<Infinite Dendrogram><SUBM>単独討伐RTA風   作:菌床

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もうちっと続くんじゃ


ガーゴイルの拾い物

 

 空を超々音速で飛翔する物体がある。

 それは金とも銀ともつかぬ色をしており、ガーゴイルの姿をした巨大ゴーレムだ。

 彼こそはかつてあらゆるモンスターの頂天、<SUBM>の一角に座した存在。

 だが、現在はモヒカンゴッドの特典武具から呼び出される召喚モンスターに過ぎない。

 その名を【グレイテスト・ワン】、主人とそのエンブリオからは『ワンちゃん』と呼ばれている。

 

 【グレイテスト・ワン】は今西方諸国の上空を飛行しているのだが、その手の中にモヒカンの影はない。

 主人であるモヒカンゴッドはカルディナに滞在しており、今は単独行動中である。

 主人から離れた場所で何をしているのかといえば、素材集めだ。

 主人であるモヒカンから危険なモンスターの討伐と素材集め指示されており、生態系を破壊しない範囲でモンスターを倒して回っている。

 その活動範囲は大陸全体に及び、山奥だろうが海だろうが空だろうが突撃してモンスターを討伐する。

 ドロップアイテムを回収し、渡されたアイテムボックスが満タンになると主人の元へ帰還する事を繰り返している。

 途中で<UBM>を見つければ基本的に討伐、モンスターに襲われている人が居れば救援が必要か聞いてから助けるし、何なら治療もしていく。

 モヒカンからの呼び出しや、定期的に入る依頼を除けば二四時間休みなくその繰り返しだ。

 どんなブラック労働だと批判されて然るべき働かせ方、リアルの人間相手なら労基が黙ってはいないだろう。

 

 だが、【グレイテスト・ワン】は疲れ知らずのゴーレムな上に、今の環境に不満も無い。

 確かに今の主人は人間としては変わり者なのだろう。

 自分を心の底から神だと信じて疑わない人間を見るのは、長く人間と過ごしてきた中でも初めての経験だった。

 しかも、その時の気分で行動するため予測が付かず、かなり無茶な命令をされる事もしょっちゅうだ。

 だが、無駄な回り道に見えて実は最適解だった事も多い。

 主人と思考が繋がっているガブリエル曰く、本人は特に何も考えていないとのことなので、最適解に辿り着く星の下にでも産まれたのだろう。

 その気まぐれに振り回される事は大変かも知れないが、ゴーレムとしては命令を与えられる事こそ重要なのだから気にしない。

 それに、主人であるモヒカンゴッドは彼を人殺しには使わないのだ。

 不死身のマスター相手に駆り出される事はよくあるが、それ以外は例え戦争中だろうとティアンを殺せと命じなかった。

 何より、危険なモンスターを倒して回る事は人々を守ることに繋がり、幾多もの戦闘は彼の技術を培い性能を向上させる。

 そのため、【グレイテスト・ワン】は今の環境に満足していた。

 

 しかし、【グレイテスト・ワン】の心情がどのようなモノだろうと、召喚モンスターである以上は様々な制限を受ける。

 その最たるものは、顕現するためのエネルギーだ。

 召喚モンスターは顕現させる際に何らかのコストを要求する。

 MPであったり物品であったり、外部コストを求めない代わりに莫大なクールタイムを要する場合もある。

 そのため、長時間遠距離で運用するのは非常に難しいのだ。

 

 それを解決しているのは、特典武具としてのアジャスト結果だ。

 

 通常の召喚モンスターならば遠く離れた箇所で運用するのはコストの問題で難しいだろうが、超級特典武具【天上天下 グレイテスト・ワン】は召喚コストを完全に自活した特典武具なのである。

 召喚に必要なエネルギーは無形の動力炉で補える、補える範囲に弱体化しているともいえるが。

 兎も角この特典武具を獲得した時のモヒカンゴッドはレベル0、それにアジャストした結果外部コストを求めない方向性となったのだ。

 当時のモヒカンは、エンブリオのスキルも一日に一回しか使えなかったため、長時間にわたって自身を守れる疲れ知らずの存在を必要としていた事も大きい。

 だが、それだけではマスターがログアウトした時点で召喚も解除されてしまう。

 しかし、【グレイテスト・ワン】はとある特典武具でその制限を踏み倒しているのだ。

 

 その銘は【残響錨 ソウルアンカー】。

 マスターが不在の間も召喚モンスターが顕現し続けられるようにする効果を持つ特典武具だ。

 

 かつてカルディナで手に入れたこの特典武具は、元の<UBM>が精霊でありながら、どのような環境でもその力を振るう存在だった。

 その為、マスターがログアウトやデスペナルティになっている間も召喚モンスターが活動可能になる方向性でアジャストしたのだろう。

 指定出来る対象は一体かつ、召喚時間の経過や、コストが払えなくなったりすると自動で解除されてしまう。

 だが、元からエネルギーさえ有れば時間制限が無く、そのエネルギーさえ自活出来る【グレイテスト・ワン】ならば最大限に活用できる。

 こうして【グレイテスト・ワン】は、マスターが不在だろうと関係無く活動可能な召喚モンスターとして働き続ける事を可能としたのであった。

 なお、この件で最低でも二柱の頂上存在の頭を苛む事になってしまったのだが、それは一先ず置いておこう。

 

 『──』

 

 その時、【グレイテスト・ワン】のセンサーが反応を示した。

 直ぐにその場に急行すると、そこでは山が噴火し溶岩が溢れ出している。

 そして、何よりも目を引くのは、その溶岩の中から巨大なモンスターが這い出している事だろう。

 そのモンスターは巨大なヤドカリの様な外見をしており、そのハサミを振動させ火山の活動を活発化させているだけで無く、溶岩の熱を意に介していないようだ。

 実際、【グレイテスト・ワン】のセンサーによる探知でも、熱による影響を受けている痕跡は見受けられない。

 さらに巨大モンスターの頭上には<UBM>である事を示す名前があり、内包するリソース的に古代伝説級相当だろうと判断した。

 

 『───』

 

 最近はこのように、地下で活動停止していた<UBM>が活動を再開させるケースが多い。

 連日頻発している地震の影響であり、【グレイテスト・ワン】はそういった個体を狩りまくって居た。

 大人しい個体は最寄りのギルドへ報告しに行くだけで済ますが、凶暴な個体はその場で討伐するよう命じられている。

 今回の個体の性格は不明だが、近くには村があり、少なくとも放置すれば溶岩流で壊滅する事は確定だ。

 【グレイテスト・ワン】は溶岩流を前に村を守るように立ち塞がる。

  村が近くにある為、自身に内蔵されている兵器の使用はためらわれた。

 故に【グレイテスト・ワン】は、一先ず溶岩流を無害化する事に決める。

 

 【グレイテスト・ワン】の全身から、()()()()()()()()()()

 

 見る者が見れば、それが疑似的とはいえ《竜王気》だと分かる。

 それは本来竜王の持つスキルであり、分類的にはエレメンタルの【グレイテスト・ワン】に使えるはずが無いと思うだろう。

 だが、《竜王気》とは本来古龍の力。

 この世界に刻まれた原初のプログラム。

 故に鍛錬によって類似した力を発揮する事も可能なのだ。

 何より、【グレイテスト・ワン】は【金竜王】を始めとした複数の竜王を討伐し、そのリソースを取り込んで来た。

 故にその使い方も、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 【グレイテスト・ワン】の纏う《竜王気》が拳に収束し、()()()()()()()()()()()

 

 これこそ《竜王気》の性質変化。

 かつて皇国にて《竜王気》の性質を変化させ、三種の属性を纏って戦う【拳竜王】を討伐した際に習得した技術。

 だが、やっている事は同じでも、伝説級<UBM>とは使用する存在の格が違う。

 <SUBM>だった頃に比べれば、確かに劣化しているのかも知れない。

 だが、召喚モンスターとなってから一〇〇を超える<UBM>を討伐し、ジャバウォックを胃痛で苦しめて取り込んだリソースと特典武具。

 様々な事件に介入し、議長を頭痛で苛んで溜め込んだ戦闘経験。

 現在の【グレイテスト・ワン】は、間違い無くかつての性能を凌駕している。

 

 【グレイテスト・ワン】が振り下ろした拳から炸裂した冷気は、火山ごと溶岩流を瞬時に凍りつかせる。

 

 その莫大な冷気は火口に居たヤドカリの<UBM>も凍りつかせており、近づいて尻尾で粉砕する。

 <UBM>が討伐された事を確認すると、氷を溶かし溶岩の活動を抑えてから飛び立っていく。

 それを見送ったティアン達は、一つの話を思い出した。

 現在<Infinite Dendrogram>内では、ティアンの間で特に有名な話がある。

 モンスターに襲われて居ると、突如現れてモンスターを蹴散らして助けてくれる存在が居ると。

 【大預言者】の配下を名乗るそのガーゴイルの話は、大陸中どこの国でも聞かれている。

 モンスターという脅威が身近にあるティアン達にとっては、きっとそのガーゴイルは守護神のように見える事だろう。

 何の役割も与えられず、何の使命も授けられる事なく創り出された存在は、今、人々を護る為にこの天地を駆けている。

 

 ◆

 

 商業都市はコルタナ

 古代伝説級<UBM>が暴れ回るという未曾有の大災害に見舞われるも、物理的な被害が少なかった事で直ぐに都市機能が回復していた。

 そんな時、大通りに居を構えるカフェで、とある二人組が料理を突いていた。

 

 「主よ、そこのケチャップ取って下さい」

 

 そう言うのは緑色のボブカットに天使の羽を生やした少女、彼女の名前はガブリエル。

 

 「ヒャッハー! お前、そのくらい自分で取れよ……」

 

 そう言いつつもケチャップを渡すモヒカンの男は、【大預言者】モヒカンゴッド。

 彼の視線の先では、ケチャップを料理にぶっかけて真っ赤に染めて食べる相棒の姿があった。

 

 「ヒャッハー! 今日の食癖は何だ? 赤い物しか食べないのか?」

 

 エンブリオは人型に近いほど特殊な食癖を持つ事が多い。

 その中でも彼の相棒であるガブリエルの食癖は変わっており、何とその日によって食癖が変化するのだ。

 食べ物の色、食べる順番、食べる仕草、食べる場所、食べる状況、食べる時が日替わり制なのである。

 

 「どうやら、今日は何でも赤く染めてから食べるみたいですね。変なのに成らなくて良かったです」

 「ヒャッハー! 逆立ちしながら食べるとか、料理を水洗いしてから食べるとか意味不明だったからなぁ。もう少し落ち着きを持てよ」

 「主に振り回される私達も同じ気持ちですよ!?」

 

 お前にだけは言われたく無いとキレるガブリエル。

 産まれた時から無茶苦茶な行動に振り回され続けた身としては、断じてその発言は容認出来ない。

 即時謝罪と撤回を求めるデモ活動も辞さない構えだ。

 

 「全くもう、マトモなのはワンちゃんくらいです。主もあの動じなさを少しは見習って下さい」

 「ヒャッハー!? アイツは元ゴーレムだろ、比較対象はせめて生物にしてくれ!」

 

 石の上に三年どころか、千年以上微動だにしなかった相手を引き合いに出すのは酷というものだろう。

 幾ら神を自称するモヒカンゴッドでも、そこまでの超然とした時間感覚と精神性は持ち合わせがない。

 

 「ヒャッハー! まあ正直、最初にワンちゃんをゲット出来たのは幸運だったな。ほら、最初はお前のスキルのクールタイム二四時間もあっただろ? その間の戦力が在るのと無いのとじゃ大違いだ」

 「ええ、ワンちゃんには随分と助けられましたからね。炊事洗濯掃除、裁縫、音楽、絵画、彫刻、マッサージ、マッピング、ラップバトル……むしろ何が出来ないんですか……!」

 「ヒャッハー! 一応生物としての部位が必要になる事は出来ない、はず……」

 

 どうだろう、頼んだら成長して出来た余剰スペースに何か組み込んで来そう。

 そう思わずにはいられないほどには多芸だった。

 ゲームを始めたばかりのモヒカンゴッドは、【グレイテスト・ワン】に無茶振りをする事が多く、その無茶振りに応じる内に何でも器用にこなすようになって居た。

 何ならアジャストした特典武具と組み合わせれば、更に出来ることが広がる。

 一家に一台欲しい万能ゴーレムだ。

 

 「でも何だか悪い気がしますね。ワンちゃんはどう見ても戦闘用のゴーレムなのに、戦闘以外の雑用も押し付けてしまってますし。戦闘に関係無い土地の緑化や、傷病者の治療をさせるのは製作者にも申し訳ないです」

 

 ガブリエルは【グレイテスト・ワン】に申し訳ない気持ちになる。

 被造物ならば、製造目的の為にその力を使いたい筈だ。

 あれだけの兵器を組み込まれているならば、雑用をさせられるのは本来の用途から外れていることだろう。

 

 「ヒャッハー! 全く、お前はつまらん事を気にするものだ。道具をどう扱おうが持ち主の自由だろうに」

 「はぁ、主はそういう事言いますよね」

 

 思いやりのかけらもないマスターの発言に、何故こんな人から慈愛の化身である自分が産まれたのか疑問に思う。

 

 「ヒャッハー! そもそもの話しだが、待たされた性能(役割)に違う意味を見出す事は、道具の存在意義を否定はしない」

 「むう、そう言われるとそんな気がするような……」

 

 採掘作業の効率化の為に創り出されたダイナマイトが、多くの人を殺す兵器として扱われる事もある。

 逆に人を殺す兵器として創り出されたが、多くの人間の生活を豊かにする技術として普及した事例も多くある。

 

 「ヒャッハー! <UBM>だって基本的には災害だが、倒せば特典武具という形で利を齎す。中には<UBM>のまま人に恵みを齎す存在も居る」

 

 そう言われてガブリエルが連想したのは【漂竜王】だった。

 都市を背負い、砂漠を渡るかの存在はカルディナに莫大な恩恵をもたらしている。

 逆に、人を守る為に創り出されたにも関わらず、人々の生活を喰らう様になった存在も居る。

 人に利する物が人を害し、人を害する物が人に利するなど珍しくもない。

 結局の所、重要なのはソレに誰が何を見出すかなのだから。

 

 「ヒャッハー! つまり、俺がワンちゃんを休み無しで働かせるのも自由だし、面倒ごとを押し付けるのも自由という事だ!」

 「主よ、色々と台無しです」

 

 ガブリエルは未だに自分のマスターの事が掴みきれない気がする。

 そのパーソナルを読み取って居る筈なのに、少しすると全く方向性が変わってしまう。

 敢えて言葉にするならば、軽薄で深慮で計画的な享楽主義者、と言った所だろうか。

 もしかすると、矛盾して移ろうその精神性故に、自身のようなエンブリオとなったのかも知れない。

 その時、【グレイテスト・ワン】から帰還の報告が飛んで来た。

 

 「ヒャッハー! 戻って来たかワンちゃん、思ったより早かったな」

 「お勤めご苦労様ですワンちゃん。主も喜んでいますよ」

 

 この場に存在しない相手と話しているが、【テレパシーカフス】の類では無く、超振動によって二人の周囲を振動させて会話をしているのだ。

 【奏楽王】に音楽の手解きを受けた際に出来るようになっており、他にも振動を利用した技術を幾つか納めて居る。

 

 「ヒャッハー! それじゃあ集めた素材はこの都市で売っぱらうとするか、即金が欲しかったんだよな」

 「都市は大陸中の希少素材をゲット出来て復興に使えるし、主は寂しくなった財布が潤う。Win-Winって奴ですね」

 

 モヒカンゴッドが負傷者の治療が終わっても、暫くこの都市に残って居たのには理由がある。

 それは【グレイテスト・ワン】が回収して来たアイテムをこの都市に卸すことで、都市の再興の助けにするためという理由もあったのかも知れない。

 

 「ヒャッハー? え、危険物? 分かった、直ぐに合流しよう」

 「主が面白い物拾ってこいなんて言うからですよ、全くもう」

 

 追加の報告で危険物を拾って来たから、対処を頼む旨が伝えられた。

 【グレイテスト・ワン】はモヒカンゴッドから、『何か面白いモノ見つけたら拾って来て』という命令を受けて居る。

 だが、何か面白いモノ、という曖昧な指示は難しい。

 そのため、大陸中を飛び回る中で見つけた中で『主人の性格的に面白いと判断しそうなモノ』を選ぶことにしている。

 なお、その結果として危険物ばかり拾って来るようになってしまったのだが。

 【グレイテスト・ワン】としても、放置する訳にはいかず、かといって破壊するのも難しいモノは主人に押し付ければ何とかすると学習してしまっている。

 主人を爆弾処理班扱いすることに躊躇いのないゴーレムであった。

 

 「ヒャッハー! さて、今度は何を拾って来たのかな」

 「爆弾か妖刀か奴隷か、お願いだから微笑ましいモノにして欲しいです」

 

 怨念が染み付き呪いを撒き散らす先々期文明の動力炉、所有者を乗っ取って殺戮を繰り返す妖刀、奴隷商が死んで砂漠の真ん中で行き倒れていた奴隷。

 この大陸はトラブルに事欠か無いため、素材集めに行かせる度に何か変なモノを拾って来る。

 今度はもう何を持って来ても驚かないだろうと、そうガブリエルは考えていた。

 だが、世の中というものは度々想像を超えて来るものらしい。

 都市から離れた砂漠の真ん中で二人が見たのは、見慣れたガーゴイルの姿と。

 

 「な、何ですかこれ〜〜ッ!? クジラ!? それとも戦艦!? 白鯨の親戚か何かですか!?」

 「ヒャッハー!? 今まで持って来た中で一番デカいな! 確かにコレは都市の近くには置けないな」

 

 クジラのような形状の戦艦であった。

 所々破損しているが原型を保っており、その外観から先々期文明の兵器だろうと見て取れる。

 

 「ヒャッハー! そうか、王国と皇国の国境付近の遺跡で暴れてたのを回収して来たと。……あー、まあ良いだろう。暴れた上に都市に墜ちそうだったなら制御できて無いも同然、誰の所有物でも無い物を持って行っても問題無い」

 

 先々期文明の遺跡は失われた技術の宝庫であり、発見されれば莫大な富を齎す。

 兵器の生産工場などを抑えて制御下に置いたことで、強力な軍事力を手にした事例もある、

 故に、その機能などを損なうような大規模破壊は禁止されており、破れば国際指名手配されても不思議では無い。

 だが、そこで発見したものについては発見者の資産として扱われるため、一攫千金を夢見る者達が後を絶えないのだ。

 ならば、自分達もその例に則るとしよう。

 横から掻っ攫う形になるかも知れないが、そこは都市を守った点を盾にすれば交渉は有利に進められる。

 いざとなれば武力にモノを合わせるからと、然程問題視もしていない辺りは、強者故の傲慢と言って良いのかも知れない。

 

 「先々期文明の遺産かつ、戦艦となれば向かう場所は一つ」

 

 先々期文明の技術について、国を挙げて研究しているのは二カ国。

 そしてその内の一つは、造船については並ぶ者の居ない国でもある。

 

 「行くか、グランバロアへ」

 

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