TS転生した僕の平穏な学校生活   作:洒落た機長

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カッコつけ失敗

僕の名前は神代リク。どこにでもいる普通の女の子……ではなく、前世で運悪く交通事故に巻き込まれ性転換して転生してしまった男(見た目は女)だ。

 

転生したての頃は慣れない体で苦労したが、今ではすっかり受け入れている。死んでしまった後悔はあったが折角第2の人生を歩めるのだから今世では出来る限り善行を心掛けるよう生きてきた。

例えば迷子の子供の親を一緒に探してあげたり、おじいさんやおばあさんの荷物を持ってあげたり…。時には余計なお世話だと突っぱねられることもあったがずっと続けてきた。

 

そんな風に生きてきてもう今年で高校生だ。中学までの友達はほとんど別の高校へ行ってしまったが、心機一転頑張ろう。

 

 

入学式や担任の先生の紹介、クラスメイトの自己紹介も終わり明日から本格的に授業が始まる。今日はもう特に何もなくこのまま帰れるので早く帰ろうと思っていたら、ふと、気になる光景が目に入った。

 

複数の生徒がたった1人の生徒を校舎裏に連れ込んでいたのだ。明らかに"アレ"だな…。前世では終ぞ遭遇しなかった"いじめ"とかいう行為。目の前でいじめが起こっているのを見逃せる程僕はクズではない。というか転生した時に善行を積み重ねようと誓ったのだ。

 

僕は意を決して飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボコボコにされました。

威勢良く飛び出したは良いもののすぐに取り囲まれ袋叩きにされました。所々出血するわ痣はできるわで散々だわホント…。

 

……いや人助けできたし安いもんか。

 

「あの、大丈夫ですか…?」

 

さっきいじめられていた子が話しかけてきた。肩の辺りまでかかる程真っ直ぐ黒髪が伸びており、真ん丸の黒い瞳が心配そうにこちらを覗いている。

 

いじめられてた理由が嫉妬なんじゃないかと疑うくらい綺麗だ。

 

「全然大丈夫ですよ、むしろ元気が湧いてきたくらい。」

 

笑顔を浮かべながらそう答えた。それでもその子は顔が暗いままだ。

 

「なぜ初対面なのに助けてくれたのですか?貴方には関係無いのに…。」

 

そう言いながら涙を流した。会ったばかりでこの子のことは知らないが、とても良い子なのは伝わってきた。

 

「困ってる人を助けるのに理由なんていらないでしょ。」

 

痛む体にムチを打ちそのまま帰ろうとした。

 

「そんな体で動くと危ないですよ。一先ず保健室に行きましょう。」

 

そう言われ保健室に連れて行かれることとなった。

 

 

怪我の応急処置をした後、危ないのでさっき助けた子と一緒に帰ることになった。

 

「ゴメンねわざわざ手伝わせちゃって。」

 

「私の方こそ怪我をさせてしまいすみません。」

 

「いやいや、君のせいじゃないよ。元はアイツらが悪いんだから。」

 

さっきこの子をいじめようとしていた子達を思い出す。いじめはどんな理由があっても許されない。あの子達は絶対この子の前で土下座させてやる。

 

「そういえば名前聞いてなかったね。僕は神代リク。君の名前は?」

 

「私は天音ココナです。」

 

「ココナ、ね。よろしく。」

 

そうやって自己紹介や他愛のない話をしていたらいつの間にか家に着いていた。

 

「僕の家ここだから。また明日、ココナ。」

 

「あの、本当に怪我は大丈夫なんですか?」

 

「心配性だなぁ。もう平気だって。それと、また今日みたいなことがあったら遠慮せず相談してね。絶対ココナの力になってみせるから。」

 

「…ありがとうございます。今日のことは絶対に忘れません。」

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