・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・関西人曰くお好み焼きはおかずです。
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ある日。定食屋ふたばの昼営業が過ぎ、手隙の時間になってきた頃。店主達は束の間の休息を嗜んでいた。客が来ない訳ではないが休める時間なのでしっかり休む。でないと夜の営業まで保たないのだ。
「ん・・・・・・らっしゃしゃせぃ!!!」
「いらっしゃいませー!!!」
「いらっしゃいませ!!」
昼飯を食うには遅過ぎ、晩飯を食うには早過ぎる、その珍しい時間に耳長の客は来た。
「店主、久しぶりね。」
「わ〜」
「おーファルダニアちゃん。1ヶ月ぶりくらいかな。そちらは?」
「この子はアリス・・・・・・まぁ妹みたいなものよ。」
「そうなんすか。お好きな席へどうぞぁ!!!」
「じゃあザシキにするわね。」
ファルダニアを座敷に案内し、エルフだから決まったメニューだと思うが、メニューを渡す。他にもエルフの食べれるメニューはあるのでそちらが食べたくなったと言うかもしれないのだ。
「ねぇ店主。」
「なんでしょ。」
「このソース知ってる?」
そう言ってファルダニアが取り出したのはオレンジのラベルが巻かれ犬のマークの付いた黒いソース。とんかつソースだった。
「とんかつソース?でもなんだこりゃどこのブランドだ?」
「ねこやでもらったの。このソース、エルフでも食べれるって聞いて1瓶もらってきたの。店主のとこでも使ってるかしら。」
「ええまぁ。同じものではないですけど、同じとんかつソースがありますよ。」
「そうなの!じゃあこれでオコノミヤキっていうのを作れるかしら。ねこやでエルフが食べれるオコノミヤキを食べたんだけどねこやの店主に聞いたらオコノミヤキは作る人によって味が全然変わるのよね?だからふたばのオコノミヤキも食べたくなっちゃって。」
「なるほどぉ。いいですよ!!ただちょっと時間ください。手順確認しながらなまぐさを取り除くので。あと念のためとんかつソースも確認してもらってもいいすか?物によっては貝のエキスが入ってる場合があるんすよ。」
「わかったわ。じゃあ2人前お願い。」
「はいよぉ!!!!!」
早速取り掛かるなまぐさを取り除くお好み焼きか。出来んことは無いが少々味は落ちるかな。大丈夫かな。
「アリス?ここはねこやと同じだからちゃんと大人しくしてるのよ。」
「うん!!」
「ファルダニアちゃん、これうちで使ってるとんかつソースです。大丈夫そう?」
「失礼するわね・・・・・・くんくん。うん。大丈夫ね。獣の匂いも気配もしない。」
「良かった。じゃあこれで作るんで。」
「お願いね。」
「おこのみやき!!おこのみやき!!」
「ははは、元気っすねぇ。」
「ごめんなさいこの子エルフで30歳くらいで、まだ人間でいうと5歳くらいなのよ。騒がしくしたら謝るわ。」
「気にしないでくだせぇ!!!定食屋なんて騒がしくしてなんぼみたいなもんなので!!!」
「ありがとう店主。」
どれ、とんかつソースが大丈夫だったなら作っていこう。生地が卵が使えないな。そして具材はキャベツと麺とお揚げにするか。長芋も入れても美味いな。焼き上げたらソースを塗って青のりかけて。完成!!!
「エルフお好み焼きお待ちぃ!!!」
「来たわね。」
「わーい!!!」
「すんません。やっぱお好み焼きはなまぐさあっての料理みたいなもので、少々味は落ちると思います。」
「大丈夫よ。こーんなに良い匂いがするんだもの!」
「良かったら切り分けましょうか?」
「お願いするわ。」
さっくりと格子状に切り分ける。アリスちゃんが待ちきれない様子なので取り分けてやる。
「それでは!!おあがりよ!!!」
さっそくアリスちゃんは大口でお好み焼きを頬張った。だが熱々のお好み焼きを頬張るのは危険行為だ。アリスちゃんはあつい!とほふほふ口を開けて息を吐いていた。
「もうアリス。そんな急がないの。」
「ふぁ、ファル!たしゅけて〜!」
「はいはい。水飲みなさい。」
ごくごくと水を飲み、口の中の熱さを冷やすアリスちゃん。だが間髪いれず次のおこのみを頬張りまた熱さに苦しんでいた。
「あちゅ、あつい!あつ!」
「何やってるのよアリス・・・・・・」
「はふ!ほふ!でも美味しい〜〜〜!!!」
「じゃあ私も・・・・・・ふー、ふー、・・・・・・うん!美味しい!!」
とりあえず2人は美味しく食べれてるようで良かった。俺はカウンターに戻り、別な注文を処理するのであった。
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「ありがとう店主美味しかったわ。」
「おいしかった〜〜!」
「お粗末ぁ!!!」
「ねぇ店主?ちょっとまたお願いがあるんだけど・・・」
「なんでしょ。」
ファルダニアちゃんのお願いくらいなら何でも聞くが。あんまり無茶は言ってこないし。
「あのね。ふたばのとんかつソースも一本分けて欲しいのよ。」
「いいっすよ。ちょっと待って・・・・・・はい。」
「ありがとういくら?」
「別にこれくらい金取らないよ。」
「ほんと?本当にいいの?ねこやはお金取ったわよ?」
「いいんですよぉ。その代わりファルダニアちゃんももっとうち通ってくだせぇ。」
「ふふ。わかった。もっと通うわね。」
「お願いしやす。」
「じゃあ私たち行くわね。ごちそうさま。」
「ありがとしゃしゃしたーーーーー!!!!」
「ありがとございまーーーー!!!」
「ありがとうございまーーーー!!!」
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「というわけなんですよヴィクトリアさん。」
「なるほど、ね。」
「しばらくうちのメニューサービスするんで。エルフさん向けのメニューの翻訳手伝ってくれませんかね。」
「いいわよ。」
「ありがとうございますぁ。」
「その、ね。ご飯のサービスはしなくていい。」
「え?でも・・・・・・」
「その代わり、アイスキャンデーの個数を、私だけ5個にしてほしい。」
「なるほど。それでいいなら良いっすよ。」
「やった。」
うちもエルフさんのお客さんがかなり増えてきたのでエルフさん専用のメニューを作ろうと思ったわけ。厨房も分けてなまぐさが完全に入らないようにまな板分けたり流しを分けたりする必要があるのでちゃんと分けちゃえば管理も楽だし。エルフさんに満足してもらえるしWin−Winだ。
「エルフ向けのメニューなら太らないかな・・・・・・」
「え?なんですか?」
「なんでもない。」
「???」
エルフさん向けの食材入れる冷蔵庫も買った方がいいな。異世界営業は他の日の三倍の売り上げがあるからこれも可能だ。厨房にはまだスペースあるし。流石に水道増やす流し増設は工事いるからすぐには無理だとして、業務用冷蔵庫入れちゃお!!!ふひひ。
「じゃあヴィクトリアさん、次の水曜日からお願いします。」
「わかった・・・っその、アイスキャンデー5個、今日からでも良い・・・・・・?」
「良いすよ!」
「やった。」
ヴィクトリアさんは入口横の冷蔵庫からアイスを取り出してパクパクしてる。アイスも異世界営業の日結構出るんだよな。これも種類増やした方が良いかな。まぁでも一気にやるのはやめておくか。とりあえずは冷蔵庫から。頑張るぞ。