ハーレム系ギャルゲの主人公に転生したけどお助け友人枠がいい奴すぎてどうにかして幸せにしたい話 作:のうめん
頭に強い鈍痛が走る。
「ちょっと!大丈夫!?」
心配する女の子の声が聞こえる。
その声は初めて聞く声だ、
しかしどこか聞き覚えある声に聞こえ…
「し…四季?」
自然と名前を口走っていた。
ー1時間前ー
今朝から心臓の調子が悪く家の寝床でぐったりしていた。
足もろくに動かず、誰かの助けがなければまともに立てもしない。
そんなワシに愛想を尽かし家族は皆いなくなってしまった。
あるのは年金と介護施設からやってくる職員のみ、まったく寂しい世界である。
やせぎすの身体からはもう気力は感じられない。もう体力はとうに限界を迎えていた。
「〇〇さん!聞こえますか!?」
はいはい、聞こえてますよ〜
「〇〇さん!〇〇さん!」
いやだからワシ聞こえてるって
「身体が冷たくなってるし息もしてない、救急車…親族の方に連絡しないと」
え?なにがどうなっているんだ?ワシは元気にここに立って…
……立って?今までワシはそこの寝床に寝ていて。
目の前には死後硬直でガチガチになって冷えたワシとそれを確認してしまった介護職員がいた。…あれ?ワシ、死んでるの?
プツンと視界が切り替わる
ーーーーーーーーーーーーーー
「ほんまに大丈夫?急に電柱にぶつかるし、名前なんか呼ぶし、どないしたん?」
あぁ…なんとなく違和感のあるこの関西弁どこで聞き覚えがあるよなぁ…
でもさっきまで寝床でぐったりしてたはずなんだけど、
今の一瞬でなにがあったんだ?
オレに今話しかけてきた女の子は緑髪の残念なタイプの髪の染め方したセーラー服姿の女の子。身体はかなり華奢で背が低い子だ。
「なにボーっとしとるんよ!遅刻してまうで!」
眼前に広がる景色を見渡しあることに気づく。学校らしき建物に大きな門、そこに名前が彫られていて…
「戯・谷・流・学・園…ぎゃるがくえん!?」
「うわぁ!びっくりしたぁ、さっきからなんなんよ〜!?」
思わず大きな声を出してしまった、しかしこれはまずい…もしかして、もしかするとどうやらオレは
"ドキドキ!ハーレム戯谷流(ぎゃる)学園!"
の世界に転生してしまったかもしれない!
理解力の高いオレには今の状況がすぐに理解できてしまう。
と言うことはこの世界は4人の攻略対象とハーレムハッピーエンドに向かうことを目標にした王道ノベルゲームになっているのか!(超絶理解力)
そして今さっきから隣で騒いでいるのがオレの幼馴染でゲーム上のお助け友人枠の雨森四季であると言うことになるな(圧倒的理解力)
僅かその思考時間1.71秒
「ねぇ!さっきから私のこと無視しとるやろ?」
「え…あぁ、ごめんごめん!ずっと四季のこと考えてた!」
「なにさっきから変なこと言っとんねん!」
勢いよく殴られた…冒頭と同じ箇所に鈍痛が走る。
オレなんか変なこと言ったかなぁ!?
◆朝のホームルーム◆
教室は自然とわかる、自分の席も隣に幼馴染の席があることも覚えている。おそらくこれから攻略対象の4人と出会うイベントが続いたはず…
しかし、今回は4人の女の子にうつつを抜かしている場合ではない。
今この隣にいる幼馴染こそ、このゲームで一番幸せにしたいキャラクターランキング堂々の1位なのだ。健気に主人公のサポートはするものの自分の意中の相手に思いを伝えられず、その事にストーリーの終盤で気付くことになるのはゲームをプレイした人はみんな知っている周知の事実。
四季のストーリー最後の言葉は「結局、最後まで思いに気付いてもらえへんみたいやったけどな…」だった。カプ厨のオレはその意中の相手をあの手この手で探したが結局見つからずゲームを辞めてしまった。そのことが心残りとなってこの世界に転生してしまったのかもしれない。
「なぁなぁ、今日転校生来るらしいで!どんな子やろうなぁ〜」
たぶんこのあたりで爆音のような声がひb…
「オーッホッホッホッホォ!ご機嫌麗しゅう皆々様〜私は本日よりこの戯谷流学園に転校することとなりました桜木春子ですわ!以後お見知りおきを!あら皆々様を驚かせてしまいましたわね!これは大変失礼いたしましたわ!どうしましょう!これはこれは先生、自己紹介の時間でしたわね!私の趣味は〜」
それ以降話していたことは記憶にないがそれが20分以上続いた事実だけは覚えていた。ピンク髪のやはり残念な髪の染め方をした自由闊達で身体は大きくかなり声のデカい女の子だ。この子こそがこのゲームの攻略対象の1人で桜木春子となっている。ゲーム内でもとんでもないエピソード盛り沢山のおもしれー女の子だ。
「もうええよ、長いってぇ」隣から小さく声が聞こえた。
本作品は趣味の範囲でコツコツやるので不定期投稿になることとハーメルン初心者につき筆が遅いことをご了承ください。