・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・この異世界はここだけではありません。
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異世界。それは何もねこやと繋がる世界だけではない。ふたばの扉は青の神と外なる神の2柱による力によって更に遠くへ飛んだ。
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「村長!こちらです!」
「どれどれ。」
ここ大樹の村の村長、ヒラクは突然村の中に謎の扉が現れた、との報告を受け、大樹の村のシンボルである大樹の洞に馳せ参じた。
「で、これがその扉?」
「はい。」
「魔法だと思うから魔法に詳しい天使族の見解的にはなんだと思う?」
「わかりません。ですが複数の強い神の力を感じます。それと我々が知る形式とは異なる転移魔法の気配が。」
「ドラゴン族を代表してハクレンはなんだと思う。」
「わかんない。私やお父様よりも遥かに格上以上に強いドラゴンの気配を感じるけど、危険な物では無さそうよ。」
「じゃあ最後にルー、どういうものに見える。」
「そうね・・・・・・」
ルーが引き戸に近づき触れる。そして魔法の光で解析をすると光は霧散した。
「このように、解析が出来ない。つまり何らかの阻害の魔法が施されているということ。わかる範囲の物は私達が知る神とは別な神の力が掛かってて、それは想像出来ないほど強力で、なんとかしようとすると世界が滅亡しかねない代物ということがわかってるわ。」
「あー・・・・・・そうか。」
「最初に見つけたのがフローラで良かったわ。もしこれが血の気の多い誰かが見つけて魔法で排除しようとして成功してしまったら。ここから魔王国の王都まで消滅して世界の天候が狂い、天変地異が世界を襲うところだったわ。」
「あーそんなに。」
「それと・・・・・・」
「それと?」
「ここまであっても危険な物では無いと判断出来るわ。」
「それはどうして?」
「おそらくこれは異世界の神の手によるもの。侵略が目的なら・・・・・・もうこの村は滅んでる。だからこれは招く物だと思うわ。」
「招く物。」
「ええ。」
「わかった。俺もそう思う。」
だってこの引き戸、上の看板に定食屋ふたばって書いてあるんだもの。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
大樹の村緊急村議会が開かれ、あの扉をどうするかの検討会が始まった。
「破壊しましょう!村のシンボルのあの場所に現れた不届きな扉など・・・」
「だからそれは出来ないし、出来たとしても世界が滅亡するって言ったじゃない。」
「そもそもあれはなんなんだ。」
「転移魔法の出口か?」
「・・・。」
蹇々諤々の会議が成された。そして話を出し切って俺の意見に委ねられることになった。
「村長!どうします!!」
「村長!!」
「村長!!」
「あー・・・まぁ・・・・・・なんていうか、俺はあの扉を知ってる。」
「!?」
「!!??」
「!?!?!?!?」
あーまぁこうなるよな。そしてルーが手をあげて発言した。
「あなた、知ってるってどういうこと?あれは異世界から現れたのよ。」
「いやーまぁ・・・なんというか。あれは、定食屋の扉なんだ。看板に書いてあった。」
「どういうこと?あの文字が読めたの?」
「ああ。多分、あの扉は異世界に出店してきた扉なんだと思う。」
「・・・。」
「だから出現してきただけで、向こうからは何もしてこないんだ。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「だからさ、俺行ってみたいんだよね。」
そう言ったら村民たちから大反対がされた、異世界に取り残されたら帰って来られなくなるなどの意見が出たその心配はごもっとも。だが来店した客を返さない店は無いと言って落ち着かせた。
「俺は絶対行ってみたい異世界の料理。食べてみたい。」
「わかったわ。あなたがそう言うなら行っても良い。だけど先に誰かが様子を見てから。これは譲れないわ。」
「・・・・・・わかった。」
そして怒涛のくじ引き大会が行われた。
⏰
「じゃあ行ってくるわね。」
「行ってきまーす!!」
選ばれたのはハクレンとフローラ。不正は無い。2人は引き戸を開けて入っていった。
「・・・・・・魔力に微量の変化あり、入ってきたのを感知して、おそらくカウントした。」
「ルーそうなのか?」
「とりあえず様子を見ましょう。」
そして体感1時間半経ったら、2人が出てきた。ハクレンとフローラは腹をパンパンにしており満足そうにゲップをした。
「どうだったハクレン、フローラ。」
「そうね、中は村長が言う様に定食屋だったわ。」
「何種類か料理をいただきましたけどどれも絶品でした。」
「そうか。ルー、俺の言った通りだったろ?」
「そのようね・・・・・・ハクレン、中の様子は?」
「それが・・・・・・安全は安全だと思うわ。それこそ私達が村長を警護しなくてもいいくらい。問題はその力が他所の神の物だと思うことね。フローラは?」
「物凄く何重にも保護の魔法と加護が掛けてありました。よっぽどあの店を壊したくない尋常じゃなく強い存在がいるようです。私達も中で暴れなければ客としていさせてもらえると思います。」
「わかった。ありがとう。」
「あと店内の簡単なルールを教えます。」
「おお。」
「中で喧嘩は御法度。暴れたら出禁。初めての人はタダ。これは初めてくる人が金を持ってるとは限らないから設けたルールとの事でした。」
「普通のルールだ。初めてタダはすごいな。」
「こんな感じです。村長、どうぞ。」
「じゃあルー、行くか。」
「そうね・・・・・・」
俺たちも引き戸を開き、中に入って行った。うおエアコンの暖かさ懐かしいな。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「らっしゃしゃせぃ!!!」
「いらっしゃいませー!!!」
「いらっしゃいませ!!!」
「・・・・・・いらっしゃいませ。」
店員の挨拶を受けて日本の定食屋を満喫・・・・・・いや満喫するのはまだだ。
「お客さん初めてですね?うちは・・・・・・」
「あー、大丈夫、さっき入った仲間から聞いたんだ。」
「そうなんですか!!!と言うことはお客さんサマナーク語読めませんね?」
「あー・・・・・・読めない。」
「そいじゃあ食べたい物言ってくだせぇ!!!近いもの作りますんで!!!」
とりあえず俺には初心者パックがあるので読めない事はないだろうけど。ルーに読めると気づかれると何か言われるので黙っておこう。
「じゃあ大将!!醤油ラーメンちょうだい!ルーも一緒でいいよな?」
「ええ。」
「はいよぉ!!醤油ラーメンふたつぅ!!!・・・・・・ん?」
「ルー、本場のラーメンが食べられるぞ。」
「ここのが、本場のラーメンなの?」
こっちに来てから、また日本のラーメンが食べられるとは思ってなかった。楽しみだ。久しぶりのラーメン。ずっと食べてなかったラーメン。
「はいよぉ!!!醤油ラーメンお待ちぃ!!!」
「うおおお!!!ラーメンだ!!!」
「あ、あなた落ち着いて。」
この芳しい醤油の香り、縮れ麺、ネギ、メンマ、チャーシュー。俺が望んでやまなかったラーメン。ずっと、ずっと食べたかったラーメン。異世界食堂。ありがとう。