数年後………
情報の処理に追いつかずショートしている間に通りすがりの人に拾われ九死に一生を得たあの時の赤子です。バブバブ
今じゃすっかり大きくなって走って跳べる元気な風の子になりました。義母に圧倒的感謝だねホントに。いや、記憶無いから実質本当の母ではあるか。
さてそれじゃ、今分かっている事を整理してみるか。
まず、ここはポケモンの世界で間違いない。ポケモン連れてる人が沢山居るし。流石にヒードラン連れたトレーナーは居ないみたいだけど。
次に現在地。最初の予想通りイッシュ地方で合ってたみたいで、今俺が住んでいる所はカノコタウンと呼ばれるイッシュのポケモン研究所がある街だ。研究所あるのに限界集落みたいになってるの何故?マイホーム含めても建物の数2桁になるかどうかだぞ?……まぁいいや。
最後に家族構成。我が家には恩人の母以外も居るのだ。トウヤとトウコと言う双子だ。子持ちなのに俺の面倒まで見てくれるなんていい大人が過ぎないか?あ、俺の名前はトウマになりました。名前に『トウ』を付けるこだわりでもあるのかね?
こんなもんかな、近所の人とか友達とかも居るが必要な時に回そう。今はこれだけ把握しておけば問題はない。
しかし、まぁ……
「トウマ、ポケモンみにいこう」
「トウコ、まいにちはさすがにトウマもつかれるよ……」
……随分と懐かれたな。素直に嬉しいよね。
俺は推定1歳の頃(森の中)には物心がついていたから2人と血が繋がっていない事を知っているけど、二人は当然知らない訳で。だからこそここまで懐いてくれたのかな、全く分からん。
「だいじょうぶだよトウヤ、たいりょくには自信ある。
それにトウコのたのみならこれくらいきくさ」
「トウヤ、つかれてるなら家にいていいよ?」
「……2人が行くならぼくも行くよ。トウマはやさしいからムリをしてもトウコに合わせそうだし」
無理はしてないんだけどな。ポケモン見るのは楽しいし、何よりポケモンを見ている時の2人の顔が好きだし。
帽子を被り、水筒を持って俺たちは家を出た。本当は保護者が居ない時に野生のポケモンを見に行く事は危険な為禁止されているが、この辺のポケモンたちは大人しく人懐っこいからコッソリ見に行っている。
ポケモンを持っているなら問題無いんじゃないかと言われるかもだけど、10歳未満の子供たちは基本的にはポケモンを持つことは出来ない。危機管理能力が育っていないから、危険な場所に行って怪我をするのを防ぐ為だ。
例外として、10歳未満でも自分のポケモンを持つことが出来る場合がある。それはトレーナーズスクールの試験に合格した人や、ポケモン研究所やポケモンリーグ運営委員などの専門機関からの許可証などだ。専門機関もトレーナーズスクールと同じ形式だから基本的にはスクールに通う人ばかりだろう。しかしカノコタウンにはそんなものは無い。ポケモン研究所はあるがあそこの博士は許可証発行してないし。それにトウヤもトウコも10歳になってからの楽しみとして残しているから欲しがっていない。だから誰も持っていないのだ。ん?あった方が便利?それはそうだけど試験にかかるお金が……ね?
そんなこんなで1番道路。トウコはもっと先に進みたがっていたが流石に止めた。危ないからね。
「ミネズミ…!」
「ほんとだ。あそこに立ってるってことは近くに巣があるのか」
「見て、あそこヨーテリーの群れだよ…!」
ポケモンたちに気付かれないように小声で話しているけど、興奮を抑えきれてない。毎日のように見ている筈なのにトウコは目をキラキラさせているし、最初は少し渋っていたトウヤも今は顔が緩んで笑顔になっている。正直俺はポケモンよりも2人を見て楽しんでいたりするが、それを言ったらこの顔を見る機会が減るかもしれないので黙っておく。顔見てるのに気付かれたとき恥ずかしそうにしてたからね。
この後暗くなる前に帰宅した。母には多分バレていそうだが、何も言わないってことは黙認してくれているんだろう。まぁあんな笑顔じゃ止めずらいだろうしな。
トウマ
赤子にポケモンの大雑把な知識をぶち込まれた為、物心がつくのが早かった。