百合の間に挟まるなんてイヤだー!!!   作:NTT.T

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戦闘描写なんてした事ないからマジで死にそうです……!!
というかこれで本当に良いのか?とか思いながら書いてました。

拙い文ではあると思いますが、よければ見て楽しんでいただければ幸いです。

それでは、どうぞ!


「超かぐや姫!」の超担当の戦跡、ヒイロに刻む!!

 

先日の海で起きた、俺の脳に深刻なダメージを及ぼした事件から数日後。

俺はかぐやいろPチャンネルの動画を見ることで、脳を回復させることに成功していた。

 

「ふぅ……」

 

やっぱりこういうので良いんだよなぁ、基本的にメインはかぐやなのは間違いないんだが、たまに酒寄(いろP)が出てくることによって俺の百合IQが回復しているのが感じられる。

 

それに、なんといっても見ててシンプルに面白いし、飽きが来ないというのも良い。かぐやにしか出来ないような発想、それを持ち前の圧倒的な実力で実現させる酒寄。この2人がいるからこそなんだよなぁ……最高です!!!!!!

 

「っと、そろそろ始まるんじゃないか?」

 

もう配信が始まるっぽいな。それじゃあ見る準備でもするかなぁ……

 

ちなみに、何故俺がいきなり配信にハマり出したのかといえば……それは「かぐや争奪KASSEN選手権」がいつ開催されるかが俺には分からなかったからだ。少なくともあの事件の後であるのは確定していたが、細かい日付までは分からなかった。

 

だからこそ、脳を回復する為とはいえここ数日時間があれば見ていたのだ。

 

「おっ、始まったな」

 

そんなことを考えていると配信が始まっていた。そこから少し後……

 

[かぐやちゃん結婚して!]

 

[結婚しよう]

[かぐやちゃん可愛すぎ]

[かぐやは俺が守る]

 

「うわぁ……」

 

そこから怒涛のかぐや結婚してくれコールが始まった。いや、流石にこれは知っててもキモいなぁ……

 

『あのさー、みんなかぐやに会ったこともないじゃん?』

 

『わがままで、すぐ暴れるし、超めんどくさいよ?』

 

『キュートな悪童なんだよね〜』

 

[そこがいい]

[困らせてほしい]

[おもちゃいっぱい買ってあげる♡]

 

『うーん、よし!いろPに勝ったら結婚な!」

 

『名付けて、かぐや争奪KASSEN──』

 

《配信準備中………》

 

「おぉ……」

 

改めて見ても向こう見ずすぎるだろこの発言……いや、酒寄を信頼してるからこその発言なんだよな多分……素晴らしい!!是非ともその調子を維持し続けてくれ!!だけどネットリテラシーは身につけたほうがいいと思うぞ!!

 

「で?ヒーロ君は結局これを見て何がしたかったんだ?」

 

「ふっ……まぁまぁ焦るなよアルスハリヤ、少し前の俺なら間違いなくお前を殴り飛ばしていたが……今の俺は気分がいい!!特別に説明してあげようじゃねえか!!」

 

「まず、俺はこの争奪戦に参加する」

 

「………おいおい、いよいよ脳の深刻な損傷のせいで狂ったか?自分で百合を破壊しようとするとは」

 

「一見するとそう見えるよな、だが、これには意図が3つ程ある」

 

そう言いながら、俺は指を3つ立てる。

 

「ほう?なら聞かせてくれ」

 

「まず、その一。酒寄を鍛える」

 

いや一回だけやった所で意味ねえだろって思うかも知らんが、酒寄には間違いなく『センス』がある。つまり、俺の体の運び方を見たりすることで酒寄を強化できる可能性があるのだ。なら、やる価値はあるだろう。

 

「その2、酒寄をピンチにさせる」

 

「ほう?」

 

先ほども言ったが、酒寄は間違いなく「天才」だ。これは『超かぐや姫!』を見ているからこそ分かるが、あんな挙動がただの高校生にできるわけがない。

 

推測でしかないが恐らく、酒寄はこのゲームにおいて「ピンチ」になった事は限りなく少ないか、そもそもない可能性がある。故にこそ、窮地に立たせる事で逆境に慣れさせ、どんな時でも対応できるようにする。これは後々の月人戦で役に立つ可能性があるからな。やるに越した事はないだろう。

 

「そして最後にだが……魔法がどれくらい使えるかの軽いチェックだ」

 

俺は確かにツクヨミの中で魔法を使ってはいるが、どれもほんの数秒程度だ。どこまで使えるか、というのはまだ分かっていない。だからこそ、どれくらい使えるか、というのを実験するテスターに酒寄にはなってもらう。相手に不足はないだろう。その内ブラックオニキスともやり合いたい所だが……それはまた今度だな。

 

「なるほど……考えなしにそんな事を言ったわけではない、ということか……それで、勝つつもりなのか?」

 

「いやいや普通に負けるつもりだわ」

 

流石に勝つのはまずい、勝ったらかぐやと結婚とかいう俺も酒寄も誰も望んでない最悪の事態に陥る恐れがあるからな。何とかうまいこと調整するわ。

 

 

 

 

『さぁ!!イロPは絶好調といった所!!ここで最後に立ち塞がるのは……な、なんと!!謎の白百合仮面V2!!?一体どういうことだー!?』

 

[は?]

 

[マジ?]

 

[おいおいとうとう闇堕ちでもしたか!?]

 

[最近死にそうな声色してたからな……とち狂った可能性もある]

 

[なんかまた百合壊したかもしれんって言ってたよな、もうコイツ百合の守護者名乗らせんのやめんか?]

 

[コイツが勝手に名乗ってるだけ定期]

 

へっ、まぁそう思うだろうな……せいぜい見とけよ、視聴者ども。俺が盛大に百合を咲かせるところを!!

 

「もう言葉は要らねえだろ、始めようぜ、イロP」

 

九鬼正宗を構える。

 

「……そうだね、貴方がどこの誰かは知らないけど、かぐやは渡さない!!」

 

そう言い、酒寄は二対の刃を手に駆けて来た!

 

「やれるもんならやってみろよ!!いろP!!」

 

抜刀、引き金(トリガー)

導体(コンソール)、接続……『生成:魔力表層』『変化:筋骨格』『生成:刃』!発動、強化投影(テネブラエ)

 

とにかく目の前の敵を打ち砕くことに集中し、それ以外の情報をシャットダウンする。

 

そして、無属性(最弱)の刀を右手に携え、駆ける、駆ける駆ける──!!

 

さながら風の如く、酒寄の目の前まで現れる。

 

「嘘!?早──」

 

キインッ!!と金属の剣と魔法の刀がぶつかった音が鳴り響き、火花を模したエフェクトが飛び散る。

 

「これを取るかよ!?やるなぁ!!」

 

「そっちこそ……!!」

 

そう言い、俺の九鬼正宗を弾いて距離を取る酒寄。

 

「なら、こういうのはどう!?」

 

そう言いながら酒寄はワイヤーを竹に引っ掛け、辺りを常人なら見えない速度で加速し、俺に肉薄しようとする。現代のリ◯ァイ兵長かな?

 

だが───

 

「そんなもん見えてるに決まってんだろうが!!」

 

体重を乗せ、酒寄が来ると見えていた所に九鬼正宗を振り払い、酒寄を弾き飛ばす。

 

「ぐっ……!!」

 

「軌道が安直すぎんだよ!!もっと工夫してみせろ!」

 

今まではそれでなんとかなって来たのだろうが、俺には通用しない。師匠の体のようなものを借りているからな、そう簡単に負けるわけにはいかないんだよ。

 

「そら、避けてみろ」

 

酒寄を弾き飛ばした隙にあらかじめ嵌めておいた導体(コンソール)を使い、新たな魔法を発動する。

 

発動、不可視の矢(ニル・アロウ)──

 

不可視の矢はありとあらゆるものを穿ち、標的の元へ敗北を届けようとする、が───

 

「そっちだって!私を甘く見積もりすぎじゃない!?」

 

そう言いながら、酒寄はギリギリのところで頭を傾け、不可視の矢(ニル・アロウ)をかわす。

 

「おいおいマジかよ……」

 

掠らせる程度に収めようとしたとはいえ、まさかかわされるとは……本当にどういうことだよ?不可視なんだが?本当にこの世界の人間か?実はファンタジー世界の生まれ変わりだって言われても不思議じゃないんだけど。

 

「いや、中々やるじゃないか彼女?本当にこの世界出身なのか?」

 

「それは俺も思ってたとこだよ……ってかアルスハリヤ、今の所俺に異常はないよな?」

 

「ああ、現実の君にも何ら被害は無さそうだ。流石に不味そうなら僕が伝える。その時は早めに何とか決着(ケリ)をつけてくれ、これで死ぬのはごめんだからな」

 

そんな事を言い残した後、アルスハリヤは姿を消した。

 

「分かってるっての」

 

さて、どうやって敗けようか……あまり手加減をしすぎるのも良くないしな。適度にやっていくことにして、後は臨機応変にするとしよう。

 

「ふぅ……ふぅ……」

 

「おいおい、その程度か?こんなんじゃかぐやは守れねえよな!?まだ出来んだろ!!いろP!!」

 

さあ、俺という敵を倒して見せてくれ。酒寄。

 

 

 

 

強い。

 

目の前の人は間違いなく今の私より強い。速さも、何もかも桁違いだと、今の少ないやり取りで確信できた。ふざけた格好してる癖に何でこんな強いんだよ……!!

 

どうする、スピードだけじゃ太刀打ちできない。かといってそれ以外のものも持ち合わせていない。なら──

 

「死ぬ気でやる!!」

 

辺りに設置されている岩や竹を蹴り、ワイヤーを駆使しながら相手に近づく。

 

「おいおい、それじゃさっきの二の舞だぜ!!」

 

そして目の前まで近づき、剣戟を繰り広げる。

 

袈裟斬り─読まれてそこに刀を振るわれる。返しで斬ろうとするがこれも刀を合わされる。体を連動させながら有りとあらゆる箇所を斬ろうとするが全て対応される。向こうはたった一本の刀しか持っていなく、こちらはニ本使っているというのに、簡単に全ての攻撃が無に帰る。

 

そして───

 

「これで──終わりだ!!」

 

完全に動きを読まれた──今の私は刀を振り切った状態──背中がガラ空きになってる──斬られる─

 

ごめん──かぐ──

 

「彩葉ー!!」

 

────

 

「がんばれー!!」

 

どこかで、そんな声が聞こえた気がした。

 

……そうよね、こんな所で終わりたくなんてない……だって、めんどくさくて、邪魔ばっかしてくるけど、何でかな──不思議と、離れたくないんだ!!

 

「なっ!?」

 

背後から驚く声が聞こえる。そりゃそうだろう。今私は『相手を見ずに2本とも相手に向けて剣を投げた』のだから。おかげで私は今何も武器を持っていない。

 

けど、これで──

 

「ぐぅ!?」

 

振り返って相手を見ると、二本の剣を弾くために無理やり体を動かしたからか、右手ごと刀が後ろに下がっている。なら──後はそのガラ空きな胴体を──ブン殴るだけだ!!

 

「───!!」

 

向こうもそれに気付いたのだろう、急いで左手で無理やり私を殴ろうとするが──私の方が早い!!

 

「ウ、ウオォォォォォォォッッ!!!!」

 

そして、今持てる渾身の力で──殴り飛ばした。

 

「ガハッ………!?」

 

そして、相手は辺りにある物を壊しながら吹き飛ばされ──そのまま壁に激突し、動きを止めた。

 

『……………っ!!何と、この試合の勝者は、いろPー!!あの謎の白百合仮面V2を下し、見事勝利を掴み取ったー!!」

 

「「「「「「おおおおおおおお!!!!」」」」」」

 

「はぁ、はぁ………勝、勝ったの?」

 

「いろはーーーー!!!!!」

 

「ぐへっ!?ってかぐや!?来るの早すぎるでしょ!!」

 

「だってだって彩葉、メッチャカッコよかったんだもん!!正直負けちゃうかと思ったから結婚しないといけないのかなぁって、なってた所にアレだよ!!走って来るに決まってんじゃん!!」

 

「はぁ……全く、これに懲りたら反省すること!いい!?」

 

「……うん!分かった!次から気をつける!」

 

「そう、ならいいけど………と、い、う、か、その名前(彩葉)で呼ぶなって言ったでしょうがーーーー!!!」

 

「うぎゃーーー!!?ごめんって彩葉、もう呼ばないからー!!!」

 

「そう言いながらまた呼ぶなーーーー!!!!」

 

「ご、ごめーーーーん!!!!」

 

そう叫び、私たちは勝利の余韻に浸るのだった。……あと、かぐやにはしっかりとネットリテラシーを叩き込んだ。

 

 

 

「…………っあー、こっぴどくやられたわ」

 

「ふっ、元々そういう予定だったのだろう?なら良いじゃないか。……さて、道化として上手く踊れたかい?ヒーロ君?」

 

その返答に対する解など、とうに決まっている。

 

「はっ、そんなの──結果を見ればわかるだろうが!」

 

完璧だ、まさに完璧と言っても過言じゃない!!負け方としてこれ以上のものはないだろう!!最後に剣を投げて来たのは少し想定外だったが、アレもわざと体勢崩しただけだしな!!……だが───

 

「強かったなぁ………」

 

そう、少なくともこの世界で手を抜いたとはいえ、あそこまで俺と戦えるのは流石というべきか何というべきか………ほんと、間違いなくこの世界で戦った中で一番強かったわ。

 

しかもだ!!少しだけ見えたが酒寄とかぐやがハグし合ってたんだよ!!最高でしかない!!もう一生イチャついててくれ、それだけできっと世界は救われる!!

 

ほんと誰だよ………俺が百合の守護者なんておかしいだろ、とか百合IQ180もないって言ったやつは……!!いますぐ俺の前まで来て撤回しろ……!!そして百合を崇めろ……!!

 

そんな事を考えながら、俺はツクヨミからログアウトするのだった。

 




ウラ話
なんか今回のヒイロ君がやけに煽り口調なのは「煽った方が敵っぽくて良くない?」って感じにヒイロ君が考えた浅い理由です。

取り敢えずヒイロ君を誰かと戦わせようとした結果生まれたのがこのお話です。そろそろ逃げずに書こうかなってなったんですよね。

流石に百合はさのような爽快な無双劇というのは中々出来ないですが、全力でやりました。これからも精進します。

それでは、また次回お会いしましょう!!
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