あれは、嘘だ(ホントは嘘になった)
大変申し訳ない土下座して許されるならする()
「君、ダイジョブ?迷子?」
泣いてる女の子居たから声かけたけど、これ、絶対迷子だよな?ここ迷子センターとかあるかな、無いかも……何で無いんだよどう考えても必要だろ絶対。
「おにいさん…だれ…?」
泣きながら少女は話しかけてきた。知らない人が話しかけてきたら怖いよな、うんうん、分かる分かる。*1
「えーと、怪しい人じゃないよ。通りすがりのお兄さんだよ?」
「……………」
「ごめんね滅茶苦茶怪しかったね!?俺トウマって言うんだよろしくね!!?」
ちょっと冗談言ったらすごい不審な目で見られた。安心させようとしただけなんだけどな……嘘です真面目な空気に耐えられなかっただけです。
と言うかどうしよ。見かけたからには放って置けないしな…、親御さん探すの手伝うか……
「……いいんですか?」
「この子思考を読んできたッ!?」
マジかよこの子エスパーか!?え、違う?顔に出てただけ?頭にアルミホイル巻かなくていいの?そっか……ポーカーフェイスには自信あったんだけどな……
「とにかく、お兄さんも親御さん探すの手伝うよ。君の名前、教えてくれる?」
「知らない人に名前教えたらダメってお母さんが……」
「うんそうだね正しいけどね?名前分からないと呼ぶ時に困っちゃうからさ?教えてくれたら助かるな〜って」
「……あそこのチュロス買ってくれたら教えます」
「ははーんさてはクソガキだなコイツ?」
良いけどさ、買ってやるけどさ。……味の種類多いな、モモン味がいいの?じゃあ俺チョコにしよ。
「はーいお待ちどぉ。こっちが君のね」
「ありがとうございます」
「ベンチにでも座ろうか。聞きたいこともあるし」
「知らない人について行ったらダメってお母さんが…」
「嘘だろまだ言うのかそれ」
「冗談ですよ、冗談」
「冗談に聞こえないんだよな〜……」
誘拐されてるって大声で言われたら俺氏一発KOだからな?……いや、8歳だしセーフか?分かんね。
ーーーーー
マズイ事になった。
トウヤとチェレンの2人は心の中で同じことを思った。トウコを追いかけたトウヤと、ベルを追いかけたチェレンはなんとか合流を果たした。全身ボロボロで、遊園地に来たばかりの子供とは思えない程疲れ果てていた。まだ女子2人の体力は有り余っている為この後も振り回されそうだが、それをどうでも良いと思うくらいには心の余裕が無くなっていた。
何故なら、
「「トウマが……居ない……!!」」
保護者役と逸れたからである。何でだろうね。
実は今回、保護者*2も共に遊園地を周る予定だったが、『トウマ君達しっかりしてるし、任せても大丈夫でしょ』と、日頃の行いによる信頼によって子供たちのみで周ることになった。あの暴走列車を男子3人で制御できる訳が無いだろいい加減にしろ!
そんな親共の信頼を粉砕するほどの女子組の行動力。これには流石のトウマ君もついて行くことが出来なかった。
「チェレン……トウマ何処に行ったのかな……?」
「そんなの僕だって聞きたいよ……」
頭を抱える2人。しかし、暴れ馬2頭……失礼、バーサーカー×2の手綱を握るので精一杯なのである。今も少し目を離せば何処かに消えてしまいそうな程暴れ続けている。少女の姿か?これが……。
そんな2人だが、流石に今も遊びたいという好奇心で暴れている訳ではない。トウマを探しに行こうとして暴れているのだ。
「トウマ、寂しがってる筈だから早く探そう。私あっち見てくる」
「もしかしたら落ち込んでるかもしれないから私お面買ってくるねぇ」
「別々で行動しようとしないで?」
「2人共何でトウマと逸れたか分かってる?」
「さ、流石に分かってるよ!私たちが浮かれすぎt「トウマが浮かれて何処かに行っちゃったから。」……え?」
「トウコ、鏡が要るなら正直に言ってよ、浮かれて何処かに行ったのは君だろう?」
「……………?」
「え、嘘でしょトウコ。本気で言ってる?」
トウコがとんでもないこと宣い出した。真っ直ぐで綺麗な目で。正気かコイツ。
これには他の3人もドン引きである。冗談かとも思ったが本人は至って真剣な様子で「手を繋いでおけば迷子にさせるなんてことさせなかったな……」と心配そうに呟いている。怒りたいのに怒りにくくなるじゃ無いかやめてくれ。
ライブキャスターで連絡してみたが繋がらず、どうしようかと悩んでいる時、
声が聞こえた。
「いぇぇぇぇぇぇい!!ジェットコースターァァァァァアアアアアアアアア!!!!!」
「「「「……え?」」」」
今心配している友人の声が、ジェットコースターの方から。何やってんだお前。
ーーーーー
チュロスを食べながら色々と聞いた。女の子の名前はメイ、6歳でヒオウギシティから母親と遊園地に来たらしい。しかし浮かれたメイが勝手に行動した結果迷子になって泣いていた……と。
トウコとベルに似てるなー。と、最初に出た感想はそれだった。迷子になる過程が同じ過ぎる。違う所と言えば置いて行った側か置いて行かれた側かくらいか。
話しているうちにまた泣きそうになっていくメイに、俺は1つ提案した。
「アトラクション周りながらお母さん探そうか」
そして現在、アトラクションの殆どを周ってしまった。早くね?
「トウマさん、私観覧車乗りたいです!」
「良いけどさ、お母さん探すこと忘れてたりしないよね?」
不安を紛らわせる為の提案だったとは言え、ここまで楽しむ事に振り切ることができるか?メイがスゴイだけかもしれない。
俺も一応迷子だからアイツら探しているけど見つからない。まぁ、こんなに人がいる中で探すのは中々厳しいものがあるか。ワンチャン無いかなと思ってジェットコースターで大声出したが聞こえてたかな、聞こえてたら良いな……
「お二人様ですね〜」
考え事をしている間に順番が回って来たらしい。俺とメイは観覧車に乗り込み、腰を落ち着かせる。メイが目を輝かせながら外を眺めていた。
「どうですか〜…、お母さん、見えたりしますか〜……?」
「はい!見つけました!」
「だよね〜、そう簡単に見つk……えっ、嘘マジで?」
「マジです」
マジか、見つかったのかスゴイな!?姿を確認したメイが手を振っている。メイの母親らしき人も手を振替している。ベンチに座ってカフェラテ飲みながら。
……………親子揃ってスゴイな本当に。何で気付けるんだよ第六感か何かか?
いや、見つかったのなら良しとするか。
「……トウマさん」
「ん?」
「今日はありがとうございました」
「どうした急に」
「トウマさんが居なかったら今日の思い出は悲しい事しか残らなかったかもしれないので」
「6歳の発言とは思えないんだけど」
「そう言うトウマさんだって大人びてません?2歳差以上あると思うんですけど」
「歳上だからそう見えるだけだよ」
「……そうですかね?」
「そうだよ」
そんな他愛もない話を続けて、観覧車から降りた。
降りた後はメイ母と合流。聞けば早い段階でメイを見つけていたとの事。
「……何で放置してたんです?」
「だって、メイが心から楽しそうにしていたので、貴方は悪い人ではないと思いましたし」
「えぇ……」
この人怖い。何で知らない人を簡単に信用できるのさ。え、子供が誘拐するとは思えない?それもそう……か?
何はともあれ、無事迷子のお届け完了だ。俺も探す人が居るしそろそろお暇しますか。
後日改めてお礼をするとメイ母に言われたので連絡先を交換し離れようとすると、メイに袖を引っ張られた。振り返ると泣きそうな目でこちらを見つめていた。
「また、会えますか……?」
「……うん、少なくとも近いうちに一度は会えるよ」
「…本当ですか?」
「ホントホント」
カノコタウンからヒオウギシティまで距離がある為頻繁には会えないが、もう二度と会えないという距離ではない。
「だからそんな顔しないで?可愛い顔が台無しになっちゃうよ?」
「……トウマさん口調変わる時ありますよね」
「今それ指摘するかなぁ!?」
少し笑ってやがる。余裕が出来た途端にこれかよ。泣き顔より良いから許す。
「……じゃ、またね」
「……はい、また」
互いに手を振り別れを告げた。
個人的に長過ぎたのでここでカット、再開は次話