趣味に時間と体力を割く余裕もなかったので少し遅れました。気力も体力も疲弊させてくるのやめてほしい。仕事ってのは本当に辛い!
「──で、だ。これからどうしよっか」
裏山への登山から数日。
昼食を終えた俺は休憩時間の合間に龍驤に会っていた。
「どうしようもなにも、したいようにしたらええやん」
「いやいや、したいようにって言われてもな。今更親交を深める機会を作っていきますって決めても中々難しいぞ」
「そんなん適当に通りがかった子捕まえて食事にでも誘ったらええやん。嫌言う子も……まあ中にはおるかもしれへんけど、大概大丈夫やろ」
鎮守府の誰にも使われていない空き部屋。龍驤はその空き部屋の椅子に座りながら面倒そうに頬杖をついている。
「そうかな。今更何よ! って言われない?」
「言われへん言われへん。いったい何をビビっとんねん。てかキミの中で誰を想定してるん?」
「そりゃまあ、霞とか曙とか満潮とか」
頭の中で何人かの艦娘をピックアップし、指を折る。
それは基本的に好意を向けてくれる艦娘の中でもかなり我の強い……とても厳しい性格をした女の子たちだった。
「なんちゅう人選や。ハードル下げや。どう考えても罵倒か軽蔑が返ってくるやんけ」
「いや、先に楽そうな子を選ぶと後で接するのがよりキツくならないかなって思って」
なまじ楽な方楽な方へと進むとズルズルとそれを常態化させてしまう自分だ。
気は乗らないが、敢えて最初に選んだ方が傷は少なく済むかなって思ったんだが……。
「やめときやめとき。キミ言葉を正面から受け止めるタイプなんやから。そのメンツやと仲良くなる以前に心折れるで。
それより他にいくらでも候補がおったやろうに、全員駆逐艦ってロリコンやったんかおどれ」
「違うぞ龍驤、俺はロリコンではない。守備範囲が広いんだ!」
「ロリコンなんは変わらへんやんけ。ええ風に言うても子供を恋愛対象に見とるんは事実なんやろ。言うてみい、自分はロリコンですってなあ!!」
「それはっ……うっ…お、俺は、ロリコンでは……っ!」
両手両膝をつき土下座のような態勢となり呻く俺を上から見下ろす龍驤の目は冷たい。
「虚しい抵抗やな。まあええ、小芝居はここらでやめて、それじゃいこか」
「小芝居してるつもりはなかったんだけど……いくって、どこへ?」
視線を上げた先、立ち上がった彼女はドアノブに手をかけていた。
「とりあえずそこら辺ぶらついて適当な子探そうや。会わななにも始まらへんし……と、丁度そこに朝潮がおるで、話しかけようや。おーい、朝潮ー!」
「え、朝潮? あ、龍驤ちょっとま──!」
ってくれと止める前に、彼女は通路先を歩く見覚えのありすぎる後ろ姿をした少女に呼び止めていた。
「……龍驤さん?」
背後からの呼びかけにキョトンと目を丸くしながら朝潮が振り向く。あまり接点のない龍驤に声をかけられたことに戸惑っているようだった。
「よう朝潮、今ええか?」
「はい。大丈夫ですけど、どうかしましたか?」
艶めく黒い長髪を翻しながら振り返った彼女は心なしか落ち着きがない様子だった。龍驤と話しながらも周囲に細かく視線をくばり、まるで誰かに会うことを警戒しているようにも見える。
「いや、用があるんわウチじゃないんやけど……。それよりどうしたんや朝潮、そんな目をちょろちょろしおって。誰か探しとるんか?」
龍驤もそんな彼女の様子が普段と違うことに気づいているようで、周囲に気を回しながら小声でその理由を聞いていた。
「……いえ、どちらかと言えばその逆でして。今はちょっと会いづらいといいますか、その人に会うには心の準備が必要でして……」
「心の準備ィ? まあなんやわからんけど用があるんわ後ろの彼や。キミ、そんなところに隠れてへんと出てこんかい」
龍驤の半身が空き部屋への道を開ける。
すると彼女の背によって隠されていた入り口が朝潮の視界に入ってしまうのは当然であり、その視線がドアの隙間から覗く俺とかち合うのも必然であった。
「しっ──司令官!?」
少女の喉から上擦った声が上がった。
仰天し、後ろに倒れそうなほど仰け反った朝潮とバッチリと目が合ったためだ。
「や、やあ朝潮。その、あれから体調の方は問題ないか?」
仕方なしに、覚悟を決めて空き部屋から出て彼女に近づく。
彼女に一歩近づくごとに、緊張が増していくように足が固くなるのを感じた。
「は、はい。あの後は特には……。その、司令官は私に……………どういったご用件で……」
龍驤を間に挟み、3歩ほど離れたところで止まる。
忙しなく目を合わさないように視線を左右に動かし、完全に落ち着きをなくした朝潮が身を固めている。ともすれば、今にも逃げ出してしまいそうなほどに狼狽えている。声は発するごとに尻すぼみに小さくか細いものになり、居た堪れない空気をその場に醸し出していた。
常に冷静沈着であろうと努めている彼女とは思えない姿。何かを察した龍驤が眉を顰め俺を見てくるが、何も答えてやることはできない。
しかしそれも仕方ないことだろう。あの医務室での一件。とても口外できるものではない。
俺自身、彼女とどう接すべきか考えあぐね避けていたのだ。朝潮も俺のことを避けていたとしてもまったく不思議には感じない。
緊張で喉が枯れていく。唾を飲み、可能な限り冷静であれと努めながら林檎のように赤くなった顔で俯く朝潮に明るく振舞う。
「いや、特別なんかあったわけじゃなくてな。元気かなあって見かけたから呼んだだけなんだ」
「そ、そうでしたか! で、でしたら朝潮、すみませんが急ぎの用がありますので! 失礼します!!」
答えてすぐに、バッと朝潮は赤くした顔を振り上げ敬礼もそこそこに『だだだ』と全力疾走で廊下の角に消えていく。
廊下には怒濤の勢いにポカンと口を開けた俺と「ほななー」と、手を振り見送る龍驤。
「ほんで……や」
その背中が完全に消え俺と龍驤のみが廊下に残る中、隣からの睨め付ける視線にビクリと肩をすくませる。
「なんやろうなあ今の反応。仮に恋してた言うてもああも逃げはせんやろし、あそこまで過剰に目を合わさないようにはせんよなあ」
「いや、その……」
「どっかぎこちない態度しとるキミもようわからんし、あの後ってなんのことなんやろなあ……なあ、司令官」
胃が萎縮してしまいそうになるほどの眼光。
痛みさえ感じる空気の圧に喉がきつく鳴る。
「いやいやまさかキミ、朝潮に手出したとか言わへんやろな。艦娘言うてもウチと違って正真正銘の子供やで? そんなバカなことあらへんやろ。あらへん言うてくれ……な?」
「……………………すぅ──」
龍驤から送られる感情の機微が探りから祈りに変わったのを悟り、大きく息を吸う。
もはや逃げられぬと諦観した敗残兵の気分だった。
「嘘やろ、手出したんか!?」
「いやっ、最後までは……してない。ちゃんと、自制してだな」
「最後までってなんや! 途中まではやった言うんか!? 朝潮と!?」
廊下の奥にまで響く悲鳴に俺は悪くはない! 朝潮たちが可愛すぎるのが悪いんだ!
と責任転嫁も甚だしい思いをぶちまけてしまいそうになってしまうが、流石にそれはとグッと堪え口を締め付ける。
しかしもはや朝潮に手を出したと自白してしまったも同然の俺に、隣から向けられる白い目は避けられるはずもなく、その後に確とされた評価も覆しようがなかった。
「キミそれでようロリコンやない言えたな! 面の皮厚すぎやろ!! 甲板でも顔に貼り付けとんのか!!」
(ぐっ、駄目だ。もはやどうやっても言い逃れはできない。なんとか話を逸さなければ)
これから訪れる更なる追求から躱すため、素早く視線を廊下の隅に回す。
結構な大声が響いたのも関わらず、誰1人として通りがかってこない廊下に歯噛みするが、視線を窓の外に向けた瞬間、そこに見えた白い姿に俺の足は駆け出していた。
「おおっと、あそこにいるのは日向じゃないか! おーい、日向ー!」
「露骨に逃げおったな。朝潮になにしたか後で問い詰めたる」
後ろから聞こえる恐ろしい呟きを無視して俺は外への通路を駆け抜ける。
窓から見えた白い後ろ姿。茶色いショートヘアーに刀を一本腰に帯刀した和装の艦娘。外庭を歩く、戦艦日向に声をかけた。
「待ってくれ、日向」
「君は……?」
追いついた日向は懐疑の眼差しを俺に数瞬向けていた。次いで、なにかが符合したように拳で掌を叩いた。
「おお! 提督に龍驤じゃないか。珍しいな、君が執務室以外にいるのは」
「えっ、そう? いや、て言うか日向、今俺のこと忘れてなかった?」
「そんなことはないぞ。ちゃんと覚えていたとも。提督はいつも執務室にこもっているが、外が怖いんじゃないかと伊勢と話した記憶があるからな」
「えぇ、俺引きこもりみたいに思われてるの? ちょくちょく海辺に行ってたりするんだがなあ」
「キミの行動範囲が狭いんちゃうか。もっと活動的に動かなあかんで」
追いついてきた龍驤に同意するように頷く日向。
それを見て俺は先ほど日向と目が合った瞬間の誰だコイツという訝しむ顔を思い出し、提督でありながら艦娘に顔を忘れられると言うのは思っていた以上にヤバい状況なのではと顔を引き攣らせた。
「ど、どうした日向。そんなジロジロと」
「なんだか君と話すのは久々な気がしてね。いや、もしや始めてか?」
頭の先から下まで、じっくりと観察する日向に居心地悪く後ずさる。
責めるような厳しい視線ではないが、初めて見る動物を見るような目を向けられるのはある種責められるよりも堪える。
「いやいや、流石に初めてはないやろ。なあロリコン提督」
「それはやめて。──確かにあまり接した記憶はないが、ちゃんと話したことはあるよ」
俺自身あまり覚えはないが、と注釈はついてしまうが。
「ところで日向はここでなにを?」
これ以上この話題を進めるとさらに関係の薄さを浮き彫りにされて気まずくなると思い、慌てて話題を変える。
「なに、以前から常々思っていたが瑞雲の理解が浅いのではないかとな。それで瑞雲と寝食を共にするにはどうすべきか悩んでいたんだ」
「瑞雲と? 姉の伊勢や他の艦娘ではなくか?」
「うむ、瑞雲とだ」
宙を仰ぎ、聞いたことを頭の中で精査する。
瑞雲というのは、航空戦艦である伊勢が扱うことのできる艦載機であるが、それを理解するために一緒に寝たりご飯を共にする?
漫画などで言う武器と心を通わせるみたいなことなのだろうか。
ゲームでも何故か彼女は瑞雲のことをいたく気に入っているらしいボイスがあるのは知っていたが、実際に言われるとこう、理解が追いつかず返答に困ってしまう。
「……龍驤、どういうことかわかる?」
どう反応すべきか迷い、隣を見る。
龍驤も同じように共感できないことに片眉をあげ胡乱な目で日向を見ている。同じ艦載機を扱うものでも、日向の言は理解に難しい事柄のようであった。
「まあ、より上手く瑞雲を扱う方法を探しとるんちゃうか? それで寝食を共にってのは意味わからんけど」
「あーうん。そうか。よくわからないが、頑張ってな」
「うむ。瑞雲の更なる高みに達するために、瑞雲道を歩まねば。提督も元気でな。たまに瑞雲に話しかけてやってくれ」
話を終えた日向がスタスタと去っていく。
これからどこへ向かうのか、やはり寝食を共にするため食堂に瑞雲を持っていくのかもしれない。
龍驤と2人、日向に向けた視線はマイペースすぎる珍獣を見る眼差しだったように思う。
「日向のやつ、変わっとるとは思っとったけど予想以上やな。なんやねん瑞雲と寝食を共にするって。どこを目指しとんねん」
「寝るはともかく食はなあ。瑞雲を見ながら食事をするんだろうか」
その光景を思い浮かべ、苦笑する。
艦娘同様、水上偵察機である瑞雲も小型となっているがそれを机に置いて食事をしたり話しかけたりすると言うのは、かなり奇異な光景に映るだろう。
他に艦娘がいれば、好奇の視線に晒されるに違いない。それでもまったく気にしないであろうことは、今の会話だけでもわかってしまうのだがな。
「しっかし初めてって思われとったけど、ほんまにコミュケーションとってなかったんやなキミ」
「いや、流石に初めましてレベルなのは日向だけだ。なんか、微妙に話が合わないと言うか、よくわからなくて」
「気持ちはわかるで。瑞雲についてずっと話されそうやしな。逆にそれ以外でなんに興味あるんかわからへん」
試しに日向と仲良くなるならどうするかを考えてみる。
瑞雲について聞くのが手っ取り早いのだろうが、興味がないことを悟られたらお終い。関係が悪化しかねない危険な選択だ。理由はよくわからないが、日向が瑞雲を大切に思っているだけに、ミスした際のリスクも大きくなるだろう。
ならば、もっと現実的で普遍的な話題を。
となるとやはり──。
「仮に切り込むなら姉の伊勢についてとか?」
いくら瑞雲に心を奪われている日向でも姉である伊勢についてならと思い隣を見るが、
「どうやろなあ。それもどこまで話を膨らませれるか。話し手の技量が問われそうや」
龍驤の反応は芳しくない。
しばし2人でうんうんと悩むが、結局考えてもイマイチこれといった案は出なかった。
「まあ日向のことはええやろ。次行こうや。時間的にも次会う子で最後やろうし」
時計を見た龍驤が促す。
見ると昼休憩の終わりまでそう余裕はなかった。
「おっ、あそこにおるん青葉やないか。カメラ持って、またスクープを探しとるんちゃうか?」
朝潮に日向と続き、艦娘を探して数分。
次で最後と決めた俺たちの前に、愛用のカメラを手に歩く青葉が現れた。
「おや、龍驤さんに……司令官じゃないですか! 珍しいですね、司令官が外に出てくるなんて」
「………俺、青葉にも引きこもりって思われてたのか」
UMAでも見つけたのかと思えるほどに見開く彼女に『マジかよ』と、ガックリ肩を落とす。
日向に続き青葉にまで引きこもりだと思われていたのは思いの外衝撃が強かった。
「この分やと鎮守府のほぼ全員がキミのこと引きこもりやと思ってそうやな。笑えるで」
「俺は笑えないけどな。それより青葉はここでなにしてるんだ」
苦虫を噛み、含み笑いをする龍驤を睨む。
青葉は爛々と目を輝かせ、ポーズをとるようにカメラを周囲に向けカチカチとシャッターを打つ。
「もちろん! 私の日々のライフワークである特ダネを探してるんです」
予想通りの返答である。
紫陽花色の髪を後ろに束ねた少女は、その鮮やかな色に負けない好奇心で鎮守府の様々な出来事を記事にすることで有名だ。
定期的に発行される記事の信憑性は彼女の主観や誇張を混ぜられることもありまちまちだが、俺を含め鎮守府の艦娘たちからは概ね好評である。無論、記事の被害者となった艦娘はその限りではないが。話のタネぐらいにはなってくれる。
手放しで褒められる趣味とは言えないが、彼女のライフワークは鎮守府のことをより深く知れる有難いものだと俺は思っている。
「まあそうやろな。何かおもろいこととかあったか?」
「うーん、あまり芳しくはないですね。いつもの鎮守府といった感じです。が、記事のネタになりそうなものは今見つかりましたのでここに来て正解でした──司令官、ちょっと笑ってもらっていいですか?」
「? 構わないが……こうか?」
流れるような頼み事につい何も考えず微笑んでしまう。
「はい。いい笑顔ですね〜──ありがとうございます♪ いい写真が撮れました!」
一瞬の技であった。
あっと思う間も無く、いつのまにかカメラを目元で構えていた青葉からパシャリと音がしていた。
「……なぜ俺の写真を撮った。しかも許可もなく」
「いえいえ、司令官が執務室から出ているなんて珍しいですからね。それだけで記事のちょっとしたネタにはなりますので一応」
「一応って、お前なあ」
許可もなく撮るなと悪びれる様子もない彼女に苦言を呈すべく言葉を続けようとして、
「ちょい待ち司令官。ウチ、いいこと思いついたで」
龍驤に止められた。
「いいこと?」
「青葉の記事のネタになるうえ、キミにも得になる。そんなミラクルアイデアがな」
確信に満ちたニヤリとした笑みに、俺も青葉も揃って小首をかしげた。
*
「──そう言うことですか。それであんな記事が……」
「悪いな鹿島。相談もせずに勝手に決めてもうて」
青葉との邂逅から数日、龍驤と鹿島は執務室の外で話していた。僅かに開かれたドアからは2人の男女の声が漏れている。
「いえ、確かに一言相談して欲しかった気持ちはありますが、提督さんがより皆さんと交流を持たれるいいきっかけになると思いますから。こちらこそ感謝しています」
少しだけ開いたドアから中を覗き込むと、司令官と1人の艦娘が一つの机で昼食を共にしているのが見える。
それは先日龍驤の発案で発行された青葉の記事によるものだった。
記事の内容は単純なもので、司令官が艦娘と親睦を深めるために希望者と昼食を一緒にすると言うもの。
ただそれだけの短い記事だ。
しかしその記事が艦娘たちに齎した影響は大きかった。
提案した龍驤からすれば予想通り──司令官にとっては予想に反してのようだったみたいだが──反響は大きく、予約待ちが必要になるほどに毎日違う艦娘が彼と食事をしていた。
「鹿島の仕事と時間を奪ってもうたからな。恨み言なら後で聞くで」
仕事は昼食の用意。
時間は司令官との2人っきりでいられる場所。
自身の勝手な考えで鹿島の楽しみを奪ってしまった。そのことに龍驤は負い目を感じていた。
「ふふ、確かに少し寂しい気持ちはありますが、恨み言なんてありませんよ。艦娘の皆さんも喜んでますし、お料理も皆さん張り切って作っているみたいで寧ろ嬉しいです」
記事には、司令官と食事を共にすると言うのもあったが希望者中で望むものは司令官への料理を用意できると言うものがあった。
和洋中、料理は千差万別。
鹿島の上等な飯ばかり食べず、それぞれの艦娘が用意してくれたものを食べた方がより仲を深めれるだろうという龍驤の考えである。
「そんじゃ、ウチはこれで」
「あら? 龍驤さんはご一緒されないんですか?」
見るものは見たと踵を返す龍驤に鹿島が問いかける。
彼女の発案、様子を見に来たならば中で食べても食事中の2人は怒らないのではないかと。
「ウチの役目は終いや。あとは司令官の頑張り次第ってやつやな。ウチも飯食いたいし、なんなら鹿島も来るか?」
食事まだやろと後ろ目に誘い、
「う〜ん、そうですね。せっかくですからご一緒させていただきます」
少し考え、鹿島も前を歩く龍驤を追い隣を歩く。
「ほーちょい意外やな。1人にするのが心配やからって残るかと思ったんやけど」
「私をなんだと思ってるんですか! 2人の食事を邪魔するほど野暮ではありませんし、そこまで過保護ではありませんよ!」
謝る龍驤に久々の提督以外と食べる昼食に悩む鹿島。
邪魔しないよう静かに閉められた執務室からは、楽しげな笑い声が去り行く2人の背を押していた。
三話連続龍驤。なんか、すごい書きやすいというか、キャラとして立ち位置を立たせやすかったんです。何話か湿っぽい話が続いたのでカラッとした明るめの話を書きたかったのもありました。
あとエロい方の話、遅々として進まない。書こうって気持ちだけはあるんですけどね。申し訳ない。