ポケットモンスター 流浪の旅人   作:ラストオーダー5秒前

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記念

 時の流れは早いもので、気付けば10歳となった。

 うん、つまり次の春で旅立ちの日だよヤッタネ。

 

 そんなわけで、俺たち兄妹3人は母にスマホ……なんとスマホロトムを貰った!

 すごいぞスマホロトムは。写真も撮れるマップも見れる決済に使うことも出来れば通話も出来る!連絡を知らせてくれるお蔭で気付けずに放置、なんてことはない*1。素晴らしすぎる、お前は何が出来ないんだ。

 因みに、スマホロトムはスマホにのみ入り込む特別なロトムが必要な為、量産化はまだ出来ていない。どんな伝手持ってんだようちの母親は。

 

 

「もうすぐ春だねぇ……」

「出会いと別れの季節よ……」

「私たちはカノコタウンと別れ、新たなポケモンたちと出会いに行く。それを短く表現するトウマはやっぱりスゴい」

「多分そこまで考えてないと思うんだけどなぁ?ねぇトウマ?」

「………ノーコメント」

 

 

 確かに適当に言ったけどカッコつけられるならカッコつけたいんだ。だからそれを聞かないでくれ、ボロが出る。

 

 今、俺たちは家で寛いでいる。さながらナマケロの如く寝転がっている。

 こんな風にだらけながら過ごすのも残り僅か。そう考えると少し寂しさを感じるな。…………もうずっとこのままで良いんじゃないか?*2

 

 

「…………暇だな」

「記念作りでなんかする?」

「そうだな、そうするか。で、何する?」

「………何しよっかぁ……」

 

 

 【悲報】平和過ぎてすることがない。

 

 いや、別に良いことなんだよそれは。うん。ただ、いざ何かをしようってなった時にやれる事が無いってだけで。カノコタウンど田舎だし。近くには森と森と道。ゲーセンもショッピングセンターも何も無いのだよ。ポケモン研究所?あれはほぼ職場だろ。遊びに行っても良いだろうけどやれる事なんてたかが知れてる。

 

 そうやって頭を悩ませる中、トウコが何か思いついたようだ。

 

 

「………料理しよう」

「「……………………料理?」」

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

「はいと言うことでね、本日も始まって参りました料理をしてみようのコーナー!司会兼料理担当のトウマです!そして、本日のゲストは〜?」

「解説兼料理担当のトウヤで〜す、よろしくお願いしま〜す」

「実況兼実食担と「おいこら」……料理担当トウコです」

 

 

 トウコの提案で急遽始まった料理会。丁度昼前だったし丁度良いね。

 

 

「因みに評価担当としてヒオウギシティからメイちゃん(8)を呼んでおります」

『画面越しで飯テロし続けるとか、なんて拷問ですかこれ』

「スマホがあれば高画質で提供出来たんだけどな」

『私ここまでライブキャスターに感謝したことなかったです』

 

 

 司会実況解説は居るのに評価役が居ないのはおかしいと感じたのでメイをライブキャスターで呼んだ。キミにも美味しい料理(画像のみ)をプレゼントさぁ!(暗黒微笑)

 

 

「トウマ、何を作るか決めてる?」

「ん、あぁ。みんな大好きハンバーグでも作ろうかとな」

『料理経験が無い人でも作りやすい料理ですね!皆さん料理経験ありますか?』

「そりゃもちろん」

「………トーストくらいなら?」

「カップ麺が得意料理」

『トウマさん以外マトモに経験無いんですか!?』

 

 

 基本的に母さんが作るし、居ない時は俺が作ってるしなぁ……。ところでトウコさん、貴女のは料理とは言えないと思うんですよ。

 

 

「………気を取り直して、早速作ろうか」

「先生!最初は何をするんですか?」

「トウヤは玉ねぎをみじん切りにしてくれ。トウコは………人参とじゃがいもの皮剥き頼む。ピーラーはそこにあるからな」

「分かった」

『解説役と実況役が初心者の料理番組なんて見たことないんですけど……』

「うちの番組はオリジナル性を追求しておりますので」

「そのオリジナル性尖りすぎじゃないです?」

 

 

 良いんだよ楽しければ。

 さて、俺もそろそろ取り掛かるとしましょうかね。

 

 

「ああああああああ目がああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

「………ん?皮剥きしてただけなのに、野菜が無くなった」

『……………うわぁ………』

 

 

 ……………………まずは、2人に料理を教えるところからか。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

「なんだかんだで、やっとハンバーグの完成だ!はい拍手!」

「「わー」」

『途中からただのお料理教室になってましたね……』

「気にしたら負けさ」

 

 

 かれこれ数時間かかったけど楽しければ良いんだよ*3

 

 

「取り敢えず写真撮ろっか」

「「いぇ〜」」

「んで、めっちゃ美味しそうに撮れたハンバーグの写真は後日メイん家に届けるか」

『届けなくて良いです』

 

 

 後日、飯テロを喰らって悶絶している8歳児がヒオウギシティに居たとかなんとか。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

「遂に明日になった訳でございますが」

「記念作りもネタ切れだしねぇ……」

「もう、何も、思いつかない」

 

 

 旅立ちの日、前日。

 

 あれからほぼ毎日記念作りをしていたがそれも終わりを迎えようとしている。

 

 

「俺これだけは最後にやろうって思ってたことあるんだよね」

「え、何々」

「初心に帰ってさ」

 

 

 

 

 

「ポケモン観察、行こーぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、帰って来たのは2人だけだった。

*1
遊園地にて、トウヤ達からの連絡に気付けなかった前科あり。マナーモードにしてたからしょうがないだろ!?とはトウマの談

*2
良くない

*3
2回目




トウマ
 意外と料理上手。レシピ見れば大抵の料理は作れる。

トウヤ
 ただの経験不足。ちゃんと料理していれば化ける。具体的に言えば高級レストラン並。

トウコ
 料理の破壊者。味覚が飛ぶから料理をする時は必ず保護者同伴で。

メイ
 ハンバーグが食べたい。
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