彩葉に男の幼馴染がいたっていいじゃない   作:ザワザワする人

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投稿ちょっと遅れちゃいました~。
ごめんちゃい。
感想いつもありがとうございます!
感想はいつなんどきであってもお待ちしております!!よろしくお願いします!




Let`s 鬼退治!

『トライデントのまま両櫓占拠でコールドです!鮮やかっ!』

 

………一回戦は、呆気なく終わってしまった。私だけいいとこなしだ。

 

「ごめんね~、ずっとなめくじ状態でした」

 

「いやいや、ヤチヨは最強ですよ………」

 

本来なら、数的優位にあった私とかぐやが帝を倒して櫓を占拠し、ヤチヨに天守閣を落としてもらうべきだった。

私たちが苦戦していたのでヤチヨが櫓を取りに行き、隙を作ることになった。

私のせいだ。

 

(………朔夜がいたら)

 

お兄ちゃんにも、もしかしたら勝てたのかもしれない。

上手くかぐやを使って、ヤチヨを活かして。

 

「ふっふっふ………」

 

落ち込む私をよそにかぐやは悪役のような、でも好奇心に満ちた目で、どこか心底嬉しそうに微笑んだ。

 

「やっぱり来てくれた!!!」

 

かぐやがそう叫んだ瞬間、上空から()が降って来た。

 

『お~~~っとぉぉぉ!!??かぐやいろPチャンネルの自陣に何かが落ちてきた!!』

 

『ま、まさか妨害でしょうか!?』

 

その煙がむくむくと立ち上る場所から出てきたのは。

 

「………遅れてごめん」

 

私が今、一番来て欲しい人(朔夜)だった。

 

「い、いやなんで来たの!おじいちゃんとおばあちゃんは!?」

 

「また会えるってことにした。それに………」

 

「さくや~~~!!!」

 

「いてっ」

 

後ろからかぐやに抱き着かれて、朔夜は体勢を崩して倒れかける。

そんなかぐやを背負いながら、朔夜は改めて言いなおす。

 

「隣……だろ?」

 

「……ばか」

 

『おっとおっとぉ!?現れたのは、まさかの配信者のさっくー!!』

 

『先日の大会でも乃依選手に惜敗しましたが、その実力は確か!かぐやいろPは助っ人を頼んでいたようです!!いや、やっぱり会話を聞くになんかまぁまぁ深い仲のようです!!』

 

「てな訳だからヤチヨ。助っ人ありがと。この後は俺がやる」

 

やっぱそうだよね………うんうん!朔夜も頑張って~!!」

 

ヤチヨは玉手箱に戻っていった。

戻る姿も天使………。

 

「………ヤチヨと随分仲がよさそうだったけど?」

 

「いやまぁ………護衛とかしてたし……。ってそんな事より作戦作戦!」

 

「さくせ~ん!!」

 

「かぐやは、俺の背から降りてね。かぐやは作戦ある?」

 

「ふっふっふ~。天才的な作戦が、かぐやにはある!!」

 

 

 

 

 

 

『さぁ、唐突にやってきたさっくー選手!!かぐやとの関係は匂わされてましたが、まさかまさかのいろPとも浅くない関係がありそうで、かぐやいろPチャンネルは現在大荒れ!!』

 

『やっぱ寝取られやんけ』

『いろPの素顔が可愛すぎて死んでる時に、NTRとかなんの拷問?』

『かぐやちゃん距離近くない????近いよね???????』

 

『さっくーは、今夜は夜道に気をつけてもらいたい所です!!』

 

『試合に戻りましょう!ブラックオニキスはトライデント続行!!』

 

『かぐやいろPチームは、ヤチヨが担当していたボトムレーンをさっくーが担当!』

 

『奇しくも、先日の大会マッチアップが生まれました!!最初の接敵は、さっくーと乃依!!』

 

 

(俺の相手はあくまでかぐやが来るまでの乃依。雷さんも牽制はしときたい)

 

(てな訳でぇ~………)

 

 

『おっと!さっくーが乃依をガン無視して雷の方向へ特大狙撃ぃぃ!!!』

 

『二人まとめてかかってこいやとの牽制でしょうか!』

 

『しかし乃依もそれを許さない!!弓の連射連射連射ぁ!!』

 

『しっかしさっくーも引かない!!回避回避回避ぃぃぃぃ!!!』

 

いつの間にかぎりぎり声が聞こえる距離まで接近していたようだ。

矢櫓から、俺を狙う乃依に声を掛けられる。

 

「攻めないの?どうせあの二人じゃ帝倒せないって」

 

「お前は色々舐めすぎだな」

 

「なにを」

 

喋りながら打ってくんなや。

避けんのむずいっての。

 

「かぐやの発想力?」

 

「さくや~~~~~~~~!!!!!!」

 

「うるっさい!」

 

パーティ内でのボイチャとはいえ叫ぶな!耳無くなるって!

 

かぐやの発想。

あの上空を飛んでる、れぷと………なんとかに乗ってみるとの作戦。

ミニオンからの攻撃を回避し、かつ素早い移動が可能な大胆な一手だ。

KASSENをやっていればやっている程、この発想には至らないだろう。

 

「かぐや!!そんまま中ボス!!」

 

「りょ~」

 

かぐやの武器は俺と同じく空中を飛べるタイプ。

しかもハンマーであるので、上空からそんまま振り下ろせば~~。

 

『かぐやの奇襲が決まり、牛鬼を一発撃破ぁぁぁぁ!!!』

 

「………」

 

乃依がかぐやの後隙を狙って弓を構える。

残念。ジャスト40秒。

 

『クールタイムが終了したさっくーの狙撃銃が、火を噴いたぁぁぁぁ!!!』

『乃依の体を後片もなく吹っ飛ばしました!!』

 

「な~いすぅ!かぐやぁ!!」

 

「えっへん!朔夜に褒められちゃった~!」

 

『かぐや、さっくーが櫓を占拠!!』

『メロンパンあげると乗せてくれるとかwww初耳ンゴww』

 

俺も聞いた事なかったわ。

 

「かぐや。こんまま天守いくぞ!」

 

「りょ!」

 

雷さんは、多分ミドルから櫓を取りにトップに行ってる。

あとは彩葉が………。

 

「………ごめん」

 

ボイスチャットから聞こえた声は、どこか元気がなくて。

流石に、トッププレイヤーの帝とタイマンは厳しかったかな。

彩葉が全速力で向かっても、俺達の天守攻めには間に合わない。

 

「心配すんな。絶対勝つ」

 

「そ~そ~ダイジョーブ!!取り返~す!!」

 

彩葉がやられたって事は、帝がどうせ天守閣に戻ってくる。

距離的に雷さんに櫓を取らせて、俺達の攻撃を帝が耐えてから乃依の復活を待つつもりだろう。

 

「………かぐやは天守だけ目指してくれ。帝の相手は俺がしてくる」

 

「りょうかい!かぐやに任せて~」

 

俺は途中でかぐやと別れ、竹林の中を突っ走りながら地図を確認し、帝の位置を逐一確認する。

このまま行けば、天守前で帝を止めれる。

銃声が近い。

 

「………見つけた」

 

竹林を抜けた瞬間に、銃でミニオンを蹴散らしながら、天守に向かう帝が見えた。

あちらも俺に気づいたようで、射撃を止めて、棍棒へと武器を変形した。

 

『さっくーは帝の阻止に向かったぁ!』

『二人の戦歴は公式戦で帝が四勝、さっくーが二勝!!ブラックオニキスの中でもさっくーに対する相性は最高と言えるでしょう!!』

『あくまで足止めが目的かぁ!?かぐやは天守閣に全力速攻!!』

 

帝━━朝日さんの前に、俺は着地した。

朝日さんは、その瞬間も俺から決して目を離さない。

 

「久しぶりです。朝日さん」

 

「ん~?誰の事だ?」

 

「やめましょうよ。どうせ気づいてる癖に」

 

「はは、久しぶりだな。朔夜」

 

「あんたはっ……」

 

「昔話はやめようぜっ!!」

 

朝日さんが瞬きの間に接近し、棍棒を俺に振り下ろす。

俺はそれを回避はせずに、真正面から受け止め鍔迫り合いになる。

 

「なんで急にいなくなった!!」

 

「反抗期って言えば納得するか?」

 

「する訳ねぇだろ!!!」

 

朝日さんは、俺を蹴りで弾いてから射撃体勢に移った。

俺はそれを岩場の影に隠れて、やり過ごす。

 

(銃数20)

 

岩の後ろから、岩を貫通するレベルの銃を作り狙撃する。

朝日さんは、それを読んでいたようでいつの間にか上を取られていた。

上から棍棒が、また振り下ろされる。

俺はそれを横に飛んで回避し、朝日さんの後隙に接近する。

 

「クールタイム終わってないだろ?なんで攻める?」

 

「あんたの事をぶん殴るためっ!」

 

「殴る?意味ないだろ」

 

攻撃をいなされながら、俺はずっと考えていた。

なんで、朝日さんにこんな怒っているのかを。

 

(………朝日さんがいなくなってから、彩葉はあからさまに元気がなくなった)

 

(そんだけ朝日さんの存在が彩葉の中で大きかったって事だ)

 

(それが俺は悔しかったし、羨ましくもあった)

 

ある日、俺が彩葉と一緒に家へと帰っている時に、突然彩葉は言い出した。

 

「朔夜のお家に泊まってええ?」

 

その時から俺は彩葉の事が好きだったし、断る理由も無かった。

唐突に決まったお泊り会。俺と彩葉は同じベットで、向かい合いながら眠ろうとした。

 

「ごめん朔夜………迷惑かけて」

 

その声は心からの謝罪のようで、でもその奥には何かへの恐怖があった。

 

「今日は家に………帰りたなくて………」

 

その時に、幼かった俺は泣きそうだった彩葉の頭を撫でる事しか出来なかった。

その後に彩葉は結局泣いてしまって、俺もそれが悲しくて泣いた。

 

その時に、深く実感した。

 

朝日さんが、彩葉の事を見てたんだ。

朝日さんが、彩葉の事を守ってあげてたんだ。

 

じゃあなんで。

 

いなくなったんだよ。

 

「俺じゃ無理だった!!朝日さんじゃなきゃダメだった!!」

「あんたがいれば、彩葉は………」

 

「俺が彩葉を庇ってたのは、認めるよ。でもな、庇いすぎてもそれは彩葉の自立に繋がんないだろ?」

 

「あんたは彩葉の兄だろうが!!!兄が妹を守らないでどうすんだよ!!」

 

「一人っ子だから分かんないだろ?これも愛だっての」

 

「言い訳すんな!!」

 

「………お前は彩葉を舐めてる。彩葉はそんなやわじゃない」

 

「誰が言ってんだよ!!」

 

「はは、確かにな」

 

どこか飄々とした態度で、言葉も攻撃も受け流される。

攻めあぐねるとはまさにこの事か。

 

『かぐやが、大将落としをぶち込んだ!!ラウンドを勝ち取ったのはまさかのかぐやいろPさっくーチームぅぅ!!』

 

「かっちぃぃ~!!」

 

かぐやの勝利宣言と共に、オタ公の声が響いた。

 

「あらま、乃依は間に合わなかったか」

 

「………気にしてないんすか」

 

「次に勝てばいいんだよ。じゃあな、次のラウンドでタイマンで合えたらちゃんと戦ってやるよ」

 

(やっぱり、本気じゃない………)

 

俺から攻めることはあっても、朝日さんから攻める事はほとんどなかった。

逆に朝日さんに隙がほとんど無かったのもその為だ。

 

(俺の考えを、聞くため………?)

 

相変わらず、何を考えているのか分からない人だ。

 

 

 

 

『面白くなって参りました!!最終ラウンド!!』

 

『互いに櫓を取得し、残るは天守を落とすのみぃ!!』

 

私とかぐやは、ボトムレーンで乃依と雷と戦っていた。

 

(強いっ………)

 

はっきり言って、私とかぐやじゃやられないように立ち回るのが関の山だ。

 

(あ、まずっ)

 

踏み込み過ぎた。

重心を傾けすぎたせいで、次の行動が遅くなる。

乃依の、射撃範囲だ。かぐやもフォローに飛んできてるけど、間に合わない。

私達の残機はもうない。面前に、矢が迫る。

 

 

「あっぶなぁ」

 

 

それを弾き落としたのは、朔夜の銃弾だった。

でも、多分それの威力はクールタイムが40秒のもので。

 

「大丈夫か、彩葉?」

 

「うん、怪我はしてない。でも………」

 

もうそろそろさっき朔夜が相打ちにした帝が復活する。

ミドルから向かわれたら、天守が落とされて終わる。

 

「朔夜、来てもらって悪いんだけど………」

 

朔夜にミドルに行ってもらうしかない。

そしたら、移動の時間である程度のクールタイムは終わっている筈だ。

 

「朝日さんの方には、彩葉とかぐやで行け」

 

お兄ちゃんの本名で、朔夜は名を呼んだ。

……そうだ。よく考えれば私達よりもKASSENに慣れてる朔夜が、私の考えが分からない筈がない。

 

「でも………」

 

「雷さんと乃依の戦い方は彩葉の数倍は心得てる。安心しろ、負ける気はない」

 

朔夜が、私の考えが分からない筈がない。

 

「お兄さんと、ちゃんと戦ってこい」

 

「んでもって、勝ったら御の字だ」

 

「パンケーキ作ってやるよ」

 

「パンケーキぃぃ!!??彩葉、彩葉!行くよぉぉ!!」

 

かぐやが、私の腕を引っ張る。

 

「ちょ、ちょっと待ってかぐや!」

 

これだけは、言わないと。

 

「朔夜!!」

 

 

 

 

 

「頑張って!!」

 

 

 

 

 

「………ん」

 

朔夜は片手をあげて返事をして、改めて乃依と雷に向き合った。

 

 

 

 

 

 

『かぐやいろPは、ジャンプ台からトップレーンの櫓へ!』

 

『待ち受けるのは帝との一騎打ちぃぃ!!』

 

 

「遅かったな」

 

「なんでこっちに?ミドルから行ったら、勝ちだったんじゃね」

 

「ブラックオニキスはな、皆に夢見せなきゃいけねぇんだよ」

「それに、朔夜に怒られちゃったしな」

 

帝の頭には、先ほどの朔夜との相打ちが頭に浮かんでいた。

 

「朝日さんの考えはよく分かりました」

「俺もちょっと言い過ぎました。すみません」

「………でも、彩葉の事は認められません。あんたは隣にいるべきだった筈だ」

「だから、ちゃんと決めましょ」

「彩葉と朝日さんが戦って、彩葉が勝ったら俺が間違ってた。朝日さんが勝ったら朝日さんが間違ってたって事で」

 

(俺メリットなくね?……なんて言えないよな)

 

朔夜のまなざしが、帝の首を確かに縦に頷かせた。

 

 

睨み合いをやめて、帝と激突する。

かぐやと私は、一回戦目よりずっと連携が取れるようになってきた。

それでも、あと一歩が攻めきれない。

 

━━━お父さんがいなくなって、お兄ちゃんは部屋にいることが増えた。

ずっと続けてきたサッカーもやめて、家では本を読むかゲーム。

いつしかお兄ちゃんはゲームの方が好きになって、プロになって、上京して、私は家の中で母と二人きり。

私が朔夜やヤチヨに頼りっぱなしの間に、お兄ちゃんはずっと腕を磨き続けてきた。

 

「………勝てんわ」

 

そんな言葉を蓄積した溜め息のように吐き出す。

 

 

ぎゃぁ~と奇声をあげながらかぐやが隣に転がってきて、すぐ立ち上がる。

 

「ち~くしょ~!だが勝つ!」

 

かぐやは瞳を輝かせながら笑ってた。

 

 

激しい戦闘なのか衝撃音が響くボイスチャットの中で、朔夜の声が聞こえてくる。

 

好きな人から頑張れって言われたんだ。負けれる訳ねぇだろが!!」

 

ちょっといつもより口が悪い朔夜も、多分笑ってる。

 

 

「もし、うちらが勝ったらそっちもお願い聞いてくれんだよね?」

 

小さく、お兄ちゃんは頷いた。

 

もう大丈夫だ。

 

勝てる。

 

私とかぐやは二手に分かれて走り出す。

高台に上って、上空からかぐやのハンマーを振りかざす。

 

「武器の入れ替え!はっ!」

 

帝の周囲に円を描くように武器を投げては交換しながら足場を破壊する。

 

今!

 

ワイヤーを伸ばしたままの双剣の片割れを帝の背後の柱に勢いよく突き刺した。

ワイヤーの先のアンカーは既にかぐやのハンマーに刺さっている。

かぐやは、帝を攻撃しようとして空振りしたハンマーを地面にめり込ませてしまい、頑張って抜こうとしている━━━ふりをしている。

 

「ゲームセットだ」

 

帝がかぐやにとどめを刺そうとしたその時。

柱に刺していた双剣を引き抜いてたわませていたワイヤーを一気に巻き取り、帝を締め上げて拘束する。

 

「ハンマーにワイヤー………?囮はかぐやちゃん!」

 

作戦はかなり大雑把で戦いながら考えた部分が大半だ。

でも、こっちはかぐやのおしめだって替えてきたんだから━━━━

 

 

 

「かぐやの考える事くらい、わかってるっつーの!!」

 

 

 

私の剣は、確かに帝を両断した。

 

「………やりゃできんじゃん(お前が間違ってたってよ、朔夜)」

 

「彩葉すっご~い!!」

 

帝の声を聞き届けてやって来たかぐやと、私は仲良しの合図を交わした。

 

 

 

 

 

 

(クールタイムは、あと27秒)

 

はっきり言うと、二対一はめちゃきつい。

だから、さっさと一人を落としたい所だ。

あっちも残機はもうない。一人倒せば天守を落とす火力が足らずにこっちの勝ち………。

 

(な訳ねぇだろが!!)

 

彩葉に頑張って、て言われたんだ。

かぐやにパンケーキ作るつったんだ。

 

「勝たなきゃ男じゃねぇよなぁ!!」

 

乃依の射撃は問題じゃない。

同じ遠距離同士、狙う場所、タイミング、全部俺は分かる。

接近されない限りは、乃依は脅威に成り得ない。

 

カチッ

 

「やべ!」

 

地面が爆発し、土埃が辺りに舞う。

雷さんがキツすぎる!

相変わらず、地雷いつ仕掛けてんだよ!見えねぇっての!!

 

「雷兄~見えないんだけど~」

 

「ならお前もこい。なぜ後ろからチクチクしている」

 

「………(さっくーの顔見たくないからって言ったら雷兄怒るよね)はいはい~」

 

おいおい乃依も来たらまじでやばいって。

突然、風を切る音が後ろからした。

頭を下げると、乃依のカッターが俺の首があった場所を過ぎ去る。

 

 

(こんままじゃジリ貧だ。仕方ない………これしかないか)

 

 

砂埃は、未だに舞い続けている。

俺が、雷さんの地雷を踏み続けてるからだ。

 

「………(何が狙いだ)」

 

「………(さっくーは何を……)」

 

敵の二人は、互いの位置が煙越しでも見えている。

だから必然的に、砂埃で動き続けている俺の位置も分かってる。

俺は、煙の中で動く二人がどっちが雷さんでどっちが乃依かは分からない。

 

(二択!!!乃依だったら俺の勝ち!雷さんだったら負け!!)

 

 

 

ガシッ

 

 

 

「………へっ………//!?」

 

俺が()()()()()のは乃依の方。

 

雷さんを掴んでたら、多分秒で下に地雷を置かれて死んでた。

 

クールタイムはもう終わった。

 

最大火力。

 

乃依と雷さんは、常に互いの位置を横目で見てた。

 

だから今の雷さんの位置は俺でも分かる。

 

「三人まとめて吹っ飛べぇぇ!!!」

 

乃依の背後から、俺の狙撃銃は火を放つ。

まず俺と、俺が抱き着いて位置を固定した乃依は消し飛んだ。

 

「………やられたな」

 

雷さんは大楯で、一応するかのように防御した。

俺の武器は、俺が死んだ後でも結果は残る。

 

雷さんの大楯と体もそのまま打ち抜いた。

 

(相打ち………引き分けってとこか)

 

『なんとなんとかぐやいろPが帝を撃破ぁぁ!!!』

 

(………パンケーキ作ってやんねぇとな~)

 

 

 

 

 

 

 

かぐやと私は、ライドに乗って天守閣を目指した。

乃依と雷は、朔夜が相打ちで倒してくれたから後は帝だけだ。

リスポーン地点からだし、順当にいけばこっちの勝ちだろう。

 

「彩葉が危なくなったら、かぐやが助ける!」

 

「かぐやがミスっても、私は置いてく~」

 

「なんで!!?別にいいもん!かぐやには朔夜がいるもん!」

 

「え~私の事も朔夜は助けてくれるし~」

 

「彩葉だけずるくない!!??」

 

「あはは~」

 

その後、ミニオンを倒しながら順当に天守閣に向かった。

帝ももうリスポーンしてるけど、間に合わないだろう。

ミニオンを蹴散らしながら、天守閣に登っていくかぐやを見守る。

 

 

「うぇーい、勝ち確ぅ━━!!………え」

 

 

筈だったが、かぐやは炎と共に上空に舞い上がった。

ん?爆発?爆発してない?

 

『あ~!!雷の地雷トラップ~~~!!!』

 

雷の置き土産で、かぐやはあっさりと残機を失った。

あ、ありえん!あのあほ!!

 

『帝急ぐ!!』

 

私も大将落としへと急いだけれど、結局。

 

『逆転ー!!決まってしまった。勝者、ブラックオニキスぅ!!!!!』

 

最後に天守閣で突き上げられたのは、帝アキラの拳だった。

 





乃依の心境がぐっちゃぐちゃです。

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