップを盛大にミスった少女は何の因果か、出会ったのだった。

 





Q.結局ヒイロ君なんでこっちに来れたの?

A.アルスハリヤが慎重になった結果、予備の肉体を作っていたが、入力ミスったしなんか色々な条件噛み合ったせいで肉体が世界超えちゃった。しかもそれになんか魂入ったから普通に人として活動できる様になったよ。

Q.じゃあ九鬼正宗と導体(コンソール)、それから服とかは何でこっちにあるの?

A.………こう、多分ヒイロ君の転移に巻き込まれたんでしょう!世界不安定だからね仕方ないね。


はい、かなり無理矢理な感じになってしまいましたが、燈色君をしっかりとあっちの世界で活躍させつつ、こっちにもヒイロ君を配置するとなると、こうなってしまいました。

あと、ヒイロ君がノーダメな理由は、アルスハリヤが「爆発が終わる直後」に肉体を生成したため。けど直後だからまだ時空は不安定だよね?って事でこういう感じにしました。

今後ももしかしたら、こういうこじつけみたいな設定が出て来るかもしれませんが、ご了承いただけると幸いです。

それでは、また次回!

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