・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・定食屋で無茶を言うのは本当にやめましょう。
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「店主聞いてる?」
「聞いてますよファルダニアさん。」
「おかしいのよ。ふたばの扉を確かに呼び出せた。でも鍵が掛かったかのように開かなかったの。スイヨウはあってた筈なのに。」
「そうなんですか・・・・・・ちょっと私には魔法の事はわからないんですけど・・・・・・」
「まぁそうよね・・・・・・だけど素人にわかりやすく説明することによって新たな知見が得られることだってあるの。もう客は来ないだろうから聞いてくれる?」
「いや、まだ最後のお客さんが・・・」
「ドヨウの日にねこやの扉を召喚しても普通に入れるのになんでふたばだけ・・・・・・」
「なんぞ?まだ客が残っていたのか。」
「ああ、すみません。準備は出来ていますので。」
「うむ、いつものを。」
「おかしい・・・・・・召喚すると拒絶される?普通に現れる扉は開けるのはどうして・・・」
「・・・。」
「召喚に手順があるとか・・・・・?それとも・・・・・・」
「おいそこなエルフ。」
「え、はい!」
「我が食事するのに少々うるさいぞ。」
「あ、はい・・・すみません・・・店主!私帰るわね。」
「ええ。ありがとうございました。」
「待てエルフ。」
「はい?」
「恐らくだが・・・それは単なる鍵の開け忘れだ。向こうの店で青に会えたら伝えると良い。開けておけと我・・・・・・赤の言付けであるといえば聞くであろう。」
「え?は、はい・・・」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「らっしゃい!!!お、ファルダニアちゃん!!久しぶりですなぁ。」
「ええ、もうちょっと通えると思ったんだけど失敗しちゃって・・・」
「そうなんですかい?よくわかんないけど食ってってくだせぇ。」
「ええ、今日は・・・どうしようかしら。今日はやさいぎょーざにするわ。」
「あいよぉ!!!」
3営業日ぶりに来たファルダニアちゃんはなんか浮かない顔しており元気が無かった。うちの飯食って元気になってもらいたいもんだ。
「お待ちぃ!!にんにく野菜餃子定食です!!!」
「来たわね。」
「こちら酢と胡椒です。」
「ねぇ店主?」
「なんでしょ。」
「前らーゆとかっていう辛いソースを付けてぎょーざを食べてる人間を見たんだけどあれエルフでも食べられる?」
「えーと、すいやせん。うちのラー油は豚エキスが入ってるんですよ。よろしければ次からは豚エキス入ってないラー油買ってきますけど・・・」
「そうなの。じゃあお願いしても良いかしら。」
「はいよぉ!!」
ファルダニアちゃんラー油とメモ。これでよし。
「んーーーー!!!これよこれ!!!ガツンとしたの食べると幸せね!!!」
とりあえず元気になったようだ。良かった。
⏰
ファルダニアちゃんは定食を食べ終わってからなんか水をおかわりしながらなんか管を巻いていた。どうしたんだろうと思ったがそう言うこともあると思って放置していたがいつもなら7時には帰るのに今日は8時を回っても帰らない。どうしたんだ。
「・・・。」
「ファルダニアちゃん?どうしました?なんか今日は長居ですな。」
「えと、店主。」
「はい?」
「この店、青って人来る?」
「来ますよ。だいぶ遅い時間ですけど。」
「その人が来るまで待たせてもらっていいかしら。」
「いいですけど・・・そんならなんかおやつでも食います?」
「おやつ?」
「ええ、エルフさんでも食えると思いますよ。ちょっと待っててくださいね。」
そうしてファルダニアちゃんに最近お歳暮でもらったお菓子を渡す。
「・・・。」
「食べられなかった?」
「・・・・・・きーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「うお。」
ファルダニアちゃんは両手を振り回して怒り始めてしまった。どうしたんだろうわらび餅嫌いだったのかな。
「わらびもち!!!!!!!ここでも私に立ち塞がるのね!!!!!!!」
「ええ・・・・・・」
肩で息をするファルダニアちゃんはペリペリとわらび餅を剥いて食べ始める。
「なんかあった?わらび餅に。」
「わらびもちは・・・・・・私が心を折った原因なのよ。」
「はぁ。」
「聞いてくれる?」
「いいけど・・・・・・」
「私はねこやに出会うまで驕り高ぶってたのよ。それはもう人間よりエルフがすごいって。」
「はぁ。」
「ねこやに出会ってそれは打ち壊されたのよ。人間なのにエルフの何十歩も先を進んだ料理を作っててね。」
「なるほど。」
「そこまでは良かった。ヤキオニギリとかナットウ、とかトーフとか私の世界でもものすごーーーーく頑張れば作れる。ねこやにたどり着けるって思ってた。」
「へぇ。」
「でもね。ある日ねこやでお菓子をもらったのよ。それがこのわらびもち。」
「そいで?」
「わらびもちを見て私は膝から崩れ落ちたわ。原材料も、作り方もわからない物を出されたのは初めてだった。私はねこやで聞いた材料がこっちで手に入らなくても代わりになるもので再現しようと頑張ってた。そこにこれよ。原材料もわからなければ代わりになる材料もわからず、それに原材料が手に入っても全く作り方がわからない。どうやったらこの湧き水をそのまま固めたような形になるかわからなかった。完敗よ。完敗して私は丸くなった。驕り高ぶった心も。エルフのプライドも捨てた。今は西大陸で野菜栽培をして暮らしているわ・・・」
「は、はぁ・・・・・・」
「くっ・・・・・・これがまた出てくるなんて・・・・・・あ、おいし・・・・・・」
「まぁ美味しいならいいか。」
「よくないわよ!!!」
「ヒェッ。」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
そして深夜12時。あおさんはやってきた。
「いらっしゃいませ!!!」
「いらっしゃいませ青の神様!!!」
「うむ。アーロイ、ミミ、よく働いていますわね?」
「もちろんです。」
「しっかり奉公させていただいています。」
「よくやりなさい。店主!!」
「うす!!!いつものっすね!!!」
「そうですわ。それと持ち帰りも頼みますわ。」
「うす!!!」
「あの・・・青さん、ですか?」
「!!!」
「エルフ!!!青の神の御前ですよ!!!」
「控えなさいミミ、アーロイ。わたくしは矮小な生物の訴えを無闇に退けるほど狭心ではありませんわ。してエルフ、わたくしに何用ですの?」
「えと、赤って人から・・・・・・鍵の開け忘れを指摘するように言われまして・・・・・・」
「赤から?そして鍵の開け忘れ、ですの・・・・・・?鍵・・・・・・?開け忘れ・・・・・・?」
「はい、えと、このふたばの扉をスイヨウに召喚したら・・・・・・扉を開けられなくて・・・・・・」
「開けられない・・・・・・あ!!!!!!!!!!!!」
あおさんは大口を開けてしまったという仕草をする。
「エルフ、指摘感謝しますわ。用心の為に閉じておいた鍵を開けていなかったのを思い出しましたわ。」
「い、いえ!!」
「何かお礼をしなければなりませんね・・・・・・そうですわ、これを。」
「これは・・・・・・?」
「それはわたくしの剥がれた爪ですわ。それを瓶の底に貼ると永遠に澄んだ水が湧く瓶になりますの。有効活用なさってくださる?」
「あ、ああ!!ありがとうございます!!!」
なんか解決したみたいだ。
「ネギ塩豚カルビ定食肉大盛りご飯大盛りお待ちぃ!!!!」
「来ましたわね・・・・・・」
「弁当も用意してますので。おかわりはいつでも言ってください。」
「ではいただきますわ。」
「こ、これ、伝説級のアイテムよね・・・・・・大丈夫なのかしら・・・・・・青の神の信徒にならないとダメかしら・・・・・・」
ファルダニアちゃんは解決したようだけど新たな問題も出てきた様だった。元気なくなったら困るし。夜食の山菜そばの用意するか。