百合の間に挟まるなんてイヤだー!!!   作:NTT.T

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はい、過去編最終話です。過去最長になってます。なんか最近毎回最長更新してる気がしますね……無理矢理1話で区切りつけようとしたらこうなっちゃったんですよね……

あと、今回も独自解釈など有りますのでご了承ください。

それでは、どうぞ!


甘さは時に、己を蝕む毒と成る

 

魔人と成り、人の身を捨ててから次の日。俺は自身の内因性魔術演算子を蓄える器官から魔術演算子を取り出し、傷の修復をしていた。流石に外部には魔術演算子が無い為、急激な回復はできないが、コレくらいならなんとかできる。

 

 

 

 

問題は………

 

 

 

 

 

「………なあ、少しくらい俺から離れてみたらどうだ?いや、心配してくれるのは嬉しいんだがな……?」

 

 

 

 

「……だって、あの時、怖かったし。………かっこよかったけど、いなくなるのはやだ」

 

 

 

 

そう、俺がかぐやを助けた時に安心はしたらしい。が、それはそれとしてどうやら俺が傷を負ったあの時に、かぐやは『俺が居なくなるかもしれない』と思ってしまい、ちょっとしたトラウマになっているのだそうだ。

 

 

 

 

………これ、魔法使った後の俺見せたら絶対まずいよな?アレでこうなるんだろ?ワンチャン号泣される?……ますます見せられねえな。

 

 

 

 

「…………そうか。なら、今後はこうならないように頑張るわ」

 

 

 

 

「そんなこと言って、どこかで無理してたら絶対許さないから」

 

 

 

 

…………怖過ぎだろマジで、なんでそのフォルムで俺が怖く感じるほどの眼光が出せるの?俺がビビリなだけ?

 

 

 

 

「……分かった、分かったから、無理はしない。コレでいいか?」

 

 

 

 

………悪いな、嘘つく事になるかもしれん。けど、無理しねえとかぐやも百合も、俺自身でさえ守る事ができねえんだよ。……だから、無理は出来る限りしないように心がける。けど、いざとなったら俺はまた命を賭してでもかぐやを守る。

 

 

 

 

「……………………なーんか信用出来ない顔してるけど、いいよ!だけど、無理は絶対ダメ!いい!?」

 

 

 

 

 

「何回目だよそれ言うの…………って、頭の上で暴れるなっての!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かぐやがヒイロと出会ってから〜多分数十年、数百年くらい経ったのかな?かぐや何と驚きの事実に気がついちゃったんだよね!!いや、少し前、いやだいぶ前からおかしいと思ってたんだけどさ〜

 

 

 

 

ヒイロがさ!全然イキイキしてるんだよ!もうお爺ちゃんになってしわくちゃになってもおかしくないのにさ?全然変わんないの!これに気がついた時はもうチョー嬉しくてさ!思わずヒイロの事抱きしめたくなっちゃったんだよね〜……まあ、体無いから無理なんだけど。いつかできたらいいな〜

 

 

 

 

 

……でも、なんでなんだろ?一回聞いてみよっかな。

 

 

 

 

 

 

「ねーヒイロー?何でそんなに元気なのー?そりゃ嬉しいけどさ?もうしわくちゃのお爺ちゃんになっててもおかしく無いじゃん?」

 

 

 

 

 

 

「………そうだな………確かに、俺については全然話してなかったよな。じゃあ、少し話すか」

 

 

 

 

 

 

「確かにそうかも。かぐやヒイロの昔話全然聞いた事なーい。早く早くー」

 

 

 

 

 

 

どんな話してくれるのかな〜、楽しみ!

 

 

 

 

 

 

そこから聞いた話はどれも、かぐやがいた月でも知らない様な、そんなものばっかりだった。

 

 

 

 

 

「てか、あのたまーに使ってる刀とか光る玉も魔法だったんだ……確かにどうやってこんなのしてるん?ってなってたけど」

 

 

 

 

 

「まあ、そう言う事だな」

 

 

 

 

 

「ほえ〜………それで、結局何でヒイロは全然元気してるの?」

 

 

 

 

 

「………まあ、簡潔に言うとな。俺は人っぽいけど人じゃねえんだよ」

 

 

 

 

 

「………ん?人じゃ、無い?かぐやみたいな感じって事?」

 

 

 

 

 

かぐやも一応宇宙人だから人では無いんだけど………そういう訳でもなさそう……?

 

 

 

 

 

「原理を説明すると、かなり複雑になってくるからな。取り敢えずよっぽどの事がなければ俺は死なねえって覚えておいてくれたら、それでいい」

 

 

 

 

 

「……………そう、なんだ」

 

 

 

 

 

って事は、これからもずーっと、ずーっと一緒って事だよね?

 

 

 

 

 

「?何でそんなにやけてるんだよ?」

 

 

 

 

 

「いや?これからもヒイロとずーっと一緒にいれるって思ったら、それだけで嬉しくなっちゃってさ?にやけちゃった」

 

 

 

 

 

「………………そ、そうか」

 

 

 

 

 

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

ヒイロの側にいれるだけで、心がポカポカするんだよ?

 

 

 

 

 

 

だって、優しいし、かぐやの事助けてくれるし、苦しい事があったら慰めてくれるしさ?そんなヒイロとこれから先もずーっと一緒にいれるってだけでもう幸せだよ〜!!

 

 

 

 

 

 

「ねえ、ヒイロ?これからもずっと一緒、だよ?」

 

 

 

 

 

 

「…………ああ、そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多分、今は江戸時代位なんじゃ無いだろうか?確か将軍は徳川家康だったはずだし、かなり初期の江戸時代だと思う。

 

 

 

 

 

ここまで本当に色んな出会いがあって、別れがあった。そのどれもが俺にとって大切な記憶であり、今の俺を形作ってくれていると実感できる。最初にここに来た時はマジでこれどうすれば良いんだ?ってなっていたのが最早懐かしいまであるかもしれないな。

 

 

 

 

 

それに、ここまで来る中で魔法の後遺症的なものも流石に慣れてきた。お陰で馬鹿みたいに長い時間魔法を行使しなければ酷い事にはならないと言っても過言じゃ無いだろう。魔眼は強制開眼なのでそうはいかないが。

 

 

 

 

 

数々の剣豪を見てきた。誰も彼も俺みたいな魔法で強化した身体能力頼りのゴリ押しじゃなくて、綺麗な太刀筋で、力任せに刀を振るっているような人は俺が知る限り居なかった。

 

 

 

 

 

 

だから、稽古を付けてもらった。最初はそりゃ嫌がられたが、何度も行けば流石に折れてくれたらしく、木刀とかそこら辺で修行をさせて貰った。あと、弓術も鍛えた。不可視の矢(ニル・アロウ)で活用出来るかもしれんしな。

 

 

 

 

 

 

 

お陰でかなり強くなれたのではないだろうかと思う。これは師匠にも無いアドバンテージと言っても過言では無いだろう。……まあ、あの人ならそんな事しなくても馬鹿みたいに強そうだが。

 

 

 

 

 

 

 

…………さて、そろそろ現実逃避も限界かもしれん。

 

 

 

 

 

 

 

「それでそれでヒイロ?告白の返事はー?まだー?」

 

 

 

 

 

 

 

「………………………ちょっと、待ってな?」

 

 

 

 

 

 

 

たすけて(懇願)いやこれシャレになってねえよ普通に?俺は百合の守護者だってのに、なんで俺はかぐやに告られてるの?え?どうする?こ、こんなの僕のデータにないぞ!?

 

 

 

 

 

 

 

「…………なあ、酒寄の事好きじゃなかったか?お前?」

 

 

 

 

 

 

 

そう、ここがまずおかしいだろ。確かに俺はかぐやが酒寄の事が好きだと聞いていた。だから安心していたのに………何で俺の事も好きになってるの?いや、想いを否定するとかそういう訳じゃないんだけどね?

 

 

 

 

 

 

 

「え?そうだけど?」

 

 

 

 

 

 

 

「………………………で、俺のことも好きなの?」

 

 

 

 

 

 

 

「うん、なんかおかしいとこあった?」

 

 

 

 

 

 

 

「逆にどこがおかしくないと思ったんだよ!?普通に現代じゃ重婚とかそういうのは出来ねえからな!?」

 

 

 

 

 

 

「そんなの関係なぁい!かぐやは宇宙人だよ!?そんな人間の理屈関係ないのだ!」

 

 

 

 

 

 

「………ここにきて人外設定いきなり使いやがってぇ……!!」

 

 

 

 

 

 

もう何でもありじゃんこいつ、無敵じゃん?どうすれば良いの?

 

 

 

 

 

 

「というか、そもそも何で俺なんかの事好きになっちゃったんだよ……」

 

 

 

 

 

 

「………なんか、じゃないもん。ヒイロがずっと一緒にいてくれたから、ここまでやれたんだよ?かぐやだけだったら、ここまで来れなかったかもしれないし」

 

 

 

 

 

 

そう頬を膨らましながら俺の前で話すかぐや。

 

 

 

 

 

 

「一緒にいるだけで、無いはずの胸が暖かくなるの。声を聞いてるだけで安心するし、目を見て話してくれるだけで、かぐやのこと見てくれてるんだなぁって、嬉しくなるんだ」

 

 

 

 

 

「ヒイロのせいなんだよ?かぐやの心がこんなになっちゃったの……?責任、とって?」

 

 

 

 

 

「────────(心がヒビ割れたような顔)」

 

 

 

 

 

……………………アカン、まさか一緒に居るだけでこうなるとか想像できんかった。いや、確かになんかおかしいところは所々あったけど、こうなるとは思わないじゃないですか!?それじゃなんですか!?俺が縄文時代に転生した瞬間から俺はもう詰んでたってことですか!?…………そんなのってないよぉ………

 

 

 

 

 

い、いやまだだ!まだ俺は諦めない!

 

 

 

 

 

 

「………………いや、落ち着けよかぐや?俺は百合を信仰している都合上、誰かと付き合う事は出来──」

 

 

 

 

 

 

「けど、女の子が困ってたり、悲しんでたりしたら、百合を守る事より先に優先順位が『女の子』になるよね?」

 

 

 

 

 

 

俺は膝から崩れ落ちた。完全に論破された………!!

 

 

 

 

 

 

 

…………こんなのってないだろ。まだ酒寄産まれてすらないんだぜ?何で色々と始まる前から百合破壊してんだよ俺は………

 

 

 

 

 

 

 

………どうすれば──

 

 

 

 

 

 

 

「ヒーロ君。この状況を打破する方法を、知りたくないか?」

 

 

 

 

 

 

「……………アルス、ハリヤ?」

 

 

 

 

 

 

悪魔の甘言が、ヒイロを襲う。

 

 

 

 

 

 

「ここは一度、僕に主導権を渡してみてくれ。なに、悪いようにはしないさ」

 

 

 

 

 

嘘である。この魔人、隠す気もないほどに笑顔を浮かべている。ハッキリ言って何かを企んでいる奴の顔であった。

 

 

 

 

 

 

「………………ほ、本当に何とかしてくれるのか?」

 

 

 

 

 

勿論、普段のヒイロならそれも見抜けただろう。いや、見抜いているのかもしれない、が………ヒイロはこの致命的な一撃(かぐやの告白)によって精神が衰弱していた。ましてや、人は甘い言葉に惑わされるものだ。例えそれが、悪魔の囁きであったとしても。

 

 

 

 

 

「だが、頼むにしても頼み方というものがある。そうだろう?」

 

 

 

 

 

 

「ア、アルスハリヤさん?………いや、アルス、ハリヤ先生!!百合が、見たいです!!」

 

 

 

 

 

 

 

「いいだろう。僕が何とかするとしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………それで、守護天使さんになってるんだっけ?今は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁそういう事になるな、お嬢さん。……………さて、ここからは相談だ。───ヒーロ君とキス、してみたくないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかの発言に頬を赤らめるかぐや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに、ヒーロ君はあまりのショックで現在意識を失っている。ここからは、2人だけの対談という訳だ」

 

 

 

 

 

 

 

まあもっとも、ここまで長い間共に居れば少しの間くらい主導権は握れるが、この方が何かと都合がいい。利用させてもらうとしようか、僕の愉悦のために。

 

 

 

 

 

 

 

「まず、近いうちにヒーロ君は肉体の維持が非常に難しくなる。最悪、死に至るだろうな」

 

 

 

 

 

 

 

これは事実だ。確かにヒーロ君は魔人になり、かなりの年月が立っている為、様々な事が出来るようになったが……相も変わらずこの世界には魔術演算子が存在しない。不安定な存在である事に変わりはないのだ。故に、休息(・・)が必要だ。

 

 

 

 

 

 

 

「だが、だ。この僕ならそれを何とかできる。3、400年程ヒーロ君を待ってもらう事になるが……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

魔人は、復活、というより眠りのようなものにつく事がある。僕の場合は『興味』に呼応して目覚めるように出来ていた。これを利用して、活動を極力抑えつつ肉体をより強固に、より魔人らしくする為に一度眠りにつかせる。

 

 

 

 

 

 

 

「……………………ヒイロと離れ離れになっちゃうのはほんとーに嫌だけど、事情があるなら、仕方ないよね〜………でも、それがどう、キ、キスに繋がるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よくぞ聞いてくれた!」

 

 

 

 

 

 

 

そう、僕はこの長い間ずっっと考えてきた。どうすればヒイロ君が最高の表情を浮かべてくれるのか?

 

 

 

それはやはり、自分のことを明確に好きな人物がいる時!これに限る。

 

 

 

ヒーロ君は強敵(クソボケ)だ。まず間違いなく『いやそんな訳ないだろ』と何とか流そうとする。今回の事もワンチャン気の迷いとか何とかで無理矢理誤魔化そうとするだろう。

 

 

 

だが、だ。キスをされれば否が応でも認めざるを得ないだろう?自分のことが好きな人は確かにいるのだと。その瞬間、ヒーロ君が浮かべる表情を想像すると胸が躍るなあ………

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、これだけでは終わらないのが僕だ。

 

 

 

 

 

 

 

「まず、一時的にヒーロ君の記憶を消す。勿論修復はするが……修復する時のトリガーを、キスにしようと思っていてね」

 

 

 

 

 

 

「………何で、記憶を消す必要があるのー?そんなことする理由無い気がするけど……?」

 

 

 

 

 

 

「それも先程言った復活のために必要な動作、という訳だ。ヒーロ君が目覚めた時7、8000年の記憶に耐えられるか?という話だ」

 

 

 

 

 

 

 

「…………言われてみれば、そうかも?」

 

 

 

 

 

 

 

まあ普通に耐えられるが、理由を説明すれば反発されるだろうからな。

 

 

 

 

 

 

 

その理由というのは、僕が愉悦を最大限得るため!ただこれだけだ。

 

 

 

 

想像してみたまえ、かぐやに告白され、好かれているなどと知らずにに呑気に『百合の守護者』として活躍しているヒーロ君の姿!!

 

 

 

 

これが滑稽でなく何というか、僕には分からないね。それに、恐らくこの記憶を保持していればヒーロ君はまず『超かぐや姫!』の原作に直接関わりに行こうとしない。しても間接的にだろう。かぐや、もといヤチヨに好かれるという盛大な失敗をしているからな。

 

 

 

 

それではダメだ。僕の見立てではまず間違いなく、ヒーロ君は誰かと関わりに行くことで百合を破壊してくれるんだ……ヒーロ君はみんなを救えてハッピー、僕は愉悦を得られてハッピー。これ以上にWin-Winな事があるか?いや無いね。

 

 

 

 

 

………さて、そろそろこの話に決着(ケリ)をつけるとしようか。

 

 

 

 

 

「それにだ、よくよく考えてみたまえかぐや?このクソボケは君がちょくちょくかけていたアプローチに目も向けず、耳も傾けず、あまつさえそれを改善しようともしなかった!…………なら、罰があってもいいんじゃあ無いか?」

 

 

 

 

 

 

 

「…………まぁ、それは確かにそうかも」

 

 

 

 

 

 

 

「君も知っての通り、ヒーロ君は百合の狂信者だ。なら、ヒーロ君の狂信を君の想い、つまりキスで粉々にしてやればいい。それは間違いなく、ヒーロ君にとって最大級の罰だ。さらに!君の想いを、ヒーロ君に確実に自覚させる事もできる!まさに一石二鳥だ!…素晴らしいと、そう思わないか?」

 

 

 

 

 

 

 

「……………確かに、そうでもしないとヒイロってかぐやの想いに向き合ってくれなさそうだし………それに、理由があるとはいえものすご〜く待つ事になる訳だし、いいよね?」

 

 

 

 

 

「ああいいとも!乙女を待たせるなんて理由があろうと大罪に違いないのだから!君のその思いは間違ってなんかいない!」

 

 

 

 

 

「………分かった。これはかぐやと守護天使さんの約束、ね?」

 

 

 

 

 

 

「ああ、約束だ。君の想い、成就させてみせようとも」

 

 

 

 

 

…………ああ、想像しただけで愉しくなってきた。君はその時、どんな表情を浮かべるのか……道化として、僕の掌で踊ってくれよ?ヒーロ君?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………アルスハリヤ、どうなった?」

 

 

 

 

 

 

「成功だ。君が気絶している間に、一度考え直させる事に成功したさ」

 

 

 

 

 

 

「マジで当分はお前に感謝しとくわ、したくはないけど」

 

 

 

 

 

 

まさかあそこから勝てるゲームがあるとは思わなかったが……良かったぁマジで、まさかかぐやが俺のこと好きなんて、そんなことある訳ないもんな………これで俺はまだ百合IQ180って訳だ。

 

 

 

 

 

 

「それとだ。君も勘付いているとは思うが、肉体の維持が限界に近づいている。故に一度眠りにつくために離れていいという許可をもらった」

 

 

 

 

 

「……………お前有能すぎるだろマジで……!!どう説得しようか迷ってたところだったんだよ」

 

 

 

 

 

 

「まあ、僕は誰よりも人を愛しているからな。これしきの事、些事という訳だ」

 

 

 

 

 

………ここまで頼りになるとは思ってもなかったわ。今までの事を全て水に流してもいいレベルで今回は助かった。

 

 

 

 

 

 

………………それじゃあ、一旦かぐやにお別れの挨拶しに行くか。また会えるのは間違いないが、一度区切りは付けておかねえとな。

 

 

 

 

 

 

「………かぐや?いるかー?」

 

 

 

 

 

 

「うん、いるよー?」

 

 

 

 

 

「………アルスハリヤから聞いたとは思うが、俺は一回長い眠りにつかねえと身体が維持できなくなるかもしれないんだ。だから……いきなりかもしれねえが、ここでお別れだ。……けど!絶対また会えるから、その時まで待っててくれ」

 

 

 

 

 

「………うん。ものすご〜く寂しくなるけど、待ってるから、ずっと。だから、また会えたらその時は………かぐやとまた一緒にいようね!」

 

 

 

 

 

 

そう、涙をこぼしそうな表情で言うかぐや。………止めろよ、普通にもらい泣きするから。…………絶対、待たせた分の責任は取るからな。かぐやを、いや、ヤチヨを、そして、俺が知ってる幸せになるべき奴全員ハッピーエンドにしてみせるから!

 

 

 

 

 

「ああ!じゃあまたな〜!ちゃんと元気でやってくれよ〜!」

 

 

 

 

 

 

「うん!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、安全な場所も見つかったし、ここで寝るとするか」

 

 

 

 

 

 

 

「その前にだが、一つやっておきたい事がある。ヒーロ君の記憶を一時的にだが、酒寄彩葉が産まれる時期、つまり2013年頃には消す」

 

 

 

 

 

 

 

…………はあ?何でそんな事………ってああ、なるほど。

 

 

 

 

 

 

 

「確かに、かぐやに好かれたかもしれないってのが、かなりトラウマになってるかもしれんからな。………その方が、多分俺も現代で百合の守護者として活動できるが………かぐやに許可はとったのか?それに、記憶を戻すタイミングはどうするんだ?流石に記憶を無くしたままにはしないだろ?」

 

 

 

 

 

 

「ああ、許可はとった。記憶を戻すタイミングは、僕が然るべき時に見計らって戻すとしよう。なに、悪いようにはしない。今回のようにな」

 

 

 

 

 

 

「……………まあ、若干嫌な予感がするが、今回は確かにお前の活躍が無かったら死んでたからな、俺の心。今回だけ特例で信じるとする」

 

 

 

 

 

 

 

「………あと、頼みがあるんだが……俺の体を2013年には乳児ぐらいにしてくれねえか?それで、人間が成長してるように見えるようにゆっくり体を大きくしてほしい。多分今の俺の身体ならそんな事も出来るだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

自分で言ってて思うが、まあまあやばいこと言ってるな俺?

 

 

 

 

 

 

 

 

「………滅茶苦茶だな。だが、もう魔人として君と共に数千年生きている。故にそれくらいの事は出来る。が、それも原作に関わるためなのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、綾紬芦花って子の為だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

割と小さい頃から関わらねえとあの子の控えめな性格は治らない気がするからな………ここまでの記憶がなくなっても、原作知識はアルスハリヤが残す筈、なら恐らく俺なら関わりに行く筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………いいだろう。上手い具合にヒーロ君を育ててくれそうな人間に巡り会えるようにしてやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

「万能だなマジで」

 

 

 

 

 

 

 

そんな事まで出来るのか………?いやして欲しいとは思ったが。

 

 

 

 

 

 

 

「何度も言っただろう。僕は人間が大好きなんだ。子供を持っていなくて、それでいて捨て子が居たら拾って育ててくれそうな人間を探すなんて朝飯前なのさ」

 

 

 

 

 

 

 

「……………そこは俺も手伝うから、頼むわマジ」

 

 

 

 

 

 

 

…………俺を拾ってくださるだろう未来の両親にかかる負担がヤバいなコレ……本当にすみません。

 

 

 

 

 

 

 

こうしてヒイロは400年程の眠りにつき、肉体を補強してから東京で綾紬芦花、諫山真実がいる付近の地域で、自分の親になってくれそうな人をアルスハリヤと捜索。

 

 

 

その人の家の前で誰にも見つからないように乳児になり、原作知識や前世の記憶以外の記憶を一時的に消去、そして、後の両親に拾ってもらい育ててもらう事にしたのだ。

 

 





はい、今回は魔人の復活についての独自解釈が混ざっています。恐らくですが、彼らは自分で復活する時期を決められるんですよね。アルスハリヤなら『興味が集まった時』といった具合です。ならこんな事も出来るのではないかと思い、このような流れになりました。(見逃してるところがあればガバということで許して下さい)

あと、かなり複雑な事になっていますが、コレがヒイロ君の今世の過去の全容です。記憶を消すとかいうものすごくややこしいことや、幼児化した事が時系列がややこしくなった要因ですね。

ヤチヨをずっと1人にしちゃうのは嫌だな……とか、芦花悲しませちゃうしなあ、とか、彩葉をなんとか助けたいなあってなりながら四苦八苦してこの設定を作りました。

因みにヤチヨが数話前に言った約束というのは

ヒイロ→記憶を取り戻させて、本当の意味で再会するという約束。(ヒイロ君はそんなふうに約束はしてませんが、ヤチヨからすればこうしないと再会にはならない為こうなった)

守護天使→ヒイロ君の記憶を戻す為にキスをするという約束。

余談ですが、本作のMVPはアルスハリヤ先生、そしてヒイロ君を拾って育ててくれた両親です。彼らが居なければこの物語は成立しませんでした。

ここまで見てくださってありがとうございます!良ければ高評価、お気に入り登録なさってくれれば幸いです。

それでは、また次回!

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