今更なんですが、なんだかんだ言ってもう3、4週間ぐらい経ってるの驚きですね。ここまでよく続けられたなと思います。皆さんのコメントやお気に入り登録、それから投票があったからこそだと思います。
後何話くらいで終わるとかは計算出来てませんが、最後までちゃんと走り切るので高評価、お気に入り登録でモチベ向上させてくれたら嬉しいです。
それでは、どうぞ!
酒寄達と一緒に泊まってしまってからしばらく経ち、数日後には
「いよいよ、ヤチヨとかぐやいろPのコラボライブか……」
そう、あの名曲達である『ワールドイズマイン』『ex-otogibanashi』を生で聴くことができる素晴らしいライブだ。しかも、言わずもがなだが、ヤチヨ&かぐやが歌い、酒寄が演奏するのだ。コレはもう素晴らしいと言わざるを得ないだろう。まあ、それだけでは終わらないのだが…………
「けど、月人が乱入してくるんだよなぁ……」
そう、曲が終わった直後にコイツらはかぐやを攫おう、というか連れ戻そうとしてくるのだ。コレはヤチヨが撃退するのだが、俺がいる事でここがどう変化するか分からないのが現状だ。警戒は怠らないように心がけないとな。
「ところでだ、ヒーロ君。ヤチヨの告白はどう──」
即座にアルスハリヤの頭を掴み床に叩きつけた。
「黙れ?それ俺が一番難儀してる所なんだよ?こっちが聞きてえよどうしたらいいの?」
確かに、なんだかんだ言って長い間ずっと一緒にいたから親愛の様なものは持ってると思うんだが……こう、完全に酒寄の事だけしか好きにならないって思ってたし、気持ちの整理が着いてないんだよなぁ………それに、百合を愛するものとしての心情も……考えてもキリがねえなコレ。
しかも俺、記憶が戻った瞬間に逃げる様に家まで帰ってきたからな……絶対ご立腹でしょコレ。会ったらどうなるの?ワンチャン○される?
それに、最近失敗続きなせいか良くない事ばっか考えちまうんだよなあ……俺のことを好きな奴が割といるんじゃないかって……って!そんな訳ないよな!な!
と、そんなことを考えていると。
「ん?着信?」
一体誰から……かぐやいろP?なんでまた………?えーと、何々……?
『数日後に開催される私達とヤチヨのコラボライブって、見に来ますか?』か……まあそりゃ観に行くしかねえよな。監視って意味合いでも、純粋に楽しみたいって意味でも。
『何とか予約は取れたので行ける。楽しみに待ってるとこだ』
『そうですか。貴方が居なかったらブラックオニキスとの戦いでも勝てなかったと思います。だから感謝の気持ちも込めようと思ってたので、是非観にきて欲しいなって思ってたんです』
…………感謝……?観にきて、欲しい……?なんか………思ったより、好感度高く、ない?大丈夫かコレ?……取り敢えず無難に返すか。
『そりゃあ役に立てた様で何よりだわ。かぐやも元気にやってるか?』
『むしろ、元気すぎて困ってるまでありますね………あの暴れ馬が元気でやってないことなんてないんですから。今も、きっとこれからも元気ですよ』
…………………………これからも、か。
『そうか、また何かあったら連絡してくれ。ライブはみんなから期待されてるかもしれんが、あんま気負い過ぎんなよ?その時が来たら、是非かぐやと、そしてヤチヨと楽しんでくれ』
『ありがとうございます。それじゃあ、またツクヨミで』
『ああ、またツクヨミでな』
スマホの画面を消し、俺はこの先の未来を想起する。
………きっと、酒寄達は『この先』が必ず訪れるものだと思っている。きっとそれは甘やかで、ささやかで、ありふれた物なのだと。けど,実際はそんなことなくて、未来なんて物は、簡単に崩れてしまう様な、そんな脆いものなのだと、きっと知らない。
「けど、そんなもん知らなくていい」
そうだ。そんな物など、まだ知らなくていい。いつか、それを知る事になるかもしれないが、それは今じゃ無い。……ささやかな夢が、理想が、叶わない事の美しさなど、知る必要は無い。……俺みたいに、絶望して欲しくない。
だから──
「運命として、理屈として正しいか間違ってるかなんて、そんなもん関係ねえ。俺は何が何でも、かぐやと酒寄を引き離させない」
そう何度同じ事を誓ったかもわからないまま決意し、まず目の前の出来事から片付けていこうと、ライブの日を待つのだった。
◯
そして、遂にライブが始まるまで僅かとなり、俺は始まるまでペンライトの調子を確かめていた………実はヤチヨのミニライブは遠目で見ていたりはしたが、こう言う本格的なライブには行ったことがなかったというのもあってワクワクしている。濃厚な百合も観測できることだしな。まさに一石二鳥という訳だ。
………そう、思ってたんだけどなあ………
「……あのーすみません。もしかして、貴方って白百合さんで、合って、ます?」
「うわーマジもんじゃん。配信たまーに観てるけど実物見るのは初めてかも」
何で隣に芦花と諫山いるの!?どんな確率だよクソが!!マズイ……!!この2人は本当にまずい!!なんだかんだいって長い付き合いだからワンチャンこの格好でもバレるかもと思って出会わない様に細心の注意を払ってたってのに………!!
………ここは、何とか俺の迫真の演技でバレない様にしなければ……!!
「……そう、だな。俺の名前は、謎の白百合仮面V2だ。あと、敬語はいらないぞ」
なんか、正体隠してるとはいえ敬語ってのは少しむず痒いからな。酒寄、もといいろPは敬語だが……
「そう?ありがと。にしても、白百合もライブなんて来るんだね?ちょっと意外かも」
「順応早いな……まあ、コレが初めて来るライブではあるんだが……何で俺が全然ライブ行かないって思ったんだ?」
「いや?実はいろPと友達なんだけどさー?いろPがたまに白百合のこと話したりするんだけど、ライブを見にいったなんて話聞いたことなかったから」
「そーだねー。確かに私もいろPからそんな事聞いたことなかったかも」
……たまに、俺が話題に出る??オイオイ本格的に雲行き怪しくなってきた気がするんだが大丈夫かコレ?え?
「………そうなのか。俺は正直彼女の事はそう知らないから、交友関係も当然知らないんだが……彼女が出演しているライブを見にくるくらいには仲が良いんだな」
「まあ、なんだかんだ言って結構長い付き合いになるからね〜……アイツにも、スマコン買わせて来させればよかったかなぁ……そしたら、一緒に観れたのに」
そう少し頬を膨らましながら言う芦花。
………?アイツ?
「よく分からんが、他にも仲の良い奴がいるのか?」
「そうなんだよねー。結構、というかかなり変わった奴なんだけどさー?こう、自分をしっかり持ってるっていうか、なんて言うか……自分の好きなものに堂々と胸を張れる奴なんだ」
そう、優しげに笑みながら言う芦花。
「まあ、その好きなものっていうのが百合なのが玉に瑕っていうか,どうコメントしたら良いの?って感じだけどね〜」
呆れながらも、そんな事を言う諫山。
………多分コレ、俺だな。ちょっと俺の前で俺の話されるのなんかシュールに感じるな……
「そうか。ソイツとは気が合いそうな気がするな。何せ、名前にある通り俺も百合好きだ。もしソイツがツクヨミに来ることがあるなら、その時は是非会わせてくれ。共に語り合いたい」
まあ、俺が分身でもしねえとそんなの不可能なんだがな……こうやってあたかも他人と思わせることで、俺と白百合仮面を別人だと誤認させるって訳よ。
「そういえば確かに、名前に『百合』って入ってるじゃん。私配信とかそこまで見たことなかったから知らなかった……」
「配信でも百合百合ってめっちゃ言ってるからね〜。多分配信のアーカイブに『百合』っていう単語が入ってないやつを探す方が難しいんじゃないかな?」
「へ〜、そうなん、だ…………………?」
……………どうした?なんか芦花の様子が変なんだが?
「どうかしたか?」
「………突然なんだけど、好きなものって百合以外にあったりする?」
「ん?そうだな。俺は甘いものとか好きだな」
……………待って?反射で言ったがやらかしたかコレ?いやでも言い淀んだりしてないから、多分大丈夫だよな?それに、甘いもの好きって言っただけでロールケーキ好きとは言ってないから大丈夫な筈………だよな?
バレない程度に少し身構える。
「………百合と甘いものが好きで、しかも多分男の人………ここまで一致することある?」
「そーいえば、いろPが『なんかアイツと白百合さん似てるような気がする』的な事言ってたよね?ROKA?」
「………言われてみれば、そんな事言ってたような……?」
え?そんな事言ってたの酒寄?危なすぎるだろマジで、何で俺の個人情報とか無しでそんなこと分かるの?怖いってマジで。
てか段々状況が悪化してるのマジでやばい。最悪このままだと芦花達に正体バレて、そっから酒寄とかぐやからの印象が変わる可能性が大いにある。それだけは何としても避けねえと……!!
頼む百合の神よ……!!俺にこのピンチを乗り越えるチャンスを……!!あと、この事態を引き起こしたであろうラブコメ神よ……○ね。お前のことは絶対に許さないし、決して屈したりしねえからな!!お前程度俺でも何とか出来るんだよ!!だから今後はこんな展開作るのはやめてくださいお願いします(懇願)
そして、芦花が何かを俺に問いかけようとしたその時、モニターが白く光り───
『ヤオヨロー!みんな!生きるのどうですか?』
と、透き通った声が響き渡った。………ありがとう、百合の神よ。どうやら、まだ俺は主に見捨てられていなかったみたいだな。
「………コレが終わったら、話聞かせてね?」
「私も私もー」
………やっぱダメかもしれん。許さんぞラブコメ神!でしゃばってくんな!!
……まあ、今は何とか乗り切れそうだし、焦りすぎて忘れてたが
『いいことあった?それとも泣いちゃいそう?』
『よしよし、全部大丈夫』
『どんなに孤独な道のりでも、楽しかったな〜って記憶が、足元を照らすよ』
…………俺は、お前の楽しかった記憶になれたのかな……?なれたなら、俺のこのひび割れた心も報われるがな。
『この瞬間を、忘れられない思い出にしたいから』
『どうか、一緒に踊ってくれる?』
ああ、踊ってやるさ。ペンライト両手にな。…………全力で応援するし、いつか絶対謝るので、どうかこの前の出来事はお許しください。
と、そんな事を考えてるうちに曲が始まった。
◯
ああ、やっぱり。歌うのって楽しいな。………ここでなら、彩葉に合法的に触れられるし、贅沢ってもんだよね!かぐやも揶揄えるし、もうなんか楽しくてしょうがないって感じ!
…………所で、この前私から全力で逃げたあの
いや、そりゃあね?いきなり告白の返事を貰えるとは思ってなかったけどさ?まさか全力で逃げるなんて思ってなかったよ?お陰でどんな感情でいればいいか分からなくなったし。
やっと、本当の意味でヒイロに会えたし……一応、キスも出来たし、嬉しかったのに、なんか青ざめたか絶望したかよく分からないような顔で全力で逃げるし………まあ、百合が好きなのは知ってたし、しょうがない所はあるけどね?というか、一応それが罰だったのはそう。
……ヒイロが居なかった400年くらい、ずっっと心に穴が空いてたんだ。寂しかったし、本当に会えるのかなって怖かったんだよ?色んな人達と別れたりもした、悲しさで胸が一杯だった時もあった。
けどね?そんな私を支えてくれたのは、やっぱり彩葉との色鮮やかな日常や、ライバーとしての思い出だったり………ヒイロとの面白くて、それでいて心が温まるような旅の思い出だったり……コレがなかったらどうなってたのかな?なんて事も考えたりしたんだ。
皮肉だよね?ヒイロのせいで悲しかったし、現在進行形でもう私の心はぐちゃぐちゃにされてるし………けど、ヒイロと、彩葉のお陰でここまでやれた。
だから、そんな思い出をくれたヒイロももちろんそうだし、彩葉だって当然私にとって大切な人。なら──両方欲しくなっちゃっても仕方がないよね?
ここまでヤッチョがわがままになったのは、ヒイロの訳分からない行動に毒されたせいでもあり、何だかんだで甘やかしてきた彩葉のせいなんだから。2人ともきちんと責任は取る事!
彩葉!このステージで私のことしっかり見て、ちゃんとメロメロになってよ?私の振る舞いはしっかり見ること!
それからヒイロ!ここに来てるっていうなら、今抱いてるこの想い!楽しみながら全力で歌に乗せるから!
「ねえねえ!世界で一番好きになっちゃってもいいよー!」
………このライブが終われば、嫌な事や、怖い事だらけでウンザリするけど──
少なくとも今は、出来るならこれからも、君だけのおひめさまにしてね?
◯
全ての曲を歌い終わり、いきなりかぐやに告白され動揺しながらも私なりに返事をしていた時──モニターに2030/9/12と表示された。
………え?何これ?ヤチヨの演出じゃこんなの無かった。
それに、何で日付?この日に何かをやるってこと?誰が?
そんな事を考えていると………後ろで誰かが倒れる音がした。
「──────」
振り返ってみると。かぐやが、目の光を失い、呆然とした様子で座り込んでいた。そして、そこからさらにかぐやに近づこうとした、提灯のような頭をしているソイツに対応しようとしたその時──
いきなり目の前の奴が、
「は?」
本当に意味がわからないのだが、いきなり破裂したのだ。そして、そこから私たちの周囲を囲っているヤツらも次々に破裂した。
「え?え?」
思わず声が漏れてしまうが、その間にどんどん現れてくるソイツらはナニカに貫かれているようだ。
そして、ヤチヨが──
「…………おいたはダメだよー」
と言った。すると、残ったヤツらは『モウシワケ、アリマセン』と言い残し、煙となって姿を消した。
………訳が分からない事だらけだけど、一つだけ、私の記憶に当てはまるものがあった。
一度だけ
そんな事はどうでもいい。コレがそうなのだとしたら、あの人はまた私達を助けてくれたことになる。
…………それに、ちゃんと来てくれてたんだなって嬉しくなった。
「………やっぱり、来てたんじゃん」
私から聞こえるか聞こえない程度の声量で嬉しそうにそんな事を呟くヤチヨ。……案外、思い浮かべてる人同じだったりするのかな?なんて、気を紛らわせるために冗談じみた事を考えてみたりした。
そして、私が不安とほんの少しの嬉しさに心をかき乱されながら、ヤチヨに今の出来事について尋ねたりしたり、かぐやを心配したりしながらも、
ライブは幕を下ろすのだった。
個人的な解釈なんですけど、ヤチヨって元々かぐやなので、破天荒というかめちゃくちゃなところって多少あるはずなんですよね。なら、ヒイロ君も、彩葉も両方好きになって、2人に抱いている恋心を叶えようとするような気がします。
いや、むしろそれくらいのわがままは是非言ってほしいところですね。今まで頑張ってきたんだから。え?ヒイロ君なんか泣いてませんかって?気のせいです。
やっぱライブのシーンいいですよね〜、個人的には『ワールドイズマイン』を歌ってる時に、彩葉をかぐやが嫉妬しながら全力で取り返そうとしてるシーンが可愛くていいなって思いました。嫉妬してる女の子って可愛いよね。
それはさておき、今回も少し時間が空いてしまったのですが、多分明日また投稿できるとは思います。ゴールデンウィークに入るので。
ワンチャン投稿出来ないかもしれませんが、気長に待っていただけたら幸いです。
それでは、また次回!
追記
THE FIRST TAKEの『ray』最高でした!いいっすねーマジで。語彙力失うくらいにはいいです。