彩葉に男の幼馴染がいたっていいじゃない   作:ザワザワする人

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仲良しのやつっ!

かぐやの快進撃はまだ続く。

 

「朔夜~、ゲーム教えて~」

 

勉強中にピコンと届いたかぐやからのメール。

 

「今、彩葉そっちいるでしょが。諌山と綾紬に教えてもらいなさい」

 

「え~~~朔夜じゃなきゃやだ~~~~」

 

(この我儘娘は………)

 

「……基礎だけだからな」

 

「ありがと朔夜!先行っとくね!!」

 

俺は解いてた参考書とノートを閉じて、ツクヨミに向かう。

かぐやは、想像以上に筋が良かった。

良い意味で豪快、悪い意味で大雑把。

 

(豪快さ………か)

 

もしかしたら、俺もかぐやから教わるものがあるかもしれない。

今度開かれるSETSUNAの大会は、もう三日後に迫ってる。

肩慣らしにはちょうどいいか。

 

「かぐや~。SENGOKUやる?」

 

「SENGOKU?朔夜がやるならやる!!」

 

「おっし。それじゃあ行くぞ」

 

かぐやに一通りのルール説明を終えた後、俺達は一人足りない事に気が付き急に呼んだのだが綾紬が来てくれた。

俺の配信者の事はどうやら綾紬と諌山にはかぐやが言ってしまったらしい。

まぁそこ二人ならいいだろ。彩葉には言わんだろし。

 

「かぐやと綾紬は基本的に一緒に行動な。最初はとりあえずボトム……一番下の所に行ってくれ。綾紬、かぐやは一応初心者だからミスってたら色々教えてやってくれるか?」

 

「りょうかい」

 

「かぐやは派手に暴れろよ~?順位上がるかもだぞ」

 

「うん!かぐや頑張る!!」

 

「そんじゃま、行きますか~「神代君」…どした綾紬?」

 

マッチングを開始しようとしたら、綾紬から声を掛けられた。

 

「私、かぐやちゃんにも神代君にも負けるつもりないから」

 

(?????キルログの話か???それにしては、やけに真剣な眼差しというか)

 

「お、おう………頑張れ!」

 

結局、綾紬が何を言いたいかは分からなかった。

キルログもちゃんと俺が一位だったけど、悔しそうじゃなかったし。

それにしても、かぐやの動きは参考になる。

空中である程度飛行が出来るっていうのも、俺の武器に似てるし。

 

(見てろや黒鬼………。ついに一位貰うぞ!!)

 

 

 

 

「助けて、彩葉!!」

 

私が眠気をエナジードリンクで抹殺しながら勉強していると、急にかぐやに後ろから抱きしめられた。

 

「このままじゃかぐや結婚しないといけないの」

 

「いや、は?」

 

ちょっと目を離してる隙に何を。

 

「なんかー、創作料理の配信してた筈なんだけどー。求婚コメントが殺到しちゃってさー。

めんどくさいから、ゲームで勝ったらいいよーって言ったらめっちゃ負けそう!彩葉代わりにやって~」

 

情報量が多い!

 

「朔夜に頼んだら?聞く所によると強いらしいよ」

 

「う~~ん………朔夜は連絡返ってこない~~」

 

「私は無理~」

 

「え~今やってるんだけど………一本目秒で取られて………あ、二本目も死にそう」

 

「今、対戦中なんかい!!!」

 

あ、やってしまった。

気付けばついコントローラーを、握ってしまっていた

いやこれは違う。私の放置が許せないちうゲーマー魂に火がついてしまっただけで。

決して、かぐやの結婚を阻止したいという訳じゃなくて。

 

「彩葉?何か言った?」

 

「何も言ってない!!」

 

その後怒涛の28連勝でリスナーを蹴散らし、若干の炎上を引き起こし、雑談配信は幕を閉じた。

 

一方その頃、連絡が付かなかった朔夜はというと。

 

「結婚してぇぇぇさっくぅぅぅぅ!!!」

 

「いやせんわ」

 

「結婚を前提にお付き合いしてぇぇぇぇぇ!!!」

 

「結局一緒やろがい」

 

「拙者と、是非夜伽を………」

 

「あんたはそも男やろがい!」

 

「結婚したのか………俺以外のやつと」

 

「してないわ!」

 

「敬愛なる信徒よ………脳が、震える!!」

 

「もう関係ないやんけ」

 

かぐやとの歌枠コラボで爆増した結婚志願のリスナーと一部のイカれているリスナーを相手に、かぐやと同じくSETSUNAをしていましたとさ。

 

 

と、ドタバタしている内にかぐやといろPはグイグイとヤチヨカップの暫定順位を上げていく。

今ではもう俺と一緒くらい?かな

そして、それと共にもちろん集まってくるのが。

 

「うひひひひ。ふじゅ~がこんなに。うひひひ」

 

ファンの方々のありがたいお布施である。

更にふじゅ~はスマコンを通して感情がポジティブに動いたと判定されれば、運営━ヤチヨから支払われる仕組みになっている。

 

「うひひひ、大判小判がざっくざく~!!」

 

「かぐや~?浪費家になっちゃダメだぞ~」

 

「浪費家ってな~に?」

 

「え、むず。彩葉頼んだ」

 

「用は、無駄遣いしないって事。所詮、あぶく銭、水物なんだから」

 

「かぐやは無駄遣いしないし!!全部必要なの!朔夜の許可得てから買ってるし!そもそも合法でございましょ~?」

 

「………朔夜~?」

 

「いやいやお金は出してない。ヤチヨに誓って」

 

あっぶね~~~。ほんとに貸してないのに。

 

「せめて部屋は片づけてよ。今、朔夜しか片づけしてないじゃん」

 

「えー無理だよー。この部屋狭すぎるもん。引っ越そうよ!いい物件見つけたんだ~!!」

 

引っ越すのか。まぁこれ以上ゴミ………配信で使うものを増やされたらもう入んないな。

 

「朔夜も一緒ね!!」

 

「………は?」

 

いやいやいや。彩葉と同棲とか俺の心臓が持たんて。

かぐや?別にいいよ。たまに俺の部屋来てそんまま寝てるし。

 

「彩葉が嫌がるに決まってるだろ、かぐや」

 

「え、私は別に朔夜と暮らす事はいいよ。小っちゃい頃にお泊り会だってしたじゃん」

 

(??????????????)

 

「でも!引っ越しは反対!」

 

「え~~~なんでなんで~~!!━━って!もう時間だよ彩葉!!!」

 

ま、まぁ同棲……の話は置いといて!!

今日はかぐやの初めてのソロライブ。

この前みたいな俺との歌枠配信ではなく、ツクヨミのライブ会場を予約して、宣伝を打って、スタッフを雇って、お客さんを入れるガチのコンサートである。

 

「………ほんとに私も行くの?」

 

どうやらかぐやの要望で、伴奏は彩葉。

着ぐるみは着ているし、かぐやからのお小遣い?も出るらしい。

 

「ま~だビビってるの彩葉~?」

 

「いや、そりゃそうでしょ。こんな大舞台に出る事なんてなかったし………」

 

「だいじょうブイ!彩葉とかぐやがいればさいきょ~だから!それで朔夜もいたら超さいきょ~!!なんだけどな~………?」

 

「俺は今日バイトだから行けないぞ」

 

「分かってます~!だから、朔夜はまた今度ね!」

 

「へいへい」

 

「適当に受け流さないの!」

 

ライブは流石に無理だろ。歌枠ならまだしも。

歌って踊る俺の需要はいずこに。

 

「だから、彩葉。ライブでのかぐやの事頼んだ。しくじってもあんま怒んないでやってな」

 

「………分かった」

 

よし、しぶしぶっぽいけどOKしてくれたようだ。

 

「じゃあ、俺はもう行くわ。かぐやも彩葉も頑張ってな」

 

「待って朔夜!行く前にこっち来て!」

 

彩葉の部屋から出ていこうとしたら、急にかぐやに引き留められた。

時間ないってのに。

 

「ほ~ら、彩葉も!」

 

「わ、私も?」

 

「そ!三人でやるの!」

 

かぐやは、両手をそれそれじゃんけんのチョキにして俺と彩葉に差し出した。

俺と彩葉は目を合わせてから、かぐやと同じようにじゃんけんチョキを返す。

互いの指をくっつけてから、挟みあう。

そんでもって、キツネのキス。

 

「ピースからの~ちょっきんからの~、こんっ!」

 

「かぐやと彩葉と朔夜の、三人だけの合図!仲良しのやつ☆」

 

「ほらほらっ!彩葉と朔夜も!」

 

かぐやに言われるがまま、俺と彩葉も同じ事をする。

 

「ほら、彩葉」

 

「ん」

 

ピースからの、ちょっきんからの、コンっ。

 

「じゃあ、そろそろほんとに行くから。俺も後でアーカイブ見るからがんば~」

 

そのまま靴を履いて、俺はばたんと扉を閉める。

空にピースをかざしてみれば、いまでも二人の温かさが残ってる。

 

(いいじゃん)

 

今日は木曜日。BAMBOOcafeが一番混む日だ。

それでも、やる気がみなぎってくる。そんな気がした。

 

 

 




「彩葉~?そんなに手眺めてどしたの?」

「な、なんでもない!ほら、早く行くよ!」

「お、置いてかないでよ~彩葉~!!」

「………(手、おっきかったな)」
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