未来を掴むのは、幻か真か……   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。

 今回は前回告知した通り、幻真星戦の1戦目の後半となります。

 それでは、本編をどうぞ。


第六話 紫炎を拒絶する救済の零─後編

「マズイな、颯樹さんの手札が11枚に増えるとは……」

『敵ながら恐ろしいな……』

 

 

 俺はヴェイズルーグと共に颯樹さんの盤面を見ながら状況分析をしていた。

 

 ヴェイズルーグの言う通り、あの人のプレイングはやはり恐ろしい。正直に言っちゃうと…敵に回したくなかったが、これも仕方なしといったところだ。

 

 

「いや、冷静に分析しなくていいからねっ!?」

 

 

 オイオイ乙和さん。だからこそ冷静にならなきゃいけないんだぜ?でなけきゃ、足元を掬われるぞ。

 

 

「でも京介くん、希美お姉様は大丈夫かな?」

 

 

 美夢が不安になるのも無理は無い。だが俺達は負ける事は許されない。(まぁこれは敵さんも一緒か)

 

 

「でもノゾミーチカにも対処法が無いわけではない。だがこれは向こうも当然気づいているはずだ」

「えっ、あるの?どんな方法!?教えてよ〜!!」

 

 

 不安になる美夢を頭を撫でながら諭すも、我が友りんくは急かすように俺の肩を掴んで話す事を催促してきた。

 

 

「りんくちゃん、やめなさい。京介クンはおもちゃじゃないのよ」

「……はーい」

 

 

 そんな様子を見かねた緋彩はりんくに止めるよう諭されたので俺の肩から手を離した。

 

 

「でもその方法って?」

 

 

 気になったのか、美夢は俺に尋ねてきた。言おうと俺は息を整えるために一度咳払いした。

 

 

「それは……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()

 

 

☆☆☆

 

 

 簡単に言ってくれるね、京介くん……!でも私も同じ事を考えてたよ。勿論颯樹くんもね。

 

 しかし颯樹くんも分かっているのは覚悟していた。だから、出し惜しみせずにぶつける!そうでもしないと彼に勝てないもん!!

 

 

「スタンド&ドロー、いくよ!!」

(手札6→7→6)(エネルギー6→9)

(ドロップ6→7/ソウル5→6)

 

 

四炎の竜よ、その魂で未来を示せ!

ライド《魔宝竜皇 ドラジュエルド・マグナス》!

 

 

「ジュエルニールのスキル、SC1。更にソウルにジュエルコアがあれば1枚ドロー」

(手札6→7)(ソウル6→7)

 

 

【ソウルチャージされたカード】

《魔宝竜皇 ドラジュエルド・マグナス》

 

 

 ペルソナライドユニットが1枚ソウルに行ったけど、問題無い。マグナスはバトルフェイズ開始時、ソウルに「ドラジュエルド」があればパワー+5000されるから、此方の火力が上がるだけでも儲け物。それに手札にはイグニスも控えてあるから、次のターンにライドして颯樹くんにぶつかるだけ!

 

 

「ザガンを後列に移動、《魔宝竜 ジオルドラール》をコール。ジオルドラールのスキル、SC(ソウルチャージ)1、更にEB(エネルギーブラスト)3して同名以外のユニットをソウルから1体コールするよ。……まずはSC1」

(手札7→6)(エネルギー9→6)

(ソウル7→8)

 

 

【ソウルチャージされた1枚】

《魂絶の魔槍士 ザガン》

 

 

「……SCされたザガンをジオルドラールの後ろにコール。ザガンのスキル、SC1して、ドラジュエルドを含むグレード4を1枚公開。私は《魔宝真竜 ドラジュエルド・イグニス》を公開!」

(ソウル8→7→8)

 

 

【ソウルチャージされたカード】

《魔宝竜 ラベナジェイダー》

 

「公開したか、私のヴァンガードがドラジュエルドを含むグレード4以上なら、ソウルからグレード3以下の同名ユニット以外をコールするよ!私は《魔石竜 リドスアグール》をザガンの前にするコール。リドスアグールのスキル、EB3して1枚ドロー」

(手札6→7)(エネルギー6→3)

(ソウル8→7)

 

「まさかお前も手札1枚だけで盤面を整えるとは……」

「颯樹くんに褒められるなんて私としては嬉しいよ。でもこれが幻真星戦でなければの話だけどね……バトルに入るよ。この時、ドラジュエルドのスキル発動、ソウルに「ドラジュエルド」を含むカードがあるため、前列のパワー+5000!」

 

「まずはリドスアグールでヴァンガードに攻撃。リドスアグールのスキル、ソウルに異なるグレードが4枚以上あるため、このターン中、自身のパワー+10000」

 

「ブレードフェザーでガード」

(手札11→10)

(ドロップ6→7)

 

「ドラジュエルドでヴァンガードに攻撃。ドラジュエルドのスキル発動!異なるグレードをSB4、相手のヴァンガードのパワー0にして、そのヴァンガードがグレード3以上なら自身のクリティカル+1、私のダメージゾーンが4枚以上かペルソナライドしているなら、ジオルドラールを選択して、『このユニットが攻撃した時、手札1枚を破棄して、そのバトル中、ドライブを1にして、ドライブチェックを行なう』スキルを与えるよ!」

(ソウル8→4)

(ドロップ7→11)

 

「そこは通さない。手札の《赫月光》を破棄して《アイジスメア・ドラゴン》で完全ガード」

(手札10→8)

(ドロップ7→9)

 

「チェック・ザ・ドライブ。ドライブ1《リキューザルヘイト・ドラゴン》。ドライブ2《ステムディヴィエイト・ドラゴン》。ゲット、クリティカルトリガー!リドスアグールのパワー+10000、クリティカル+1!続いてザガンのブーストしたジオルドラールでヴァンガードに攻撃!ジオルドラールは、グレード3以上のユニットに攻撃した時、私のダメージゾーンのカードが4枚以上なら、ドライブを2にするよ!」

(手札7→9→8)

 

「カルガフラン、ディスマ、円環の女魔術師、プロロビでガード、テイスファルトでインターセプト。スキルでプロロビのシールド+5000。カルガフランのスキル、自身がガーディアンサークルに置かれた場合、CB(カウンターブラスト)1かEB3する事で1枚ドロースキルがある。今回はEB3をコストに1枚ドロー」

(手札8→4→5)(エネルギー3→0)

(ドロップ9→14)

 

 

「チェック・ザ・ドライブ。ドライブ1《スチームスカラー マルニガル》。ゲット、ヒールトリガー!リドスアグールにパワー+10000、ダメージ1回復!ドライブ2《フリンティ・スラッシャー》。ゲット、クリティカルトリガー!これもリドスアグールにパワー+10000とクリティカル+1!続いてザガンのブーストしたリドスアグールでヴァンガードに攻撃!」

(手札8→10)

(ダメージ4→3)

 

「ノーガード。チェック・ザ・ダメージ《刻命の騎士 ザムーグ》《星海より手繰る星霧騎士の道》《赫月光》。ノートリガー」

(ダメージ2→5)

 

「ターンエンド。ザガンのスキルでコールされたリドスアグールはソウルに置くよ」

(ソウル4→5)

 

「やった!ダメージを一気に5まで追い詰めた!」

「しかも《赫月光》もダメージゾーンに置かれた!ブラグドマイヤーの【Fantôme Skill】に使う《赫月光》の枚数は2…これで颯樹くんは【Fantôme Skill】を使う事ができない!」

 

 

 私の背後には、逆転した事により、りんくちゃんと乙和が喜びを分かちあっていた。

 

 確かに手札は半分しか削れなかったけど、それでも充分だと思う。

 

 ……でも、何か違和感を感じた。

 

 

「妙だな」

「なにが?」

「ダメージ5の上に、幻影ユニットの要ともいえる、残り2枚ある《赫月光》のうち1枚はダメージゾーンに置かれて【Fantôme Skill】を実質的に封じられた。なのに颯樹さんのあの表情、焦りが見えない。それどころか何処か余裕がある感じがする」

『ふむ、キョウスケもそう思っていたか。我も同じ事を考えていた』

 

 

 私が思っていた事を、京介くんが代弁してくれた。見る限りだと、今の颯樹くんは彼の指摘通りの表情に見えるのは私は理解できる。

 

 

「要するに、颯樹クンには私達には見せてない何かがあるって事かしら?」

「そうだ」

 

 

 確かに、颯樹くんならやりかねない……。それなら私は警戒するしかない。もし此処で慢心すれば次のターンで颯樹くんがフィニッシュされる恐れがある……。そうならないために次のターン、凌ぎ切ってみせる!!

 

 

(アイツ、何処までも鋭い……!)スタンド&ドロー」

(手札5→6)(エネルギー0→3)

 

「……颯樹くん。こんな事はやめて、此方に戻って!私はそれだけで充分だから」

「またそれか。俺は自分から望んで幻影ファイターになった。誰に何と言われようと、俺の意思は変わらない」

 

 

 私はまた説得を試みたけど、やはりダメだった……。

 

 

「……この、分からず屋!」

「なに?」

 

 

☆☆☆

 

 

「……ねぇ、京介くん。なんか様子がおかしいんだけど」

 

 

 ノゾミーチカ(あれ、希美だっけ?まぁ、そんなのどうでもいいか)のターンが終わって次に颯樹さんのターンが回ってくる最中、突然彼女が罵倒し始めた。

 

 俺は挑発の(たぐい)かと捉えていたが、乙和さんは何かを感じ取ったみたいだ。

 

 

「頭でっかち!石頭!女たらし!朴念仁!」

 

「ねぇ」

「……大体理解できたよ」

 

 

 ファイトの最中に罵倒かよ。これがショップ大会だったらノゾミーチカは運営に怒られているか、最悪失格を喰らうが、これは世界を命運を賭けた戦い。そういうのに縛りは無いと思うが、あれはやり過ぎだろ……。

 

 

「……だけどそんなのは子供の悪口。俺にとっては何も支障は無い」

 

 

 そこは普通に受け流すのかよ。どんだけ余裕があるんだよ……。

 

「馬鹿!阿保!ビビリ!ヘタレ!マザコン!○○(ピーッ)○○○○(ピーッ)!」

「……そうか。どうやら地獄を見たいようだな」

 

 

 オイ、そこはアンタにとっての地雷かよ。判断基準がわからねぇよ……。

 

 

「……ねぇ、なんか話の趣旨がズレてない?」

「嗚呼。しかも後半が完全に下ネタ含めた悪口になってるじゃないか……」

「そうね……」

 

 

 これは味方でも呆れたくなるレベルだ。ちなみにこの話は俺と緋彩さんと乙和さんにしか聞こえてない。

 

 美夢は聞いてないのかだって?それは俺が彼女の耳を塞いでるから聞こえてないはずだ。そんな汚れた言葉を彼女に聞かせるわけにはいかない。ちなみに我が友りんくは緋彩さんが彼女の耳を塞いでるから問題無い。

 

 

「俺を怒らせた事、後悔しろ。……行くぞ!ペルソナライド《救済の零 ブラグドマイヤー“幻影”》!!ペルソナライドスキルにより、前列のパワー+10000。1枚ドロー」

(手札6→5→6)

(ソウル1→2)

 

 

☆☆☆

 

 

 ペルソナライドはある事は既に把握していた。だけどそれ以上に問題なのがブラグドマイヤー“幻影”の【Fantôme Skill】の他にもまだある事。それには気をつけないと……!

 

 

「手札の《星海より手繰る星霧騎士の道》を使用。このカードをバインドし、その後山札の上から7枚を見て、その中からヴァンガードのグレード以下のユニットカードを1枚選び、リアガードとしてコール出来る。……チェック」

(手札6→5)

(バインド7→8)

 

【山札の上から7枚】

《救済の零 ブラグドマイヤー“幻影”》

《陣頭の騎士 テイスファルト》

《アイジスメア・ドラゴン》

《ブレードフェザー・ドラゴン》

《円環の女魔術師》

《白牙の魔女 ディスマ》

《刻命の騎士 ザムーグ》

 

 

「《陣頭の騎士 テイスファルト》を選択、残りをデッキに戻してシャッフル。その後テイスファルトをコール。そのままスキル発動、その効果は分かるよな?」

「もちろん。続けていいよ」

「了解。SB1、そのままチェック」

(ソウル2→1/ドロップ14→15)

 

 

【山札の上から5枚】

《アイジスメア・ドラゴン》

《刻命の騎士 ザムーグ》

《ブレードフェザー・ドラゴン》

《円環の女魔術師》

《加護の魔法 プロロビ》

 

 

「《刻命の騎士 ザムーグ》をコール。登場時スキル発動。CB1して山札の上から2枚見て、1枚選んで手札に加え、残りを山札の下かソウルに置く。……チェック」

 

 

【山札の上から見たカード】

《アイジスメア・ドラゴン》

《円環の女魔術師》

 

 

「……1枚手札、残りを山札の下に。更に行くぞ、ブラグドマイヤー“幻影”のスキル発動。CB1とドロップゾーンのカード4枚をバインド、先程と同じスキルを得る」

(手札5→6)(ドロップ15→11)

(ソウル1→2)

(バインド8→12)

 

 

【バインドされた4枚】

《善根の騎士 バーダクト》

《アイジスメア・ドラゴン》

《加護の魔法 プロロビ》

《壮翼の騎士 カルガフラン》

 

 

「マズイ、バインドが10枚以上だから更にパワー+5000された!」

「でも13枚まで達成してないから、まだ大丈夫…」

 

「俺がそんな生温い事をすると思うか?《赫月光》のスキル発動」

 

「「……へっ?」」

 

「ダメージゾーンにあるこのカードはドロップゾーンに置いて、代わりにダメージゾーンに1枚置く」

(ダメージ5→4→5)

(ドロップ11→12)

 

 

【ダメージゾーンに置かれたカード】

《せるがおん》

 

 

「「嘘っ!?」」

「これで準備は終わった」

 

 

零に輝け、

Fantôme(ファントム) Skill(スキル)発動

 

 

「《赫月光》2枚をバインド。せるがおんをテイスファルトの後ろにコール。更にバインドゾーンに赫月オーダーが4枚以上なら、もう一つのスキルを発動する」

(バインド12→14)

 

「もう一つのスキル……?」

「自身のクリティカル+1。そしてこのターン、ペルソナライドしているなら、ダメージ1回復」

(ダメージ5→4)

 

「「ダメージを回復っ!?!?!?」」

 

「これでバトルに入る。まずはザムーグでヴァンガードに攻撃。自身のパワー+5000」

「ステムディヴィエイトとマルニガルでガード!」

(手札10→8)(ドロップ11→13)

 

「ブラグドマイヤーでヴァンガードに攻撃。イストレーナをスペリオルコール、ザムーグは退却。バインドゾーンのバーダクトのスキル発動、ドロップゾーンのカード1枚をバインド、その後バーダクトをイストレーナの後ろにコール」

(バインド14→13)

(ドロップ12→13)

 

 

【バインドに送られたカード】

《白牙の魔女 ディスマ》

 

 

「手札1枚破棄して《リキューザルヘイト・ドラゴン》で完全ガード!」

(手札8→6)(ドロップ13→15)

 

「チェック・ザ・ドライブ。ドライブ1《救済の零 ブラグドマイヤー“幻影”》。ドライブ2《ブレードフェザー・ドラゴン》。ゲット、クリティカルトリガー。イストレーナのパワー+10000、クリティカル+1。バーダクトのブーストしたイストレーナでヴァンガードに攻撃」

(手札6→8)

 

「ノーガード。チェック・ザ・ダメージ《魔宝竜 ラベナジェイダー》《スチームスカラー マルニガル》。ゲット、ヒールトリガー!ヴァンガードのパワー+10000、ダメージ1回復!」

(ダメージ3→5→4)

 

「バトル終了時、イストレーナはバインド、バーダクトを退却させてCC(カウンターチャージ)1。せるがおんのブーストしたテイスファルトでヴァンガードに攻撃」

(バインド13→14)

(ドロップ13→14)

 

「もう一度、リキューザルヘイトで完全ガード!!」

(手札6→4)(ドロ13→15)

 

「希美お姉様があの猛攻を防いだ!」

「ノゾミーチカに反撃のチャンスが回ってきたようだな」

 

「バトル終了時、せるがおんを退却、その後山札の上から2枚見る。……チェック」

 

 

【山札の上から2枚】

《せるがおん》

《白牙の魔女 ディスマ》

 

 

「1枚を手札に、残りを山札の下に戻す。これでターンエンド」

(手札8→9)

 

「スタンド&ドロー。ライドフェイズ開始時、ドラジュエルドのスキル発動!ドロップゾーンのカードを2枚選んでソウルに送るよ。そして……」

(手札4→5→4)(エネルギー3→6)

(ドロップ15→13)

(ソウル5→7)

 

 

【ソウルに送られたカード】

《幻燈魔嬢 フォルカロル》

《喚起の操獣師 ライリー》

 

いざ、目覚めよ!

ライド《魔宝真竜 ドラジュエルド・イグニス》!

 

「やっぱり来たか、ドラジュエルド・イグニス」

「当然だよ!更に《魔宝竜ジオルドラール》をコール!スキル発動、SB1。EB3してソウルの《魔石竜 リドスアグール》をコール!元々いたジオルドラールは退却。リドスアグールのスキルでEB3して1枚ドロー……!」

(手札3→4)(エネルギー6→3→0)

(ソウル7→8→9)

(ドロップ13→14)

 

「ノゾミーチカの表情が変わったな」

「もしかしてこのターンで颯樹さんにフィニッシュをかけるって事?」

「そういうこった」

 

「だが何が来ても問題無い。どうせお前の未来は幻に呑まれるという事に変わりはない」

 

 

 しかし颯樹くんは平然としていた。だけどそんなの関係ないよ。まだ勝負は終わってな…

 

 

「このターン、俺は耐えて次でトドメを刺す。まぁ【Fantôme Skill】が使えないのは痛いが、そのくらいなら他でカバーする」

 

 

 今の言葉、癪に障った気分がする。見た目は私が好きな彼なのに、世界が違うと思考まで違ってくるの?私の知ってる彼はそんな事言わないのに……

 

「大して自信ね、彼」

「でも防ぐ事前提で話を進めるのは気に入らんが」

 

「お前にトドメを刺した後は、次は他の幻真獣達をこの場で纏めて幻に葬ってやる。その光景をお前が目にしないのは少し残念だがな」

 

 ……まれ……

 

「早く進めて幻を受け入れる覚悟を決めろ。それがお前の唯一の…」

「……黙れ……」

「……なに?」

 

「黙れぇぇぇぇ!!!!」

 

「希美さんっ!?」

「お姉様っ!?」

「どうやら颯樹クンにアレコレ言われて感情が(たかぶ)っちゃったようね…」

「逆上とも捉えられるけどな……」

「希美、あんなに怒る事あるんだ……(これからは希美を衣舞紀達のように怒らせないようにしよう…下手したら命が無いかも)

 

「私が何にも言い返さないのをいい事に好き放題言ってくれちゃってさ!じゃあ言わせて貰うけど、私……颯樹くんの事大好き!」

 

「お姉様……?」

『彼女、突然何を言い出すんだ……』

「こんな状況下で言うか、普通……」

 

 京介くん達には呆れられていると思うけど、そんなの関係ない!!これは前々から思っていた事だから!!

 

 

「颯樹くんが思ってる以上に、私は颯樹くんの事が好きなんだからね……大好き、愛してる!誰になんと言われようとその気持ちは変わらないから!」

「……そうか。でもそれがどうした、この状況下で普通言うか?頭がイカれているのか?」

 

「私は正常だよ!!それに、私の恋の炎は決して消えない……私の想いは、更に激しく燃え上がっているんだから!……行くよッ!」

 

古の魔竜と共に駆ける、

月より出でし、真なる獣。

 

闇夜に燃える、宝珠の魂。

コール《紫炎の幻真獣 カルヴァネイル》!

 

 

「この子の力と……私の想い、全て載せて……アナタにぶつける!」

「……そうか。それなら其れ等を全力でぶつけて俺に勝ってみせろ。お前の想いとやらが嘘偽りでなければな」

 

「やってやる!カルヴァネイルの登場時スキル!ヴァンガードが「ドラジュエルド」を含むグレード3以上なら、EC3!更にジオルドラールの後ろにもう一体カルヴァネイルをコール!ザガンは退却。カルヴァネイルの登場時スキルでEC3!」

(手札4→3→2)

(EC0→3→6)

 

「これでバトルに入るよ。バトルフェイズ開始時、ドラジュエルド・イグニスのスキル!ドロップゾーンから2枚選んでソウルに置くよ!」

(ソウル9→11)

 

 

【ソウルに送られたカード】

《魂絶の魔槍士 ザガン》

《魔宝竜 ジオルドラール》

 

 

「行くよ、まずはリドスアグールでヴァンガードに攻撃!」

「ブレードフェザーとザムーグでガード、テイスファルトでインターセプト」

(手札9→7)

 

「カルヴァネイルのブーストしたジオルドラールでヴァンガードに攻撃」

「ノーガード。ダメージチェック《陣頭の騎士 テイスファルト》」

(ダメージ4→5)

 

「カルヴァネイルのブーストしたイグニスでヴァンガードに攻撃!イグニスのスキル発動!それぞれ異なるグレードをSB5して、相手の後列のリアガードを全てを退却、自身のクリティカル+1!更に相手の前列のユニット全てのパワーを0にするよ!ジオルドラールの後ろのカルヴァネイルのスキル!自身をソウルに置いて1枚ドロー、ジオルドラールをスタンド!リドスアグールのスキル、CB1して自身をスタンド!」

(手札2→3)(ソウル11→6→7)

 

「《焼尽の精霊王 ヴァルナート》とザムーグとバーダクトとせるがおんでガード!」

(手札7→3)

 

「オーバートリガーをガードに回したか……」

「アレでトリガーが3連続で出ても通らないよっ!?」

 

 

 確かにオーバートリガーだけなら通るかもだけど、颯樹くんはそんな生温いの事はしない。でも私の狙いはただ一つ……()()()()()()()()()()()()()()!!!

 

 

「行くよ、チェック・ザ・ドライブ!ドライブ1《リキューザルヘイト・ドラゴン》。ドライブ2《幻燈魔嬢 フォルカロル》。ドライブ3……!」

(手札3→6)

 

「希美お姉様…?」

「なにっ!?なにっ!?」

「トリガーはっ!!何が出たのっ!?」

 

「どうやらお望みのものが」

「颯樹くん。奇跡は起きるんだよ」

「なんだと?」

 

 

 颯樹くんが怪訝な表情で私を睨むも、そんなのお構い無しに今さっき引いた3枚目をファイトテーブルに叩きつけた。そこには……

 

「《怨恨の冥竜神 ゴルマギエルド》……ゲット、オーバートリガー!!!!

 

「なっ……引き当てただと!?」

「ヴァンガードは何が起こるか分からないよ。ゴルマギルエドを除外して1枚ドロー、パワー1億をイグニスに!更に追加効果で、このファイト中、『自分ターン中、ヴァンガードのパワー+10000/クリティカル+1』する永続効果を与えるよ!いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

(手札6→5→6)

 

 

 イメージの中で、ブラグドマイヤー“幻影”に向けてドラジュエルドのブレスを放つもガードされた。しかしその際にドラジュエルドの背後にいたカルヴァネイルも攻撃に加わってブラグドマイヤー“幻影”の守りを打ち崩す場面が浮かんだ。

 

 

「チェック・ザ・ダメージ。《円環の女魔術師》。ゲット、ヒールトリガー。パワーをヴァンガード、ダメージ1回復。《救済の零 ブラグドマイヤー“幻影”》。ノー、トリガー……」

(ダメージ5→6→5→6)

 

 

勝者、愛川 希美

 

 


 

 

「まさか、俺が此処で負けるとは……」

 

 

 ファイトが終わると、颯樹は信じられないと言わんばかりにその場で跪いた。

 

 それを見兼ねた希美は颯樹の身体を軽く起こすと彼を優しく抱きしめた。

 

 

「颯樹くん。私のさっき言った事は本当だよ。だから…」

「皆まで言わなくていい。全部理解している」

 

 颯樹は希美に抱きしめられながら涙を流した。

 

 その後、彼の使用したブラグドマイヤー“幻影”のカードに刻まれている幻影ファイターを示す赫月を象徴する紋章が消えた。

 

 

「どうやら()は此処で退場のようだ。気をつけろ、これか…」

 

 

 希美に何かを言いかけた颯樹であったが、途中で途絶えて突然意識を失った。

 

 

「颯樹くんっ!?」

『幻真獣によって幻が解けた者は、元の人格に戻る。だが、この世界は元の人格を許容しない。幻真獣の加護なき者は意識を保てなくなるのだ』

「そうなんだ……あっ、そうだ!あの、颯樹くんは無事なのっ!?」

『気持ちは分かるが、落ち着け。彼の命に別状は無いが、この世界が無くならない限り、目を覚ます事も無い…が、我なら最低限の事は出来る』

 

 

 ヴェイスルーグがそう言うと、地面にに紋章らしきものが浮かび出てきた。そこに描かれていたのは、幻真獣カードのものと同じ紋章であった。

 

 

『そこに寝かせるといい』

 

 そう促された希美は半信半疑であったが、渋々ヴェイズルーグに従い、紋章の上に乗るように颯樹を寝かせた。

 

 すると、颯樹の身体は月の紋章に吸い込まれるかのように消えていった。

 

『《月の門》を応用した異空間に移した。戦いが終わるまで、彼の安全は保証する』

「そうなんだ…颯樹くんをお願いしますっ!」

『勿論だ』

 

「お疲れ様、ノゾミーチカ」

「お疲れ様です、お姉様」

「お疲れ、希美!」

「ありがとうみんな。それと京介くん、それはやめて」

 

 

 京介を筆頭とした幻真獣ファイター達に労いの言葉を貰う希美であった。

 

 

「しかし最初から最高戦力をぶつけてとはね……」

「だが裏を返せば、奴はそうしてまで俺達を消しに掛かったのは確かだ」

「そうだ…」

 

 

 初戦の相手が颯樹だった事に全員は意見を交わすも、途中りんくのお腹から、腹の音が鳴った。

 

 

「……安心したらお腹が空いちゃった」

「オイオイ……でも今日はもう家に帰って休もう。翌朝、街で調査を開始しよう」

 

 

 今の時刻は真夜中の真っ只中。流石に身体を休めないと今後に響く危険があるため、一旦帰宅する事を選んだ。

 

 他の幻真獣ファイターも、それには同意した。だが時間が時間なため、此処は緋彩の家で泊まる事になるが。

 

 しかし……

 

 

 「お疲れのところ申し訳ありませんが、僕と少し世間話でもどうでしょうか?」

 

 

 このタイミングで誰かが幻真獣ファイター達を尋ねてきたのであった────。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。

 次回の投稿はまだ未定ですが、近日中に行なう事をお約束します。ちなみに内容は今回の続きになります。

 それでは次回をお楽しみに。




 ※投稿日である本日6月30日は、今作のメインキャラ兼幻真獣ファイター側の[HappyAround!]のボーカル担当の愛本りんくちゃんの誕生日です!

 当然、彼女も今後活躍する機会がありますので、是非お楽しみ!

 改めてもう一度……誕生日おめでとう、りんく!!
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