彩葉に男の幼馴染がいたっていいじゃない   作:ザワザワする人

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衝動的に書いてるだけなのです。
昨日見て急ピッチで仕上げたのです。
作者は百合好きなのです、嫌いじゃないのです。てか普通に映画館で泣いたのです。
てな訳で、男をぶちこむ。感想でひどい事言われたら泣いちゃうぞ。




本編
はじまり、はじまり。


━━━━今は昔………。

 

朔夜(さくや)ぁぁぁぁぁ!」

 

悲鳴に近い、聞きなれた声が鼓膜に響く。

そちらを向くと、自陣(こちら)へ逃げてくる味方の後ろから軍勢がやってくる。

 

(ざっと、150ってとこか)

 

━━━━では、なくて。

 

使い慣れた長銃をバラバラにし、対集団用の布陣を作る。

3mを優に超える長銃を構成していた小銃達が、一斉に横一直線に並ぶ。

 

「バキュン」

 

同時に放たれた銃弾達が、鎧武者達を光の粒子に変えていった。

 

━━━━超未来だったり。

 

「おあああああ!!!やばいやばいやばい!!」

 

休む間もなく、また別の声が響いてくる。

オッケイ。当然気づいてる。竹林の中に隠れたつもりだろうが、ジャンプエフェクトは見逃さない。

上だろ。周りの小銃をある程度集めて作っておいた銃を構え、引き金を引く。

 

━━━━いやはや、大昔でも超未来でもなくて。

━━━━今とあんまり変わらない、少しだけ未来の世界。

 

空中で敵がバラバラに吹き飛ぶ。

 

「ふっ………汚ねぇ花火だ」

 

「かっこつけんなっ!!!」

 

まぁもう勝ちだろう。あとはもう味方に任せれば大丈夫だろう。

眼を開けると、いつの間にか日が暮れたのか外は真っ暗だった。

 

━━━━ゲームしている普通の男子高生ありけり。

 

窓ガラスに映った俺の顔は瞳が月色?に輝いてて、宇宙人みたいだった。

 

 

 

 

「朔夜のエイム相変わらずバケモン!!」

 

「マジプロだろ!!」

 

いぇーい。

友達とのボイスチャットに若干、控えめに言葉を返す。

照れくさい気持ちもあるが、一応配信者(ライバー)だし年単位でやってるし流石に上手くもなるものだ。

あ、ちなみに配信者って知ってるのはこいつらだけ。

 

━━━ピピピ。ピピピ。

 

「あ、やべ。バイトの時間だ。ごめん落ちる。また学校でな~」

 

アラームの音が響いて、すぐに接続を切る。

スマコンを、眼球からちろっと外して洗浄機にぶち込む。

最初の頃は、外すのが苦手で毎回泣きかけてたのは今となってはよくできた笑い話だ。

 

「ラララララ………」

 

ヤチヨの曲を口ずさみながら、バイト先へと向かう。

俺が週5で働いてるBAMBOOcafeの自動ドアを抜ければ。

 

「なんでこの料理こんな冷たいの!」

 

「ねぇ、注文遅くない!?」

 

「おいおいどうなってんだ~!」

 

「す、す、す、す、すいませ~ん!!!」

 

まぁ、木曜はいつもこんな感じだ。このカフェはなぜかバカみたいに木曜だけ混む。

さぁ、合戦の始まりだ。

 

「よろしくお願いしま~す!!」

 

「ちょっと朔夜!来るの遅いってば!!」

 

「そう怒んないでよ彩葉(いろは)!三分遅れ?仕事っぷりで巻き返すから!!」

 

今日もまた、俺と同じ時間帯にバイトを入れてる彩葉と少しの会話を交わして俺は厨房に入る。

エプロンをしゅしゅっと結べば、もう臨戦態勢だ。

 

「オムライス二つ上がり!!」

 

「ほんと助かるよ神代(かみしろ)君!!」

 

「神代君、注文でハンバーグ……」

 

「もう出来てます!あっつあつなんでそのままどうぞ!!」

 

「えぇ!!あ、ありがと!」

 

「朔夜!!」

 

「はいはい、カレーライスね!!」

 

「か、神代先輩ぃぃぃぃ!」

 

「よ~し一緒に謝ろ!今度はなにした!」

 

今日もBAMBOOcafeは通常運転。

 

 

「休憩入りま~す」

 

嵐の様なピークタイムを何とかかんとか乗り越えて、俺はスタッフルームのソファに倒れこんだ。

 

「ふぎゅ」

 

「あ、ごめん」

 

後から入って来た彩葉に上から乗っかられた。

 

「わざとだろ~」

 

「いいじゃん別に。幼馴染なんだし。それに、軽いでしょ?」

 

「その答えがほぼ決められてる問いはなに」

 

「ん~じゃあほらヤチヨの配信見せてあげるから」

 

そう言って、彩葉が俺の前にスマホを差し出そうとしたら。

 

「先輩方!!さっきはごめんなさい!!」

 

扉がバンっと開いて、みおさんが入ってきた。

先月入ったばっかの東みおさんは、やる気はあるが技術面が置いてけぼりを食らっている。

思わず笑いそうなものから、顔が真っ青になる重大事件までその幅は様々。

 

「本当に、本っっっっ当にごめんなさい!!あたし、バカで、ドジで、ずみまぜん。ハズレの新人の教育係させちゃって」

 

「いやいや、可愛い後輩のフォローができるなんて先輩みょーりに尽きますよ」

 

「彩葉が先輩面してる~」

 

冗談だったというのに、彩葉からの腹パンを食らってしまう。

しかも振り下ろされたから結構痛い。

 

「痛いっての!!」

 

「じゃあなに。朔夜は先輩面せずにアドバイスできるんですか~~?」

 

「とうっぜん!それじゃあ、みおさん!」

 

みおさんは背筋をピンと伸ばした。

完全に怒られる生徒みたいだ。少なくとも俺と彩葉は絶対怒られる方じゃないけど。

 

「まず深呼吸」

 

「すぅー……はぁー……」

 

「次に」

 

「つ、次に?」

 

「今日やらかしたこと三つ思い出して」

 

「……え」

 

「オーダー間違えたのと、アイスコーヒーぶちまけたのと……」

 

「それ以上言わないでくださいぃぃぃ!!」

 

「まぁまぁ。で、ここからが大事」

 

俺は指を一本立てた。

 

「次やる時、()()()()()を意識する」

 

「一歩前……?」

 

「注文受けた後に復唱。料理出す前に温度確認。運ぶ前に足元確認」

 

「……あ!」

 

「つまりミスする瞬間とかって、だいたい三秒前に兆候があるんだよ」

 

「三秒前……」

 

「そこを見れるようになると、ミスはかなり減る」

 

みおさんはぽかんとしたあと、

 

「……なんかそれ、ゲームみたいですね」

 

「まぁ、似たようなもん」

 

俺は肩をすくめた。

 

「戦場もキッチンも、先読みできるやつが強い」

 

その瞬間、彩葉がじっとこっちを見る。

 

「……朔夜ってさ」

 

「ん?」

 

「たまに変なこと言うよね」

 

「普通だろ?」

 

「いや、普通の高校生は戦場とか言わない」

 

「言うだろ。木曜のBAMBOOは戦場だ」

 

「それはまぁ、そう」

 

「わ、私これから頑張ります!!」

 

そう言ってみおさんはばびゅ~んとホールへ戻っていった。

途中でこけてる音がしたのは、ご愛敬だ。

 

 

「お、朔夜きた~」

「おはよっす」

 

翌朝、いつものメンツといつもの通学路で合流した。

会うのは昨夜のゲーム以来、どっちもなぜかアバターに負けないくらいイケメン。

……こいつらころそっかな。

 

「唐突な殺意を検知~」

 

「どうしたよ、いつにもましてイライラモード?」

 

「違うわ。バイトの後、予習と復習しててあんま寝てない」

 

思わず睡魔に負けて、あくびが出てしまう。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……うっせ」

 

「彩葉さんには、ずっと勝ててねぇんだろ?もうしょうがないんじゃねぇの~」

 

「………約束したんだよ」

 

「お、さすが幼馴染。小さな頃の約束を健気に守ってるパターンだ!」

 

「茶化すな~もうノート見せてやんねぇぞ~」

 

「「そんなそんな朔夜様!!冗談ですよ!!」」

 

「調子のいい奴らめ……」

 

そんなこんなで雑談してたらもう正門に着いてた。

 

「ふわぁ~………今日の一限なんだっけ~」

 

「今日の昼?俺は売店かな」

 

「週末どっか遊び行こうぜ!」

 

正門まで来ると流石に人が多い。

辺りも会話の波で満ちてくる。

 

「おーい朔夜!」

 

後ろから声を掛けられる。

聞きなれた声だ。耳にタコが出来るくらい聞きなれた。

でもまぁ、そんな声が俺は好きだ。

 

「よっ、彩葉」

 

「ん、おはよう」

 

「……分かってるよな?」

 

「はいはい。今日の小テストでしょ」

 

「今度こそお前から一位、奪還してやるぜ!」

 

「奪還って、一回も取ったことないのに?」

 

「うぐっ」

 

「ふふ。まぁせいぜい頑張りなよ~。()()()、でしょ?」

 

最後まで煽り文句を忘れない彩葉。

その時にほんのり見せた小悪魔的な笑みに、俺は()()恋に落ちた。

 

「っ………」

 

「ひゅ~、美少女~」

 

「これは、流石の朔夜様でも敵いませんわ~」

 

「よ~し!お前ら今夜フルボッコな!」

 

 

 

 

そして学校が終わり、あいつらとも別れて一人で家への道を辿る。

 

(悔しい………けど)

 

結局、一位は取れなかったが今までで一番肉薄できた。

あと三点。でもまた凡ミス………。

俺は大事なとこで、こんなんばかりだ。

あと一歩。あと一秒。あと少し。

 

俺の人生にはいっつも何かが足りてない。

それが、万年二位の結果を招いてる事も分かってる。

 

(ってだめだだめだ!!ネガティブ思考になってる!!)

 

(俺は出来るやつだ!俺は凄いやつだ!……一人で言ってて空しくなってきた)

 

(こんな時はヤチヨの力を借りるしかない!助けてヤチヨ!)

 

俺は慣れた手つきでスマホを操作し、音楽アプリへ。

その中で、いっちばんのお気に入りを選曲する。

 

 

『Remember』

 

 

ヤチヨのデビュー曲。

イントロだけで心がふわりと浮き上がって、張り詰めてた糸が解されていく。

最初の方は、彩葉に合わせる為に見始めたけど今となっては虜になってると言って過言ではない。

 

人には言えない秘密を相談した事も数知れず。

俺が人生で一回、ガチで凹んでた時もヤチヨに救われた。

なぜか、あの時は勝手にスマホがヤチヨの配信画面に変わってたんだけど、多分彩葉がやってくれたんだろう。

相変わらず昔から、他人の顔色を窺いすぎる奴だ。

 

「お、流れ星」

 

流れ星に三回願いを言えば、願いは叶う。

そんな子供の頃に全員が親から聞かされたであろう言葉は、俺にとっては皆と少し意味が違う。

 

[流れ星が見えた時にはね。こうお願いするのよ]

 

(母さんも父さんも、死ぬまでよく言ってたな。そんだけ俺にやって欲しかったんだろうけど)

 

幸いにも、あの流れ星はまだ消えなさそうだ。

一度、深呼吸をして。

 

 

「どうか、かぐや様が無事に地球に来れますように」

 

 

こんな子供がかぐや姫を見た後の感想みたいな願いでも、俺の両親が遺書にまで書いた文面だ。

一人っ子の俺が継がなくてどうするよ。

ふわりと消えた流れ星が帰路と同じ方角だと気づいたのは

 

 

 

「………は?」

 

 

 

辿り着いたアパートのすぐ横の電柱が、七色に輝いていて、それを凝視してる彩葉を発見した時だった。

 

(疲れてんのかな~………)

 

眼を擦っても、その光景は変わらなかった。

どうやら現実のようだ。これから三連休だというのに、現実は非情である。

 

「おい、彩葉~」

 

「うわ!びっくりした!!急に声かけないでよ~………」

 

「びっくりしたはこっちのセリフだわ。……なにこれ」

 

「私だって分かんないよ~」

 

するとポンッとコミカルな音と共に、電柱から竹の取ってが出てきた。

まさに、はよ開けろと言わんがごとき。

 

「………開ける?」

 

「いやいや開けないから!好奇心に負けるな!」

 

「いや何かもう勝手に開きだしてる」

 

ギギギと、古びた宝箱を開けるかのように両開きの電柱が開きだす。

自分でもまじで何を言ってるか分からないが、現実は現実。

 

「い、いや開くな!!ちょっと!朔夜も手伝ってよ!」

 

「え、あ、はい」

 

扉を押さえつけようと、俺が一歩目を踏み出そうとした瞬間にバイーンと彩葉は扉に弾かれた。

 

「力、よわっ」

 

「うるさい!私、女の子ですけど!」

 

「まぁまぁ。それで中には一体全体どんな宝物が………」

 

ふりふりのクッションとピンクのガラガラ、くるくると回る小さなメリーゴーランド。

そしてそれらの主たる、

 

「ふぇ、ふぇ………」

 

「「あ、赤ちゃん!!??」」

 

━━━今は昔……ではなくて。

 

━━━今とあんまり変わらない、少しだけ未来の世界。

 

━━━ゲームしている二人の高校生ありけり。

 

━━━名をば、酒寄彩葉(さかよりいろは)神代朔夜(かみしろさくや)となむいいける。

 

━━━彩葉と朔夜って呼ぶべし♪

 

━━━二人が家に着くと、なんと、もと七色に光るゲーミング電柱なむ一筋ありけむ。

 

━━━あやしがりて寄りて見るに、電柱の中光りたり。

 

━━━それで、二人はこう言ったの。

 

 

 

「「ん???????????」」

 

 




あと何話か書いて、好評だったら最後まで書きます。
特に感想!!あれのやる気パワーは作者でも計り知れません。
どしどしよろしくおなしゃす。
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