Side鳴汰
火楽さんと一緒にポケモン探しに大樹の森を探索する事となった。
道中ですぐにイトマル、ポッポと遭遇し対話した所、話が通じたので今はモンボに入れる事なく共に同行している。
ポッポに至っては色違個体だった。
「キャーー!?」
「「『!」」』
更に奥へと進んで行くと人の叫び声が聞こえてきた。
「急ごう!」
「ああ…」
火楽さんに急かされ続く。
ン?…これって真逆…な
「た、助けて!…」
「大変だ!」
「あー…」
其処にはやはりといった所かヴァンパイア族である幼女化したルーさんがクロ達とデルビルの群れに睨まれていた。
「ってヘルガーに進化している個体が居るじゃねえか!しかもデカイ…オヤブン個体か!」
デルビルの群れの中に一際サイズの大きいヘルガーまでもが居た。
「火楽さんはクロ達を大人しくさせてくれ。
こっちは俺達がやる!」
「あ、ああ分かった!クロ、ユキ!ステイ!」
「「クウン…」」
火楽さんにクロ達を落ち着かせるのを任せて、ヘルガーが間違い無くオヤブン個体であると確信した俺は対話を試みる。
「ヘルガー!デルビル達も人を襲うのをやめるんだ!」
『ン?ニンゲン…ではないな…!何だいお前?!』
「俺は鳴汰、元人間の今はメタモンさ!…どうしても暴れてえっていうのなら俺達が相手になってやろうか!」
オヤブンヘルガーは有り余るパワーを発散したいような様子だった。
『何っ!?…元ニンゲンのメタモンだと!?…面白い!…
子分共!アイツ等をやっちまうよ!』
『ウオーン!』
俺がそう話を持ち掛けるとヘルガーはそう言いながらデルビル軍団と共に襲い掛かってきた。
「イトマルとポッポはデルビル軍団の相手を頼む!あのオヤブンヘルガーは俺が相手取る!」
『分かった~!』
『サクッと倒しちゃうっぽ!』
イトマル達にデルビル軍団の相手を任せて俺はオヤブンヘルガーに対し臨戦態勢を執った。
「<みずでっぼう>!」
『そんな攻撃じゃあオレの足は捉えられないよ!<かみくだく>!』
「うおっ!?…」
俺はみずでっぽうを繰り出して仕掛けるがやはり足が速いヘルガーには容易く回避され反撃を喰らってしまった。
『ほらほらどうしたんだい?どんどんいかせてもらおうじゃないか!<ひっかく>!』
「…かかったな!今度は!…<いとをはく>!」
『なっ!?…』
挑発しながらヘルガーは不用意に俺に再び接近してきた。
その油断の隙を狙い俺は0距離でいとをはき奴を拘束した。
『くっ!?…オレの足を!…』
御自慢の足を封じられたヘルガーは必死に脱出を試みようと藻掻くがそれをする程糸の粘り付きが強まる。
「お次はコレだ!<つばさでうつ>!」
『う、うああああー!?』
拘束したヘルガーを両手を変化させた翼で叩きつける。
「トドメだ!<たいあたり>!」
『ああ!?…』
トドメとばかりにたいあたりを繰り出し突撃、ヘルガーは目を回し気絶した。
「よし!…モンスターボール!」
気絶したオヤブンヘルガーにモンボを投げて見事捕獲出来た。
「オヤブンヘルガーゲットだぜ!」
オヤブンヘルガーを捕獲したモンボを拾い上げガッツポーズをした。
『メタモンーこっちも終わったよー!』
『楽勝だったぜ!』
『きゅ、きゅうう…』
「イトマル、ポッポお疲れ様!」
その直後にイトマル達もデルビル軍団を撃破したようだ。
軍団の内の二匹だけが目を回し気絶していた。
どうやら残りの奴は既に縮小化して逃げ出していたようだった。
「ふいー、デルビルも二匹ゲットだぜ!」
勿論気絶していたデルビルも捕獲し周囲に他に野生ポケモンが居ない事を確認し火楽さん達に向き直るとルーさんが彼を吸血し元の大人の姿になっていた。
「一時はどうなることかと思ったわホントに…インフェルノウルフに見た事ない魔物の群れに襲われて中々撃退出来なくて力をうっかり消費し過ぎたし…それにしてもこの「死の森」に他に人間が居るとは思わなかったけどね」
「はっ!?…」
ルーさんの言葉に火楽さんは素っ頓狂な声を上げた。
「え?真逆そんな事も知らずにこんな所に!?」
「あ、ああ…まあ普段はこんな奥にまで来る事がなかったからな…」
「まあいいわ、それよりそっちのアンタとその奇妙な魔物達は一体何者なのかしら?」
ルーさんの言葉に火楽さんはそう答えるしかない。
そしてルーさんが今度は俺やロトム達を観察しながら質問してくる。
「俺やイトマル達はこの世界でいう魔物とは似て非なる存在だ」
「へ?…この世界?…」
俺は彼女に自身やポケモンに関する事を話した。
ついでに火楽さんについても
「べ、別世界の生物ですって!?…それにアンタやヒラクも別世界の人間だった!?」
「そうなるな」
説明し終えるとルーさんはかなり驚いていた。
「…決めたわ!私をアンタ達の拠点に案内しなさい!」
「え?」
ルーさんは思案したかと思うとそう言ってくる。
それに火楽さんは首を傾げた。
「私は元々この森には研究をしにやって来たのよ…アンタ達やそのぽけもん?って未知の存在にも俄然興味が沸いてきたわ!
だから…ね?」
「ああ、その為に拠点が欲しい訳か…」
「そういう事よ、それにちょーっとばかしやらかしちゃってしばらくの間は国には帰れないのよ…」
「一体何を…」
どうやらポケモン達に興味を示したみたいでそう言ってきた。
「まあ、そういう事なら別に良いけど…」
「俺も別に構わないぞ」
「決まりね!」
かくしてルーさんがこの死の森改め大樹の森に住む事となった。
それから翌日の早朝の事だった。
「フー!…」
「あ、おきたー」
「誰!?…」
目が覚めると何故か俺の体の上に見知らぬ犬耳の美女とその傍らにまだ幼い男の子と幼女が居た。