「それでね〜、朔夜はちっちゃい頃、転んだあと泣かないようにぷるぷる我慢してたの」
「へぇ~」
彩葉はマグカップを両手で包みながら、なるべく平静を装っていた。
けれど、口元はもう完全に負けている。気を抜けば今にも笑いがこぼれそうだった。
「でね、膝から血が出てるのを見た瞬間、こっち向いて、すっごく小さい声で言ったの」
ヤチヨはそこで一度、わざとらしく間を置く。
かぐやがクッションを抱きしめながら、前のめりになった。
「言ったの!?朔夜なんて言ったの!?」
ヤチヨは両手を胸の前で握り、声を少しだけ幼くする。
「……いたい」
「かわい〜〜〜〜〜〜!」
かぐやが床を転げ回った。
転げ回って、ソファの足に頭をぶつけて、また笑った。
「さくや、かわい〜!ちっちゃい朔夜、絶対かわいいじゃん!」
「……まあ」
彩葉はマグカップに口をつける。
「昔から、妙に我慢するところはあったけど」
「あるある〜。今でもそうだよね」
ヤチヨが頷く。
「泣きたい時も笑うし。怖い時も大丈夫って言うし。ほんとは甘えたい時も、先に誰かを甘やかそうとするし」
「分かる!」
かぐやが勢いよく起き上がった。
「朔夜、すぐ撫でる!かぐやが泣きそうになると、すぐよしよししてくれる!」
「彩葉にもするよね〜」
「……たまにね」
彩葉は否定しなかった。
というより、否定できなかった。
倒れた時も。泣いた時も。言葉がうまく出なかった時も。
朔夜はいつだって、こちらが逃げる前に手を伸ばしてくる。
それが時々ずるくて、時々腹立たしくて、でもどうしようもなく安心する。
「でもさ」
ヤチヨは少しだけ目を細めた。
「朔夜自身は、甘やかされ慣れてないんだよね」
その言葉に、彩葉は小さく息を止めた。
かぐやも笑うのをやめて、ヤチヨを見る。
「……ヤチヨは、そういう朔夜も見てたの?」
「うん」
ヤチヨは柔らかく頷いた。
「ちっちゃい頃の朔夜も、少し大きくなった朔夜も。全部じゃないけど、たくさん知ってるよ」
「そっか」
彩葉は、少しだけ羨ましいと思った。
自分は幼馴染だ。
朔夜の隣にいた時間は、誰にも負けないつもりだった。
それでも、自分が知らない朔夜がいる。
自分が見逃した泣きそうな顔や、遠くからしか見えなかった我慢や、ヤチヨだけが覚えている小さな頃の話がある。
それが悔しいわけではない。
ただ、少しだけ胸がくすぐったかった。
「あとね、朔夜は小さい頃、お昼寝するときにタオルケットの端っこをぎゅって握らないと寝られなかったの」
「うわ」
彩葉がとうとう笑った。
「それは今の朔夜に言ったら、めちゃくちゃ嫌がりそう」
「嫌がるよ〜、絶対」
ヤチヨは楽しそうに足をぱたぱたさせる。
「それでね。寝言で、いろは、待って、って言ったことが」
「え」
彩葉の手が止まった。
かぐやの顔が、一瞬でにやける。
「ほほ〜う?」
「いや、待って。小さい頃の話でしょ」
「彩葉。顔赤いよ~?」
「赤くない」
「赤い!」
「赤くない」
かぐやがにやにやしながら、彩葉の隣までじりじり寄ってくる。
「彩葉、嬉しい?」
「うるさい」
「嬉しい?」
「うるさいってば」
「嬉しいんだ〜」
彩葉は黙って、かぐやの額を軽く押した。
かぐやは「ぴゃ」と変な声を出して倒れる。
ヤチヨは二人を見て、くすくす笑っていた。
その笑い方が、ふと変わる。
いつもの配信者みたいな明るさではなくて、遠い日を思い出しているような、少しだけ静かな笑みだった。
「……なんかね」
ヤチヨは自分の手のひらを見下ろす。
「こういう話をしてると、思い出すんだ」
「何を?」
かぐやが床に転がったまま聞いた。
「ママだった頃のこと」
その言葉だけで、部屋の空気が少し変わった。
ヤチヨは照れたように笑う。
「別に、ほんとのママだったわけじゃないんだけどね。でも、朔夜のことも、彩葉のことも、かぐやのことも、ずっと見てたらさ」
そこで一度、声が柔らかくなる。
「かわいいなって、思っちゃうんだよ」
彩葉は何も言わなかった。
かぐやも、今度は茶化さなかった。
ヤチヨは続ける。
「頑張ってるところも、泣きそうなところも、強がってるところも、全部。みんな、本当にかわいい」
「……ヤチヨ」
「だからね」
ヤチヨはぱっと顔を上げた。
目がきらきらしている。
嫌な予感がした。
「朔夜に、ママって呼んでもらおうと思って♪」
沈黙。
彩葉はマグカップを置いた。
かぐやは一秒遅れて、爆発した。
「ママ!?」
「うん!」
「それ絶対おもしろい!」
「でしょでしょ?」
「絶対嫌がるよ、朔夜」
彩葉が呆れたように言う。
ヤチヨは胸を張った。
「だからいいんだよ」
「いいんだ」
「恥ずかしがる朔夜、かわいいもん」
「分かる!」
かぐやが即答した。
「朔夜、耳赤くなる!あと目を逸らす!それで、何言ってんだよって言う!」
「そうそう!」
ヤチヨとかぐやが妙なところで意気投合している。
彩葉は額に手を当てた。
「……朔夜、帰ってきたら大変だね」
「彩葉も協力してね!」
「しない」
「え〜」
「私は見てるだけ」
「それ協力とほぼ一緒じゃん!」
かぐやがびしっと指をさす。
彩葉は否定しようとして、少し考えてからやめた。
その瞬間だった。
玄関の方で鍵の開く音がした。
三人の動きが止まる。
「ただいまー」
朔夜の声。
買い物袋の擦れる音がして、リビングの扉が開く。
「悪い、ちょっと遅くなった。卵安かったから買ってきたんだけど……」
朔夜はそこで言葉を止めた。
彩葉が口元を押さえている。
かぐやはクッションを抱えて、明らかに笑いを堪えている。
ヤチヨは満面の笑顔で、こちらを見ている。
「……何?」
朔夜の眉がゆっくり寄る。
「なんでそんなニヤニヤしてんの?」
誰も答えない。
答えないまま、かぐやがぷるぷる震え始める。
彩葉が視線を逸らす。
ヤチヨだけが、にこにこのまま両手を広げた。
「おかえり、朔夜」
「……うん、ただいま」
「ねぇ、朔夜」
「何」
「ヤチヨのこと」
そこでヤチヨは、これ以上ないくらい甘い声で言った。
「ママって呼んで?」
買い物袋が、床に落ちた。
「……は?」
かぐやが限界を迎えて、床に崩れ落ちた。
彩葉もとうとう噴き出した。
ヤチヨは両手を広げたまま、満足げに笑っている。
朔夜だけが、世界で一人取り残された顔をしていた。
「俺がいない間に、何の会議してたの?」
□
月の見える夜だった。
テラスに出ると、風が少しだけ冷たかった。地球の夜は、何度経験しても不思議だ。空気に匂いがあって、遠くで車が走っていて、どこかの家から夕飯の残り香が漂ってくる。
かぐやは手すりに腕を乗せて、丸い月を見上げていた。
「かぐや?」
後ろから声がした。
振り向くと、ヤチヨが薄いカーディガンを羽織って立っていた。きらきらしたステージ衣装でも、配信用の姿でもない。今はただ、夜風に少し髪を揺らす女の子だった。
「寒くない?」
「だいじょぶ。かぐや、強いから」
「そっか」
ヤチヨは隣に並んだ。
しばらく、二人で月を見た。
先に沈黙を破ったのは、かぐやだった。
「ねぇ、ヤチヨ」
「うん?」
「ヤチヨはさ」
そこで一度、言葉が止まった。
喉の奥に引っかかったものを、無理やり押し出すみたいに、かぐやは続ける。
「かぐやのこと、ずるいって思わない?」
ヤチヨはすぐには答えなかった。
かぐやは、手すりを握る指に力を込める。
「だって、ヤチヨは八千年、過ごしたんでしょ」
「うん」
「いっぱい寂しかったでしょ。いっぱい待ったでしょ。変わっちゃったものとか、なくなっちゃったもの、たくさん見たんでしょ」
「うん」
「でもかぐやは、違う」
声が震えた。
「かぐやは、八千年をちゃんと過ごしてない。朔夜と彩葉といた時間の続きみたいな顔して、今ここにいる」
手すりの向こうに見える街の灯りが、少しだけ滲む。
「ヤチヨが待ってた時間を、かぐやは知らない。ヤチヨが頑張った時間を、かぐやは持ってない」
「……」
「そんなかぐやが、ただいまって言って。おかえりって言われて。朔夜に撫でてもらって、彩葉に怒られて、ヤチヨに笑ってもらって」
かぐやは、笑おうとした。
失敗した。
「それって、ずるくない?」
ヤチヨは月を見たまま、ゆっくり瞬きをした。
「ずるい、かぁ」
「うん」
「思ったこと、ないよ」
「……嘘」
「ほんと」
即答だった。
かぐやが顔を上げる。
ヤチヨは、いつもの明るい笑顔ではなかった。けれど、悲しい顔でもなかった。
「かぐや。ヤチヨはね、八千年を罰として過ごしたわけじゃないよ」
「でも」
「寂しかったよ。悲しかったし、怖かったし、何度も嫌になった」
その言葉は、軽くなかった。
だからこそ、かぐやは何も言えなくなる。
「でもね。その時間全部が、かぐやを恨むためにあったわけない」
ヤチヨは自分の胸に手を当てる。
「ヤチヨは、待つ中でいっぱい知ったよ。人も、地球も。朔夜が残したもの。彩葉が繋いだもの。かぐやが大好きだったハッピーエンドの続きを」
風が吹く。
ヤチヨの髪が揺れる。
「八千年は、確かに長かった。でもその長さの中で、ヤチヨはヤチヨになれた」
「……ヤチヨに、なれた?」
「うん。誰かの代わりじゃなくて、ただの機能でもなくて」
ヤチヨは、かぐやを見る。
「ここにいる、月見ヤチヨになれた」
かぐやの目が大きく揺れた。
「だから、かぐやが今ここにいることを、ずるいなんて思わないよ」
「……なんで」
「だって、ヤチヨがいっちばん欲しかったご褒美は」
ヤチヨが笑う。
今度は、かぐやに少しだけ近い笑顔だった。
「
その瞬間、かぐやの中で何かが決壊した。
「ヤチヨぉ……」
「おいで」
言われる前から、かぐやは飛びついていた。
ヤチヨの体はあたたかかった。
「ごめん……」
「うん」
「かぐや、知らなくてごめん……ヤチヨが寂しかったの、全部知らなくて……」
「うん」
「それなのに、ただいまって言ってごめん……」
「そこは謝っちゃだめ」
ヤチヨの声が、少しだけ強くなった。
「かぐやのただいまは、ヤチヨがずっと聞きたかった言葉だから」
かぐやは、ヤチヨの服をぎゅっと握った。
「じゃあ……言っていい?」
「うん」
小さな声で。
けれど、今度は逃げずに。
「ただいま、ヤチヨ」
ヤチヨはかぐやの背中を撫でた。
「おかえり、かぐや」
月は、変わらず空にあった。
八千年の距離なんて知らない顔をして、二人の影を静かに照らしていた。
□
「朔夜が結婚します」
かぐやが真顔で告げた瞬間、リビングの空気が凍った。
「……誰と?」
彩葉の声は、驚くほど低かった。
「分かんない」
「分かんない?」
「求婚者が多すぎて」
「……は?」
かぐやはノートPCをくるっと回した。
そこには、ツクヨミ内のトレンドが表示されている。
〈#さっくー結婚して〉
〈#神代朔夜と入籍希望〉
〈#朔夜くん婿入りチャレンジ〉
〈#ツクヨミ 婚姻届 送り方〉
彩葉は無言で画面を見た。
さらにスクロールする。
女性ライバー達の投稿が、ずらりと並んでいた。
『さっくー、うちのチャンネルに永久就職しませんか?』
『ゲーム強い、歌上手い、家事できる。旦那力が高すぎる』
『ヤチヨ様公認護衛なら、私の人生も護衛して』
『一回でいいから「おかえり」って言われたい』
『婚姻届、ツクヨミ便で送ります』
「……へぇ」
彩葉が笑った。
笑っているのに、目が笑っていなかった。
朔夜はソファの端で、クッションを抱えて小さくなっている。
「俺は何もしてない。ほんとに」
「知ってる」
「知ってる声じゃない」
かぐやが両手を腰に当てる。
「というわけで、朔夜争奪戦が開催されます!」
「開催しなくていい!」
「ルールは簡単!朔夜に求婚したいライバーは、彩葉とかぐやにゲームで勝つこと!」
「なんでそうなる!?」
「もう告知しちゃった」
「事後報告!」
彩葉は静かに立ち上がった。
「かぐや」
「はい!」
「ルール、詳しく」
「彩葉、乗るんかい」
「放っておいたら、朔夜が百人分の婚姻届に埋もれるでしょ」
「埋もれねぇよ!」
「分かんないじゃん。朔夜、押しに弱いし」
(そうか……?かぐやが言うならそうなのか……?)
かぐやは楽しそうに説明する。
「一対一のSETSUNA勝負!挑戦者は百人!彩葉とかぐやが交互に相手する!勝ったら朔夜への求婚権ゲット!」
「求婚権って何」
「負けたら、朔夜への求婚禁止一か月!」
「ぬるい」
彩葉が即答した。
「一生」
「はい!一生にします!」
かぐやが元気よく修正した。
「俺の意思どこ?」
「朔夜は景品だから黙ってて」
「人権!」
□
ツクヨミ内の特設会場は、見たこともないほど盛り上がっていた。
中央には大きなリング。
その横には、なぜか椅子に縛られた朔夜。
「この拘束いる?」
「逃げるでしょ」
「逃げるよそりゃ」
彩葉はいつもの冷静な顔でコントローラーを握っていた。かぐやは隣で準備運動をしている。
実況席には、いつの間にかヤチヨがいた。
「ヤオヨロー!本日は緊急特番、神代朔夜争奪・百人斬りチャレンジ〜!」
「ヤチヨまで何してんだ」
「朔夜がモテモテでヤチヨも鼻が高いよ〜」
「親戚のおばちゃんみたいなコメント」
最初の挑戦者が現れる。
人気急上昇中の女性ライバー、白蛇ミコト。白い着物アバターに、にっこりとした笑顔。
「さっくー様。わたくし、家事は苦手ですが愛はありますの」
彩葉が前に出る。
「家事できないなら論外」
「厳し」
試合開始。
三十秒後。
ミコトは地面に沈んでいた。
『瞬殺ぅぅぅぅ!彩葉選手、開幕から容赦なし!』
「次」
「彩葉、怖いって」
二人目。三人目。四人目。
彩葉は淡々と倒していく。
「朔夜くんに毎朝味噌汁を」
「朔夜は自分で作れる」
撃破。
「さっくーの歌声を独占したいです!」
「却下」
撃破。
「負けたら潔く諦めます。でも勝ったらデートを」
「論外」
撃破。
その横で、かぐやも大暴れしていた。
「朔夜はかぐやのパンケーキ係なので渡しません!」
「理由それかい!」
「朔夜はかぐやにお料理教えてくれるし、頭撫でてくれるし、すぐ甘やかしてくれるし、つまり家族だから!」
「……あ、ありがと!」
かぐやは真正面から突撃して、相手の奇策も駆け引きも全部ぶち抜く。
「好きなら勝て!勝てないなら出直してこーい!」
『かぐや選手、あまりにも戦闘民族!』
五十人を超えた頃、会場の熱はおかしな方向に達していた。
『あれ?これ朔夜くんより彩葉ちゃんとかぐやちゃんに惚れる大会では?』
『いろPに冷たく倒されたい』
『かぐやちゃんに馬鹿正直に負けたい』
『朔夜、守られてる姫じゃん』
『姫代朔夜』
「姫代言うな!」
ヤチヨがにこにこしながら読み上げる。
「コメント欄では、朔夜姫説が濃厚です」
九十九人目。
相手はトップクラスの女性ライバー、紅蓮院アリア。赤いドレスに剣を携えた、いかにも強者という雰囲気だった。
「神代朔夜。あなたを我が伴侶として迎えに来ました」
「俺の意見は?」
「もちろん尊重します。まずは、あなたを守る騎士を倒してから」
彩葉とかぐやが同時に前に出た。
「誰が騎士?」
「かぐやは姫でも騎士でもいける!」
「いや、俺が姫扱いで確定してるの何?」
アリアは強かった。
彩葉の読みを外し、かぐやの突撃を受け止め、リングを大きく使って二人を翻弄する。
けれど。
「かぐや、右」
「はい!」
「そこで跳ばない。待ち構えて」
「おっけー!」
彩葉の指示に、かぐやが笑って従う。
二人の動きが噛み合う。
彩葉が道を作り、かぐやが壊す。
かぐやが相手を揺らし、彩葉が仕留める。
「……いい連携ですね」
アリアが笑った。
「ええ」
彩葉も笑った。
「朔夜を取られるわけにはいかないので」
最後は、彩葉の一撃とかぐやの追撃が同時に入った。
九十九人目、撃破。
会場が揺れる。
そして、百人目。
リングに現れたのは、なぜかヤチヨだった。
「はいはーい。ラスボスはヤチヨです」
「ヤチヨ!?」
「ヤチヨも朔夜に、求婚……じゃなくて求家族します」
「求家族って何!?」
彩葉が苦笑する。
かぐやが噴き出す。
「それはもう、通ってるんじゃない?」
「ヤチヨは家族でしょ!」
ヤチヨは嬉しそうに笑った。
「じゃあ、百人目は不戦勝かな?」
彩葉とかぐやは顔を見合わせる。
そして同時に、朔夜の方へ歩いてきた。
拘束を解かれた朔夜は、疲れ切った顔で立ち上がる。
「……終わった?」
「終わった」
「ぜーんぶ倒した!」
「そっか」
朔夜は二人を見て、少し困ったように笑った。
「ありがとな。守ってくれて」
彩葉は目を逸らす。
「別に。面倒ごとを処理しただけ」
かぐやは胸を張る。
「朔夜はかぐや達のだからね!」
「物扱いはやめような」
その時、彩葉が小さく手を上げた。
ピース。
かぐやも笑って、同じ形を作る。
朔夜も、少しだけ照れながらそれに応じる。
ピースからの、ちょっきんからの。
「こんっ」
三人の指先が触れた瞬間、会場のコメント欄が爆発した。
『勝てるわけない』
『これは無理』
『夫婦と娘じゃん』
『いや家族じゃん』
『朔夜姫、末永く守られてくれ』
「姫はやめろ!!」
その叫びも含めて、会場は今日一番の歓声に包まれた。
乃依は