・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・ライスのみのおかわりは辞めましょう。
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西大陸の海の国。その細々とした島のひとつに住むロウケイは共にねこやに通うアルテととある島のひとつに上陸した。
「ん・・・・・・よし。ロウケイ、本当にここ?」
「うん。本当だよ。確かにねこやと似たような扉を見つけて入ったんだ。」
「ふーん・・・・・・ひとりで行ったんだ。」
「い、いや、最初は、安全か、どうか・・・・・・ごめん。」
「いいよ。ちゃんと。連れてきてくれたから。」
「あ、ああ・・・・・・」
島に上陸してしばらく歩き、上陸した浜とは反対側の池のほとりにそれはあった。
「ほら、あそこ。水を補給をしようと思って見つけたんだ。」
「ほんとだ・・・・・・」
「行こう!」
ロウケイとアルテは引き戸を開けて、歩みを進めるのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
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・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「らっしゃっしゃせい!!!!」
「いらっしゃ・・・・・・!?!?」
「い・・・・・・!?!?!?」
「・・・・・・いらっしゃいませ。」
客だ!!!!あの子足がドラゴンなんだけど。アーロイちゃん達と一緒の。
「アルテ!?!?」
「アルテじゃない!!!!」
「アーロイ、ミミ・・・・・・!!」
アーロイちゃん達が客と抱き合っている。友達なのかな。
「アーロイ・・・!!ミミ・・・・・・!!!神託があって・・・・・・姿を消したから・・・・・・てっきり・・・・・・贄になったのかと・・・・・・!!!」
「違う違う!!!青の神の天命で・・・・・・この店で働いてただけだよ・・・・・・!!住むところ変わってごめんね・・・・・・!!」
「アルテ久しぶり・・・・・・!!」
「うん・・・・・・うん!!!」
なるほど、なんか別れちゃってもう会えないと思ってたところの再会だったのね。でも。
「アーロイちゃん!!ミミちゃん!!まだ営業時間中だよ!!!」
「あ・・・・・・すみません!!」
「はーい!!!じゃあアルテ、座って座って!うちは初めてはタダだから!!」
「うん。」
ロウケイ君とアルテちゃんを座らせメニューを渡す。ニコニコでかわいいね。
「見てアルテ、こんなにハンバーグのメニューがあるんだよ。」
「すごい・・・・・・これも・・・・・・これも・・・・・・ねこやにはない・・・・・・」
うちのハンバーグ定食はかなり凝ってると自負してるので自慢したくなる。どれも全部作れるぞ。
「こんなに、いっぱいあると、悩むね・・・・・・」
「でしょ?前に行った時はこのベーコンチーズハンバーグ定食っていうのを食べたんだけど・・・・・・もうすごく美味しかった。」
「そうなんだ。」
ハンバーグ定食を食おうと思ったら悩むだろう。悩め悩め若人よ。
「注文お決まりの時にまた来やす。」
「あ、はい。」
「むむ・・・・・・」
⏰
「アルテ決まった?」
「うん、アーロイ、決めた。」
「お願いします。」
「はーい!!」
「ディアボラ風ハンバーグ定食、ふたつ。」
「ディアボラ風ハンバーグ定食ふたつーーーー!!!!」
決まったようだな。では早速作ろう。
「楽しみ・・・・・・ロウケイ・・・・・・」
「そうだね。ねこやでも聞いたことないハンバーグだね。」
ディアボラ風はソース冷凍だったんだよな。解凍しなきゃならんな。レンジでチン。
「お待ちぃぁ!!!!ディアボラ風ハンバーグでさぁ!!!」
「おお・・・・・・」
「すごい・・・・・・!!」
鉄板の上にじゃがいもとにんじん。そしてコーンの付け合わせ。そして大振りのハンバーグとそれに掛かったディアボラソース。ロウケイはあまりに豪華なハンバーグに思わず息を飲んだ。
「おあがりよ!!!」
2人がフォークとナイフで切り分けて口に運ぶのを見る・・・・・・フッ、その顔。その顔が見たかった。
「美味しい・・・・・・!!」
「うーん!!!これもすごく美味しい!!!」
じゅうじゅう焼けるハンバーグは肉汁をどばりどばりと溢れ出していてそれと共にライスを頬張ると最高なのだ。だが、アルテはもう食べ切っており、もう一皿おかわりを注文した。
「はいよぉ!!!」
「アルテおかわり?」
「うん。」
ねこやでも何回かおかわりをするアルテはここふたばでもおかわりをキメていた。こちらもお気に入りにするらしい。
「お待ちぃ!!!」
「あ、あの!僕もおかわり!!」
「はいよぉ!!!」
店主は解凍したソース全部掃けそうだなと思案する。そして確かにソースが全部出るほど食べた2人は水を飲みながら腹をさすっている。ロウケイは勘定を払い、アルテと共に店を出た。アルテは友と名残惜しくしていたがまた7日に一度会えるから、と別れた。
「美味しかったね。」
「うん。」
「また来よう。」
「・・・・・・うん。」
「・・・・・・どうかした?」
「気のせい、かもしれなくて・・・・・・」
「そうなの・・・・・・?」
「でも、気のせいじゃ・・・・・・ないかも。」
「うん?」
アルテは腹を摩りながら視線を落とした。
「とりあえず話してみてよ。」
「・・・・・・うん。あのね、ロウケイ。」
「なに?」
「あの店、客に魔法を掛けてる・・・・・・と思う。」
「・・・・・・え?」
「でも・・・・・・出所がわからなくて、術者も、いないし、隠れられるとこも厨房くらいで、でも、発動は感じられなくて・・・・・・」
「つ、つまり、どういうこと?」
「あの店に入ると、空腹になって、たくさん食べてしまうのは、魔法のせいかもしれない・・・・・・たぶん、おそらく、めいびー・・・・・・」
「めいびー?」
「・・・・・・やっぱりわからない。気のせいかも・・・・・・」
「そうなんだ・・・・・・」
アルテの疑問。それは魔法ではなく雰囲気と匂い、そして他の客の食べてる姿を見て刺激されるもの、なのかもしれない。たぶん。おそらく。めいびー。