ちょっと変わったガンダム世界を行く   作:乾燥海藻類

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ジオン戦後編③

百式の顔をはっきりと覚えているわけではないが、こんな「俺がガンダムだ」みたいな顔ではなかった気がする。そもそも百式って型式番号が百だから百式じゃなかったっけ? リック・ディアスの次に開発されたはずだと思うんだけど、この世界の開発ツリーはどうなっているのだろうか。

百式というよりも、アカツキっぽい顔だ。だがアカツキではあるまい。世界線が違うどころか世界が違う。

 

「未完成ですが、カジマ中尉の乗機となる予定です。コードネームは、マリーゴールド。聖女さま方に命名してもらいました」

 

ああ、やっぱり「百式」ではないんだな。

というか、ユウがこんな目立つ機体になんか乗るか? いや、あいつは命令ならどんな機体にだって乗りそうだな。なんせ"パイロット殺しのMS"にも平気で乗るようなやつだからな。

 

「ユウ中尉が乗るなら、サイコミュは必要ありませんね」

「そうですね。カジマ中尉にサイコミュは扱えません」

「では疑似サイコミュを搭載してはどうでしょうか?」

「……疑似サイコミュ、ですか?」

 

ナガノ博士はピンと来てないようだ。あれ? インコムってまだ基本設計すらされてなかったのか?

それとも俺の解釈が間違っているのだろうか。

とりあえず説明しよう。

 

「サイコミュは精神感応波で制御しますが、インコムはプログラムによって動きます。初動・中間・攻撃の過程をあらかじめプログラムしておくのです。例えば、各工程7パターン用意しておきましょう。これで7×7×7の合計343パターンの攻撃ルートが出来上がります。パイロットは攻撃パターンのコマンドを打ち込むだけです。3・5・7といった具合にね」

「……なるほど、それで疑似ですか」

 

ニュータイプは人の意思は読めても、機械の意思は読めない。ニュータイプを相手にするときは、適当にコマンドを打ち込めばいい。それで軌道が読めなくなる。自動追尾プログラムを設定しておけば、適当な軌道でも的には当たる。

まあケーブルや端末自体を狙撃されればおしまいだが。

もちろん、インコムにもデメリットはある。一応、誰でも使えはするが、使いこなすには高い空間認識能力が必要になる。そして、仕様上必ず有線式になってしまう。そのため、重力下での運用はなかなか難しい。

 

「重力下での運用は、難しいですか。サイコミュ兵器も重力下では本来の性能は発揮できませんからね。となると、脱着式にした方がよいですね」

「まあ、そうなりますか。とりあえず、基本性能を高めるという方向で良いと思いますよ。結局最後にものを言うのは、基本スペックと操縦技術です」

「そうですな。やはりスラスターを増設しましょう。カジマ中尉は耐G能力も高いですし、高機動でも大丈夫でしょう。ミサイルポッドも追加しておくか」

「そうですね。実弾兵装は必要でしょう」

 

ビームだらけだとIフィールドで詰むからな。まあIフィールド搭載機なんて滅多にないが。それに至近距離から撃てば関係ないし。近づけるかどうかは別として。

それから色々と語り合った。やはりモノ作りは楽しい。たとえそれが兵器だとしても。これは技術者の業なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話し込んでいたらすっかり日が暮れていた。

イリアとレシアが呼びに来たので、一緒に夕食をとることにした。基地内を散策していたらしいふたりについていくと、辿り着いたのは食堂ではなかった。扉の前には兵士がふたり立っている。

中に入ると、マリオンとローゼが迎えてくれた。

 

「お久しぶりです。カミシロ博士」

 

マリオンは髪を伸ばしていた。宇宙では長い髪は邪魔になることが多く、女性兵士(ウェーブ)は短髪にすることが不文律になっている感があった。もちろん、長髪が軍規違反というわけではない。

マリオンと握手を交わす。

 

「歓迎しますよ」

 

続けて、ローゼとも握手を交わした。

 

「ふたりとも、元気そうでよかったよ」

「まずは謝罪させてください。私が不用意に博士の名前を口にしたせいで、准将が乗り気になってしまいました。アルマを責めないでください。すべての責任は私にあります」

 

アルマが「えっ!?」と戸惑いの声を上げた。崇高な目的を持った革命軍といえば聞こえは良いが、見方を変えればテロリストだからな。

まあ過ぎたことをグチグチと言うのは男らしくない。それに、やっぱり機械(MS)をイジるというのは楽しい。俺は根っからの技術者なんだな。

 

「いや、かまわんさ」

「ありがとうございます。お掛けになってください。食事にしましょう」

 

テーブルには料理が並べられていた。アルマは早く食べたそうにそれらを眺めている。

俺は苦笑しながら席に着いた。

 

『いただきます』

 

全員で手を合わせて、食事を始める。

たぶんチベット料理かインド料理なんだろうが、結構美味い。肉も合成たんぱく質ではなく本物のようだ。

食べ終わった頃合いに、マリオンは語り始めた。その澄んだ声は、凛として耳に心地良い。

 

「ジオンが勝っても、スペースノイドは自由にはなれませんでした」

「まあ、そうだな」

 

金がないというのが一番の理由だろう。あんな大型MA(ビグ・ザム)を量産したから、国庫に大ダメージを与えたのだ。まあそのおかげで、ルナツー攻略戦が成功したと言えなくもないが。

あとギレンとキシリアの確執だ。お互いに暗殺者を送っているという噂もある。そんな噂が流れるくらい、緊張状態なのだろう。

 

「おおよその経緯は、ブレックス准将からお聞きのことと思います。自分たちが祭り上げられたことも理解しています。私たちは、人類が宇宙に上がるべきだという機運や世論を作ろうとしているのです」

 

誰かのために戦うというのは美しいが……う~ん、まあマリオンらしいと言えばらしいか。

 

「それはわかるのだがな。ブレックス准将は、理想を追い過ぎている気がするよ。革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標を持ってやるから過激なことしかやらない。しかし革命の後では、気高い革命の心だって、官僚主義と大衆に呑み込まれていく。インテリはそれを嫌って世間からも政治からも身を引いて世捨て人になる」

 

そもそも労使交渉の件だって、連邦軍准将が関わって連邦軍を蹴散らすというのがわけわからん。影の支援者だとしても、もっとやりようがあった気がする。たぶん、インパクトを重視したのだとは思うが、やはり過激だ。もしかしたら自作自演という可能性も……いや、さすがにそれはうがち過ぎか。

 

「それは博士のように、ですか?」

 

え? なんで俺? 俺はインテリじゃないよ。世捨て人とも違うし。革命もしてないし。

 

「博士は、もっと上手く生きることができたはずです。でもそれが許せなかった。その清廉さ、嫌いではありませんよ」

 

いや、清廉さとか意味わからん。俺はそんな人間じゃない。小心者の小市民だ。マリオンはなにか勘違いをしている。

 

「買い被りだよ。器用な生き方ができなかっただけさ。だから、いまだに嫁さんももらえん」

「あら、そうなのですか?」

 

柔和な笑みを浮かべて、マリオンは視線をイリアとレシアに向けた。

まあ、子連れというのも、女性が敬遠する理由にはなるのかもしれないが、ふたりを言い訳には使いたくないんだよな。一番の理由は、俺に甲斐性がないからだ。

 

「んっんっ、話を戻そう。アースノイドとスペースノイドの確執をなくすために、全人類が宇宙に上がるべきだというのは、わからんでもない」

「……自分がニュータイプであることに、苦しむこともありました。ローゼもそうです。そんな時、カミシロ博士の言葉を思い出します。ニュータイプだってひとりの人間だ。神さまにはなれっこないって」

 

まあ言ったが。しかし俺もニュータイプがなんだか本当にはわかっていない。だって俺がニュータイプじゃないんだから、ニュータイプのことを自信満々に語るのもおかしな話だろう。

正直、並行世界の自分とつながっているなんて、普通なら信じられない話だが、ニュータイプが言ったらそんなこともあるかと妙に納得してしまった。

実は俺こそがニュータイプ信者なのかもしれない。

 

「判り合うことが幸せとはかぎらない。つながりすぎることが不幸になることもある。お互いに存在を感じ合えるくらいの関係こそが理想だと思います。ニュータイプを悟りを開いた人(アートマン)と同一視する方もいらっしゃいますが、ニュータイプはそんなに良いものじゃありません。今なら、博士がおっしゃっていた意味が、よくわかります」

 

なんとなくだが、ニュータイプ同士は判り過ぎて判り合えないような気がする。人間は本音と建前で生きるものだ。それで適切な距離感を保っている。だが本音でしか生きられないとしたら? それはひどく生き辛い人生になるだろう。

 

人の心に土足でズカスカと! というのはハマーンのセリフだったかな。心に入り込まれるのを拒絶する人間だっている。

アムロとシャアは仲良くやっていた時期もあるが、結果的に殺し合ってるからな。あのふたり、仲が良いのか悪いのかわからん。そういうのを超越した関係なのかもしれない。

 

イリアたちに目を向ける。ふたりだけを帰すというのは、危ないような気もする。なんか人質に取られそう。カミーユの母親を思い出す。ブレックス准将の敵っつったらティターンズ。ティターンズといったらバスク。うーん、やはりここに置いておく方がいいのかもしれない。プチ・モビの大会が近いって張り切っていたんだが……。

 

「お父さん。私いま156cmだよ。140cmなんかとっくに超えてるよ」

 

なぜ急に身長の話に? 140cmを超えたからといって……はっ!?

 

「いかんぞ。子どもがMSに乗るなど!」

「それ、説得力ないよ。マリオンお姉ちゃんも14歳だったし」

 

レシア、おまえもか!

 

「いや、あれは戦時中だったから……」

 

俺がやらなかったらキシリアが……ってこのいいわけしても意味ないよな。

クソッ! こうなったら、防御重視のMSを造るしかない。チョバムアーマー着せたIフィールド搭載機を造ってやるからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別にララァのためというわけではないが、准将に頼んでクワトロ・バジーナについて調べてもらった。

たしか戦闘中行方不明(MIA)となった連邦軍人の戸籍をシャアが利用したという設定だったはずだ。

だがクワトロ・バジーナはシャアではなかった。どうやらこの世界では無事に一年戦争を戦い抜いたようだ。いよいよ手がかりがなくなったな。

 

それはそれとして、いま俺の目の前には蒼いMSがある。ブルーウィッシュだ。ジラソーレはない。まああれは重力下での運用を全く考えていない宇宙専用機なので、ここにあっても仕方ないが。

代わりにあるのは、白いゲルググだ。おそらく、白の聖女(ローゼ)が乗るから白く塗装してあるのだろう。すごくしっくりくる。これこそTHE・ジムって感じだ。ゲルググだけど。

 

ゲルググはともかく、ブルーウィッシュがあるってことは、だ。今回の革命、絶対キシリアが絡んでるだろ。

いくらなんでもジオンの警備がこんなガバガバなわけない。

周辺のジオンがおとなしいのも、キシリアが裏で抑えていると考えれば納得できる。

チベット方面は連邦の勢力下だが、インド方面はジオンの勢力下だ。薔薇の園は両方と構えているんだよな。

 

たぶん裏でブレックス准将とも繋がっていて、絶妙なバランスの上に成り立っているのだろう。ツッコむと面倒なことになりそうだからやめとくけど。

しかしキシリアの狙いがわからんなぁ。何を考えてるんだろうか。連邦軍の弱体化か?

 

まあいい。俺は俺にできることをやろう。まずはこのブルーウィッシュだが、戦後にかなり改修されたようだ。マリオンのクセをよく理解して仕上げている。だがもう少し改良できそうだな。

ゲルググの方は、かなりピーキーな仕上げになっている。ローゼのやつ、吹っ切れたか。

 

一年戦争末期、おそらくローゼは真のニュータイプとして覚醒していた。戦闘経験でいうなら、アルマとローゼが一番多いからな。

だがニュータイプ能力が高まりすぎると、他人の意思を拾いすぎてしまう。上手く取捨選択できないと、意思を取り込みすぎて、下手をすれば精神が崩壊してしまう。

そういうことを教えていた。だからローゼは、意識的か無意識的か、能力を抑えていたのだ。今はちゃんと折り合いをつけて、取捨選択ができるようになったのだろう。

 

さて、スタッフが優秀なのはいいことだ。ならば俺はインコムの開発をするか。あとイリアとレシアのMSも造らにゃならん。

あの後、一応説得はした。MSに乗りたいだけならやめておけとか、戦争は遊びじゃないとか、まあそんなことをだ。だがふたりは折れなかった。ふたりはふたりなりに、色々と考えているようだった。

 

ならば親としては、とびっきりのMSを造ってやるしかない。

とはいえ、Iフィールドを搭載すると、ジェネレーターの関係上どうしても大型化してしまうんだよな。それにエネルギーが切れた時が怖い。至近距離からのビームにも対応できない。Iフィールドがあるから安心というわけではないのだ。

 

タブレットを操作していると、開発中止になったGファイターの資料が出てきた。元々GファイターはV作戦に組み込まれていた機体だ。ガンダムは性能面ではザクを圧倒していたが、地上での運用においては、ザク同様に移動能力の低さという問題を抱えていた。Gファイターはそれを補うためのサポート機だ。

 

ガンダムと連携したSFS(サブフライトシステム)として立体的な戦闘能力をガンダムに付与する他、Gパーツはガンダムの各パーツと相互に組み合わせる事で様々なモードに形態を変え、更に多彩な戦術に対応する事が可能、とある。

Gファイターなんて玩具メーカーからの刺客だと思っていたが、案外ちゃんと考えられていたんだな。要するにオーキスやフルドドの原型のようなものか。

 

なんとなくプランが見えてきた。まあまずはインコムだな。それにマリーゴールドの僚機も考えなきゃならん。カジマ小隊はユウを隊長に、3人の強化人間で構成されている。

救出したのにパイロットとして使っているのは、ちゃんとした理由がある。

医者曰く、彼女たちは自分の存在理由がパイロットであると認識させられているらしく、無理に押さえつけるのはよくないらしい。少なくとも薬物の影響が完全になくなるまではMSに乗せた方が良いとの判断だった。

 

3人とも子どもだが、全員が白髪だ。薬物の副作用のすさまじさがうかがい知れる。戦闘データを見せてもらったが、操縦技術はとても高いとは言えない。サイコミュを運用させることを主眼に置きすぎて、基礎的な操縦技術がおろそかになっていたようだ。

とはいえ、サイコガンダム自体が強力だからな。サイコミュさえ使えれば、なんとでもなると思っていたのかもしれない。

 

そういえば、薔薇の園を象徴するMSとやらも造らねばならない。つか薔薇の園を象徴するMSってなんだよ。マリオンもローゼも専用機があるから、たぶんララァが乗るんだろうけど、彼女MSの操縦なんてできるのか?

いや、あれか。指揮官が専用MSを持つことが慣習に定められていたジオン軍的な発想か。式典用という意味合いが強いが、いざという時には、指揮官自らが前線に立つという決意の表れでもある。それがあるだけで士気が上がる。

 

赤の聖女だから機体色は赤か? シャアと被りそうだが、それはそれで喜びそうな気はする。

サザビー(サイコフレームなし)でも造るか。もしくは女性的なイメージを出すために、ノーベルガンダムのようにするか。放熱索を髪の毛に見立てることもできるかもしれない。

意外とやることが多い。どうやら地球で年を越すことになりそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローゼがイリアとレシアに訓練をつけていると聞いて、俺は車を走らせた。

ふたりは模擬戦をやっていて、ローゼは戦闘区域から少し離れた台地の上にいた。

その近くには大型車両がある。各種機材を詰め込んだ、データ収集用の車両だ。

 

「カミシロ博士、お疲れ様です!」

「ああ。いい、いい」

 

機材をいじっていたスタッフにも、気にせず続けてくれと言った。

 

「ふたりはどんな感じだ?」

「動きは悪くありません。4年もMSから離れていたとは思えない動きです」

「シミュレーターはやっていたようだからな」

「なるほど。……よう、とは?」

 

ローゼが訝し気に問いかけてきた。20歳(はたち)になったとはいえ、まだかわいらしさを残している容姿だった。

俺はサイド6に移住したあと、小遣い稼ぎにMSのシミュレーターを作ってゲームセンターに置かせてもらった。オンラインにすると面倒なことになりそうだったので、オフラインの対戦台(バトルゲーム)として稼働したのだが、これがなかなか好評だった。

 

「博士の作ったシミュレーターなら、かなり本格的だったのでしょうね」

「まあ、それなりにな」

 

イリアとレシアも、一時期ゲームセンターに入り浸っていたらしい。ふたりの使った金が、巡り巡って俺に入ってくる。それをふたりの小遣いに充てるという、よくわからない循環をしていたのだ。

 

「レシア、感覚を拡げろ! 後ろにも目を付けるんだ!」

 

いや、そんなスペースシャトルに隠れるのよみたいなノリでクソみたいなアドバイスするのやめてやれよ。レシアもニュータイプだからなんとなくわかるのかもしれないが、実践できるかどうかは別問題だぞ。

 

「射撃と回避は同時に行うのよ!」

 

それやれたらもうエースだよ。射撃を行う時は、ほとんど停止状態までスピードを緩める。そうしないと照準が安定しないからだ。だがそうした瞬間というのが、狙い撃ちされやすいのだ。

高速機動で射撃を行うのは、けん制のようなもので、到底当てられるものではない。

これは人体で例えるとわかりやすい。走りながら銃を構え、的に当てる。素人にはまず無理だ。的が動いているなら、さらに難易度は上がる。

 

「それにしても、ザクを使うのはどうなんだ? あれは全天周囲モニターではないのだろう?」

「見えすぎると、視覚に頼るクセができてしまいます。まずは実戦の勘を養わなければなりません」

「なるほど。そういうものか」

 

戦場の空気、というやつかな。よくわからんが。

 

「ふたりを新型のシミュレーターに移したいんだが、いいかな?」

「完成したんですか?」

 

ローゼにタブレットを渡す。彼女は真剣な眼差しでそれを眺めていた。

新型は、3人乗りのサイコミュ搭載型宙間戦闘用MSにした。操縦をアルマ、兵装をイリアとレシアが担当する。重力下での運用もできなくはないが、推進剤を多用するため、継戦能力がかなり落ちる。サイコミュの操作も難しくなるだろう。

 

「対艦ビームソードに、無線サイコミュが12基、有線アームクローに対艦ミサイル、90mm機銃弾に120mm徹甲弾、大口径メガ粒子砲にIフィールド・バリアも搭載……。これよく予算が下りましたね。というか、博士は一体なにと戦うつもりなんですか?」

 

娘を護るためなんだ。わかってくれ。完全に宙間戦専用に仕上げようとも思ったが、それはそれで文句が出そうなんで、能力は落ちるが重力下での運用もできるように設計したのだ。

 

「予算を削られたら、また考えるさ。まあ准将はサイコミュ開発のために俺を呼んだんだ。多少の無理は聞いてくれるだろうさ」

「多少……ですかね、これ」

 

そうつぶやくと、ローゼは脇に置いていたマグカップをゆっくりと口に運んだ。

 

 

 

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