今回は説明ばかりです。
いちいち面倒くさい所があるのでご注意を
織斑一夏は錬金術師である。
錬金術とはかつては、人の優劣をつけるためには必要不可欠なものであったが、IS《インフィニットストラトス》が世間で最強の兵器であると認識されている今では、一般教養程度にしか認識されていない。
しかし、ISには女性しか扱えないという弱点がある。そのため世界は絶妙なバランスで成り立っていたが、ISの登場により、急速に女尊男卑の世界へと変わってしまった。
そのため一部の男性は錬金術を研究し続け、ごく僅かだが、ある一定以上の研究成果と戦闘能力があるものは『国家錬金術師』になることができる。国家錬金術師になると、IS乗りの目標である国家代表と同じような扱いを受けることができる。そのため、国家錬金術師になるための試験では生身でISを無力化するという、攻略不可能だと思われている試験がある。だが、実際はありえないまでの火力でものの数秒でシールドエネルギーを削り切った通称『雨の日無能』こと【焔の錬金術師】や物理的に殴り飛ばした通称『筋肉ダルマ』こと【豪腕の錬金術師】が合格したことが有名である。噂ではこれらの錬金術師を軽くあしらうことの出来る主婦がいると言われている。
更には、錬金術を行使するためには錬成を行う物質の材質を正しく理解する必要がある。そのため錬金術師は基本的には博識で世界トップクラスの頭脳を持っていることが多い。ただ、一芸に秀でている錬成陣を使うことによって、一部のものだけを理解すれば済むようにしている錬金術師もいる。
ここまで国家錬金術師が強いと、女性に対しての不満が爆発して男性対女性の戦争が起きるのではないか、と危惧されているが、実際はISが世界に467機あるのに対し、ISに対抗出来ると言われている錬金術師は世界に10人もいないと言われている。ただ、万が一と言う事もあるので、錬金術師を管理する、『世界錬金術協会』と言う昔から存在していた組織をより強化している。
国家錬金術師はこの組織より国に対しての派遣軍人扱いをされており、また、国家錬金術師の直属の部下も派遣軍人扱いをされている。その為彼らは国籍が存在せず、『○○国所属の錬金術師とその部下』となる。
錬金術には禁忌として、人を作ってはならない、金を作ってはならないなどがあるが、実際には金を作るための技術を持たないものが多く、技術を持つ者も他の研究により稼ぎがあるので現状としては錬成を行った者はごく僅かであるという。人を作ることに関しても人の材料となるものが集められている場所は稀に発見されており、人体錬成用の錬成陣も見つかっておるが、何故だか不気味な肉塊が発見されるだけでおり、完成体や術者も見つからないという。術者に関して言えば、突如としてその場から消えたかのような痕跡も見つかっており、錬金術協会も迷宮入りとして扱っている。
更に、錬金術の基礎として、『等価交換の法則』というものがある。これは物質を錬成するときに錬成したい物に十分な材料が必要であるという法則である。これだけは絶対に覆せないものとして物理法則と同様に常識になっている。
しかし、理論上にはその法則を無視することができる物質が存在するとされており、その物質を『賢者の石』と呼んでいる。だが実際には精製方法などは完全に解明されておらず、完全なる机上の空論になっている。
しかし、近年に突如として発表された『IS』に使われているコアも製造方法が分からず、ブラックボックスとなっているため、一説にはISのコアは特殊な賢者の石であり唯一製造方法を知っている篠ノ之束は賢者の石の作り方も知っているというものがある。その為、世界はIS協会だけではなく、錬金術協会も血眼になって捜索している。でも、この事は後で詳しく説明しよう。
錬金術師には位があり、ある一定の基準を満たさなければ『
これらの事をふまえた上で改めて、織斑一夏は錬金術師である。だが一夏はまだ10代前半であるため公表はされておらず、世間からの認知度はかなり低い。それでも若くして錬金術士を名乗れるだけの力はある。生身での戦闘ならば国家錬金術師でもない限り圧倒する事は難しいと自負しており、一夏が錬金術師である事を知っているものもそのように考えている。
しかし、そんな一夏でも多少の護身術程度なら出来るものの軍人でもなんでもないため不意打ちには弱い。さらに一夏の使う錬金術はいちいち錬成陣を書くため瞬間的に発動できないという弱点がある。その為一夏は誘拐され、現在、どこかの倉庫で監禁されている。
(あーあ。情けない。いくら俺が強くとも両手を縛られてちゃ錬成陣の一つもかけない。どうしようかなぁ)
一夏は錬金術師として色々と軍に協力などをしているため、同年代と比較すると大人びている。その為誘拐されたのにもかかわらず怯えたりしないで自分の置かれている状況を冷静に判断している。
(それよりもなんで俺が誘拐される必要があるんだ?)
このように考えていた一夏だが、答えは誘拐犯からしゃべられることになる。
「おい、どうゆうことだ‼︎このガキ攫ってきたから織斑千冬は出ないはずじゃないのか?!」
(なるほど、千冬姉の二連覇を防ぐために俺を誘拐したわけか。でも出場してるってことは、日本政府が情報を止めてるんだろうな)
そうと分かれば助けが来るのはかなり後になるだろう。そう考えた一夏は行動を起こそうとして止めた。何故なら、
(ISだと‼︎なぜISがここにいる⁉︎俺を誘拐したのはISを持てるほど大きい組織かもしくは国自体がやったことなのか?)
と言う訳である。
ISを纏った女性が誘拐犯と会話していたからである。その女性が纏っているISはフランス製のISであった。しかし、一夏は疑問に思うことがある。そのISはカスタムされており、ISの指先にあたる部分が異様に細くなっているのだ。ISのことはあまり詳しくない一夏だがそれでも分かるほどに指先が細くなっている。その細さは明らかに異常であった。そのような異常なカタチをしたISは殆どが錬金術が上手い人が扱うものである。
ここでISの説明をしよう。
ISとは天災篠ノ之束が作った宇宙空間での活動を目的としたマルチフォームスーツである。最初に学会で発表された時は子供の理想論であると見向きもされなかった。しかしその後のちに『白騎士事件』と呼ばれる事件が起こった。その事件とは、世界中の軍事用コンピュータがハッキングされ約2000発のミサイルが日本に向けて発射されたが正体不明のISが約半数を撃墜し、更には各国がそのISを確保、または撃破するために送り出した大量の戦闘機や戦闘艦をものともせずに対処した事件である。また、その時の死者はゼロ人である。
この事件で、ISの圧倒的な性能を見せられた各国は掌を返して関心を向けるようになった。しかし、錬金術が浸透していた世界ではあまり意味がないと思われたが、製作者である篠ノ之束がISには錬金術の力を補助し、僅かだが底上げできると発表したため、世界錬金術協会もその技術に関心を持ったが、篠ノ之束はISコアを467個残して忽然と世界から姿を消した。そのため新たに設立された国際IS委員会と世界錬金術協会は血眼になって探す羽目になった。
先程の会話の中にあった二連覇と言う語句は、ISが普及してきた世界において初めてのISの操縦技術を競う大会の事である《モンドグロッソ》であり、一夏の姉である千冬は第1回モンドグロッソにおいて世界最強の称号である『ブリュンヒルデ』を獲得した。
一夏は国家規模の組織が動いているのなら自分の出る幕では無いと、大人しく助けを待つことにした。
「織斑千冬が出場するのならあまりコイツの意味がないな。実験にでも使うか」
誘拐犯の男がそういった。
「なら何の実験にするよ」
「人体錬成の実験でもするか」
「あら、それは面白そうね、でも貴方は人体錬成の陣を知ってるのかしら」
先程までISを纏っていた女性が聞く。
「ああ、知ってるぜ。こう見えても結構博識だからな」
得意げに話している男。その直後、男は何か鋭いものに貫かれた。
「あら、ちょうどいいわね。ここに死体があるからこれを使いましょうか」
女はそう言って楽しそうに笑う。
「ボウヤを運んで頂戴。あっちに錬成陣を書いてそこでやりましょう」
そう言って女は指示を出し、一夏は小柄な少年に担がれて運ばれた。そこで一夏は死体の隣に両手をついた形で固定された。
「ほら、早く術を使って頂戴」
そう言われて使うような馬鹿では無い。一夏は首を横に振り拒否の意思を示す。
「もう、仕方ないわね」
その言葉を聞いた直後一夏の指に鋭い痛みが走った。指から血が流れ錬成陣にかかる。
すると錬成反応の光が起き始めた。
一夏はその時奇妙な感覚を覚えた。
まるで手足の先の感覚が削られていくようなそんな感覚を。ふと手足を見ると先端の方から分解されていく。
「う、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
そこで一夏の意識は途切れた。
一夏は頭にいきなり知識を押し込まれたかのような違和感を感じながら目を覚ました。一夏は手足を襲う異常な程の痛みを感じ、手足を見ると、右手と左脚が無くなっていた。一夏はその光景をみて悲鳴をあげたくなったが、血が失われていく感覚が冷静にさせた。一夏は流れる自分の血を使って錬成陣を書き手足の無事な細胞を繋ぎ合わせ止血をした。これでひとまずの応急処置は終了した
その時僅かに離れた場所から爆音が聞こえ、僅かに熱く感じた。一夏は誰が助けに来たか即座に理解し、助け出される時を待った。扉が開かれる音がして、カツカツと靴が床を踏む音が聞こえ目の前で止まった事を理解し顔をあげた。
「遅えよ、大佐」
やっとここまで来ました。
説明ばかりで救出まで行ってねぇ。
iPod touchからの投稿って面倒くさいです。
次回はなるべく早く更新したいと思います。