うちの金火竜がのじゃ系美少女になっていたんだが!? 作:ワニノコ
突然だが、私はシャーレの先生だ。
そして、今日も日が昇る前に起きて仕事をしている。
一見、ブラックな職場と思われるかもしれないが、いくつかのやりがいは感じている。
その一つ目のやりがいとは、生徒のことだ。
私は『大人とは、子供たちの責任を負うもの』という信念を持っている。
例え、周りから誤解される生徒であっても、私は味方をし、支え続ける。
それが、私の一つ目のやりがいだ。
そして二つ目のやりがいは、私が飼っている・・・いや、家族で飼っていたペットのためだ。
ペットとはいっても、犬や猫ではなく、全長20m以上のドラゴンだが。
そのドラゴン・・・『リオレイア』は祖父が子供の頃から家で飼っていて、色々な訳があって、私と一緒にキヴォトスに来たわけだ。
そのレイアの餌代を稼ぐために、私は日々頑張っているのだ。
"そういえば、今日の当番はユウカだったね。"
時計を見ると、朝の9時になっていた。
ユウカのことだから、そろそろ来てもおかしくないだろう。
「おはようございます、先生」
噂をしていたら、ユウカが来た。
"おはよう、ユウカ。早速だけど、この書類をお願いできないかい?"
「はい、私に任せてください!」
そう言い、ユウカは私よりも速い手捌きで書類に取り掛かった。
流石としか言いようがない。
ユウカに感心しつつ、私は冷蔵庫の中から、レイアの餌を取り出した。
"それじゃあ、私は屋上にいるレイアに会いに行くから、少し待っててね。"
そう言い残し、私は屋上に向かい、扉を開けた。
"レイア!おはよ・・・う・・・"
私の目の前には、全身を金色の鱗や甲殻で覆ったレイアではなく、先端に棘のある金色の尻尾が生えており、黄金の髪色の少女が丸くなって眠っていた。
しかも全裸で!
"えっ・・・えぇぇぇぇぇぇぇっ!?!?!?"
私は過労が原因で幻覚を見ているのかもしれないと思い、目を擦って眠っている少女を見る。
だが、何度目を擦っても、この目には全裸で眠っている少女が見えている。
「大丈夫ですか先生!?・・・って、どういう状況ですか!?」
私の声を聞きつけ、ユウカが銃を持ってやって来たが、私と同様に目の前で全裸で眠っている少女を見て動揺している。
"私も何が何なのかさっぱりなんだ・・・"
私はユウカに何も分からないことを伝えた。
すると、目の前で眠っている少女がぴくりと動いた。
「何じゃ、朝っぱらから・・・」
少女はそう言い、目を擦りながら起き上がった。
「・・・誰が騒いでおるかと思えば、主と小娘ではないか」
少女は私とユウカを知っているみたいだ。
だが、私の知り合いにはこんな少女はいない。
「えっと・・・貴女は誰なの?」
「妾か?妾は妾じゃ。それは其方の隣にいる主が一番分かっているはずじゃぞ?」
少女はそういうと、ユウカは私を蔑むような目で見る。
「先生、まさか・・・」
"違う!違うから!私にそんな趣味はないし、この子のことは知らないから!"
私はユウカにこの少女とは無関係で、そのような趣味は決してないことを説明した。
だが次の瞬間、目の前にいる少女は一瞬で距離を詰めてきた。
そして、その橙色の瞳には悲しみという感情が映っているように思えた。
"ッ・・・!?"
「先生!」
ユウカは少女に銃を向けるが、その少女はそんなのお構いなしといった感じだ。
もしくは、ユウカを何の脅威とも思っていないみたいだ。
「主よ。本当に妾がこんな姿になっただけで分からなくなってしまったのか?」
"私と君は初対面のはずだけど・・・"
「まだ言うか。ならば、この尻尾を見てもそう言えるのか?」
少女は自分の尻尾を見せてくる。
私はその尻尾に見覚えがあった。
"・・・もしかして、レイアなの?"
私がそういうと、この少女・・・いや、レイアの表情は明るくなった。
これには、ユウカも驚いている。
「やっと分かったか。相変わらず、鈍感な奴じゃ。それとも焦らしておったのか?」
"ま、まぁ、それは置いておいて・・・とりあえず中に入ろうか。"
私はレイアをシャーレの中に入れた。
あのままレイアを全裸で外に放置しておいたら、変な誤解を生んでしまうかもしれないからね。
「これが人間の着ている衣服とやらか。案外、悪くないものじゃな」
私はレイアをシャーレに入れて、ユウカに女性が着る衣類を用意してもらった。
レイアは服を着ることを嫌がるかと思ったけど、気に入っているようで何よりだ。
とりあえず、レイアに何で人の姿になったのかを聞いてみよう。
"レイア、人の姿になった心当たりとかはある?"
「そんなものはない。妾とて起きたらこんな姿になって、柄にもなく驚いてしまったのじゃ」
レイアでも知らないのか。
一応、ユウカにも心当たりがないかを聞いてみたが「私がそんなこと知るわけないじゃないですか!」と一蹴されてしまった。
"どんな些細なことでも構わないから、私に言ってみて。"
「些細なこと、か・・・そういえば、昨日食べた肉が変な味がしたのじゃ」
昨日食べた肉が変な味・・・あっ、そういえば昨日のシャーレの当番はサヤだった。
サヤなら、動物を人の姿にする薬を作れても不思議じゃない。
明日サヤのところに行って、問い詰めてみよう。
"レイアを人の姿にしたかもしれない生徒が一人いたよ。"
「其奴は誰なのじゃ?其奴が妾を人の姿にした理由次第では、焼き払うのじゃが・・・」
「やめてくださいね、リオレイアさん」
「冗談じゃ、冗談。まぁ、主の命令次第では、な」
"あ、あはは・・・"
ユウカからの視線が非常に痛い。
それに、レイアのあの目は本気と書いてマジと読む。そんな目をしている。
"と、とりあえず、私とユウカは仕事をするから、レイアはそこのソファで大人しくしていてね"
「うむ、分かったのじゃ」
レイアはソファに寝転がった。
私はユウカと一緒に書類に手を付ける。
だが、一向に集中できない。
こうして、私と人の姿になったレイアとの奇妙な日常が始まるのだった。
プロフィール
名前:リオレイア(希少種)
愛称:レイア
一人称:妾
役職:先生のペット
年齢:推定80歳以上
誕生日:不明
身長:164cm
趣味:人間観察
CV:Lynn
人物
朝起きたら人の姿になっていたモンスター。
先生とキヴォトスへ来た理由は、先生の親が歳を取って面倒を見切れなくなったから。
容姿は髪は黄金色のロングヘアで、橙色の瞳を持ち、先端に棘のある金色の尻尾が生えている。
性格は面倒くさがり屋だが、先生の言う事は基本的に聞き、自分のできる範囲で実行する。
先生の呼び方は主で、生徒のことは小娘か名前呼び。
基本的に自分よりも主である先生の命を優先しており、先生の命を狙う輩がいたら、真っ先に排除しようとする。
戦闘力は、キヴォトスへ来たばかりの頃は力任せに戦うことが多かったが、次第に戦い方を学び、今ではキヴォトスの中でも指折りの実力者とも対等に渡り合うかそれ以上の強さになった。
先生が恋人を作るのは自由だと思っているが、ペットを増やすことは絶対に許さないと思っている。
あまり世間のことをよく知らない。
生徒からは、モンスターの姿の時は先生のペットだと思われていたが、人の姿を手に入れてからはニート疑惑をかけられている。